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会期 2006年9月25日 〜 10月5日


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多くの傍聴ありがとうございました

↓ トピックスは下のほうにあります(10/11 画像追加しました) ↓

広島市議会のホームページで、これまでの本会議の録画中継が配信されています。


■■ 提出案件 ■■
   ◎ 9月補正予算の概要 (PDF 69KB)
   ◎ 9月補正予算の内訳 (PDF 332KB)
   ◎ 提出案件(条例案など) (PDF 288KB)


■ 議会日程 ■
9月25日(月) 本会議 市長説明等
9月28日(木) 本会議 一般質問
9月29日(金) 本会議 一般質問(藤井とし子議員
10月2日(月) 本会議 一般質問、議案質疑(村上あつ子議員
10月3日(火) 常任委員会
  経済環境委員会(藤井とし子議員
  建設委員会(皆川けいし議員
  消防・下水道委員会
10月4日(水) 常任委員会
  文教委員会(中原ひろみ議員
  厚生委員会(中森辰一議員
  総務委員会(村上あつ子議員
10月5日(木) 本会議
  討論(皆川けいし議員
  議員定数削減案の質疑・討論(中森辰一議員)、議決


トピックス

2006.10.05 「市政のあり方」「議会のあり方」が問われた9月定例会
2006.10.04 原爆ドーム、国民保護計画、看護職員体制について市の基本的姿勢を問う
2006.10.04 2学期制 「学校の自主的判断だが止める前提はない」と市教委が強行姿勢
2006.10.04 国の制度改悪から市民を守るために国保・介護で独自施策を
2006.10.03 高速5号二葉山トンネル、新球場、台風被害 公共事業のあり方を問う
2006.10.03 高速5号線建設で国内最大規模のシリブカガシ群落が絶滅の危機に!
2006.10.02 消費生活条例、災害復旧工事の遅れについて村上議員が本会議で質疑
2006.09.29 国の悪政から市民生活まもる防波堤となるかどうかか鋭く問われる
2006.09.28 療養病床の重度心身障害者への療養援護金増額 共産党は意見付して賛成
2006.09.27 切実な要望続々! 新たに提出された主な請願
2006.09.21 「子どもが大事にされてない!」 恒例の事前説明会で活発な意見交流
2006.09.21 “安佐地区に小児夜間診療体制を” 約7千人分の署名添えて請願提出



2006.10.05 最終日・本会議
「市政のあり方」「議会のあり方」が問われた9月定例会

  広島市議会・9月定例会は5日、本会議で議案を全て原案どおり可決し閉会しました。

市政アンケートに寄せられた「生の声」を届けて奮闘
  この10月から、高齢者の医療の自己負担増が一層深刻となり、要介護1以下の軽度の人からの福祉用具「貸しはがし」も問題となるなか、この定例会では広島市が国の悪政から市民を守る防波堤となるのかどうかが、これまで以上に鋭く問われました。
  日本共産党市議団は、本会議、委員会の審議を通じて、市政アンケートに寄せられた市民の「生の声」をとりあげ、社会保障を充実してほしいという切実な声に応えるよう市に迫りました。このなかで、秋葉市長が「今後も必要に応じて国に要望し、市独自の措置をとる」と答弁したことは、これからの市民要求実現の足がかりとなるものです。

議員定数削減案 根拠示さないまま数の力で強行
  この定例会の最大の政治的対決は、自民・公明などが議員提案した議員定数削減(60人から5人削減)の問題でした。
  党市議団を代表して中森辰一議員が最終日・本会議の質疑にたち、海外視察の中止や費用弁償の廃止、議員報酬の削減に踏み切れば、定数を5人削減する以上の経費削減効果があると具体的に示したうえで、議会のあり方や役割をどう考えるのかとただしました。
  これに対して提案者は削減の根拠をまともに示すことができませんでしたが、最終的には数の力で削減案は強行されました。(日本共産党と社民党が反対)

(中森辰一議員の質疑・討論は、9月議会報告からご覧いただけます)

おもな議案に対する日本共産党の態度
  この定例会には、医療制度改悪による10月からの重度心身障害者の自己負担増を軽減する市独自の支援策や、台風13号の災害復旧予算、消費生活条例の制定など、26の議案が提案されました。
  党市議団を代表して皆川けいし議員が討論をおこない、国保に対する国の責任を自治体に転嫁する「国保の財政安定化事業に伴う国保会計補正予算」に反対し、その他の議案には賛成しました。

(皆川けいし議員の議案討論は、9月議会報告からご覧いただけます)

  なお、今回新たに「安佐地区に小児夜間診療体制を求める請願」「看護職員の大幅増員を求める請願」などが出され、日本共産党は市民の願いに応えて採択すべきと主張しましたが、全18件の請願は全て継続審査となりました。

  詳しくは後日、市議団ニュースや市議会報告でお伝えしていきます。

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2006.10.04 総務委員会 村上あつ子議員
原爆ドーム、国民保護計画、看護職員体制について市の基本的姿勢を問う

原爆ドーム景観問題 市の対応遅れれば次々に高層ビル建つことに
  世界遺産・原爆ドーム(高さ25メートル)からわずか約100メートル、ドーム周辺の景観保全のために設けられているバッファゾーン内で高層マンション(高さ44メートル)が建設されている問題をめぐり、広島市は6月定例会で、バッファゾーン内の景観保全を定める「美観形成要綱」に高さ制限を盛り込む考えを示しました。しかし、いまだに要綱は改正されておらず、市はいつ頃になるのか目途も示していません。
  そんななか、問題の高層マンションよりもさらにドーム近くで新たなマンション建設(8階建て、高さ24メートル)が浮上。これについて市は、今年5月下旬に業者から相談を受け、8月7日に要綱にもとづく協議を終了したといいます。
  村上議員は総務委員会で、「原爆ドームをどうやって守っていくかという基本的な視点がないから対応が遅れるのではないか」と述べ、「検討を重ねている」との答弁を繰り返す市の姿勢を批判しました。
  また、新たに浮上したマンション建設計画にふれ、「これも現場の看板をみてわかった。なぜ教えないのか。他に建設計画はないのか」と追及しましたが、市は「業者の計画は秘密なので情報提供はできない」と答弁を避けました。
  村上議員は「対応が遅れるだけバッファゾーン内にどんどん高層ビルが建っていく。市民団体からの要請もその都度業者に伝えているというが、右から左に流すだけでは市としてのアイデンティティーがない。11月末には広島で、日本イコモス、ユネスコなどの主催でシンポジウムが開かれるが、そこでは否応無く広島市の対応が注目される」と指摘し、要綱改正を急ぐよう求めました。

核攻撃の被害想定 「国がやらないから広島がやる」という姿勢でいいのか
  広島市は9月22日、「国民保護計画」の策定をおこなう国民保護協議会(会長・秋葉忠利市長)の初会合を開き、市独自に核攻撃の被害想定を検討する専門部会を設けて計画に反映させることで合意しました。
  秋葉市長はこれまでも、国に核攻撃による被害想定を示すよう求めたが回答がないとして、市独自に「被爆体験や科学的知見にもとづき、核兵器攻撃がもたらす被害想定をおこない、被害の甚大さを明らかにし、その結果を踏まえた計画づくりを進めていく必要がある」(6月定例会・村上あつ子議員の一般質問に対する答弁)との考えを示してきました。
  これに対し、日本共産党の藤井とし子議員は9月定例会の一般質問で、「こういう考え方では核戦争を想定した国づくりを認めることにつながる。核攻撃に備えた国民保護計画は『広島はつくれない』と国にきっぱり言うべきだ」と強調しました。
  村上議員は引き続き総務委員会でこの問題をとりあげ、「国が核攻撃による被害想定をしないから被爆地広島がやるというが、核廃絶を緊急課題と訴える広島市が核攻撃を想定することは、とてつもなく大きな矛盾だ」と指摘。
  また、国の基本指針では「誤解を招く」と市が述べたことに対し、「いま被爆者対策において問題が指摘されている内部被ばくも含め、国が放射能被害を矮小化している点を指摘するということか」と追及しました。
  これに対し市は、「実際の核被害の内容は専門部会で検討するので現時点ではわからない」との姿勢に終始しました。

安佐市民病院の看護職員不足 「現場の忙しさをみてほしい」と村上議員が要望
  安佐市民病院は、広島市北部にある拠点病院であるにもかかわらず看護職員の不足が深刻で、超過勤務による健康障害、退職が後を絶ちません。そんななか、9月定例会には安佐市民病院に勤める看護職員から「看護職員の大幅増員を求める請願」が提出されました。
  村上議員は総務委員会で、「06年度診療報酬改定で看護師配置は10対1から7対1(入院患者7名につき看護師1名)となったが、安佐市民病院がこの基準を満たすには40人増員しないといけない。一方、市は行政改革計画で職員定数を平成22年度(2010年度)までに約950人(2003年度比、約7%)削減する目標を掲げている。看護職員の増員は最終的には市職員人事に関わる問題だ」と指摘し、人事課長の考えをただしました。
  人事課長は「7対1の看護体制については、まだ病院から増員要請がない」と答えました。  村上議員は「安佐市民病院は夜間は20対1と大変な状況になる。そのしわ寄せは市民、患者さんにいくことになる。ぜひ現場に行って忙しさを見てほしい」と要望しました。

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2006.10.04 文教委員会 中原ひろみ議員
2学期制 「学校の自主的判断だが止める前提はない」と市教委が強行姿勢

保護者になんの説明もなく「おたより」で来年度実施を通知する学校も
  市教育委員会が来年度から導入しようとしている2学期制について、保護者や学校関係者から「十分な説明もなく実施するのはおかしい」との声が強く上がっています。モデル校の生徒からは、「夏休みは補習ばかり。休みが一週間しかなくしんどかった」という声が聞かれます。
  市はこれまで、今年度のモデル校13校については来年度からの本格実施を前提にしていると説明し、その他の学校については「準備が整った学校から実施する」としていました。
  しかし、モデル校での実施内容を検証する間もなく、具体的な判断材料も与えられないまま、この9月には指導課長が各校長に来年度から実施するのかどうか報告書の提出を求める事態となっています。
  そういうなかで、学校通信などの「おたより」で来年度実施をいきなり通知する学校が出てきており、保護者のなかに怒りが広がっています。

他の自治体ではアンケート結果うけ計画白紙に 強引な押し付けはやめるべき
  埼玉県秩父市は、モデル実施校の生徒と保護者にアンケートを実施し、「反対」が多かったことをうけて2学期制導入を白紙に戻しました。
  文教委員会で中原議員は、「秩父市のように意見を聞く態度が大切。校長のなかには報告書の中に『検討中』という選択肢がほしかったという意見もある。各校が子どもを中心としたより良い教育課程のために議論できる時間を保障すべきであり、一方的な押し付けはすべきでない」と市教委の強引な進め方を批判しました。
  指導課長は「2学期制は一つの選択肢であり、学校の自主性に任せる」と述べつつも、「やめることを前提とした施策はない」と強行な姿勢を崩しませんでした。

2学期制では「ゆとり」求める現場の願いに応えられない
  「なぜ今、2学期制なのか」との追及に、教育長が「今の学校は固定的で、子どもと教師が向き合う時間がない」と学校現場にゆとりがないことを認めたため、中原議員は「ゆとりを求める教育現場の願いは、学期の区分を変えることだけでは解決しない」と指摘。「少人数学級や先生の増員、教育環境の整備こそ、ゆとりを求める生徒や保護者、学校現場の願いに応える処方箋だ」と強調し、きちんと実態を把握すべきだと指摘しました。

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2006.10.04 厚生委員会 中森辰一議員
国の制度改悪から市民を守るために国保・介護で独自施策を

生活実態みて国保料の軽減措置を
  厚生委員会で中森議員は、市民税増税に連動して国民健康保険料や介護保険料などが増えていく問題で、市として独自措置をとるべきだと迫りました。
  特に、これまで働き続け社会を支えてきた高齢者に対し、「何の前ぶれもなく突然、応分の負担と称して国保料を大幅に上げるのは失礼だ」と指摘し、国の税制改悪から市民を守る軽減措置をとるべきだと強く求めました。
  しかし、市は「法律の枠のなかで事業の運営のために国保料はどうしても必要。できるだけ理解してもらえる配分を考えていく」と述べ、負担増に苦しむ高齢者の生活実態をみない冷たい姿勢に終始しました。
  中森議員は、市が昨年、国保料申請減免制度の減免対象を「所得が基準以下であっても前年より所得が3割以上減少した世帯」に限定した問題について、前年所得との比較の条件をなくし、生活保護基準の1.3倍以下の世帯を減免対象としていた元の運用に戻すようあらためて要望しました。
  また、「国保料は低所得者への負担が大きいことを配慮し、きめ細かい決め方をしてほしい。来年も国保料が上がれば市民の怒りの声がますます大きくなるだろう」と指摘しました。

福祉用具のとりあげ 「自立を支援する姿勢が行政にあるかどうかが問題」
  この10月から、介護保険による介護ベッドや車椅子の貸し出しが、要介護1と要支援1、2の人は原則として利用できなくなります。この事態に対し、他の自治体では自費での購入やレンタルに助成するところも生まれています。
  中森議員は「高齢者のなかには、ひざに障害があってもベッドがあれば立ち上がれる人も多くいる。国の一律の基準をあてはめ、自立のためにベッドが必要な人たちから取り上げるようなことを行政がしてはならない」と指摘。
  「自立を支援する姿勢が行政にあるかどうかの問題」だとして、必要としている人からとりあげなくても済むよう独自措置をとるべきだと迫りましたが、市は制度変更の説明を繰り返すだけで独自施策については触れませんでした。

すべての請願が継続審査に
  今回、新たに3つの請願が厚生委員会の審査にかけられました。中森議員は、市民の切実な願いに応えるために採択するよう主張しましたが、いずれも継続審査となりました。

【継続審査となった請願 厚生委員会所管分】
安佐地区に小児科夜間診療体制を求めることについて(06年9月)
看護職員の大幅増員を求めることについて(06年9月)
乳幼児医療費助成制度の拡充について(06年9月)
すべての子どもたちにゆきとどいた教育をすすめることについて(05年12月)
障害福祉サービスを利用する利用者の負担増に反対することについて(05年9月)
介護保険制度について(04年9月)
生活保護基準の引き下げや国庫負担の削減の中止を求めることについて(04年2月)
安心して子どもを産み育てられるような広島市の保育行政の充実を求めることについて(03年12月)
国民健康保険に関することについて(03年12月)
小児医療の充実を求めることについて(03年6月)

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2006.10.03 建設委員会 皆川けいし議員
高速5号線二葉山トンネル、新球場建設、台風被害 公共事業のあり方を問う

まず馬木トンネルの地盤沈下メカニズムの解明を ―高速5号線二葉山トンネル―
  皆川議員は、高速5号線建設にかかわり、まず高速1号線の馬木トンネル工事で当初予測の10倍を超える地盤沈下と田んぼの水枯れが起きたことにふれ、「なぜこのような問題が起きたのか、そのメカニズムを解明したうえで、二葉山にトンネルを通すことについて検証しなおすべきだ」と強調しました。
  皆川議員は、大阪で工場の地下水くみ上げで地盤沈下が起きた例などをあげ、地質の専門家も「トンネルを掘削したら地圧が低くなり、地下水位が低下して地盤沈下が起こる」と警鐘を鳴らしていることを紹介。
  また、環境影響評価書に地質に関する調査がない点も追及し、「二葉山の花崗岩には細かい亀裂が血管のように走っており、予測以上の地盤沈下を起こすおそれがある。地質、水文について再検証すべきだ」と強調しました。
  道路交通局長は、「(議員の指摘は)公社にも伝えて協議してみたい。二葉山自然環境保全対策委員会報告書を確認し、土質を調査して工法を検証したい」と述べるにとどまり、ルート変更や計画の全面的見直しについては言及しませんでした。
  また、地元住民の反対をおしてまで現ルートにする必要性について、市はまともに答弁することができませんでした。

新球場建設の市負担28億円 県・経済界との負担割合 未だ確約とれず
  市はこれまで、新球場建設費90億円(見込)のうち、将来の使用料でまかなう借入金26億円(見込)を除く64億円の半分、32億円を市が負担し、残りを県と経済界に負担を要請するとしてきました。
  建設委員会で皆川議員は、改めて市の負担額を質問。市は建設費90億円(見込)から、使用料でまかなう26億円(見込)、たる募金などの寄付1.3億円、まちづくり交付金6億9千万円(見込)を除いた55億8千万円の半分、約28億円を市の負担とし、残りを県と経済界に協力を要請することを明らかにしました。
  皆川議員は「財源については不確定要素が多い。負担割合について県・経済界と覚書きを結ぶべきだ」と迫りましたが、市は「(新球場の仕様などが決まっていない)今の時点では難しいが、できるだけ早くしたい」と述べるにとどまりました。
  皆川議員は「もし、県や財界が2分の1(約28億円)を出せないと言った場合、どうするのか」と追及しましたが、市は「その時に考える」と無責任な姿勢を示しました。

台風13号被害 市の対応の遅れが被害大きくしたことを反省すべき
  9月17日未明に広島を襲った台風13号による被災箇所のうち、国道433号線については市が国に緊急調査を申し出て、9月28日に調査がおこなわれました。これは昨年の災害復旧のテンポに比べて2か月も早い対応です。
  昨年9月はじめの台風14号の災害査定は11月14〜18日で、工事が始まったのは台風から半年後の3月20日。この度の台風13号で、昨年の被災箇所が復旧工事の遅れで崩壊したケースが少なくありませんでした。
  皆川議員は、「工事の遅れが今回の台風被害を大きくしている。地元では『人災』『行政災害』との声がある」と指摘し、昨年の工事査定が遅れた理由をただしました。
  道路交通局長は、「昨年の遅れは談合情報があり、契約に時間がかかった。また、昨年は(今年と違い)人的被害もなく広域的甚大な災害と認識していなかった」と答弁しました。
  これをうけて皆川議員は「人が死ななければ国に言わないのか。国がやらなくても市独自に補正予算を組み、すぐに対応すべきだった」と批判。市の対応の遅れが今回の被害を大きくしたことを反省すべきだと追及しましたが、当局から反省の弁はありませんでした。

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2006.10.03 経済環境委員会 藤井とし子議員
高速5号線建設で国内最大規模のシリブカガシ群落が絶滅の危機に!

市も認める「貴重なシリブカガシの森」
  高速5号線建設でトンネル掘削が予定されている東区の二葉山は、鳥獣保護区であるとともに、シリブカガシ(尻深樫、ドングリのお尻がへこんでいる)の貴重な群落がある森です。
  シリブカガシの群落は極めて少なく、緊急な保護が必要な植物群落として「レッドデータ・ブック」(財団法人 日本自然保護協会、財団法人 世界自然保護基金日本委員会 発行)でも紹介されています。
  二葉山のシリブカガシの群落は、国の調査(※1)でも2.5ヘクタール(全体で4ヘクタール)と国内最大規模を誇ります。2位の京都市・保津峡(1ヘクタール)、3位の備前市・山神社(0.8ヘクタール)と比べてもその広さは圧倒的で、まさに日本有数の「シリブカガシの森」です。
  広島市も、2000年3月発行の「広島市の生物 −まもりたい生命の営み−」のなかで、「二葉山のシイモチ−シリブカガシ群集」を絶滅危惧(※2)に選定し、貴重な森であることを認めています。

「工事の影響は少ない」との姿勢変わらず
  しかし、29日・本会議の藤井議員の質問に対し、市は「二葉山自然環境保全対策委員会の調査では、シリブカガシの根は最大で深さ3メートル程度と想定され」るとし、「トンネルによって地下水の流れが変わっても群落等の植生への影響は軽微」との認識を示しました。
  藤井議員は4日の経済環境委員会で引き続きこの問題をとりあげ、「世界的にも保全が危惧されている群落への責任は誰がとるのか」と追及し、改めて二葉山の歴史的文化的価値と森林の保全を求めました。
  市は、「シリブカガシが群生するのは世界でも稀で、全国的にも貴重で絶滅が危惧されている」とその希少性を認める一方で、「植物が再生するよう法面を緑化するため、工事による影響は少ない」との姿勢に終始しました。

※1 環境庁「特定植物群落調査報告書(1980年) 日本の重要な植物群落 シリブカガシ林部門 」
※2 「絶滅の危険性の高いもの」であり、「現在の状態をもたらす圧迫要因が引き続き作用する場合、近い将来に市域での個体群の存続が危ぶまれる」としています。

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2006.10.02 本会議 議案質疑 村上あつ子議員
消費生活条例、災害復旧工事の遅れについて村上議員が本会議で質疑

消費生活センターの職員増やし 消費生活条例を実行あるものに
  今回、市が提案する「消費生活条例」は、消費者の安全確保や必要な情報提供、被害の救済などを定めるもので、来年4月の施行を予定しています。
  村上議員は、「行政が消費者の権利を守り、支援していくことは大変重要」と条例制定を評価したうえで、条例が施行されれば今後、消費生活センターの業務はさらに多様化すると指摘。条例を実効性のあるものにするために同センター職員を増員すべきではないかと質問しました。
  市民局長は、「従来の業務を見直すとともに、組織体制の整備について増員も含めて検討したい」と述べました。

古市小の留守家庭子ども会 児童館建設を機に2教室にしてはどうか
  安佐南区役所出張所跡地に、安佐南区地域福祉センター、保健センター、福祉事務所、および古市児童館が一体となった複合施設が建設されます。08年5月末までの工期予定で、同年6〜7月の開設を目指しています。古市児童館には留守家庭子ども会の専用室も設置されます。
  現在、古市小学校の教室で運営されている留守家庭子ども会は、定数40人に対して53人の子どもたちが通い、3年生の希望者全員は入れない状況です。
  村上議員は、「希望者全員が入れるよう、児童館建設後も現在の留守家庭子ども会を残し、留守家庭子ども会を2教室にしてはどうか」と提案。
  教育長は、「学校内に留守家庭子ども会を残すかどうかは、児童館開館時の入会希望者の実態を見ながら検討していきたい」と答えました。

災害復旧工事の遅れに地元から「行政災害だ」と批判の声
  先の台風13号では、安佐北区、佐伯区湯来町を中心に道路153か所、農業用施設47か所、農地・林道100か所近くで被害が生じ、市は急きょ、46億円の災害復旧費を追加提案しました。
  党市議団は、これまで災害復旧工事中の箇所が毎年のように台風・大雨で崩壊している事態に対し、復旧工事を急ぐよう繰り返し求めてきました。しかし、今回の台風13号で、湯来町では決壊した護岸を復旧工事していた箇所で、護岸用のブロックはおろか、工事用重機まで流される事態も起きました。
  村上議員は、「復旧工事中の箇所が崩壊して二次災害を招いたところもある。復旧工事の遅れに対し、地元からは『行政災害だ』と批判の声がある」と述べ、今回の災害箇所の復旧は来年6月の梅雨時期までに終わらせるよう要望。とりわけ農地復旧が来年の稲作に支障はないのか確認しました。

■道路交通局長の答弁要旨(道路について)
  国による災害緊急調査が行われた被災箇所は、早ければ10月中に復旧工事に着手できる見通し。来年の梅雨時期までに復旧工事が完成するよう最大限努力していく。

■経済局長の答弁要旨(農林業施設・農地について)
  国の災害査定は11月中旬になると考えており、工事発注は早くても2月頃になる見込み。災害規模によっては梅雨時期までの完成が困難なところもある。復旧が来年の稲作に間に合わないようなケースでは、地権者によく説明し、できるだけ稲作の支障にならないよう工夫したい。

村上あつ子議員の議案質疑と市答弁全文

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2006.09.29 本会議 一般質問 藤井とし子議員
国の悪政から市民生活まもる防波堤となるかどうかか鋭く問われる

秋葉市長 「市民負担軽減するため、必要に応じて措置をとる」
  29日の本会議で、日本共産党市議団を代表して藤井とし子議員が一般質問しました。
  藤井議員は、「弱者切り捨ての小泉改革が格差と貧困を拡大したことは広島市においても明らかだ」と切り出し、その政治を安倍総理が継承すると表明しているもとで、行政が市民の命と暮らしを守る防波堤となるかどうかが鋭く問われると指摘しました。
  藤井議員は、日本共産党がおこなった市政アンケートで、介護や国保、医療など、国が度重なる制度改悪で壊してきた社会保障の充実を求める声がもっとも強かったと紹介。こういう市民の切実な声をどう受け止めるのかと市長に問いました。
  秋葉市長は、国による社会保障制度の改正に伴い福祉サービスの利用者負担が増えたり利用できなくなる事態に対し、市民負担を軽減するために今回補正した激変緩和措置などを講じてきたとし、今後も「必要に応じて国に要望し、市独自の措置をとる」と述べました。
  藤井議員は市長答弁をうけて「ぜひ積極的にやっていただきたい」と要望しました。

一人暮らし高齢者の見守りは市がリードするように
  藤井議員の質問で、市内における65歳以上の一人暮らし高齢者の「孤独死」が、02年154人、03年168人、04年186人、05年198人と年々増えていることが明らかとなりました。
  藤井議員は、「制度の役割が終わったとして、ひとり暮らし老人巡回相談事業が廃止されたが、高齢者の見守りを地域まかせにせず、市がリードしてほしい」と要望。
  社会局長は、「水道が最後のライフライン。水道を止める際には水道局が本人と面談し、経済的に困っている場合は福祉事務所に相談することを勧める対応を協議している」と述べました。

「市は高速5号線の必要性を示せなかった」 一般質問後の報告会
  一般質問終了後、昼休みに議会棟内で開いた報告会には20人を超える参加があり、一般質問を終えたばかりの藤井議員が市の答弁について報告しました。(写真)
  報告のなかで皆川けいし団長は、「市政アンケートに対する市長答弁がなかったのは残念。しかし、高速5号線の必要性を問うた藤井議員の追及に、市が建設しなければならない根拠を明らかにできなかったのは成果といえる」と分析。「黒い雨の問題や市営住宅の借り上げについてなど、今後の論戦に生かせる答弁もあったので引き続きとりあげていきたい」とまとめました。

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2006.09.28 本会議 議案討論 中森辰一議員
療養病床の重度心身障害者への療養援護金増額 共産党は意見付して賛成

  広島市議会は28日の本会議で、9月中に議決を要する議案「重度心身障害者療養援護金の増額」を全会一致で可決。日本共産党は意見を付して賛成しました。
  先の通常国会で自民・公明与党が強行した医療制度改悪により、この10月から療養ベッドに入院する70歳以上の人は、それまでの食材料費に加えて調理費と居住費が新たに自己負担となります。
  今回の「療養援護金の増額」は、医療保険の療養ベッドに入院する重度心身障害者の自己負担増を抑えるため、これまでの月額1万円の療養援護金を所得に応じて増額する激変緩和措置(2年間)です。

介護保険の療養ベッドにも療養援護金増額の適用を
  日本共産党市議団を代表して討論にたった中森議員は、これまで国の悪政により医療の自己負担増が度重なるなかで、「放っておいては重度心身障害者の健康は守れないと判断して支援策を拡大してきた市の対応は強く支持する」と評価しました。
  そのうえで、今回の「療養援護金の増額」が医療保険の療養ベッドのみを適用していることについて、「これまで同様に救済してきた介護保険の療養ベッドを適用対象としないのは筋が通らない」と批判し、再検討を強く求めました。
  また、中森議員は、低所得の高齢者への救済についても、ムダな大型公共事業を徹底的に見直し、財政のあり方の転換を進めながら検討すべき課題だと指摘しました。
中森辰一議員の討論全文

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2006.09.27
切実な要望続々! 新たに提出された主な請願

「乳幼児医療費無料制度の創設を国に求めて」 お母さんたちが訴え
  「乳幼児医療費の無料化を実現する連絡会」(長谷憲代表)は27日、国による乳幼児医療費無料制度の創設を求める意見書を政府にあげることを求める請願書を藤田博之市議会議長に提出しました。
  広島市の乳幼児医療費補助の対象は、03年9月まで「通院は3歳まで無料、入院は4歳まで無料」でしたが、同年10月から入院を「就学前まで無料」に拡充。翌04年10月から「通院・入院とも就学前まで」に対象が拡大されましたが、同時に初診料算定時500円(医療機関ごとに月4回まで)の自己負担が導入され、それまで無料だった「3歳児まで」の通院についても自己負担が生じています。
  この自己負担をなくし安心して病院にかかれるよう、国が乳幼児の医療費をみてほしいと、子ども連れのお母さんたちが市役所を訪れて訴えました。
  幼児2人を育てているお母さんは「これまで無料だった乳児も、小児科や皮膚科など病院に行くたびに初診料を払うのはかなりの負担」とのべ、他都市から引っ越してきたお母さんは「世界のヒロシマとして積極的にとりくんでほしい」と訴えました。
  藤田議長は、「子どもを安心して生めるような環境をつくるためにも大事な問題だ」と話しました。請願提出には日本共産党の皆川けいし、中森辰一、藤井とし子の各議員が同席しました。

「安心できる医療」 それにはまず看護職員の健康まもるために増員を
  広島市市民病院職員労働組合安佐分会(和田政恵代表)は27日、看護職員の大幅増員を求める請願書を藤田博之市議会議長にあてに提出しました。職員の家族を中心とした1,390筆の署名も添えられ、提出には日本共産党市議団の5議員が同席しました。
  安佐市民病院は、広島県北の拠点病院として、救急車の受入れ件数が市内医療機関の中で2番目に多く、交通外傷は公的病院では一番多く受けています。しかし、医師同様、看護職員の不足が深刻で時間外労働も多く、妊娠障害もここ数年で4割にも達し、退職を余儀なくされる職員は後を絶ちません。
  06年度の診療報酬改定で、新たにできた「入院患者7名につき看護師1名の配置」も市の定数管理によりできず、同病院は10対1の看護体制、夜間は患者60名を看護師3名で看る(20対1)状況です。
  同病院の職員は、「患者の入院期間も短くなり重症化している。県内の主要病院は7対1の看護配置を進めているのに安佐市民病院だけが取り残されている。高度医療を提供している職場で患者さんに安心できる医療を提供するためには、職員の健康を守るための増員がどうしても必要」と訴えました。
  この請願は、日本共産党(5議員)と社民党(5議員)が紹介議員となりました。

低所得者ほど負担重い消費税の増税はしないよう国に意見書提出を
  「消費税をなくす広島の会」(尾野展昭代表)は25日、政府が消費税を将来10%以上にあげる考えを繰り返し示していることについて、消費税の増税に反対することを国に求める請願を藤田博之広島市議会議長あてに提出しました。
  請願書は、低所得者ほど負担が重くなる消費税の税率を上げれば格差がさらに拡大し、低所得者の生活を圧迫すると指摘。消費税の税率を引き上げないよう国に意見書を提出することを求めています。
  この請願書は、10月4日の総務委員会で審査されます。

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2006.09.21
「子どもが大事にされてない!」 恒例の事前説明会で活発な意見交流

  日本共産党広島市議団は21日、25日に開会する9月定例会に先立って恒例の議案説明会&交流会を開きました。
  冒頭、中森辰一幹事長が提案されている議案の中身について解説し、続いて党市議団を代表して一般質問する藤井とし子議員が質問内容を話しました。

  意見交流では参加者から、「校舎の耐震診断にあと10年かかるらしいが、一方ではムダな道路建設に税金つかってる。子どもが大事にされてない」「広島市が核攻撃を想定した国民保護計画をつくることはやっぱり大問題だと思う」などなど、市政に対する様々な意見がだされました。

  皆川けいし団長は、「わたしたちがおこなった市政アンケートでは『生活が良くなった』という声はわずか数パーセント。市民生活をズタズタに壊した小泉構造改革への批判は強い。国と地方の関係を踏まえて市長の政治姿勢をただしたい」と定例会に臨む決意をのべました。

【写真】 一般質問について説明する藤井とし子議員=21日、広島市役所議会棟

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2006.09.21
“安佐地区に小児夜間診療体制を” 約7千人分の署名添えて請願提出

  「安佐地区に小児夜間診療体制を求める会」は21日、6,875人分の署名を添えた請願書を藤田博之議長に提出しました。
  広島市には24時間対応の小児夜間診療が中区の舟入病院にしかありません。請願書は、市全体の子どもの人口の34%がいる安佐地区内での体制確立を急ぐよう求めています。

  幼児を連れた母親ら12人が市議会を訪れ、自らの経験を話しながら小児の夜間救急体制の切実さを訴えました。男児を連れた母親は「子どもが生後6か月の時、夕方から咳き込んで嘔吐(おうと)し、一晩中抱っこして看病した翌朝、気管支炎で入院した。近くに病院があれば入院することもなかったと思う。子どもが一番しんどい思いをした」と話しました。
  要請をうけて藤田議長は、「安佐地区に人口が37万人もいるのだから、財政的に大きな病院は無理としても、診療所は必要だ」と答えました。

  請願提出には日本共産党の皆川けいし、藤井とし子両議員が同席しました。

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