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2006年10月2日 本会議 村上あつ子議員の議案質疑 消費生活条例の制定について ・ 消費生活センターの業務拡大 ・ これまでの相談件数と内容 ・ 警察との連携 ・ 相談員の研修 ・ 訴訟費用の貸付制度 ・ 消費生活センターの職員増員 安佐南区地域福祉センターの児童館合築について ・ 留守家庭子ども会に希望者全員が入れるように 台風13号の災害復旧について ・ 今後の復旧スケジュールと来年の稲作への影響 ・ 復旧工事の工法の問題 ・ 川床の浚渫 消費生活条例の制定について 日本共産党市議団を代表して質疑をおこないます。はじめに第115号消費生活条例の制定についてお聞きします。 条例は、市民の消費生活の安定及び向上を確保することを目的に、「消費者の安全が確保され、商品及び役務について消費者の自主的かつ合理的な選択の機会が確保され、必要な情報、教育の機会が提供され、消費者に被害が生じた場合は適切かつ迅速に救済されるとともに消費者の自立を支援すること」を基本理念としています。そして、消費者の権利の保護及び自立支援、被害の救済等を定めています。 行政が消費者の権利を守り、支援していくことは大変重要なことだと考えるわけですが、今後、消費生活センターの業務は今よりも多様化し、責任も重くなってくると思います。そこでお聞きします。 具体的にどのように業務拡大されるのでしょうか。 ≪市民局長≫ 消費者行政施策の推進は、市民局消費生活センターで行っており、職員体制は事務職員が所長以下7名、相談員が10名の計17名です。 このたび消費生活条例が議決され、平成19年4月に施行されることになりますと、新たな業務が生じます。 その主なものは、@市民からの申し出に関する事務、A危険な商品等の供給禁止に関する調査・指導・勧告等の事務、B不当な取引行為の禁止に関する調査・指導・勧告等の事務、C消費生活審議会に関する事務、D消費生活紛争調停委員会に関する事務、E訴訟費用の貸付に関する事務などがあります。 さらに、これまでの事務を充実強化するものとして、@啓発活動及び教育の推進に関する事務、A消費者団体の自主的な活動の促進に関する事務、B消費者の意見の反映に関する事務などがあります。 この3年間の相談件数と内容を教えてください。 ≪市民局長≫ 平成17年度までの直近3か年度の消費生活相談件数は、平成15年度が1万4,157件、平成16年度が2万587件、平成17年度が1万5,445件です。本年度もほぼ前年度の相談件数となりそうな状況です。 相談内容は、葉書などによる「契約内容を特定できない」あるいは「電子通信情報料という名目」の架空請求・不当請求が一番多く、次いでサラ金・クレジットの相談やレンタル・リース・マンション等の賃貸に関する相談が多くなっています。 平成16年度まで急増していた相談件数の主な要因は、葉書や電子メールなどによる架空請求によるものですが、平成17年度は平成15年度なみに減少しています。その理由は、多くの自治体やマスコミによる広報活動により消費者に情報が行き渡ったため、架空請求が減少したことが要因と推察されます。 悪質なものについては警察との連携も必要だと思いますが、どのようにされていますか。 ≪市民局長≫ 消費者被害の未然防止・拡大防止を図るため、現在、県が主催する県内消費生活センターと県警との会議(年1〜2回)を持つとともに、詐欺などの違法な行為で摘発可能事案については、その都度県警と情報交換し、さらに違法な商行為の可能性の高い相談については、センターへの相談時に個人情報保護の観点から自らが県警への情報提供をすることを進めています。 今後とも、消費者への情報提供と県警との連係に努めてまいります。 相談員の資質と専門性の向上が求められていますが、相談員の研修はどのようにされるのでしょうか。 ≪市民局長≫ 消費生活センターにおいて相談業務に携わる相談員は、現在10名で、内閣府の外郭団体である国民生活センターの理事長が認定する消費生活専門相談員の資格を全員有しています。 消費生活相談を行うには、多岐に亘る消費生活関連法令の解釈等の広範で最新の知識が必要となります。このため、当センターでは、定期的に国民生活センターなどが行う研修に相談員を参加させています。 平成17年度には、神奈川県の国民生活センターにおいて2泊3日の日程で行われる消費生活相談員の研修(6名)、他県などでの日帰り研修(4名)、広島市内で行われる研修(3名)に延べ13名を参加させるなど、常に新しい知識習得に努めています。 訴訟費用の貸付けが設けられています。全国の事例ではあまり活用されていないと聞きますが、その理由をどのように受け止めておられるのでしょうか。また、市としては、どのように周知されるのでしょうか。 ≪市民局長≫ 消費者が被害を受けた場合において、損害賠償請求訴訟を提起し、裁判所の判断を求めることは、訴訟提起した当事者のみの救済に留まらず、それを通して、同種の被害の未然防止・拡大防止や救済の円滑化につながり、ひいては広く市民の利益になります。 このため、援助がなければ訴訟の提起や維持等が困難である場合を考慮して、訴訟費用の貸付を行う制度を設けようとするものです。 全国的に見てもあまり利用がないのは、市民に周知されていないこと、裁判に要する時間や立証のための労力がかかることが原因ではないかと思われます。 この制度の主旨を条例の概要を紹介するパンフレットや「市民と市政」をはじめ、消費生活センターのホームページや情報紙「知っ得、なっとく」で周知するとともに、市内の様々な相談機関へ情報を提供する等により、周知を図っていきたいと考えています。 この条例を実効性のあるものにしていこうとするのなら、職員の増員は必至です。どうようにお考えでしょうか。 ≪市民局長≫ 新たに生ずる事務に対応するため、従来の業務の見直しを行うとともに、組織体制の整備について検討してまいります。 ※村上議員の再質問をうけて ≪市民局長≫ 新たに生ずる事務に対応するため、従来の業務の見直しを行うとともに、組織体制の整備について増員も含めて検討してまいります。 上にもどる 安佐南区地域福祉センターの児童館合築について 第130号契約の締結についてお聞きします。これは、安佐南区役所出張所跡地に安佐南区地域福祉センター建設の契約についてですが、安佐南区の方が待ち望んでいた地域福祉センターの建設がいよいよ動き出すわけです。 施設の概要と今後の整備スケジュールを、まずお聞きします。 ≪教育長≫ 安佐南区地域福祉センター(仮称)等合築施設は、地域福祉センター、保健センター、福祉事務所、児童館を合築した施設となります。現在、既存建物の解体工事に着手しており、解体後に平成20年5月30日を工期として建設工事に着手し、完成後、約1〜2か月の準備期間を経まして開設する予定です。 この施設には「古市児童館」が合築されることになっています。児童館が開設されれば留守家庭子ども会の専用室もできると聞いていますが、今ある古市小学校の留守家庭子ども会をそのまま残して、児童館に1教室設置するべきと考えます。 留守家庭子ども会の定数は「おおむね40人」としていますが、古市小学校の留守家庭子ども会は現在53人の子どもたちが通っています。1、2年生が中心で、3年生の希望者全員は入れないのが実態です。 児童館の建設を機に、留守家庭子ども会を2教室にするべきと考えますが、いかがでしょうか。お答えください。 ≪教育長≫ 本市では、児童館の建設にあたり、従来から、留守家庭子ども会の専用室をあわせて整備し、留守家庭子ども会事業と児童館事業の一体的な運営を図っています。現在、古市小学校の教室で運営をしています古市留守家庭子ども会についても、児童館の開館後は、児童館内で運営することにしています。 児童館内の留守家庭子ども会では、児童館の施設全体を有効に活用して、できるだけ多くの児童の受け入れを図っておりますが、学校内に留守家庭子ども会を残すかどうかについては、開館時の入会希望者の実態を見ながら、検討していきたいと考えています。 上にもどる 台風13号の災害復旧について 先日の台風13号の災害復旧費として46億円の補正予算が追加提案された、一般会計補正予算第4号について質疑をおこないます。 今回の台風13号は、安佐北区、佐伯区湯来町を中心に、道路被害は153か所、そのうち35か所が通行規制、農業用施設は47か所、さらに農地や林道100か所近くが被害に遭いました。道路が寸断され、通学、通勤など日常生活に不便を生じ、一日も早い復旧が望まれています。 湯来町では、昨年の台風での崩壊箇所の復旧工事中の箇所が崩壊し、二次災害を招いたところがあります。復旧工事の遅れに住民からは批判の声があがっており、「行政災害」との声もあります。二の轍を踏まないためにも、せめて来年の梅雨までにはすべての復旧工事が終わらなくてはなりません。 お聞きしますが、今回の補正予算の執行はどうなるのでしょうか。道路と農林それぞれスケジュールをお答えください。また、農地の復旧においては、来年の稲作の支障はないのでしょうか。 ≪経済局長≫ 農林業施設及び農地の災害復旧のスケジュールについてですが、現在のところ、国の災害査定が11月中旬以降になると考えており、その後、実施設計書の作成等を行うことから、工事発注は早くても2月頃になると考えています。 工期は災害規模等により異なり、梅雨時期までの完成が困難な工事もあります。 このため、復旧が来年の稲作に間に合わないようなケースの場合、地権者にこのことをよく説明するとともに、被災状況に応じた対応を行い、出来るだけ稲作の支障にならないよう工夫したいと考えています。いずれにしましても、一日も早い復旧ができるよう努力してまいります。 ≪道路交通局長≫ 先日、国による災害緊急調査が行われた被災箇所については、調査の結果に基づき、早ければ今月中に復旧工事に着手できる見通しとなりました。 主な路線の完成目標についてですが、安佐北区の国道261号は、まず、代替ルートとなる県道安佐豊平芸北線を11月中旬までに復旧させ、引き続き全線の早期開通を目指します。 佐伯区麦谷地区の国道433号については、来年の梅雨時期までに護岸部分を完成させ、引き続き舗装工事等を行い、1日でも早く全線開通できるよう努力していきます。 それ以外の被災箇所については、11月に国の災害査定を受け、直ちに工事の契約を締結し、早期完成を目指します。 つぎに具体的な場所を示していくつかお聞きします。 「行政災害」と批判があがっている象徴的事例が、今回の災害で国道433号線が決壊し、通行止めになっている箇所に接している、昨年9月の災害箇所です。 ここは、昨年9月の14号台風の豪雨で水内(みのち)川の堤防護岸と、これに接した国道433号線が一緒に決壊したところです。ここは1立方メートルのコンクリートブロックを5〜6段積んで水流を遮断して工事中でしたが、このブロックも護岸に築いていたブロックも、使っていた工事用重機も流されてしまいました。 また、ここの決壊部分の20〜30メートル下流には、旧水内村の公民館ともいえる農村環境改善センターおよび3戸の民家に通じる水内川にかかった橋があります。今回の災害で、この橋の取り付け部分が激流でコッポリとえぐりとられ、橋も傾いてしまいました。 農村環境改善センターでは、11月には毎年恒例の地域の祭りも計画されていますが、車が安全に入れる迂回路がないため、開催の見通しが立っていません。仮設の歩道橋でも設置すべきではありませんか。お答えください。 ≪道路交通局長≫ 農村環境改善センターへの迂回路対策としては、仮設の歩道橋の設置に日時を要することから、既存の大井出橋や農道を活用した応急工事を行います。 市は、この復旧工事を今年はじめに発注したのですが、工事期間が来年1月になっています。片側交互通行で不便でもあるため、住民や湯来町まちづくり審議会から「もっと早くしてほしい」との意見が出され、わが党も市役所、区役所へ申し入れ、委員会でも取り上げました。 その際、同じ災害で県が行なっている廿日市友和小学校前の同程度規模の災害復旧工事は5月中旬に完了することになっていることも指摘し、6月の梅雨時期や9月の台風時期には毎年のように大雨で河川が増水するので、工事箇所が激流で押し流され崩壊すると予算の浪費にもなることも指摘し、工事を急ぐよう忠告しました。 しかし、委員会での局長答弁は「遅れているといわれるが何をもってそう言われるのか」との答弁で謙虚に耳を傾ける態度ではありませんでした。そして今回の豪雨では、私たちが忠告したとおりの事態が起きたのです。 市は、昨年災害の復旧が遅れたことを真しに反省して、昨年度及び今回の災害復旧を、特に河川の増水による災害箇所については、来年6月の梅雨時期までに完了させるよう取り組むべきではありませんか。 ≪道路交通局長≫ 災害箇所については、来年の梅雨時期までに完成できるよう最大限の努力をしていきます。 水内川草谷橋下流左岸堤防の昨年の被害箇所が完了直前で再度決壊しました。これは、真砂土の上にマットを敷いて薄いコンクリートブロックを載せただけの脆弱な構造で、1メートルのコンクリートブロックでさえ押し流すほどの水流にとても持ちこたえるようなものではなく、工法が間違っていると素人でも判断できるようなものでした。 一体どういうことでこんなことになったのでしょうか。再び重大な被害が生じることのないような工法をとるよう県に要請すべきですがどうされますか。 ≪道路交通局長≫ 草谷橋下流の護岸工事は、河川を管理している広島県が行っている災害復旧工事ですが、完成間近にありながら今回の豪雨により大きく被災したものです。 今後の復旧にあたっては、県に対して被災原因を究明のうえ、それに対応した復旧工法を採用するよう申し入れます。 八幡(やはた)川・水内(みのち)川・不明谷(あけずだに)川など大量の土砂で川床がかなり上がっており、堤防や護岸崩壊の危険を増大させています。川床の浚渫が急がれます。 また、安佐北区の根谷(ねのたに)川と人甲(ひとこう)川の合流地点の護岸改修は、地元の方も長年要望されてきているのに放置されたままです。県に対して早急に要望すべきです。どうされますか。 ≪道路交通局長≫ 八幡川・水内川・根谷川については、管理者である広島県において随時浚渫しておりますが、ご指摘の主旨を踏まえて広島県に対し、浚渫及び護岸改修について要望してまいります。 また、不明谷川は、市が管理する普通河川であることから、本市において適切に対応してまいります。 上にもどる |
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