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07.05.24
祇園三菱工場跡地へのイオン出店めぐり「考える会」が市長と懇談

 安佐南区祇園の三菱重工業広島工場跡地(約14ヘクタール)に株式会社イオンがモール型ショッピングセンター(店舗面積38,000平方メートル、駐車場2,900台分)を計画している問題で、周辺環境への影響を懸念する地元住民らが会を立ち上げて要請行動を展開しています。



交通渋滞など周辺環境への影響必至
 イオンの開発担当者によると、同ショッピングセンターは今年11月着工予定で、100近い専門店を抱え、1日28,000人の来客を見込んでいます。
 しかし、同跡地周辺の道路整備は財政難のために遅々として進まず、住民は今も慢性的な交通渋滞に悩まされています。
 住宅地に囲まれている同跡地は、国道54号線など主要道路とつながるアクセス道路が整備されていないため、このまま出店すれば深刻な交通渋滞は避けられず、行き場を失った自動車が住宅地の狭い道路にあふれかえるおそれがあります。周囲には幼稚園や学校が点在するため、交通安全上の問題が心配されます。
 この出店計画を新聞報道で知った地元住民らは「イオン出店問題を考える会」(屋敷一字代表)を結成。3月19日に市役所を訪れ、住民合意のないイオンの出店届けを受理しないよう要請しました。
 また、5月18日には市役所で秋葉忠利市長と懇談し、イオンが住民と十分に話し合うよう働きかけてほしいと要望しました。

法改正の趣旨に照らし「駆け込み出店」やめさせて
 もう一つ、考える会が問題視しているのが「駆け込み出店」という問題です。
 同跡地は都市計画法上、工業地域に指定され、その周辺は第1種住居地域(住居の環境を保護するため定める地域)となっています。
 工業地域は、これまで大型店が「制限なし」に出店できましたが、昨年の通常国会で「まちづくり三法(※)」が見直され、今年11月末施行の改定都市計画法により、床面積10,000平方メートル超のスーパーなど大規模集客施設の工業地域への出店は「原則禁止」となります。
 これは、アメリカや財界の要求に沿って規制緩和を進め、郊外への大型店出店を野放しにしてきたこれまでの「まちづくり三法」は間違っていたと政府が反省して見直されたものです。
 このため、同跡地への出店を計画するイオンは、11月までに大規模小売店舗立地法による市への届出と地元説明会をやらなければ工事に着工できなくなります。
 考える会は市に対し、「法改正の趣旨に照らし、強引に出店を進めないようイオンに対応してほしい」と要請していますが、市当局は「現行法では届出は拒否できない」としています。

まちづくりの観点で話し合いを
 秋葉市長との懇談で藤井市議は、「跡地の周辺は子どもが多く、通学路も網の目になっているのに、イオンから住民への説明は全くない。商店街への影響も懸念される。まちづくりの観点でイオンと話し合いたい」と要望しました。
 秋葉市長は「(現時点では)違法行為ではないので対抗手段がない」としながら、「地元説明会を開くよう、再度働きかけたい」と答えました。

【写真】秋葉市長(中央右側)に要望する屋敷代表、左端は日本共産党の藤井とし子市議=5月18日、広島市役所

※まちづくり三法
 大規模小売店舗立地法(大店立地法)、中心市街地活性化法、都市計画法の総称。昨年5月末、「大型店の郊外出店規制」を求める世論と運動をうけ、中心市街地活性化法と都市計画法の見直し案が国会で成立しました。



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