2002年12月定例会 本会議一般質問/皆川恵史議員 12月11日(水)
日本共産党を代表して 皆川恵史議員が一般質問

皆川議員「市長の政治姿勢について」の一般質問へ

その気になればすぐできる日本共産党の
4つの提案

@財源確保につながる入札制度の改善を
 党市議団は機会あるごとに、入札制度の改善について取り上げてきましたが、大規模工事での高値落札の傾向は一向に改まっていません。皆川議員は、特に、議会のチェックを受けない高速道路公社など外郭団体の発注工事に高値落札の傾向が著しいと指摘。入札制度の改善は市内中小企業の保護・育成という点からも重要課題だと述べた上で、財源確保につながる改善策について質問。市は引き続き、制度改善について調査・研究していくことが財源の有効活用につながると述べるにとどまりました。

Aもっと周知徹底を
要介護高齢者などの「障害者控除」制度

 要介護高齢者および、その扶養家族も所得税法上「障害者控除」の対象となることについては、今年2月議会で日本共産党市議団がはじめて取り上げ、市も認めています。しかし、その後の周知徹底への市の取り組みは遅れています。皆川議員は、新たな申請件数、および約1万5千人いる要介護高齢者及び扶養世帯への「お知らせ」を提案しました。
要介護高齢者などの「障害者控除」制度とは
 所得税法および地方税法の規定により、65歳以上の痴呆や寝たきりなどの状態にある高齢者のうち、知的障害者または身体障害者に準ずるとして福祉事務所長の認定を受けた人は、所得税および住民税の障害者控除の対象となります。

B後発薬品を使えば「三方一両得」になる
 日本共産党はこれまでも、市立病院において、効果は全く同じで薬価が2分の1から数分の1で済む「後発薬品」の使用を促進するよう求めてきました。
 皆川議員は、後発薬品の使用が増えれば、「患者の自己負担の軽減」「医療費の高騰抑制」「国保財政へも良い影響がある」と、まさに「三方一両得」になると指摘。さらに、仙台市民病院が約300種類の薬品で後発薬品への切り替えが可能としていることを紹介し、広島市立4病院での後発薬品の使用について、その現状と今後の対策を質問しました。市は、今年12月現在、4病院で採用している薬品4577品目のうち、後発薬品は178品目(採用率約4%)であり、今後ともできるだけ後発薬品を採用するよう努めると答えました。

Cまちづくりは「住民主体」で

住民の自主的なとりくみに行政も支援を
 用途地域の見直しは、マンション業者、不動産業者等一部の利害関係者だけの問題として、住民の論議もなく進められる傾向があります。
 皆川議員は、3年前に起きたマンション計画を契機に、住民の自主的な「地区計画」づくりが始まった西区高須二丁目を紹介。12m以上の建物や屋上広告物は作らないなど、まちづくりのルール作成にとりくんでいることに触れ、このような住民のとりくみを大いに励まし支援すべきだと求めました。
 市は、これまでも各区で市長のタウンミーティングなどを実施しており、今後も住民主体のまちづくりに必要な仕組み・ルールづくりをおこなっていくと答えました。

他都市と同様に住居地域以外にも日陰規制を
 小泉内閣の「都市再生」「建築基準法の緩和」の掛け声にのり、最近、都心部でマンション建設をめぐる住環境問題が増えています。
 皆川議員は、「広島市に住居地域以外の日影規制がないことは、住居地域以外での住環境は守らなくてもよいと、市がお墨付きを与えているようなものだ」とのべ、他都市と同様に、近隣商業・近隣工業地域でも日影規制を設け、調和のとれた良好な環境の維持に努める必要があると求めました。
 市は、「日影規制に関する条例は都道府県が制定するのが妥当との国の通達をうけ、広島市も県の制定した条例を適用しているが、土地利用の状況変化もふまえ、県内の特定行政庁と協議している」と答えました。

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児童館建設 せめて従来の年4館ペースに

 学校5日制で、これまで以上に切実になっている児童館の増設について市は、整備計画は全学区への児童館整備に30年かかるとしています。皆川議員は、せめて従来の年4館のペースで児童館を建設すべきだと求めました。
 市は、これまで同様、「新築整備のみならず、他の公共施設との合築や小学校の余裕教室の活用など、未整備学区の解消に向け努力する」と述べるにとどまりました。

<2002年12月1日現在の整備状況>
小学校区数 135学区(似島学園小除く)
整備学区数 99学区 未整備学区数 36学区
整備率 73・3%

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留守家庭も児童館もない障害児の放課後対策を

 留守家庭も児童館もない、障害児の放課後対策は深刻です。
 皆川議員は、廿日市市では昼間、保護者が家庭にいない障害児のために、平日は夕方6時まで、また月2回の土曜日、夏休みや冬休みは、午前9時から午後4時まで、市が「障害児放課後対策事業」と「つどい事業」をしていることを紹介。「廿日市市でできて、広島市でできないことはない。ぜひ検討すべきだ」と市に強く求めました。
 市は、市立養護学校の児童生徒の土曜日の過ごし方などを調査研究した「地域活動促進事業」の最終報告書をふまえ、検討していくと答えました。

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市立養護学校
夏はアイスノンで体を冷やしながらの授業
建て替えだけでなく一刻も早い分離・新設を


 いまの市立養護学校は、狭い校舎に重度障害の子どもたちを200人も詰め込み、廊下も教室も狭く、低学年用のプールもありません。普通教室にはクーラーがないため、夏場は体温調節ができない子はアイスノンで体を冷やしながら授業をしています。
 皆川議員は、「日本共産党市議団はこれまでも、市立養護学校の新設をくりかえし要望してきたが、こういう状態をこれ以上放置することは人道上も許せない。子どもも保護者も教職員も建て替えだけでなく一刻も早い分離・新設を切望している。県が放置し続けるなら、市が考える以外にない」と市に厳しく迫りました。
 市は、今年度、『広島市特別支援教育基本構想策定委員会』を設置し、そのなかで現在地を中心とした建て替え、分校・分級などの提言がでており、これらをふまえて検討していくと答えました。

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政・官のゆ着をどうたちきるのか
「事務執行のあり方に関する検討委員会」について

 「政・官のゆ着」の問題は、今年3月の予算特別委員会で,市職員が政から理不尽な恫喝に悩み苦しんでいた旨の発言をしたことに端を発し、その後、調査委員会を設置して調査が進められています。
 皆川議員は、「この問題は、国会で大問題になった鈴木宗男疑惑事件と同様、市民の関心も高い。他の地方自治体でも、政治家・公職者などからの要求などはすべて記録・情報公開するなど、政・官のゆ着を断ち切る取り組みが進んでいる」とのべ、広島市の今後のとりくみと調査委員会の検討内容を報告するよう求めました。
 市は、「事務執行のあり方に関する検討委員会」の調査で、「特定職員の昇任要請」「懇親会への出席強要」「議員に対する職員の保身によるもの」などの問題点が浮かび上がっており、これらの実態をふまえ、議員などからの要請の記録を義務付けている他都市の事例なども参考にルールを検討していると答えました。

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市のお年寄りが住みなれた土地から追い出されてしまう
県 突然の廃止決定 −可部・東山県営住宅−

 可部町にある約200戸の東山県営住宅が、県の突然の廃止決定によって、残った75世帯が強制的に追い出されようとしています。残った入居者は「長年愛着を持ってきたこの団地から絶対出ない」といっており、民生委員・自治会役員なども「高齢者を残して自分たちだけ出て行けない」といっています。
 県の廃止理由は、8千万円の借地料節約のためといいますが、地主は「土地を返してもらわなくてもよい」といっています。県は立退き料を一戸当たり50万円出すといっていますが、そのお金を修繕にまわし、入居者を維持すれば、駐車場つきで一戸三万円の平均家賃としても年約六千万円の収入になり、県の廃止理由はまったく成り立ちません。
 2001年度の国土交通省の通達は、「100戸以上の公営住宅を建て替える時は、県・市等の福祉部局と連携し、特養ホーム、保育所などの福祉施設を併設すること」という方針を打ち出しています。

 皆川議員は、「この団地内には大きな空き地もあり、そこを利用すれば立派な福祉施設ができ、隣の高齢化した東亜ハイツ団地と合わせて地域の福祉モデル地区をつくることができる」とのべ、学区社協もそういう活用を県に陳情していることを紹介し、「市のお年寄りを住みなれた土地から追い出すのではなく、地域に喜ばれる活用方策について、地域住民の意向も汲んで、ぜひ県と真剣に協議していただきたい」と市に強く要望しました。

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お年寄りにやさしく、障害者の宿泊も受け入れられる
体制を −神田山荘−


 神田山荘は、被爆者が低料金で心身の保養を図ることのできる施設として、財団法人広島市原爆被爆者協議会が運営している施設です。
 しかし、神田山荘行きのバス停に日除けの屋根がなく、夏場にはお年寄りが炎天下でバスを待たなければならないため、以前、日本共産党市議団が改善を要望しましたが、いまだ実現していません。また、最近、ろうあ者で被爆者でもある人が宿泊を申し込んだところ、耳の聞こえる人との同伴を求められたということもありました。
 皆川議員は、「以前からあった利用者の苦情に対して、その後、改善していると聞くが、障害者の宿泊も受け入れられる体制充実について、どのように検討しているのか」と質問。
 市は、「バス停の屋根整備は、市民病院の改築に伴い、年内にバス停の仮移設を予定していることもあり、今後、市民病院の改築計画と合わせて市民病院と協議する。また、体の不自由な人の宿泊については、夜間勤務体制に限りがあるため、緊急事態への対応に配慮し、できる限り付き添いの人と一緒に利用してもらうようお願いしている」と答えました。

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