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2009年6月30日 文教委員会 藤井とし子議員 |
小規模修繕契約者登録制度について 子どもの権利条約等について 教職員の健康管理とパワーハラスメント対策について 教育費の保護者負担の軽減について |
小規模修繕契約者登録制度について (藤井とし子議員) まず、はじめに小規模修繕契約者登録制度についてですが、すでに本会議でも質問していますが、その点で一つ確認の質問をさせてください。この制度は、2005年にこの広島市で深刻な経済不況の中、中小零細建設業者への市の小規模修繕の発注が雇用確保にもつながり、中小零細業者の仕事おこしが求められる中でできたものですが、この制度については今多くの自治体でも広がっています。 本会議の質問の中では工事の発注率が学校などの教育委員会関係が非常に低いという点について質問しました。この間、教育委員会としては、零細建設業者の方と直接懇談を持っていただくなど、いろいろ努力もしていただいているところではありますが、今回本会議で財政局長が、制度の周知徹底を各局、各区役所、教育委員会に対して制度の登録名簿変更に合わせて、この制度の周知について努めていきたいと考えていきますと答弁をされています。 そこで、教育委員会としては今後どのようにして学校や関連施設に対して、周知徹底及び発注率を上げるために具体的にどう考えておられるのか質問します。 (教育委員会施設課長) これまでも機会をとらえまして、学校側に小規模修繕登録制度を活用していただくよう周知をしてきました。今年度も8月に予定しております学校事務職への研修会の場におきまして制度を説明しまして積極的に活用するよう指導していきたいと考えております。また登録業者の名簿の更新の際には、名簿とともに活用を促す文書も併せて送付するなど、今後も機会をとらまえ周知を図っていきたいと思っております。 (藤井とし子議員) 周知徹底をしていただくことが、それぞれの発注にもつながると思います。ぜひ今の経済対策としても、この制度はとても有効な制度だと思いますので、今後もしっかり使っていただきたいと要望してこの件は終わります。 上にもどる 子どもの権利条約等について (藤井とし子議員) 2つ目に、子どもの権利条約等についてですが、この間私も子どもの権利条約をもっともっと周知徹底をということで、たびたび質問もさせてもらっていますが、この間パンフレットの作成、配布など子どもの権利条約についての周知を図る取り組みも進められていますが、今後ともこうした取り組みをもっと進めるべきと考えますが、どのように考えておられるのか初めにお聞きします。 (指導第1課長) 教育委員会では、児童の権利に関する条例にかかる小学校、中学校への啓発パンフレットには、これまで平成8年度、14年度、19年度の3回に渡りまして各学校に配布しております。各学校では、この啓発パンフレットを活用しまして、子どもの権利条約についての理解を深めるための取り組みというものを現在も行っております。またこうした学校での取り組みに加えまして、本年4月に、児童生徒一人一人が日常生活においても、子どもの権利条約を学習することができるよう 、市立の小中学校の児童生徒全員に個人用の啓発パンフレットを作成、配布しております。 また市民局と教育委員会との連名で、平成21年度に小中学校に入学する児童生徒の保護者に対しまして保護者用人権学習資料「一人ひとりを大切に」を配布するなどその周知に努めております。今後とも、児童生徒及び保護者に対しまして、子どもの権利条約の趣旨および内容の周知徹底を図ってまいります。 (藤井とし子議員) 教育委員会として、周知をされているということですが、今年度中に子ども未来局が中心となって子どもの権利条例についての策定について具体的に検討が始まっていると思いますが、そこでなかなか議会でも慎重とか反対される方もいて様々な意見があるのですが、虐待、不登校はここ数年でも急激に増えていると思うのですが、数字については新聞等にも出ておりますが、いじめの認知件数、広島市が発表しているなかでも2003年が93件が2007年度で273件、虐待件数、通告件数も03年度が333件、06年度479件、07年385件、07年度は、若干減りはしていても増えつつあるということでも早急な整備が必要であると思います。さまざまな議論の中でも、児童虐待防止法があるからいいのではないかという意見もあります。そこで児童虐待防止法の目的は何なのかお聞きします。 (指導第2課長) 基本的には、現在さまざまな児童虐待が起きていますけども、特にそういった事案が発生した場合、いかにして虐待を受けている事実を救済できるかどうか、そういう様々な取り組みの手立てを講じるための果たすべき制度として、年々その制度の熟度を高めているものと思います。 (藤井とし子議員) 発生した児童虐待などを救済するというものと言われました。これも虐待が起こった場合の早期発見、通報の努力義務が明記されているという点では、発生する前にもっと色々な問題があると思います。家庭を含めて未然に防ぐものではないかと思うのですが、そういった点でも教育委員会はこども未来局とも連携協力して、条例の早期策定に向けた取り組みをもっと積極的に行うべきだと思いますが、今年度は具体的にどのような取り組みを実施されるのかお聞きします。 (指導第2課長) 教育委員会としては、本年度条例制定に向けて子ども未来局と連携し、子供の権利条約の理念等にかかる周知方法のため公聴会など学校関係者との協議を考えていきたいと思っております。また子ども未来局との連携協力のもと、子どもの権利条約の理念や条例の考え方に周知啓発を行うための市民交流会等の開催や子供の意見を条例案に反映させることを目的とした子ども会議を開催するなど条例制定のための取り組みを進めていきたいと考えております。さらに子ども施策クロスセクションに新たに設置されました専門部会におきまして、子どもの権利の保障などについて検討していきたいと思っております。今後とも条例制定に向けまして、子ども施策クロスセクションにかかわる関係局とも連携をとりながらより一層の取り組みを進めていきたいと思っております。 (藤井とし子議員) 学校公聴会など開かれるということですので、是非ここはしっかり議論していくことも重要だと思います。子どもの権利の保障などについて検討しますということですが、ここで一つの権利について話をしたいのですが、学校での意見表明権というのが実際に条約にありますが、どうやって保障されるのかはとても重要なことだと思います。子どもの権利条約の特徴として、子どもを権利の主体、権利行使の主体と見ているところだと言われていますが、国連の子どもの権利委員会が今の日本の政府に対して、子どもに影響するすべての事柄で子どもの参加を促進するよう厳しい勧告を繰り返している中で、日本政府はそのことに関してすごく消極的に作用していると日本共産党の国会議員も指摘をしていますが、日本政府は学校やカリキュラム編成はこどもの意見表明の対象としない姿勢をとり続けていることが問題だといっているのです。具体的な条例の検討に入って議論をされると思いますが、もっと全学校で意見表明権をどう保障するかについて議論をしてほしいと思います。諸外国では学校の運営とかも生徒に対して認めている例がありますし、校則などでも子供たちが一緒に参加してつくれば、一緒につくった責任が同時に発生する、自分たちが意見を表明しそれが校則に反映する。じゃあ校則は自分たちが決めたのだから守ろうというほんとに基本的な民主的なやり方ですが、これはとても重要なことだと思います。いろいろな意見の中には、子どもの権利を認めたら学校が混乱するのではないかという意見などもありますが、やはりこの「表明権」というものを、しっかりと学校の中で位置づける。子どもにとって、人の意見をきき、自分の意見を言い、人の意見も聞きということは基本的なコミュニケーションのうえで一番大切なものだと思うのですが、意見表明権についての取り組みをお聞きします。 (指導第2課長) いま現場では、例えば生徒会を中心に、本来のルール作りとかを主体的に進めている学校もたくさんあります。そういう意味では子どもたちの意見、声を大事にしながら運営していると思っております。その中で、先ほど議員が言われましたことは、子どもたちの意見というものをいろんな場で参画させてひとつのいろいろな取り組みを進めていくべきではなかろうかというご提案だと思いますが、今後学校においてはこれまでの、作り上げてきたそういう取り組みを基盤にしながら、当然子どもの意見というものは大事にしながら学校運営は進められて行くものと思います。 (藤井とし子議員) 子どもの権利については、子ども未来局任せではなく、教育委員会としてもしっかり議論をして積極的にかかわっていただきたいと思います。 上にもどる 教職員の健康管理とパワーハラスメント対策について (藤井とし子議員) 次に、教職員の健康管理とパワーハラスメント対策についてですが、子どもの権利にもつながるのですが、子どもたちが学校でしっかりと楽しく勉強できるというのも、先生たちが元気で明るく笑顔で学校に来られるということが重要ですが、そんな中で今の先生方の健康状態・健康管理について伺います。人事課からの資料によると、市職員の長期病欠者の中でも、教員の場合をとってみると5年前と比較して長期病欠者が増えている、なかでも精神疾患者が増えているということですが、先生方の長時間勤務や多忙化も影響があると思いますが勤務状況を図る上で、教職員の入校退校時刻を調査されたとのことですが、その状況をまずお聞きします。 (服務・健康管理担当課長) 教職員の健康管理に活用することを目的としまして、本市におきましては平成19年5月から各学校長等が勤務時間を適正に管理するため、入校退校時刻を記録しております。記録によりますと、平成20年度の本市小中学校の教諭が勤務時間外の1日当たり平均在校時間では小学校で1時間43分、中学校で2時間09分となっております。 (藤井とし子議員) これは平均ですからね。各月ごとに違うと思いますが、平均1時間、2時間の時間外勤務に対してどのように取り組まれていますか。 (服務・健康管理担当課長) この勤務時間外の在校時間の縮減についてどういうことに取り組んでいるかとのご質問ですが、各学校におきましては、この記録を活用しまして校務広域化、議題の精選による会議時間の短縮、クラブ活動の週1休み、切り上げなど一部の教員に過重な負担がかからないよう公務分掌の平準化等に努めています。また教育委員会としましても、各学校が計画的に調査報告書の作成が行われるように、年度初めに年間を通してどの時期にどのような調査や報告を求めているのかを学校に周知するとともに報告書の厳選を進めております。また教職員一人1台のコンピュターの配置を進め事務処理の効率化等に取り組んでおります。さらに各学校で毎週決まった曜日に定時退校日を設定するなどの教職員が定時に帰れるよう環境整備を進めております。 (藤井とし子議員) さまざまな取り組みをされているようですが、健康管理システムについてはどうですか。対象者として時間外の在校時間が1か月80時間を超える勤務時間の先生方は何人くらいいるのですか。 (服務・健康管理担当課長) 平成20年度で、教諭については小学校が6人、中学校が86人です。 (藤井とし子議員) 健康管理システムを活用するということになっていると思いますが利用した人は、何人ですか。 (服務・健康管理担当課長) ご指摘の健康管理システムですが、これは1か月に在校時間が80時間を超えるものに対して校長が面談をいたしまして疲労の蓄積が認められるとした者に対して教職員保健管理担当医に指導を受けることになっています。さらに本人の希望がありましたら疲労の蓄積に応じましてさらに面談をするようにしていますが、平成20年度で、1人です。 (藤井とし子議員) 1か月80時間を超える人が6人と、86人いるのに1人というのはどうしてかと思うのですが、どうして利用が少ないのかということと、せっかくあるシステムが生かされないというのはどういうことかお答えください。 (服務・健康管理担当課長) 原因としましては、普段自分がかかっているお医者に行く教職員が多いということ。もう一点は教職員がこの健康管理システムについて十分理解していないということが考えられます。活用を進めるために、入退校時刻の記録をもとに1カ月80時間を超える教職員に対しましては学校長が確実に面談をしまして利用を促したい。またこの6月25日付で全教職員に対し、健康管理システムについてのパンフレットを送付しております。 (藤井とし子議員) 1か月80時間ということは年間では相当疲労がたまってくるだろうし、病気にかかる可能性も高いということでこのシステムが生かされるよう要望しておきます。 次に、休職者のうち精神疾患についてですが、一般に限らずいま教職員の中でも大変増えていますがその割合をお願いします。要因は何かいうこともお聞きします。 (服務・健康管理担当課長) まず病気休職者のうちの精神疾患患者の割合ですが、直近では文科省が調査したもので平成19年度が72名そのうち精神疾患が47名で65.3%、18年度より7.7ポイントの増加になっています。要因につきましては、さまざまな要因が絡んでいますので特定するのは非常に困難と考えます。 (藤井とし子議員) 72名中47名が精神疾患、いわゆるうつ病や統合失調症だと思いますが、これは異常な数ではないかと思います。にもかかわらず特定はできないでは対策ができないのではないかと思います。6月9日の中国新聞にも、過労が原因でうつ病などの病に罹り、2008年度に労災認定された人は一人増え269人と3年連続過去最悪となったと厚生労働省のまとめが報道されています。 特に厚生労働省はうつ病などの精神疾患や自殺の労災認定の基準を10年ぶりに見直して、ストレスの強さを評価する心理的負荷評価表を43項目に項目を増やしたしたということですが、そういう中でも対策は職員全体ですし、先生のなかでも特に対策はいると思うのですが、人間関係がその大きな背景にあるという点では、文科省が調査した休職者数の調査結果について平成19年12月29日の中国新聞の報道によりますと保護者、同僚などの人間関係など職場環境が厳しくなっているということが背景にあり、これによって学校における良好な人間関係が非常に重要だと考えると報道されています。休職教職員が14年連続増で最多、これも非常に重要な資料だと思うのですが、原因は多忙、保護者との関係などいろいろあるなか、取りわけ管理職、校長先生、教頭先生の人間関係づくりを果たす役割は大きいと思うのですが、いま現場などからよく聞くのはパワーハラスメントが実際にあるのだということも聞きますが、このパワーハラスメントについて教育委員会としては定義とか規定などあるのか考えをお聞きします。 (教職員課長) 良好な人間関係づくりによる健康で安心して働ける職場づくりという観点から、管理職の在り方、私どもの認識として、教職員が健康で安心して働ける職場にするためには、管理職として良好な人間関係づくりをつくるのは非常に大事だと思います。それを阻害する要因のひとつとして今回のパワーハラスメントについて教育委員会独自で定義をしたもの等はございません。ただ広島市として企画総務局の人事課および研修センターが公務員倫理研修のテキストとして整理したものがございます。その中でパワーハラスメントについて次のように定義しております。 与えられた権限を背景に人格等を侵害する言動で相手に精神的な苦痛を与えること。これは先行的な他都市の指針と同様な定義をしていると考えます。 (藤井とし子議員) 市の研修資料は私も見せてもらいましたが、例えば部下の話を無視するとか、人前で激しく叱責するとか、恫喝どなるなども含まれると思います。特別な私用があるにも関わらず時間外勤務等を強要するとか、ほかの業務に支障をきたす程長い時間部下を拘束する。これは具体例ですが、一番問題なのはパワーハラスメントをしている人間が自覚をしていないことだと思います。校長先生なども管理職として一生懸命にならざるを得ない背景もあるかもしれませんが、管理職としていいか悪いかはもちろん相手をどれだけ傷つけているかを気付くのは当然ですが、実際にこの間、ある先生のお話を聞きましたが、前任校でも今回の学校でも同じようなことがあり、職場の人間関係が悪くなるということで、現場の先生も困っているということを聞いております。パワハラ行為を繰り返す管理職に対してどういった指導をされているのかお答えください。 (教職員課長) ご指摘のありましたパワハラについては、当事者の受ける感じ方がそれぞれにより異なりますので、一定の判断基準というのはまた規定しがたいところがございます。結果として、相手方に精神的な苦痛を与えたかどうかが観点になろうかと思います。ご質問のありましたそれぞれの学校からの事例相談等がございましたら、事実を確認したうえで定義に基づいて指導を行っていきたいと思っております。 (藤井とし子議員) たとえば、パワハラを受けたことが原因で病気になったということが明らかになった場合、当事者の管理職はどういった責任をとるのか、処分はあり得るのか。 (教職員課長) 本市委員会では、パワハラ防止マニュアル、指針等の策定はできておりません。ただ他都市の先行事例いくつかを見てみますと、懲戒処分を視野に入れた防止指針、あるいは要綱等を制定しているものもあるようです。今後これらを視野に入れつつ関係部局と連携して研究をしていきたいと考えております。 (藤井とし子議員) 事実の調査研究も必要であるし、被害を受けても相談をしにくい弱い立場の先生ですから、そんな管理職がいるがために職場全体が一致団結して子どもたちの教育をするという環境にはならないと思いますので、他都市では指針をつくっているし、マニュアルを広島市でも早くつくっておれば被害は未然に防げたと思います。早急に検討していただきたいと要望しておきます。 上にもどる 教育費の保護者負担の軽減について (藤井とし子議員) 次に、子どもの貧困対策と教育費の負担の軽減についてですが、これは請願にもかかわる内容です。今年初め、広島市が実施した子育て支援に関するニーズ調査の結果、要望は6割が経済支援でした。経済格差が子どもたちにも影響を与えているという点では対策が必要と考えます。義務教育は無償と言いながら、学校では様々な保護者負担が生じています。教科書は無償でも、給食費、教材費、就学旅行費、入学時には制服、通学カバンなどかなりの保護者負担が教育を受けるためには払わざるを得ないといった現実ですけど、こういった中で、今年公立の小学校で入学時から卒業までいくらかかるのか、公立中学校でいくらか概算でいいので教えてください。 (指導第1課長) 補助教材費、学用品費、就学旅行費、野外活動費などですが、本当に概算ですが小学校6年間で36万円程度、1年間で6万円程度、中学校3年間で29万円 1年間で10万円弱というぐらいの金額になっています。 (藤井とし子議員) 保護者負担をなくすためにどのような事をされているのかお聞きします。 (指導第1課長) 保護者の負担されている教育費につきましての考え方ですが、これまでも保護者に過度の負担をかけないようにすることが重要である、と考えまして各学校を指導してまいりました。今日の経済状況を考えますと、保護者の経済的負担をさらに軽減するよう、家庭にある用具や学校にある用具の一層の活用を十分検討し、保護者が購入する学用品や補助教材をこれまで以上に精選し、これまで以上に配慮していく必要があると考えております。こうしたことから毎年2月に、翌年度の補助教材および学用品費等の取り扱いについて、通知によりまして綱紀に従った厳正な選定を行うことはもちろんのこと保護者に過度の負担をかけないようにすることについて指導しております。特に現在の厳しい経済状況を踏まえまして、さらに5月27日付で小中学校長に次のように指導しております。2点ございますが、1点目は保護者が購入する学用品費等を厳選して、経済的負担を軽減するよう配慮すること、その際、学校に備えている用具の過注について十分に検討してほしい。2点目は、保護者への通知には学習に必要な最低限の学用品等を示すとともに家庭にある用具を活用することが基本であるということを明記するようこの2点を指導しております。 そしてこの通知に基づきまして6月10日の小学校長会、6月4日の中学校長会で直接指導しております。今後とも保護者に過度の経済的な負担をかけないよう指導の徹底を図ってまいります。 (藤井とし子議員) 保護者負担は本来あってはならないし、ない方がいいわけでしっかりと公的に補助ができるということが重要です。先ほどの通知も見せてもらいましが、保護者に負担をかけないようにするのはもちろんですし、学校に備える消耗品・備品が充実していないと教育が十分できないということになっては困りますので、そういった点では消耗品費・備品ついてはしっかりと財源を確保していただくということをお願いしておきます。 また全国的に民間で調査した結果、高校入学時負担が制服含めて平均で17万円。今は高校も義務教育に近いという状況にもなっていますが、いろんな調査で進学をあきらめるということが新聞報道でもたくさん出ていますよね。特に母子などのひとり親家庭で、経済的な理由で進学をあきらめることのないよう以前も要望しましたが高校の給付型奨学金制度を設けてほしいと思うのです。特に高等教育の無償化は世界の流れということですが、段階的に高等教育は無償とするという国際人権規約がありまして、その社会条項13条を留保しているのが、160カ国中今年の5月現在で、日本とルワンダの2カ国だけになったことが報道されて改めてびっくりしたのですが、日本は経済大国と言われながら留保しているということで、国連の社会権規約委員会は2001年日本政府に対して、留保を撤回するよう勧告した。ところが06年の回答期限をすぎても、まだ回答をしていません。こういう姿勢自体が日本の学費は世界でも異常な高額といわれることに大きな影響を与えていると思いますが、 このことに対して、国に対して無償化条項の留保を直ちに撤回し、国の姿勢を転換して学費を計画的に引き下げることを求めるべきだと思いますがどのように考えておられるのか最後にお聞きします。 (教育部長) 高等学校の進学率も97%になっており、全国的にも100%に近い状況になっているのは承知しています。そういった中で高等学校に経済的困窮が原因で、就学できないという状況はあってはならないということで取り組みを進めております。中でも高等学校の授業料の減免措置について取り組んでいますが、昨年度に比べましても11%程度の生徒が減免を受けています。前年度よりポイントも増加しているといった状況下にございます。先ほどご質問のありました奨学金制度にしましても、中学校の進路指導の段階ですべての奨学金制度を網羅しましたいわゆる「進路指導の手引」を進路指導の時間(これは特別活動の時間ですが)を使いまして生徒には説明しています。さらに保護者に対しましても周知徹底を図っております。また入学時にも徹底を図っています。 (藤井とし子議員) 高等学校の無償化には程遠いという状況だと思うのですが、文部科学大臣も2月の国会で高等学校の無償化も検討するといっていますので、ぜひ広島市としても市長会やいろいろな場で、呼びかけていただいて、国の責任で高等教育、高校、大学を含めて教育は一番の国の未来を保障するということをもっと重視していただいくということを要望して質問を終わります。 上にもどる |
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