議会での質問・答弁

2025年03月07日

2025年第1回 2月定例会・予算特別委員会 消防上下水道関係 中原ひろみ

1.雨水管建設工事による大規模道路陥没事故について
2.上下水道管の安全対策について

1.雨水管建設工事による大規模道路陥没事故について

(中原ひろみ)
 お疲れ様です。日本共産党の中原ひろみです。二つの質問を準備いたしました。まず、雨水管建設工事による大規模道路陥没事故について、質問をしてまいります。
 昨年9月26日に観音地区下水道築造工事においてシールド機内ヘ異常な出水が起こり、その数分後に道路が東西方向では40m、南北に30m、深さは約2m陥没するという事故が発生をいたしました。
 この事故では幸いにも人的被害はありませんでしたけれども、断水をはじめ、市営住宅など建物に物的被害が発生をしております。
 今も18世帯40名の皆さんが、仮住まいを余儀なくされていらっしゃると伺っております。改めて被災された皆さんにはお見舞いを申し上げたいと思います。
 現在、検討委員会において、原因究明中ですけれども、早期に原因が明らかになり、工事の再開によって、この浸水対策が完了することを願うわけですが、事故の補償に関する負担について考えた場合、誰がこの補償をするのかを決める上で、事故原因の検証究明は極めて重要であると考えております。
 そこで伺いますが、事故に関わる補償費用の負担割合はどのように決められるのか教えてください。

(建設担当課長)
 陥没事故に係る費用負担については、今後、事故原因を究明し、責任の所在が明らかになった後に、本市と受注者が協議を行い、その負担について決定することとなりますが、その際には、事故原因がシールドマシンの不具合など受注者の責任に限定される場合は、受注者が費用を負担。通常避けることのできない不可抗力の場合は、本市が費用を負担。また、受注者の責任と不可抗力との複合的なものであった場合には、双方で費用を負担することが基本になると考えております。

(中原ひろみ)
 シールドマシンの不具合などは受注者、不可抗力避けることができないということにはなった場合は広島市と、複合的なときにはお互いに負担割合を話し合い決めるということでした。
 それで今、第1回の検討委員会で、事業者が委員の皆さんに陥没事故の状況説明をされております。そのときの説明はこのような部分がありました。
 事故は、シールド前面の切端土圧が急激に低下し、異常出水したと。シールド機の下の方から盛り上がって出水したが、どこから出水したのか不明であると説明がされて、これは特異な事例だと事業者は説明をいたしました。
 しかし、これが特異な事例ということになりますと、予測できなかったという不可抗力ということにつながりかねません。
 そうなりますと、広島市が全て補償費用を負担することになる可能性もあるわけであります。
 よって、本当にこの出水が異常な事態なのか、これは正面から検証する必要があると考えますが、市の見解をお聞きします。

(建設担当課長)
 本来、水密性が保たれるべきシールドマシン内部で異常出水したことは、特異な事例であると認識していますが、その原因が、通常避けることのできない不可抗力なものであったか、あるいは受注者の責任であったかは、今後、検討委員会において事故原因を究明した上で検証していくものと考えています。

(中原ひろみ)
 検討委員会において事故の原因が究明されるんですが、これはどういう結果になろうとも、どんなふうな検討がされたかという最後の説明責任は、広島市が果たす必要があるというふうに考えております。
 この点についての市の認識を聞きたいのと、合わせて、そうなりますと、原因調査に当たっては地質条件に適した工法だったのか。マシンの工法や設計、そして製造は適切だったのか。様々な角度から丁寧に検証したということが市民に説明できなければ、なかなか納得もいただけないのではないかと思いますけれども、どのようにお考えでしょうか。

(建設担当課長)
 本市は専門的見地から、外部の学識経験者等から成る広島市下水道工事事故調査検討委員会を立ち上げ、事故原因の究明や再発防止策について意見を聴取し、検証することにしています。
 こうした委員会での意見や導き出された検証結果について公表し、説明責任を果たしてまいりたいと考えております。
 また、事故原因の調査に当たりましては、シールドマシンについても、様々な視点から検討委員会において意見を聴取し、検証する必要があると考えています。

(中原ひろみ)
 それで、市民から様々私たちのもとに疑問が届いておりますので、ちょっとその市民から届いた疑問点について質疑という形でお聞きしてまいりたいと思います。
 一つはシールドマシンの工法なんですね。事故が発生しました西区観音地区のこの工事は、泥土圧式というものです。一方同じように巨大雨水管のシールド工事がされました。安佐南区の八木緑井地区では、泥水式という工法が採用されております。
 この泥土圧式というものと、泥水式というものは、どのような特徴があってどう違うのか。なぜ安佐南区の緑井地区では泥水式で、なぜ西区観音では泥土圧式になったのか教えてください。

(建設担当課長)
 泥土圧式は、シールドマシンの前面内部に泥土を充満させ、地山の圧力と、泥土圧とのバランスを図りながら掘削する工法です。
 泥水式は、シールドマシンの前面内部に泥水を充満させ、地山の圧力と泥水圧とのバランスを図りながら掘削する工法です。
 いずれの工法も広範囲の土質に適用しますが、玉石や礫質土には泥土圧式が有利です。
 八木緑井地区においては、地盤などの現場条件を総合的に勘案し、受注者において泥水式の採用を決定しています。
 また、西区観音の雨水管建設工事におきましては、土質などの施工条件を総合的に勘案しまして、受注者において泥土圧式の採用を決定しています。

(中原ひろみ)
 受注者において泥土圧式が採用されたということですね。それで検討委員会の座長さんがですね、やはりこのシールド工法の泥土圧式は順当だというふうには第1回の検討委員会でご発言されてるんですが、シールドマシンを長年扱ってこられて、1人の専門家という立場からですね、この泥土圧式は水が少ないところで対応するんだというふうにおっしゃるんです。
 地下水位が高いこの西区の観音地区で、しかもその土被り30mという水圧のかなり大きいところを掘削することを考えると、やはりこれは泥水式が良かったのではないかというふうな疑問の声が届いております。
 そこで写真を持ってまいりました。これは第1回目の検討委員会で、事業者が約80年前からの当該土地の利用の変化を説明するために作成された資料の一部を持ってまいりました。
 大変黒いので恐縮ですが、この白い丸印が、ここが事故の陥没箇所で、そこから伸びております白い線、これが旧西大橋という橋があった場所になります。
 それで、1947年から1952年頃には、このシールド工事のルート路線から北西部は旧福島川がこの黒い帯のところですね、旧福島川が流れておりまして、事故により陥没した箇所が丸印、それでこれが今の旧西大橋の1961年当時の状況です。こういう橋が架けられていたということです。
 それで陥没箇所の周辺は当時大きな地形の改変が行われ、何がされたかというと、埋め立てがされまして、1966年には旧福島川の埋め立てが終わって土地が変わっていったという歴史があります。
 事業者の説明資料を見ますと、結局旧福島川の旧護岸がこの度の西区観音地区のシールド建設路線とほぼ合致をしております。陥没箇所に近い部分が西大橋の東詰めという位置関係となります。結局、旧護岸や川に沿った箇所を掘削するという工事ですから当然に地下水が多いだろうということは、そういう地質であろうということは明らかではないかと私は考えております。
 ですから、この地域のシールド工事は、やはり泥水式がふさわしいのではないかという疑問はやはり拭えておりません。
 専門家、先ほど紹介した市民の専門家はですね、泥水式は処理施設が必要なので少し工事費が増えるんだと。だからこの工事費を少し抑えるために、西区では泥土圧式を採用されたんかなというふうなご意見もございます。
 やはりこれらの市民の疑問に応えるためにも、やはり検討委員会でこの工法の妥当性についても改めて必要が検討検証が必要と思いますが、いかがでしょうか。

(建設担当課長)
 泥土圧式は、地下水位が高く、水圧のかかり方が大きい条件においても、適用可能な方法であります。受注者において、土質などの条件により泥土圧式の採用を今回決定したものです。
 また、検証について第1回の検討委員会において、工法選定は順当な選択であるとの意見をいただいています。

(中原ひろみ)
 次に示しておりますのは、これも検討委員会で出された資料の地質調査速報というものです。この青いものがこれがシールドマシーンであります。
 この位置で今止まっております。ここが事故発生地点です。左側から右側に掘削が進められております。この地質調査を見ますと、事故位置の地盤は、鉱石砂礫土層この茶色オレンジ色の部分ここをずっと掘ることになっておりました。
 鉱石砂礫土層というのは、5センチから12センチぐらいの超硬い玉石が多数混在するというような地層のようです。しかし事故が発生しました箇所では地層がこのV字型に落ち込んでおります。地層全体が変わっているということです。
 この地点のボーリングでは、鉱石砂礫土層はもうシールド機の下ににはありません。代わりに沖積基底層というこの紫色の部分と、沖積粘土層このグリーンのものに変わっております。
 検討委員会からはですね、この沖積粘性土層というのは、粘土層という言葉にやはり粘着力があるんじゃないかというふうに先入観で見られるんだが、そうじゃないんだという指摘があって、これはすごく柔らかい土だと考える必要があるというご意見がありますし、沖積基底層、この紫色のところですが、ここは砂質土層で、もろに水を含んでいるんだと指摘されております。
 さらに検討委員会の質疑の中で、事故時点のこの落ち込んだところです。一番Vの下のところですね。ここのN値が0ということが明らかにされました。
 そこで伺います。N値とは何か、掘削工事において、この地質調査の必要性とともにN値0の意味を教えてください。

(建設担当課長)
 まずN値とは、地盤の硬さや締まり具合を示す指標であり、標準貫入試験によって求められます。
 一般的に硬く締まった地盤ほど数値が高くなります。N値の大小がシールド掘削に直接影響することものではありません。
 なお、N値0とは、非常に軟弱な地盤であることを示していますが、N値0の土質が確認されました場所は、事故後に行った土質調査の結果のであり、検討委員会ではこのたびの事故により生じた土質性状であると推測されています。

(中原ひろみ)
 事故後の状況だということですが、事故現場の地質は、非常にズブズブな状態だということなんですよ。
 このズブズブな状態は、ボーリング調査21本実施されているんですが、75センチ、先ほどの硬さ、締まり具合というN値の検査の目的ですが、何もしなくても75センチ沈んでいくという、そういう状況のゆるさということなんですね。
 N値0のところで深度30mの水圧がかかって、大気圧でドロドロしたすごいものが大量にシールド機内に入ってきたというのが検討委員会のご意見でしたし、座長も、土水圧を抑えていたものが突然なくなったと、シールドトンネル内にバキュームのように水を吸い込んできたのではないかと。
 別の委員からも、この出水直前にこの礫取り箱というのがあるんですが、礫とは石なんですけどね、そういうものの礫取り箱の土圧が急上昇していると。これについては大きな石にぶつかった可能性もあるというようなご意見もございました。
 私考えるに、このボーリング調査で自沈75センチというような非常に軟弱な水を多く含んだ地質が確認されたということは、これは事前の地質調査不足ではないかと言いたい。地質に適応した工事や工法がされなかったのではないかと。これも検討委員会で検証していただければと思うわけですが、やはりここは大事なところではないかと思っております。
 それで、次回に開催される検討委員会では、追加の土質調査が求められましたね。
 それはどのような理由によるものなのか、何を明らかにするための調査なのかお聞きしたいし、次回の検討委員会の開催日が決まっていたら教えてください。

(建設担当課長)
 追加の土質調査につきましては、検討委員会の意見により追加で行っておりますが、これ事故により生じた土質性状である、先ほど申したました推察についてこれを確認するものであり、調査結果を次回の検討委員会で報告し、意見を聴取することとしています。また次回の検討委員会には3月末ごろを調整しております。

(中原ひろみ)
 なかなか日付が出てきませんが、とにかく追加の土質調査によって、事故の原因が一歩ずつわかっていくということだと理解しております。
 それで次の疑問はですね、このマシンの性能・設計についてなんです。検討委員会でも、マシンが最も重要だというような発言がありました。
 やはり長年シールドマシンを運転してきたというシールドマシンの運転手さんからですね、次のような疑問がありました。
 先ほどの八木緑井地区のあの巨大雨水管、このシールドマシンの直径6mなんです。西区の観音地区もやはり6m、同じ大きさ。
 しかしどこが違うかといえば、先ほど泥水式と泥土圧が違うというのがありましたが、ローラーカッターが八木緑井では19個ぐらいついてたと。しかし西区の観音では6個しかないと。これは納得できないというんですが、これはマシンの設計は適切だというふうに言えるんでしょうか。

(建設担当課長)
 マシンの仕様については、受注者において、事前の土質調査や立坑掘削により、玉石の状況を確認した上で、シールドマシンの仕様決定や設計を行っております。
 今回の工事におけるシールドマシンの使用については、第1回検討委員会で説明した結果、指摘等の意見はありませんでした。

(中原ひろみ)
 事前の地質調査をもとにマシンの仕様や設計をされるんだと思うんですが、マシンの仕様や設計を誰がされたのか。製造者は誰か。それから広島市はマシンの設計仕様にはどのように関与されているのか教えてください。

(建設担当課長)
 今回の工事において使用しているシールドマシンは、受注者が製造メーカーに仕様や設計を依頼し、製作したものです。本市は受注者からシールドマシンの仕様等について提出を受けていますが、指導は行っておりません。

(中原ひろみ)
 要するに今の発言は、広島市はマシンの設計仕様には関わってないということでよろしいですか。

(建設担当課長)
 先ほども申し上げましたけれども、受注者が製造メーカーに仕様や設計を依頼し製作しており、指定したものではございません。

(中原ひろみ)
 この製作者とか設計者というのはわからないんですか。

(建設担当課長)
 マシンの製造メーカーについては、JIMテクノロジー株式会社でございます。

(中原ひろみ)
 設計者はどこですか。

(建設担当課長)
 設計を依頼されているのもJIMテクノロジーでございます。

(中原ひろみ)
 了解しました。検討委員会は水がなぜ出水したかということで切羽まで行かないとわからないということで、前回の委員会のときに、次回ではシールド機内の内部を目視できるようなそういう調査が必要だというふうにおっしゃってました。
 それでシールド機は今、水に全部使ってますので、そういう調査をするためには、シールド内の水を排水をして、中の土砂も撤去して、シールド機周辺の地盤を止水する、あるいはこの薬液注入で固めて凍結するなどの確実性のある信頼性の高い止水工法がどうしても必要となるんですが、当日検討委員会のメンバーからも、この止水工事はかなり高額ですよと。広島市さん大丈夫ですかというようなご発言もありましたけれども、市はどう対応されるんでしょうか。

(建設担当課長)
 調査等にかかる費用については、今後、事故原因を究明し、責任の所在が明らかになった後に、本市と受注者が協議を行い、その負担について決定することとなります。

(中原ひろみ)
 要するに、広島市としては原因究明のためには必要な調査を行うという立場だということで理解いたしました。
 それで、現在は契約に基づいて全ての補償は事業者の方が負担されております。広島市は1円も出しておりませんけれども、これまでの補償費とか、それから事故調査費用、そして今回シールドマシンの中に入るためのいろいろ止水工事などを含めて、およその今までかかった費用、これからかかる費用というのはどれぐらいの規模になるんでしょうか。

(建設担当課長)
 現在までの補償費や事故調査費用については、受注者が立て替えて負担しているため、現時点においては本市で把握しておりません。

(中原ひろみ)
 把握していないということですけれども、このシールドマシン、今水に浸かっているので、あの油圧装置とか電気関係などは果たしてこれが再復活できるのかどうかっていうのは大変疑問なことが多いんですが、この判断というのはやはり検討委員会の方でなさるんでしょうか。
 どなたがこのシールドマシンを使えるとか、使えないとか、それから使えなかった場合はこれを取り出さなければなりませんが、そういうことについては、どなたがどのようにお決めになるんでしょう。

(建設担当課長)
 今後、シールドマシンについての調査を進め、検討委員会でシールドマシンの再使用、復旧の可否について意見を聴取した上で、本市が判断することとなると考えています。

(中原ひろみ)
 広島市が最終的には判断をされるということのようであります。第1回目の検討委員会の最後のところですね、座長がまとめのところで、原因究明の方向性はだいぶ煮詰まってきたというふうに発言をされております。すごいなと。私も第1回目でね、もう煮詰まるのかというふうに受け止めましたけれども、市の受け止めはどうなんでしょうか。
 市としてはこの1日も早い事故究明をすべきというふうに思ってらっしゃると思いますが、スケジュール的にいつぐらいまでにこの事故の原因を明らかにしたいというふうにお考えなんでしょうか。

(建設担当課長)
 本市としては、事故の原因究明には、シールドマシン内部の確認が必要と考えており、その調査方法については、今月下旬に開催予定の第2回検討委員会において説明し、委員の意見を聴取した上で決定することとしています。
 事故原因の究明には一定の期間を要することになりますが、可能な限り早く調査を進めていきたいと考えていますです。

(中原ひろみ)
 1日も早い究明を求めますが、ちょっと話が変わるんですけどね、この新年度で、管渠の敷設延長1120m、11億円ぐらいの予算です。これ祇園とか中野地区16地区というふうになっておりますけれども、今回の西区の陥没事故で、こういう管渠の敷設に関して周辺の皆さんも少し不安をどうしてもお持ちになるんじゃないかと思うんですが、こういう今後施行していく地域の皆さんに安心してもらうためには、何かお考えになっていることがあるんでしょうか。

(建設担当課長)
 16地区については祇園、中野地区の他、千田、尾長、二葉の里、八木緑井、河内、沼田、亀山、狩留家、小河原、瀬野、矢野、五日市、石内、および当該観音地区において浸水対策工事を行う予定としています。
 全16地区のうち、当該観音地区以外にシールド工法による工事はありませんが、施工地域の住民の方に対して、引き続き工事の説明を丁寧に行ってまいります。

(中原ひろみ)
 あの西区のような大きなああいう雨水管の工事ではないということなので、そういう点では少し安心かなと思いますが、やはりそうは言っても地域の人の工事の信頼が少し揺らいでるかなと思いますから、その辺はご配慮いただきたいと思います。
 それでここからは被害者の補償、生活再建について少しお聞きします。
 昨年の12月21日に地域住民の説明会がありましたが、このときの意見はどんなものがあったのか。市は意見をどう受け止めていらっしゃるのか教えてください。

(建設担当課長)
 昨年12月、第3回の住民説明会では、第1回検討委員会の報告を行うとともに、現場の状況および建屋解体や下水道復旧工事の予定などについて説明を行いました。
 その際、今後の工事に対する安全対策および騒音振動への配慮などのご要望をいただきました。
 本市としては受注者と連携し、こうしたご要望を施工に反映するとともに、引き続き地域住民のご意見やご要望をお聞きし、丁寧に対応してまいります。

(中原ひろみ)
 損壊した建物の補償や営業補償については、一部補償は済んだということが第7報で教えていただきましたが、これまでどんな補修をされてきたのか教えていただきたいのと、現場から半径50mにおいて避難された方のうち、14世帯は帰宅されているということを伺っております。
 しかし現在はまだ事故発生地点から30mのサークルの中では沈下が続いております。
 今後、この自宅には帰ってみたが、やっぱりどうも家がおかしいよねということは、生活をされていれば感じられることもない方がいいんですが、ある可能性もあるわけです。
 今後そういう新たな家屋被害が発生した場合に、どのように市は対応されるのか、市民からすればどこにこのSOSを出せばいいのか教えてほしいということなのでお聞きしておきます。

(建設担当課長)
 被害を受けられた方に対して、避難中の仮住まいの家賃、損傷した建物の修繕および事業継続のための仮事務所の家賃等について補償を行っています。
 また、今後、このたびの事故に伴う地盤沈下により建物等が損傷した場合には、同様に補償させていただくよう考えています。

(中原ひろみ)
 どこへ申し出ればいいんですか。

(建設担当課長)
 本市と補償の対応については、本市と受注者と連携して行っており、受注者側に相談窓口を設けるなどして、また補償について個別に対応を行っております。

(中原ひろみ)
 それははっきりなかなかおっしゃられませんが、個別の方はご存知だという理解でよろしいですかね。
 市民からこういう不安の声も届きました。原因究明がされて、これやはり不可抗力だよということになったと、そういう場合にはその市が多額の負担を余儀なくされますよね。そうすると、この下水道料金がこの上がるのではないかという不安の声なんです。
 なるほどと私も言われて思ったんですが、市はどのようにお考えなのか改めてお聞きをさせてください。

(建設担当課長)
 この度の工事にかかる費用につきましては、陥没事故に係る費用負担については、事故原因を究明し責任の所在が明らかになった後に、本市と受注者が協議を行うものですので、その負担について決定した後に使用を具体的に支出することになるかと考えております。

(中原ひろみ)
 今の答弁はよくわかりませんでした。雨水管の工事ですから、雨水ですから、雨水でしょ。
 この工事については、私は料金に影響させてはならないということを申し上げておきたいと思います。

2.上下水道管の安全対策について

(中原ひろみ)
 それではもう一つの質問事項、上下水道の安全対策ということです。先ほど埼玉県の八潮市の事故のことが出ましたので、私もこれに関連した質問を準備しておりました。ダブったところは省いて質疑いたします。
 新年度予算で水道管の更新として約39億5,000万円、下水道は51億2,600万円という予算が計上されております。
 これらはいずれも老朽化対策の予算だと思うんですが、この予算が全て執行されると、上下水道それぞれ老朽化対策どの程度進むことになるんでしょうか。

(計画課長)
 水道管の老朽化対策については、平成26年度に整備後の経過年数をはじめ、材質や強度、防食状況などから、更新が必要な管路として963kmを選定し、以後、計画的に更新を進めています。
 この取り組みにより、令和6年度末時点で更新が必要な水道管は721kmとなる見込みです。
 令和7年度は14.4kmの更新を行う予定であり、残る延長は707kmとなる見込みであります。

(管路課長)
 下水道管渠については、令和7年度は約20kmの改築を行う予定であり、これまでに改築したものと合わせて合計210kmの改築が完了する見込みです。

(中原ひろみ)
 規模が大きいので、予算をかけて老朽化対策してもなかなか率的には上がってこないということなんですが、埼玉県の八潮市の下水道管の事故ですけどね、これを受けて、国の点検の対象ではなかったけれども自主的に点検をされたということを先ほど答弁がありました。
 それで岡山県ではですね、やはりこれは他人ごとではないなというふうに捉えられて、この幹線道路の下に下水道が走ってるところ、ここをやはりレーダー探査というんですかね、空洞調査を行われたということのようです。
 広島市でもやはりそういう幹線道路の下に下水道が走ってる地区はないということはないと思うんですが、まずその有無、あるのかないのか。あるとすればそういう岡山県に倣って、せめて幹線道路のところはレーダー探査で空洞調査を行う必要があるのではないかと思うんですが、いかがでしょうか。

(管路課長)
 幹線道路においても下水道管は通っております。本市の幹線道路については、道路管理者において、レーダーによる路面下の空洞調査を定期的に実施しており、この調査によって道路に埋設されている下水道管付近の空洞が判明した場合には、下水道管の点検調査を行い、必要に応じて補修等を行っています。

(中原ひろみ)
 必要に応じて点検されているということで安心なんですが、もう私は向洋新町に住所がありますけれども、2年前でしたかね、もううちの団地も40年近くなります。
 古い団地の方に入るんですけれども、バス通りという大きい道路がありまして、ここは広島バスさんと広電バスさんが2社が通っている広い道路なんですけどね、ここの道路のそばに住宅が建ち並んでおりますが、ある住宅の方、ちょうどご自分の前がティーサロンになっているところにお住まいなんですが、あのマンホールが下水道管もあるし、NTTのなんかそういう蓋もあったりして、7つか8つぐらい、あのご自宅の前にこのマンホールというものがたくさんあるんですよ。
 それで、私のところに声が届いたのは、バスが通るたびに家が地震が来たように揺れてね、大変精神状態が悪いと。それでこの中原さん、下水道管がいけんのじゃないかと。それでかなり大きな下水道管が三つぐらいありましたから、そこは南区役所の方にお願いをして、マンホールのふたの周辺をしっかり固めてもらうっていうんですかね、そういうことを対応していただいたんです。
 それでことは済んだかなと思っておりましたら、やっぱり全然駄目っていうふうにおっしゃって、私もちょっと残念だったなって思ったことがあるんですが、やはり40年も経ちましたから、やはりたくさんのマンホールのようなものが集中している箇所、しかもそういうバスが1日に何便も通るっていう団地の中の幹線道路ですね。ここは道路局とも調整もいただいて、やはり空洞がないかというような調査をね、ぜひしていただけないかなというのが、今日の私のこの2問目の一つの大きな問題点と要望事項です。
 ぜひやるかやらないかって言ったらなかなか難しいでしょうからぜひ、これ要望という形でお願いをしておきたいというふうに思います。
 それで、あとはなかなかこれは言いづらいことなんですけども、先ほど新年度予算で、14.4kmとか20kmの老朽化対策をやるということを言われましたが、このペースでいくとやはり30年40年かかるんじゃないかと思うんですね。
 そうなるとまた次々に老朽管になっていくという状況で、ここは上下水道大変重要なインフラですから、ぜひ予算をしっかりつけていただいて、必要な調査をやり、そして調査回数も増やしてもらって、発見された老朽箇所、必要な対策箇所は早期に改修いただきたいということをお願いをして、今日の質疑を終わりといたします。
 下水道局の皆さんは本当に今、西区の事故で大変だと思いますが、ぜひ原因究明に向けて頑張っていただきたいこともお願いをしておきます。ありがとうございました。

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