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おはようございます。日本共産党の中村孝江です。党市議団を代表して討論を行います。
上程された59議案のうち、反対するのは、第103号議案 令和6年度広島市一般会計補正予算(第5号)、第109号議案 市議会議員の議員報酬、費用弁償及び期末手当に関する条例の一部改正について、第110号議案 特別職の職員の給与に関する条例の一部改正について、および第158号議案 変更契約の締結についての4議案です。意見を付して賛成は第160号議案 令和6年度広島市一般会計補正予算(第6号)です。その他の54議案には賛成します。
なお、第103号議案 令和6年度広島市一般会計補正予算(第5号)に対する修正案※の趣旨には賛同しますが、103号議案そのものに反対のため、賛成しかねます。
※市議会議員及び特別職の職員の期末手当の増額に係る予算を削減するもの
まず、第103号議案について反対する理由を述べます。
103号議案のうち、広島地下街開発株式会社及び広島駅南口開発株式会社の経営改革に係る債務負担行為の設定についてです。
これは、エールエールA館とシャレオの経営について民間コンサルタント会社を活用して経営改革プランを策定し、実行するというものです。
質疑の中で、4200万円の税金をつぎ込んでまでコンサルタント会社に経営改革プランを策定してもらう理由をお聞きしましたが、「安定的な経営を行っている」とし「都心の交通結節点として機能強化で”まちの活性化”の促進」のためという答弁でした。
経営は安定していると言われましたが、二つの法人は赤字体質であることは議会でも何度も指摘されています。また、交通結節点というのは今に始まったことではないうえに、経営改革とは関係ありません。民間コンサルタント会社に支援してもらう動機が明確に述べられておらず、率直に言ってごまかしの答弁だと言わねばなりません。
議案質疑で、改めて二つの法人に対し、市は至れり尽くせりの待遇をしていることが明らかになりました。広島駅南口開発株式会社には41億5000万円の貸し付けと価格41億6000万円の土地及び建物の現物出資をしています。
さらに、経営を助けるために中央図書館の移転整備も進められる中で、市が無償譲渡した床などを71億円で買い戻すということもしています。広島駅地下街開発株式会社も66億7200万円の貸し付けをしています。
また、開業から23年たっても赤字体質が改善していません。さらに、利息の請求権を放棄した額は、両社合わせて15億4113万円となります。すでに多額の税金が投入されており、損失補償も含めると、二つの法人合わせて約460億円もの経営支援をしています。今後の経営の先行きによっては、さらなる巨額の市民の税金が投入されかねません。
民間企業であれば二つの法人は、どう見ても経営に行き詰っており、破綻しています。それを、「安定的な経営ができている」というのは、市民の税金を扱う立場として、無責任極まりない答弁です。すでに民間のノウハウを取り入れるというレベルではなく、自治体が運営するには手に負えない状態だと言わねばなりません。そこに何の反省もなしに4200万円をつぎ込んで経営改善するというのは認められません。民間に売却することを検討すべきだと指摘しておきます。
次に、広島駅南口広場の再整備等に係る債務負担行為の設定についてです。
今回の一般会計補正予算(第5号)のさまざまな予算項目の中で、今後の予算規模が160億円に上るという点で、極めて重大な問題が含まれています。
広島駅南口再整備事業は、当初155億円の事業費であると説明されてきました。しかし、いざ事業計画が明らかにあったら2.3倍の360億円もの巨大事業となりました。
それからわずか4年後の今議会で160億円増額し、当初計画の3. 4倍もの520億円規模になりました。さらに問題なのは、議案質疑で明らかになったように、今回の増額に留まらない可能性があるということです。
広島市は、厳しい財政状況を理由に、就学援助制度の基準を切り下げるなど市民の生活を支える制度を縮小し、改悪してきました。「受益者負担」の名で市民の生活と命をまもる施策には後ろ向きで、にぎわいのためには巨額の事業費をつぎ込むことは認められないと、私たち日本共産党広島市議団は反対をしてきました。
市長は、南口広場再整備を断固としてやり抜くと、記者会見で強調されました。すでに工事も進んでいる事業だとはいえ、いとも簡単に160億円もの増額を発表する感覚は、市長には市民の生活が見えてないのではないかと思わずにおれません。
現に、介護分野でも障害福祉分野でも、事業所の運営が厳しい状態が続き、事業継続ができるかどうかの瀬戸際にあります。困窮する市民もたくさんおられます。
住民に一番近い基礎自治体の役割として、財源を優先的にむけるべき施策がたくさんある中で、市長が断固やり抜くと決意する場所は、市民生活を守ることです。
そもそも、今回の工事費の増額については、人件費や資材価格高騰も要因の一つではありますが、計画段階の見積もりの甘さが大きな原因であることも指摘しておきます。
契約発注者・受注者双方とも契約履行の意識が欠落していることを、深刻に反省すべきです。なお、同じ理由で第158号議案もあわせて反対です。
109号議案、110号議案について反対の理由を述べます。この議案は、市議会議員と市長など特別職の期末手当を一般職員の期末手当を引き上げることに合わせて0. 1ヶ月分引き上げようとするものです。今回の条例改正により、議員一人あたり約10万円、特別職のうち市長は約16万円、副市長は一人当たり約12万円、教育長は約9万円引き上げられます。 物価高騰が始まった2021年9月以降でみた場合、議員一人あたり約15万円、特別職のうち市長は約24万円、副市長は一人当たり約19万円、教育長は約14万円引き上がっています。
一般職員は労働基本権である争議権を奪われており、人事院勧告が出されないと給与が上がりません。一方、議員や特別職の報酬は、自分たちが条例を提案すれば増額することができます。一般職員の期末手当引き上げに便乗することは認められません。
市行政の中でも、会計年度任用職員や公益法人の非正規ワーカーなど、官製ワーキングプアをつくりだす状況を放置したままで、あえて議員や特別職の期末手当を上げることに必然性もありません。
また、議員は物価高騰の中、15万円も期末手当が増えていますが、一般の労働者は物価高騰に見合った賃上げとは程遠い状況です。
そもそも、市長始め特別職や議員は、高額所得者であり、さらに期末手当の増額をするというのは、市民の暮らしの大変さが、ますますわからなくなってしまうのではないでしょうか。今回の条例改正は、市民の理解は到底得られません。よって二つの議案に反対です。
意見を付して賛成するのは、第160号議案 令和6年度広島市一般会計補正予算(第6号)です。
その理由を述べます。石破政権が総合経済対策として、住民税非課税世帯の1世帯あたり3万円の給付をするとともに、同一世帯に18歳以下の子どもがいる場合には、子ども一人につき2万円を追加支給するというもので、全額国の交付金で措置されます。生活が大変だという非課税世帯に手当をするのは大変重要です。
一方で、中原議員が議案質疑でも指摘していますが、物価高騰の影響で生活が圧迫されているのは、非課税世帯にとどまらず、住民税所得割非課税の世帯、非課税ではない子育て世帯、年金生活者など、多くの市民です。市民の暮らしと命、生業を守る立場で、市独自に財源をねん出して幅広い市民への直接支援をするために知恵を集める行政運営をするよう要望するものです。
加えて、事務費について、先日の門田議員による議案質疑で、給付金事業のコールセンター等の委託についての指摘された際に、早急な対応をするためだとはいえ、随意契約を繰り返すのは課題であるという認識だという答弁がありました。今後、改善することを求めておきます。
以上で討論とします。