議会での質問・答弁

2024年06月26日

2024年6月26日 建設委員会 中原ひろみ

付託請願
請願第24号パスピー廃止に伴う社会的弱者への合理的配慮を求めることについて 

(請願者)
 広島市中区大手町5丁目8-30、広島市社会保障推進協議会代表委員の大畠順一と申します。
 パスピー廃止に伴う社会的弱者への合理的配慮を求める請願書の趣旨説明を行います。
 広島市域でバス電車、アストラムラインなど公共交通機関で利用できるICカードのパスピーが来年3月末で廃止されると、新聞テレビなどで報道されています。
 私は障害者の相談支援専門員、障害者のケアマネージャーをしていますが、障害者の方からパスピーがなくなるとどうなるのと不安の声を聞いております。
 パスピーの廃止が今のまま強行されると、高齢者や障害者など、社会的弱者がバス電車アストラムラインに乗ることが困難になるという問題について、誰もが乗りやすい公共交通機関にするための合理的配慮を求めます。
 広島電鉄、以後広電と言いますが、広電系列の交通各社は、今後は基本的にモビリーデイズという、スマホに表示したQRコードで運賃を支払う方法に変えていこうとしています。これは便利になるように見えますが、高齢者や障害者など社会的弱者のことを考えていないと言わざるを得ません。
 今パスピーで、高齢者障害者を初めとして、社会的弱者の方もバス電車アストラムラインを利用して、外出できている方が多くいます。このことが、高齢者の閉じこもり防止や障害者の社会参加に大いに役立っております。
 しかし、スマホを持っていない方や、使いこなせない方もおられます。今、バス電車に自分だけでも乗れている高齢者障害者の方が乗ることが難しくなります。
 パスピー廃止後、例外として、パスピーに替わるJR西日本のICOCAなど別のICカードで支払うことができるとしています。今はICOCAなどのICカードでは、パスピーと同じように、降りるときにどこから乗ったかを乗務員に言わなくても、タッチするだけで料金が支払えますが、広電系列各社がICカード用に設置する簡易読み取り機では、降りるときにどこから乗ったかを乗務員に言うか、現金のときと同じように整理券を取り、降りるときに伝えなければなりません。
 知的障害や精神障害のある方や認知症のある高齢者の中には、どこから乗ったかを乗務員に言えない方もいます。障害者の方で、うまくいかないとパニックになって大声が出たりするケースもあり、他の利用者などに迷惑をかけることにもなりかねません。
 このことで、もう一つ懸念されるのが、今多くの障害者の方が利用している記名式障害者用パスピーが廃止になることです。この障害者用の記名式パスピーは、降りるときにタッチすれば自動的に半額割引になるものですが、これがどうなるのでしょうか。
 パスピー廃止後の問題で、もう一つ大きな問題があります。乗るバスの会社によって、乗り方が変わることになって、大きな混乱をもたらすことです。広電系列のバス会社の広電ボンバス、芸陽バス、備北交通と、それ以外のバス会社の広島バス、広島交通、JRバスでは、パスピー廃止後の対応が違うというのです。
 広島バス、広島交通、JRバスは、パスピーに代わるICカードの利用について、広電系列の簡易読み取り機とは違うフルスペック型という読み取り機にするので、降りるときにどこから乗ったかを乗務員に言わなくても、パスピーと同じようにタッチするだけで支払えるのです。
 今のパスピーは広島市域のどこの会社のバス、電車でも使え、アストラムラインでも使えるという共通性があり、かつパスピー割引もあって、市民にとって非常に便利の良いものですが、パスピー廃止によってバラバラの対応になってしまうのです。
 バス事業者は、今人口減少や物価高騰や運転手不足など経営上様々な困難を抱えており、パスピーの機械の維持更新費用がかさむので、パスピーを廃止して、新たにスマホのQRコードによるモビリーデイズを導入すると聞いておりますが、公共交通機関は市民の足であり、市民の生活を支える社会的責任があります。新たなシステムを導入するのであれば、高齢者や障害者など、社会的弱者が置き去りにされないよう配慮が必要ではないでしょうか。
 皆さん、障害者など社会的弱者に合理的配慮を義務付けられた障害者差別解消法が改正され、今年度より民間事業者にも実行が求められております。
 私たちはパスピー廃止に当たり、次のことを要望しております。 第1に、広電系列各社が行うとしている簡易読み取り機ではなく、パスピーと同じように使えるフルスペック型の読み取り機を設置するよう指導すること。
 第2に、パスピー割引と同じような割引を全てのICカードで実施するよう指導すること。
 第3に、広島市の障害者公共交通機関利用助成制度に支障をきたさないようにすること。
 広島市議会の皆様におかれましても、広島地域の交通事業者が、公共交通機関として社会的責任を果たすためために、社会的弱者への合理的配慮を行うように指導や支援をしていただくことをお願いしまして、説明とさせていただきます。

(道路交通局長)
 それでは本委員会に新たに付託されました請願第24号パスピー廃止に伴う社会的弱者への合理的配慮を求めることについての現況について、着席にてご説明させていただきます。
 パスピーはサービス開始から約16年が経過し、老朽化による大規模な更新が必要となる中、県内のバス事業者等で構成するパスピー運営協議会において、今後の対応を検討した結果、システム更新等に多額のコストが必要となることから、現在のシステムの更新を行わず、各社で新たな後継システムの導入を検討することとなりました。
 こうした中、本市では、システムの一本化を目指して、各事業者と精力的に調整を行ってまいりましたが、各社の経営判断として、全国共通のサービスの提供やJRなど鉄軌道系交通機関との連携を重視して、ICOCAを導入すべきとする考えと、パスピーでは実現できなかった多様な運賃サービスの提供を重視して、モビリーデイズを導入すべきとする大きく二つの考えがあり、一本化には至りませんでした。
 本市としては各社の考えを尊重しながらも、いかにして利用者の利便性を確保するかという観点に立って、事業者と調整した結果、路面電車および路線バスにおいては、モビリティですとICOCAの双方の設置を目指すこととなりました。
 その際、広電グループ各社は、モビリーデイズをメインとした上で、ICOCA利用者にも配慮するため、都度払いの運賃決済に対応する簡易型ICOCAを補助的に導入し、その他の事業者は通常型のICOCAをメインとした上で、モビリーデイズを補助的に導入するとの考えが示されました。
 本市としてわかりやすく使いやすい運賃体系の構築を目指している中で、当面はこの形でサービスが提供されることとなり、市民の皆様にはご不便になることもあるとは思いますが、将来的に一本化され、高いレベルのサービスに移行するまでの過渡期における一時的な対応であり、本市がリードし、国との関係機関とも協議しながら事業者とともに一本化に向けた検討を進めていきたいと考えています。
 請願事項につきましては、いずれも各社が経営判断により決定するものであり、また本市は許認可権を持っておらず、そもそも指導する立場にはありません。
 しかしながら、事業者と協調しながら、利用しやすいサービスの構築を進めている中、利用者の利便性をいかにして維持確保していくかは重要であることから、広島電鉄の考えを聞き取ったところ、「現在パスピーを利用されている方は、モビリーデイズに切り替えていただければ、これまでと同様の利用が可能であり、スマートフォンでの利用が難しい方については専用ICカードも用意しているのでそちらをご利用いただきたい。また、ICOCAを利用したい方については、整理券を運賃箱に投入いただくことで、運転手とのやり取りを不要とする運用方法を検討している」とのことでした。
 なお新たなシステムへの切り替え時には、利用者が戸惑うことも想定されることからスムーズに切り替えが行えるように利用方法が変更となる場合の説明や、登録作業等にお困りの方へのサポートなど、事業者と一緒になって周知等に取り組むとともに、切り替え後においても、運用上の工夫で改善できるものについては、早急対応早急に対応するよう、本市から事業者へ働きかけることとしております。以上で請願第24号の現況説明を終わります。

(木村委員)
 今の件についてなんですけども、視覚障害者と健常者がともに山歩きを楽しむグループからご意見をいただいております。
 同グループの会員数は41名、うち視覚障害者は19名です。自然と親しみ、より多くの人と触れ合い親睦を図ることを目指して1997年から活動を続けておられます。
 多くの視覚障害者にとって、乗降時にスマートフォンのアプリを音声操作することは困難なため、専用ICカードを利用するしかないと思われます。
 しかし、割引パスピーとモビリーデイズの専用ICカードとはどう違うのか、購入方法はどうするのかといった点、またモビリーデイズにも障害者運賃はあるとのことですがどのような支払い方法でどのように適用されるのでしょうか。情報が少なく非常に困惑しておりますとお伺いしております。
 広島市基本計画にある通り、障害者が住み慣れた地域で自立して生活できるように社会のバリアフリー化を推進し、自立を支援していただきたいと思っております。誰もが不便なく公共交通機関で移動できるよう、広島市からしっかりと指導いただきたいというご意見です。
 今ちょっと理事者の方から説明を受けたんですけども、広島市として従来の割引パスピー、療育手帳や身体障害者手帳、保健福祉手帳保持者に発行されているカードなんですが、新モビリーデイズ専用ICカードの違いや移行の手順を、こういった方々に早くしっかりと早急に周知徹底するよう指導すべきと考えていますが、いかがでしょうか。その周知徹底する期間などが決まっていれば教えてください。

(バス事業再構築担当課長)
 今のご質問にお答えいたします。本市としましては、障害者団体と広島電鉄とですね建設的な対話をしていただくっていうことは相互理解を深める上でも必要なことだと思っております。その旨を広島電鉄の方にも伝えております。
 広島電鉄の方からは、障害者団体と対話することにしているということを聞いておりまして、こういった障害者団体の不安っていうことを解消するためのですね、措置っていうことはされるものと考えております。
 時期につきましては今後の対応ですので、これから詳細に詰めて詰めていくようなことになるかとは思っております。

(中原ひろみ)
 今の請願第24号について伺いたいと思います。まず先ほど請願者の趣旨説明の中にですね、スマホを持っていない人もいるし、持っていても使いこなせない人もいると、なるほどと思って聞きました。それから記名式の障害者パスピー、これまで半額の割引を受けてきたけれども、それは今後どうなるのかということですが、まずこの点についてはどうなっていくのか教えてください。

(バス事業再構築担当課長)
 先ほどの質問につきましては、まずスマホを持っていない方につきましては、専用のICカード、こういったものを発行する予定にはしております。
 モビリーデイズのスマホに代わるものとしてですね、それと障害者パスピーというものがどうなるのかということでありますけれども、既存のパスピーの障害者割引等をされている、そういった仕組みっていうのは引き続きですね、同様のものがされるということを聞いております。

(中原ひろみ)
 これまでのパスピーと変わらないような形で制度が受けられるということなんですが、問題は広電だけには皆さん乗らないということですよね。
 広電各社の公共交通だけ乗る人はいなくって、アストラムラインと乗り換えをして目的地に行くという人の場合はですね、本会議場でも説明をいたしましたけれども、やはりあの二つのカードを使い分けることが必要だと。それは非常に視覚にハンディを持つ方については外出することを億劫にさせるものだということを紹介したわけであります。
 この点について局長はですね、それは一時的なことなんだと、先ほども現況説明でありましたが、高いサービスに移行するまでの一時的な対応だ。過渡期なんだということなわけです。
 であるならばこの一時的な対応というのはいつまで続くんでしょうか。その一本化のめど、高いサービスに移行されるというのはいつになるんですか。

(バス事業再構築担当課長)
 現時点で明確な時期は申し上げることはできませんけれども、現状で全て継続していくという考えは事業者の方は持っておりません。そういう中で一本化に向けて今後市がリードしながら進めていきたいというふうに考えているものでございます。

(中原ひろみ)
 その一本化に向けて市は頑張ってるんだって言うんだけど、市はどんなに頑張ってもですね、現にそのモビリーデイズに変わることによってパスピーが廃止されることによって、困る障害者の皆さんがいるということはこれは厳正な事実なんですよ。
 将来は高いサービスになるんだから、今皆さん我慢しなさいって言ったのと同じでしょ。それは明らかに障害者差別なんですよ。
 局長の答弁でですね、一般質問の。局長はですね、このモビリーデイズの導入で、合理的配慮の視点で議論することは当たらないという答弁でした。なんで当たらないのか。的を得たことじゃないですか。モビリーデイズになることによって、便利になる人もいるんだからこの障害者の方たちで少し不便になっても、それは相殺すればいいんだみたいなことでしたよね。冗談じゃないでしょう。1人の障害者にとっては、これまでの利便性が失われるということは、すなわちそこには不便があり、それは差別されたということになるじゃないですか。私は本会議場での局長答弁を撤回いただきたいというふうに思っております。
 それから一番の問題はですね、お金かかるってことでしょ。先ほどの現況説明で、経費削減のためにパスピー廃止するんだと、システムの更新時には多額のコストがかかるということが、このパスピーが廃止されていく一番の要因だというふうに受けとめました。
 この請願にもありますようにですね、ICカードか読み取り機ではなく、降りるときにどこから乗ったかを乗務員に伝えなくても、支払えるフルスペック型の読み取り機にしてほしいと要求は明確です。
 で聞くんですが、この簡易読み取り機とフルスペックの読み取り機ではどれぐらい更新費が違うんですか。
 一体広電さんはこの経費面でどれぐらいの負担が重いというふうに言ってらっしゃるんですか。整備費用はどれぐらいフルスペックと読み取り機で違うんですか。簡易型の読み取り機で。

(バス事業再構築担当課長)
 はい簡易型ICOCAと通常型ICOCAの導入で費用がどれくらい違うのかというご質問ですけれども、このICOCAの導入費用につきましてはですね、会社の競争上の地位その他正当な利益を害する恐れがあることから本市からお答えできるものではございません。

(中原ひろみ)
 本市からお答えできないのに局長はですね、答弁でですよ、このシステム更新などに多額のコストがかかることが、パスピー廃止の原因だというふうに答弁したんでしょ。どんだけのコストが上がるかってのは言ってもいいじゃないですか。ただ高い高い言うて納得できないでしょう。
 低床路面電車の導入支援というものも質問しましたけれども、これは高齢者障害者などの移動などの円滑の促進に関する法律を根拠として、広電の低床路面電車の導入理由は、国や市が車両購入費の一部を補助してきたとこういうあの法律を根拠にして補助がされてきたわけです。
 これはこれで必要なことだというふうにも思うわけですけれども、パスピーを導入したときにもですね、これは国が導入費の一部を補助したというふうに聞いておりますが、これは私の正しい理解なのか、正しければその補助はどれぐらいの中身だったのか、そしてその根拠は何だったのか、市も補助されたのか教えてください。

(バス事業再構築担当課長)
 パスピーの導入時、市が国なりですねどれくらい補助したのかというようなお話ですけれども、まずパスピー導入というのはカードリーダーに通す磁気式のバスカードから、かざすだけで乗降できるパスピーに切り替えたということで、これ約16年ほど前になりますけれどもこちらにつきまして国、県、市、また関係する市町ですね広島市以外のこういったところが補助しております。
 国におきましては全体で言えば約12億5000万円で、県においては約4億5000万円で、本市においては8億5000万円を補助しております。
 こういった補助につきましては、広島市においては広島市交通系ICカードシステム整備費補助金交付金要綱というものに従ってですね、補助しております。

(中原ひろみ)
 25億円ぐらいがパスピーの導入当時、16年前には補助がされたということですね。これが今度更新時には全くこれは対象にならないということなんでしょうか。対象にならないというのはどういう理由で対象にならないのか教えてください。

(バス事業再構築担当課長)
 このたびの新乗車券システムの整備費といたしましては、モビリーデイズとICOCAの双方を設置するということでですね、モビリーデイズに対して本市の方から補助をしております。
 併せて国の社会資本整備総合交付金という補助金制度を活用いたしまして、国の方からもいただくようにしております。

(中原ひろみ)
 ということは総合交付金という名目で市からも国からもこの更新時においても支援がされるということですね。負担率というのは、導入時と同じなんでしょうか。

(バス事業再構築担当課長)
 国の補助制度はいろんな制度がありますので、当時と今回は全く一緒ということではありません。
 このたびモビリーデイズで国の補助金を入れようと考えているものについては、2分の1の補助率ということであります。

(中原ひろみ)
 いずれにしても、導入時にも支援があったが、更新時にも支援があるということはこれは間違いないわけで、そういう支援がありながらですね、広電さんはですよ、経費面が高いからというようなことで、簡易型を設置されるというのは、これはいかに民間事業者の経営判断に任せるといっても、これは問題があるのではないでしょうか。
 税金投入している自治体とすればですね、広電さんにしっかり合理的配慮の視点からも、これまでの使いやすかったパスピーの利便性が失われないようなシステムに切り替えなさいということはしっかり指導すべきだというふうに思います。
 それで、私の一般質問を聞いていただいた障害者団体の方からお手紙が来ましてね。これなんですが、私の名前で来ました。それで読ませていただきますとね、こんなふうな実情が書いてありました。
 局長さんがですね、改札口で困っている障害者がいたらサポートするのが合理的配慮というふうに発言をされましたと。これは理にかなってはいるけれども、現実にはそんなことはないんだと。残念な実態があるんですよということでした。
 例えばということですね、アストラムラインの各駅の改札口にいつもその駅員さんが常時いるとは限らないんだと。アストラムラインはパスピー廃止後に、乗るたびにこの割引乗車券を買うようになるんだと。駅員さんがいないときは、この視覚障害者はどうやって乗車券を買えばいいのですかっていう新たな不安ですよね。
 それからモビリーデイズしか持っていない障害がある方が広島バスに乗った場合、パニックになるんじゃないんですかと。こういう
不安もあり、両替に時間がかかったりですね、そういうことでバスの発車が遅れて、やはり皆さんに迷惑をかけたりですね、それから他の乗客の皆さんから早う対応しなさいよというような抗議の声も出てくるんじゃないかというふうに不安もしているというようなご意見ですね。
 それでこの方はですね、広島地域の全ての交通事業者が、事業者間で1枚のカードで割引も使えて、安心して乗れるようにするためには、私もこの制度がどんなものなのかよくわからないんですがご紹介いただいてるんです。スルッとKANSAI協議会ICカードってのがあるんだそうです。関西ですから関西圏で使えるようなものなんでしょうけども、介助者の皆さんがいなくても、障害のある方が1人で単独で全ての交通事業者に乗れると。しかも割引もあると。こういう制度をぜひ今回広島でもですね、あの導入いただきたいというのは、ご要望の書かれておりました。
 先ほども今後広電さんは、障害者団体の皆さんとも意見を交換するんだというようなこともありましたけれども、ぜひ再度私の方からもですね、今こそ障害者団体の皆さんのこの不安、それをしっかり聞いて、これまでのサービスの低下がしないようなシステムに、私は市が責任を果たすべきだと思いますけれどもいかがでしょうか。

(公共交通政策部長)
 個別の細かいことについての答弁させていただくというよりはちょっと全体の話になりますけれども、まず最初に合理的配慮に欠ける、今回のシステム更新はそもそも合理的配慮に欠けるものではないかというところについては、委員もお話しいただきましたようにそこについては先週の一般質問において健康福祉局長がご答弁させていただいたように、負担になりすぎない範囲で、バリアを取り除く除くために必要で合理的な配慮を行うというものであって、今回のシステムの導入は合理的配慮に反するというものではないというお答えはいたしました。
 そこはそういう形で思っておりますけれども、当然だからといって二つのシステムに分かれる、今までの利用方法と変わる部分が出てくるっていうのも、皆さんに我慢してください、もうそれで慣れてくださいっていうことでは当然ありません。あの合理的配慮として、我々もしっかり、入ってですね、あの事業者にも働きかけて皆さんのいろんな声、お困り事、今日の委員の方からもご紹介いただいたようなことも含めてですね、実際乗車いただくバスやアストラムライン乗車いただくときに、どのような困りごとがあるのかっていうのをきっちり対話を進めさせていただいてですね、あのシステムを通常型のフルスペックのICOCAに変えてほしいということについては、そこはかなり相当額の経費が必要になるということだけちょっと申し上げますけれども、そういった中でそこを曲げてまでですね、各事業者に他のフルスペックのものを入れるべきだということは現実的に難しいと思ってます。
 ただあの事業者については本当コストを削減するためだけにこれをやったっていうことではなくて、もう老朽化でシステムを変えざるを得ない、新しいものにせざるを得ない中で、会社の経営安定化、利用者へのバスのサービスをしっかり将来的にも維持していくっていう命題が与えられている中で、コストをできるだけ削減しながらもなるべく利便性が高いものにしていくっていうのバランスといいますか、両方両立できるような形でギリギリのところで検討されて今回のような判断になったものと思っておりますので、システムを通常型に変えるということは困難であると考えてます。
 ただ同じ繰り返しになりますけども、これから生まれ変わる新しくなるシステムの中で、どういった対応ができるのか、そのシステムのもとでサービス向上、皆さんの不安を解消できるようなどのような運用上の改善策ができるのかっていうのをしっかり事業者の方に伝えて我々も一緒になって、不安の解消できるように取り組んでいきたいと思っているところでございます。

(中原ひろみ)
 今の説明を聞いても納得はできませんよ。高いサービスに移行するんだということをおっしゃいました。高いサービスってのはどんなサービスですか。

(バス事業再構築担当課長)
 サービス内容については今後公表されるものとは考えておりますけれども、例えば顔認証できるような仕組みとかですね、そういったものも新たな新乗車券システムではできるようになります。
 そういったどんどんどんどん新しい技術を活用したですね、使いやすい利用しやすいものに変えていくということを考えているというところでございます。

(中原ひろみ)
 そういう顔認証が必要かどうか私は今ここで是非を言いませんが、顔認証なんかする前にですね、これまでのあったサービスをなぜ低下させるのか。そこに市としたら、申し訳ないという気持ちはないのか。これはいかんなという気持ちはないのか。自治体として、おかしいでしょ。今まで便利だったものが便利でなくなるんですよ。だからもっと良くしてくれって言ってらっしゃるんじゃないんですよ。
 今まであったパスピーの制度の中それをそのまま残すようにしてねっていうだけの話でしょ。なのにですねお金かけて、障害のある人だけ不便になるわけでしょ。それ納得できんですよ。どう考えたって。
 先ほどまたですね、もう言うまいか思いましたけど、障害を理由とする差別の解消の推進に関する基本方針、これ内閣府のホームページですけれども、ここにはね、社会的障壁について書いてあります。障害者にとって、日常生活または社会生活を営む上で障壁となるような社会における事物、制度、慣行、観念その他一切のものを言うと。
 何人も障害者に対して、何びともですよ。広電だけはと書いてないんです。何びとも障害者に対して、障害を理由として差別することを禁止すると。差別すること、そしてその他の権利利益を侵害する行為をしてはならないとなってるんですよ。
 今のモビリーデイズは、まさに障害のある方に新たな不便をかける。要は権利を侵害する、利益を損なうというものであって、まさに障害者差別禁止法ですねこれに反していると私は思うし、これに沿うような形で事業者指導するっていうのが自治体の責務でしょう。
 広電さんだけは自分の実施でやられるんならですね、それはまあ仕方がないかなと思うこともなきにしもあらずですが、お聞きすればですね、この更新時も金額は言われませんでしたが、事業費の2分の1の交付金が入ってるというようなことですから、これは経費面を理由にですね、このモビリーデイズにする必要性はなく、フルスペック形にすべきだということを改めて思いますけれども、広島市としては、今の国のこの法律、これは国の方がどんどん国際基準に則ってそういう権利条約を批准してきましたから、それに追いついてないというのがこの広島市の実態じゃないでしょうか。いかがですか。

(バス事業再構築担当課長)
 これまでちょっとお答えした中身の繰り返しにはなろうかと思いますけれども、やはり今過渡期における一時的な対応だと考えております。
 利用者にとって使い良いやすくなるように、将来的な一本化に向けて、本市がリードし、国等の関係機関とも協議しながら、検討を進めていきたいと考えております。

(中原ひろみ)
 もうここで請願ですから市民の思いを伝えるということの場ですけれども、改めてここの1番2番、ここに書いてあることが市民の願いです。
 ぜひその方向に市としては全力を挙げていただきたいということを申し上げておきたいと思います。

(道路交通局長)
 パスピーに代わるということでいろいろ議論されております、中原委員言われましたように、我々もですね決して不便になるようなといいますかやりたいなんて一切思っておりませんで、先ほどご説明したように、我々としてはどうにか一本化したいということで話をずっと続けておりました。
 しかしこれまで答弁したようにですね、かなりこれシステムにお金がかかります。それでパスピーを更新というのができなくはないんですが、これは非常にかかります。今現在の40億ぐらいかかるというふうに聞いています。
 さらにですね、この今パスピーを使っているメーカーがもう10年以上経っているので、部品がなくなると、こう言ってるんですね。そうすると、その維持管理とかそういうこともできなくなるので、これはもう変えた方がいいというのが、事業者側のの考えでありました。
 そのときになぜ二つにわかれたかといいますと、一つはそもそもですね今も実は広島県で使われるパスピーとJR系で使われているICOCAですねっていうのが実はあって、JRを使われる方はICOCAとおそらくバスに乗り換えるとパスピーをお持ちなんじゃないかというふうに思います。そういう2枚を使っているっていうのがいらっしゃいますし、JRは使われない方はパスピー1枚で済んでいるのかもしれません。
 先ほど委員の方から一般質問というふうにというふうにおっしゃいましたけども、決して健常者の人が便利になるので障害者の人をないがしろにというふうに意味ではなくてですね、障害者のことも人も含めて便利になる方もいるし今回ちょっと二つになったり、やり方が変わったということで不便になることもあるというような意味合いで言って申し上げたということで、障害者の人が不便になるけどサービス他の人が良くなるのでこれで我慢してくださいと言ったつもりはございません。
 そういう中で、今回バス事業者の方が、なぜICOCAの方とモビリーデイズの方に分かれたかと言いますと、やはりバスがJRの駅を繋がっていったり、あるいはアストラムラインに結節するような路線を持ってるバス事業者は、ICOCAを使っている方がいらっしゃるので、それならICOCAの方が使いやすいということで、そちらの方を使いたいというような考えが主流だということです。
 一方で広電さんが特にそうですけども、町の中にシティパスとかいうようないろんな他の各社と連携したり、料金を柔軟に設定したりというようなことがやりたいというような広電さんの思いがありまして、それがモビリーデイズでは可能になります。
 それは今のちょっと技術的な話になりますが、今のパスピーとかICOCAというのは、それぞれのタッチするところで料金を計算するような仕組みになってるんですが、それを例えばサービス料金しましょうってやったときには、全ての路面電車もバスも全部の機械ですね、それのデータを全部やり替えなきゃいけないという、非常に時間と労力かかるシステムになってます。そこが非常にいろいろやりたいんだけどできないというのが広電さんの思いで、今回のモビリーデイズというのはクラウド方式といいまして、クラウドの中で計算させて、読み取るところは情報だけを読み取る、計算の上でやってくれるということなので、そのクラウドを直すことで簡単に料金の設定とかも変えれるというようなことで、ちょっと具体的に言いましたけども、サービスがいろんな形でできるようになるというのが広電さんの思いで、そういったことで、決してあのサービスを低下させるんじゃなくてサービスを上げたいという思いで、皆さんそういうそれぞれの思いがあってやったということがあって、なかなか一つになれなかったというのが実態です。
 しかしながら結局これはあの、JRも含めてですね、日本全国でICOCAとかSuicaがありますけども、それと地方で持ってるPASMOとか、パスピーもそうですけども、そういうところを一本化するという全体的な流れでやっていかないと、この問題はなかなか解決しないのかなというふうに思っておりまして、そういう意味では国の方にもですね、そういう一本化に向けたようなやり方っていうのを考えてもらえないかということは、我々も継続してやっていきたいと思っております。
 皆さんにご理解いただきたいのは、決して、不便にしたい皆さんないがしろにするためにこういうふうにしているというんじゃなくて、事業者の方もですね、便利にしたいという中で、なかなか一つの思いができなかった。
 それはシステムがどうしても二つあるという中で、どっちを選ぶかということになっているというような状況でして、そういう意味で過渡期というふうに申し上げておりまして、我々としてはもう一本化にはしてJRも含めてですね、皆さん1枚のカードでやれば、例えば乗り継ぎなんかの割引なんかも柔軟にできるようになりますし、そういうところを目指すということで、高いサービスを目指しているというふうに申し上げているところです。
 なかなかそういう技術的なところがありまして、非常に難しいというところがあります。合理的配慮ということなんですが、障害者の方ではなくてですね同じように使い勝手が難しくなる方、健常者の方もそういう方もいらっしゃいます。
 ですが、そこはどうしても今みたいな事情がありますので、事業者と一緒になってですね、そこはできるだけスムーズに切り替えができるように、あるいは使いやすいように、あるいはどういうサービスがあるかということをご理解いただけるような取り組みは、不断にやっていきたいというふうに考えております。

(山路委員)
 今の局長の答弁というか、お話はまさにその通りだなと私がお話しようとしたことなんですが、市もこれがいいとは思ってないと、今過渡期を迎えている、本当にそういう時期なんだろうと、さっき課長がおっしゃいましたけど、今から顔認証なんか出るとですね非常に便利になるだろうというふうに思います。パソコンなんか今持ってきたやつは顔認証ですけど、以前はパスワード打ってねやっててそのセキュリティの問題もあったものが、今は顔認証でできるようになった。非常に新たなこのデジタル化っていうかDX化っていうのは本当にあの素晴らしい目覚ましいものがあるなというふうに思ってます。
 そういう中で合理的配慮のことがいろいろ出てますけども、今回のモビリーデイズで言うと、専用のカードを作ると、専用のカードを作るときに、作りやすく作ってあげなその仕組みをね、どこどこの窓口って何かこんなんなって手続きが複雑でそれが問題であって、ここの専用カードを作るのに本当に簡単にできるような仕組みというものをやっぱり作るように指導していかないといけないとかっていうのはあると思うんです。
 その一方で実は戸坂は広島中央特別支援学校と言って視覚障害の方がね、通われる学校があるんですが、非常に白杖を持ってね、たくさんの方が歩いてらっしゃって、学校とのいろんな交流もあったりする中でですね実はちょっと相談を受けました。
 先ほどの木村先生が少しね、おっしゃいましたけども、このモビリーデイズこの開始が9月1日ですかね、9月からっていうような話だと思うんですが、もうあとちょっとしかないわけですよね。
 そういう中で視覚障害の方っていうのはスマートフォンの読み上げ機能を使って、アプリを操作するんですね。今回そのモビリーデイズを導入するにあたって、反対はされてはないんです。ただ、不安に感じられていることは間違いないです。
 それはなぜかっていうと、実はこのアプリを広電にどういったアプリかっていうのを示してほしいという問い合わせをしてるんです。それに対して広電さんは答えられてないんですね。
 例えばエディオンピースウイングなんかで点字ブロックありますけども、点字ブロックを設置するときに、本当にこれで視覚障害の方がいいのかどうかっていうことで事前に歩いてらっしゃいますよね。そういうアプリの音声読み上げ機能があるかないかとかですね、使いやすいかどうかっていうのを事前に試したいということを、広電さんに言ったけども、その返事がない。
 これはやっぱりちょっと僕、問題があるんじゃないかなというふうに思います。それからあと中原委員がおっしゃいましたけども、関西スルッと何とかっていう特別割引のカードがあります。今回アストラムラインがモビリーデイズは導入しないですよね。
 そういう中で、今までパスピーはカード自体をこうやったら割引ができたという。視覚障害の方っていうのは同行援護があってですね、本人と介助者っていうのがいらっしゃって、アストラム乗るときに、今後はそのピッというのができないと。券売機で買わないといけんわけですよね。どうやって買うんですかって視覚障害の方が聞いたときに、アストラムの職員はこう答えたそうです。画面の車椅子のマークを押してくださいと。それどこにあるんですかって話ですね。見えないわけですから。
 JRではですね、実はテンキーを使うことによって音声案内が出るわけですよ。それができないんですかって聞いたらできないって言われた。でも実際はできたわけですね。これはどういうことかっていうと、それこそ合理的配慮がアストラムの中でできていなかったっていうことですね。視覚障害の方が今から券売機で買うっていうときに、その仕組みすら知らなかった。
 これは非常に大きな問題だろうと。そこで多分指摘されたんで、今は多分全職員さんにそれが徹底されていると思いたいんでそれちょっと確認してみてください。
 アストラムはですね、この特別割引カードを視覚障害者団体が導入してほしいと伝えたと。誰に言ったんかちょっとそこまでは聞いてないですけども、断られたと。
 ここはやっぱり、今まで使えよったいわゆるピッとやったらできる、そういう仕組みをするためには関西大阪何とかっていうところが発行してるですね、特別割引カードであればそれができる。というんですが、それをできませんと言われた。券売機で買ってくださいと。ここはねやっぱりちょっと問題があるんじゃないかなというふうに思っております。
 ですから、今から市もこれがいいとは思ってないと思いますし、一本化にするっていう方向がいいと思うし、これができたら本当に障害がある方もない方も本当に乗りやすい公共交通になるんじゃないかなと。その過渡期であることは間違いないんですが、今言ったそのアプリに関して、広電にですね、そういった視覚障害のお持ちの方の事前の検証っていうんですかね、それを早くやっていただくように指導していただきたい。
 それから、例のアストラムラインのね特別割引カードを使えるように、これも何とか検討していただきたいと思いますがいかがでしょうか。

(バス事業再構築担当課長)
 障害者団体とのですねやり取り、建設的な対話をしていって、どういったことが課題になっているか、そういったお話をしつつですね、相互理解を深めて、対応できるものとしてですね何ができるかっていうところを考えていくということも必要だと考えておりますので、そういった旨のお話を広島電鉄の方にしていきたいと思っております。

(公共交通調整担当課長)
 委員ご紹介いただきました、例えば関西を中心とした61の鉄道バス事業者で構成されているICカードPiTaPaを発行するスルッと関西協議会というものが、主に第一種の身体障害者手帳等お持ちの方を対象とした特別割引ICカードを発行しており、こちらのことをご紹介いただきました。
 このカードはですね事前手続きを経て発行を受けて、あらかじめ現金でチャージしておくことにより、乗降の際にタッチするだけで鉄道やバスの運賃の半額が自動的に割引されるものですが、今のところですね、これは同協議会加盟事業者の運行エリアおよびJR西日本などの一部エリアに限定されており、パスピーエリアで利用することはできないとなっております。
 ただ広島高速交通株式会社からは、パスピーの廃止に伴い、現在利用されている障害者割引用のパスピーも利用できなくなることから、どのような対応が可能か検討していると聞いておりますので、今後も事業者と検討し取り組んでいきたいと考えております。

(山路委員)
 さっきの広電さんにはきちっとこのアプリをですね早くその視覚障害者団体にですね提供っていうか、実際試運転って言いますかね、それをやってもらうようにしっかり言うか言わんかですよ。今の答弁じゃちょっとやんわりしとるんで、ちゃんと広電に言ってくださいませんかという質問です。

(バス事業再構築担当課長)
 はい、しっかりと伝えて早急にそういう場を設けるようにしていただくようにいたします。

(山本委員)
 すいませんちょっと確認なんですけど、障害者の方の不安の解消のためですね、丁寧な説明を行っていただきたいということは私もそう思っております。
 それで先ほど民間の努力をということも皆さんからありましたけどちょっと確認なんですけど、運賃とか電車バス合わせてですね、大人の運賃、子どもの運賃というのがあるわけなんですけど、その中で障害者の方のですね割引という制度があると思うんですが、この割引の制度というものはですね、何か広島市の方が補助してるとかですね、国の方が運賃の方ですね補助してるかというのはあるんでしょうか。

(バス事業再構築担当課長)
 はい障害者の割引制度として現在パスピーで言えばですね、半額ということでありますけれども、そういったものに対しては事業者サイドのサービスとしてですね行われているものであり、広島市から補助しているということはありません。

(山本委員)
 このサービスですね、非常に障害者の方にとってもありがたい民間の努力で維持していただいてるサービスだと思いますんで、このサービスもですね、維持しながら障害者の方々に丁寧にですね、説明していただいて不安解消に努めていただきますようお願いして私からの質問を終わります。

 

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