サイト内検索
サイト内検索
1.第66号議案令和6年度広島市一般会計補正予算(第1号)
(1)被爆証言応答装置の製作について
(2)UIJターン就職学生支援事業について
(3)平和大通りの利活用の推進について
第72号議案財産の処分について(市有地の売却)
第73号議案契約の締結について(中央図書館および映像文化ライブラリーの移転整備並びに広島市郷土資料館サテライト(仮称)の整備の工事についての委託契約)
(中村たかえ)
お疲れ様です。日本共産党の中村孝江です。会派を代表して、令和6年度6月定例会に上程された議案のうち、第66号議案令和6年度広島市一般会計補正予算(第1号)、第72号議案財産の処分について、第73号議案契約の締結について質疑をいたします。
まず第66号議案令和6年度広島市一般会計補正予算第1号のうち3項目についてお聞きします。
最初に、被爆証言応答装置の製作についてです。広島市は被爆体験の継承として、被爆体験伝承者、家族伝承者、被爆者証言映像や市民が書いた原爆の絵など、多様な形で被ばくの実相の継承に取り組んできています。
今回、被爆体験継承の新たな取り組みとして、AIを活用して、対話形式で被爆証言を伝える応答装置を製作するという提案がされています。
今年度は既に被爆80年記念事業の「AI・VRを活用した被爆体験の継承」として、予算が計上されています。
今回提案されている被爆証言応答装置は、昨年NHK広島放送局の制作した応答装置と同様のものだと聞いています。
そこでいくつかお聞きします。この事業を行う目的をお答えください。また、この事業による効果をどのように想定しているんでしょうか。市の見解をお答えください。
(市民局長)
本事業の目的は、被爆者の更なる高齢化が進み、今後確実に到来する被爆者がいなくなる時代を見据え、被爆者や被爆者証言ビデオや市民が描いた原爆の絵などに加え、最新のデジタル技術を用いた新たな被爆体験継承の手法を取り入れて、被ばくの実相や被爆者の平和への思いをしっかりと後世に伝えることです。
この被爆証言装置を活用することにより、利用者は被爆者本人の映像や声で被爆者との対話を疑似体験することで、被爆者の体験や核兵器の非人道性、平和への思いを深く理解し、広島の心を共有してもらえるものと考えています。
(中村たかえ)
今回5人の方に証言をしていただくということですが、その方たちはどうやって決めるのでしょうか、お答えください。
(市民局長)
証言者の選定は、公益財団法人広島平和文化センターが委嘱している被爆体験証言者の中から講話活動の状況や年齢、健康状態、被爆当時の記憶が鮮明であることなどを考慮して候補者を選び、順次協力をお願いすることになります。
(中村たかえ)
債務負担行為として来年度以降に6820万円が計上されていますが、総額で製作にいくらかかるのかお答えください。
(市民局長)
制作費の総額につきましては6820万円です。
(中村たかえ)
私自身もこれまで被爆証言を幾度となく聞いてきました。同じ方の証言を何回かお聞きすることもありました。
その際、証言をお聞きするときの社会情勢や、聞いている人の年代そして出身地などで、同じ方の被爆体験証言でも強調されることは当然変化していました。
その点で、今回のシステムでは、双方向のコミュニケーション対話というには無理があるのではないでしょうか。そもそも被爆体験の継承というのは、戦争や原爆によってどんな被害を受け、8月6日以降どんな人生を歩んでこられたのか、その人の人生丸ごとをお聞きして、はじめて被爆の非人道性、被爆の実相に触れ、被爆者の願いである核兵器の廃絶、二度と戦争をしてはいけないということを我がこととして受け止められるのではないでしょうか。
そこでお聞きします。このシステムでは、質問のキーワードからAIが判断し、適切なインタビュー動画が流れるものだと聞いていますが、それだと、細切れに証言者の体験を聞くことになります。これが本当に被爆者の願いを受けとめることになるとお考えなのでしょうか。市の見解をお答えください。
(市民局長)
被爆者へのインタビューの際は、被爆者自身がこれまでに語り、訴えてきた被爆体験証言をもとに、感情を込めて語られると思いますので、単なる動画というものではなく、たとえ短いフレーズであったとしても非常に訴える力がある、あるものになると考えています。
またこの装置の運用の際は、平和記念資料館の見学や被爆者証言ビデオの視聴などとも併せて活用することにしていることから、被爆者や被爆の実相や核兵器の恐ろしさ、被爆者の願いへの理解は深まるものと考えています。
(中村たかえ)
広島市で生まれ育ち、原爆について学び、被爆者の生き方に触れ、核兵器も戦争もない世界を目指す国際社会の一員として成長する広島の子どもたちの教育に責任を持つ立場で、市教育委員会は平和教育に尽力しているところだと思います。
今回5台の応答装置のうち、3台は学校などで出張利用できるように可搬型移動可能なものを制作するとされています。この応答装置が広島市の平和教育にどう生かされるのでしょうか。
また、細切れの被爆体験証言で広島の子どもたちが被爆の実相を理解し、継承・発信することができるようになるのでしょうか。教育長はどのようにお考えか、お答えください。
(市民局長)
次に、この装置が広島市の平和教育にどう生かされるのか、また、細切れの被爆体験証言で広島の子供たちが被爆の実相を理解し、継承・発信することができるのかとの教育長に対するご質問につきましては、本事業を所管している市民局から答弁をさせていただきます。
学校での当該応答装置の活用につきましては、今後教育委員会と協議をして検討したいと考えていますが、まず、平和記念資料館の見学や被爆者証言ビデオの視聴など従来の平和学習を実施し、それに加えて応答装置を活用したいと考えており、学習方法の選択肢の一つとして、本装置の活用が加わることは、子どもたちの被爆の実相の理解継承や平和発信につながると期待しています。
(中村たかえ)
懸念されるのは、この応答装置が興味本位の利用になってしまうのではないかということです。これでは、広島市自体が、被爆体験証言や広島が発信する平和を観光ビジネスとして扱っていると思われかねません。被爆体験の継承について市の認識をお答えください。
(市民局長)
先ほどご答弁申し上げた通り、他の手法とあわせて、この装置を活用する運用していきたいと考えていますが、平和記念資料館の来訪者の多くの方々は、核兵器の脅威や被爆の実相に関心を持って来られると考えており、平和記念資料館に設置したこの応答装置を体験することで、より被爆の実相への理解を深め、平和への思いを共有していただけるものと考えています。
いずれにしましても本市としましては、被爆体験を確実に後世に継承することが責務であると認識しており、今回の被爆体験証言を装置に限らず、様々な取り組みを行っていくことでしっかりとその責務を果たしていきたいと考えています。
【再質問】
(中村たかえ)
いくつかもうちょっと教えてほしいんですけど、まず最初に66号議案一般会計補正予算(第1号)のところで、被爆証言応答装置のところなんですけど、細切れになって、それが細切れの被爆体験証言で、それが被爆者の願いを受け止めれるのかっていうところで、訴える力があるんだっていうことで、それ被爆者の方のお話は訴える力あるのは当然なんですけど、でもそれを細切れで見ていいのかっていうことを聞いたんですけど、さらにそれが、そこだけが一部の切り取りならないかっていうことなんですが、それがちょっとどういうふうに解決されるのか、もうちょっと詳しく教えてください。
(市民局長)
この装置が被爆者の一問一答ということで、細切れ、一部の切り取りということで被爆の実相等は伝わるのかということですけども、先ほども申し上げましたけれども、まず運用に際しての工夫にはなりますけども、この応答装置だけではなくて平和記念資料館の視察ですとか、それからあと被爆体験記等もいろいろあります。この装置は平和記念資料館と追悼記念館にも設置しますけども、そういったものと合わせてご覧いただくことになると思っています。
こうした被爆体験の継承の手法が一つ増えるということについては、我々が今後被爆の実相を後世に伝えていく手法として、こういった装置が加わるということは意義があると思ってますし、それを見て利用者は、自分たちが関心を持った質問を選んでそれに対して答えるということで、一連のやり取りを疑似体験の対話を通して、トータルで被爆者の思いなどは伝わると思っております。
(中村たかえ)
次にUIJターン就職学生支援事業についてです。このたび国が若者の地方移住に対する支援強化のために、地方創生移住支援事業として、大学卒業後に地方に移住する東京圏の学生に対して、就活にかかった交通費の補助事業として、地方就職学生支援事業を行うことになりました。
広島市はこの国の予算措置を活用し、東京圏の学生の広島での就活費用の補助事業を行うということです。広島市は関西圏への転出も多いことから、独自に関西圏の学生も補助対象とするとしています。
さらに、宿泊費の補助や支給回数の上乗せをするなど、学生の負担軽減のための努力がされています。この発想は大変重要です。民間企業の調査では、地元での就職を考える際に、障害になるものはという問いに対し、地元までの交通費という回答の割合が全国平均は16.5%、広島県出身者では26.9%でした。
県外で学び、成長した学生が地元に帰ってくる地元に戻ってくることを後押しするために、重要な施策の一つだと思います。また県外出身者の学生がIターン、Jターンで広島を選ぶことを促進することにもなると思います。
そこでいくつかお聞きします。対象者の要件がいくつかあり、内定があることが前提ですが、どういう根拠なのでしょうか。
また、浜松市は内定がなくても就活で訪問した企業の証明があれば申請できますが、そうしなかった理由は何でしょうか。
(経済観光局長)
東京圏・関西圏から本市へ転入し、地元就職へ着実につなげるために広島の企業で内定を得た学生を対象とし、大学卒業後には実際に広島に住み、地元企業に就職することを要件に、その就職活動に係る経済的な負担軽減を講じることとしたものです。
(中村たかえ)
今回の申し込み人数見込みとその根拠、また申し込みが予定人数を超えた場合はどう対応するのか、お答えください。
(市民局長)
対象者は東京圏120人、関西圏60人の計180人を見込んでいます。その積算根拠は、県の令和4年人口移動統計調査、これを活用し、東京圏については、東京から就職を理由に県内に転入する者の数をもとに、本市分を算出したもの、これをベースとしています。関西圏については東京圏と比べて交通費の負担が少ないと考えられるため、東京圏の半数と見込みました。
現時点では予算の範囲内で対応できると考えていますが、実際に不足が生じた場合には、申請状況等を踏まえて適切に対応したいと考えています。
(中村たかえ)
この事業は、広島市外に進学した広島市出身の学生や地方に就職したい学生が広島を選びやすくなる事業だと思います。広島県の特設サイトでは、広島市含め、今回の就職学生支援事業の実施し街が既に告知されています。しかし広島市独自の広報も必要だと思います。今回の予算は、周知のための費用も含まれているんでしょうか、お答えください。
(市民局長)
本事業の予算は支援に対する補助金のみを計上としていますが、学生に本事業を活用してもらえるよう、しっかりと広報していくことは重要であると認識しています。
そこで、本市の東京事務所内にある広島プロモーションセンターや県の大阪事務所の協力を得ながら、各大学等へ周知を図るとともに、国や県が実施している広報などを積極的に活用しながら、効果的な広報を実施してまいります。
(中村たかえ)
この事業の目的の一つに、転出超過を抑制することが挙げられていますが、若者が広島市を選ばないのは、就活で交通費がかかるからだけではないのではないでしょうか。
広島市で学んだ学生が広島市に残らないことにも焦点を当てなければなりません。転出超過への対策を考えたときに、この施策だけでは足りないのではないでしょうか。市の認識をお聞きします。
(企画総務局長)
初めに転出超過の対策としてこの施策では足りないのではないか。市の認識はどうかについてです。
転出超過の抑制に資する対策につきましては、若者がみずからの将来展望を開くことにつながると実感できるような生活環境を整えるための取り組みを、市民をはじめ民間企業、大学、地域活動団体等と共助の精神に基づく連携のもと、それぞれが役割に応じて継続的に取り組む地域総出のまちづくりを展開することにしており、現在こうした考えに基づく新たな取り組みや既存事業の拡充について、全庁挙げて検討を進めているところです。
本市としましては、こうして検討した取り組みを可能な限り速やかに実行に移すことが重要であるとの考えのもと、このたびUIJターン就職学生支援事業を補正予算に計上したものであり、引き続き検討が整った事業を順次実施してまいります。
(中村たかえ)
国が進めようとしている地方就職学生支援事業は、主な要件として、移住先の自治体が地方公共団体による奨学金返済支援を実施していることとありますが、広島市でも奨学金返済支援の実施予定があるのでしょうか。またその予定がある場合どういう内容なのか、お答えください。
(企画総務局長)
国の地方就職学生支援事業で活用するにあたって、要件となっている移住先自治体での奨学金返還支援の実施について、国は都道府県が取り組みを実施している場合は、市町村での実施の有無を問わないとしており、広島県では既に奨学金返還支援を実施していたことから、本市がUIJターン就職学生支援事業の実施のために奨学金返還支援を実施する予定はございません。
【再質問】
(中村たかえ)
あとはUIJターンの周知のところなんですけど、今回奨学金返済支援制度の導入は県がやっているから市ではやる必要がないっていうことであって、私はそれは大変残念だと思ったんですけど、このUIJターンの就職学生支援事業は、県内市町で取り組む中では、実は結構頑張っている政策だと思っているんです。
それで言うと、せっかくここまで頑張っているのに、先ほどの答弁だったら、周知のための予算は実はなくって、東京の事務所だったり大阪の事務所だったりで各大学に周知する。国や県がやっているところを効果的に活用するっていう、独自で広報して広島市の魅力を発信するっていう、そういうことにはならないっていう理解でいいんでしょうか。
(経済観光局長)
先ほど広報について、東京事務所内にあるプロモーションセンターなどと協力しながらということを申し上げましたが、本市独自としましても当然ですが、SNSを活用した広報でありますとか、既定予算の対応でありますが、チラシを作成したり、あるいは本市の有給長期インターンシップという制度がありますが、そういった学生にも周知するなどしっかりと広報していきたいと考えております。
(中村たかえ)
続いて平和大通りの利活用の推進についてお聞きします。2021年3月に策定された平和大通りの利活用のための基本計画の目指す姿は、鎮魂、憩い、にぎわい、おもてなしが調和し、都心の回遊性を促す平和のシンボルロードにするというものです。
鎮魂とにぎわいはそもそも両立しません。そうしたもとで、パークPFI制度を活用して平和大通りの緑地帯に交流広場などを整備するための事業者の公募選定を進めると提案されています。
そこでお聞きします。緑豊かな平和大通りに今必要なのは、仕切りを設けた意地悪ベンチと呼ばれる排除ベンチではなく、誰もがゆっくりくつろげるベンチや安全対策になる街灯の設置で居心地を良くすること、そして安心して使えるトイレを整備することではないでしょうか。
多くの人を包摂できるトイレを設置することこそ広島を訪れる人たちへのおもてなしになります。ベンチや街灯が適切に設置されることこそ、地域に暮らす人も含めた憩いの空間になります。それこそが国際平和文化都市広島のシンボル的な通りになるのではないでしょうか。市の見解をお答えください。
(市民局長)
パークPFI事業者の公募に当たっては、公募設置等指針において、ベンチ、夜間照明、トイレなどを設置することとし、その施設について、ユニバーサルデザインに配慮するよう求める予定です。
こうした点などを踏まえた提案を行った事業者を選定することで本市を代表とする本市を代表するシンボル的な通りである平和大通りにふさわしい整備が行われるものと考えております。
(中村たかえ)
交流広場等の整備をするといいますが、地域住民の意向はどれぐらい聞いているんでしょうか。聞いている場合は、どういう立場の人にどういう形で聞いたのかお答えください。
(市民局長)
平和大通りの利活用の推進に当たっては、基本計画の策定に先立って、令和2年度から2年間かけて、沿道地域の町内会や企業、被爆者団体等を訪問し、骨子案や計画案について意見を聞き取るとともに、広く市民等に対して意見募集を行いました。
また、令和4年度には多くの方に本事業の目的や意義を知っていただくために、オープンハウス型の事業説明会を実施した他、具体的な利活用や、整備の内容を検討するために、平和大通り沿道の町内会や企業、市民等が参加するワークショップを開催したところです。
(中村たかえ)
無理やり平和大通りににぎわいを作らなくても、既に若者が集まっている並木通りやカフェなどもあるじぞう通りがあります。並木通りやじぞう通りに既にある店舗などで十分にぎわい作りは担えるのではないでしょうか。市の考えをお聞かせください。
(市民局長)
平和大通りにつきましては、平成29年3月に策定した広島都心活性化プランにおいて、にぎわいと交流を都心全体に広げていくための回遊ネットワークの中で、東西の平和の軸に位置付けています。
さらにその将来イメージとして、平和を願う世界中の人々が交流し、平和への思いを共有するとともに、原爆投下から復興した広島を実感でき、また新たなにぎわいを生み出す空間を目指したいと考えています。
(中村たかえ)
また、平和大通りは交通量が多く、車の騒音や粉じんと隣り合わせの緑地帯です。そこがカフェを楽しんだり、語り合ったりできるような場になるのでしょうか。市の認識をお答えください。
(市民局長)
昨年度、社会実験として平和大通りの緑地帯で、オープン型の休憩スペースを設置したところ、2日間で30人を超える人が来場し、飲食を楽しむ多くの市民や観光客が見られました。
来場者アンケートでは、「気持ちよく過ごせた」「さらに飲食イベントを開催してほしい」といった意見が多く、本事業においても多くの方が憩いくつろいでいただける場になるものと考えております。
(中村たかえ)
今、広島平和資料館東館1階の企画展では、「ともだちの記憶」という、1945年8月6日の広島を生き残った中学生の苦悩や、亡くなった友人たちへの思いなどが写真や遺品などとともに紹介されています。その多くが、友人を建物疎開で亡くしています。つまり、今の平和大通りで友人を亡くし、生き残ったことに負い目を感じながら生きてきた子どもたちがいるということです。
その歴史的事実を鑑みれば、平和大通りににぎわいをつくることが、鎮魂と相いれないことを直視しなければならないのではないでしょうか。
広島市は被爆の実相、被爆体験の継承を片方で謳いながら、原爆投下前後の歴史的事実を覆い隠すようなことになってしまうのではないでしょうか、どうお考えかお答えください。
(市民局長)
平和大通りにおけるにぎわいは集客に特化した性質のものではなく、多様な人々がイベント等を通じ、交流できる広場を整備するとともに、その魅力を高める飲食・物販施設等を設置し、居心地の良いくつろぎの場を提供するための憩いの空間を演出することを目的としております。
こうした空間を良好に保つことで、市民はもとより、広島を訪れる世界中の人々が平和大通りに点在する慰霊碑や供木運動で提供された樹木、これを巡り、静かに平和の尊さに思いを馳せたり、交流広場での広場関連イベントなどを通じて被爆の実相に触れ、平和への思いを共有することにつながるものと考えております。
【再質問】
(中村たかえ)
あとパークPFIのところなんですが、社会実験をやったときに結構利用者もいたんだとか言われたんですけど、やっぱりにぎわいがあっていい場所と安易ににぎわわせてはいけない場所があるんじゃないかと思うんです。
平和のシンボルロードっていうなら、にぎわいより大事にしなきゃいけないことがあるんじゃないかと思うんです。
さっきので言うと、広島の平和を観光資源にしているっていう、そう見られかねないっていうふうになることを私お聞きしたんですけどこのちょっとその認識のところもちょっと教えてください。
(経済観光局長)
平和大通りの利活用につきましては、その成り立ちや特徴、さらには市民等の思いなどを十分に考慮しながら進めていく必要があるというふうに考えております。
そういったことを踏まえ、市民は元より観光客等が、徒歩、自転車などにより平和公園や比治山公園、中央公園などを巡る重要な拠点にしていきたいと考えております。
(中村たかえ)
続いて第72号議案、財産の処分についてお聞きします。安佐南区大塚西6丁目の市有地2万5216.45平方メートルの土地を24億1000万円で株式会社フジに売り払うという提案です。
平成17年から20年間の借地契約の期間満了前に相手方から申し出があったとのことです。そして今回の24億1000万円は西風新都特別会計に入れるということです。
そこでいくつかお聞きします。最初に確認しますが、大塚西6丁目の約2万平方メートルの土地の売却として24億1000万円は妥当と言えるのでしょうか、お答えください。
(都市整備局長)
まず、売り払い価格は妥当と言えるかについてです。
売払価格については、不動産鑑定士によって算定された土地評価額を広島市財産評価委員会の審議を得た上で決定していることから、妥当なものであると考えています。
(中村たかえ)
西風新都特別会計に入れるということは今後の開発資金の原資になるということだと思いますが、その一部でも市民のくらしのために使えるように一般会計に繰り入れることはできないのか、思わずにはおりません。
コロナパンデミックを経て、引き続く物価高騰のもと、市民生活は深刻です。子育て世帯は子どもの健康と成長を願い、重い教育費の負担に耐えながら懸命に日々を過ごしています。中小事業者は、地域経済だけでなく、地域コミュニティを支える役割も担いながら、事業継続に並々ならぬ努力をされています。若者は自らの成長を社会の発展に繋げられるように学費や生活費のためにバイト漬けになりながらもこの広島市で学び続けています。
こうした市民のくらしと明日の希望を支えるような立場に立ち、24億1000万円の一部でも一般会計に繰り入れるお考えはありませんか。市の認識をお答えください。
(都市整備局長)
次に、収入の一部でも一般会計に繰り入れる考えはないのかについてです。
西風新都については、円滑な都市作りの申請を推進を図るため、本市が根幹的な都市基盤施設を開発事業に先行、または合わせて整備し、この整備に伴って増進する開発利益の一部を開発事業者から提供を受けた土地を売り払うことで、都市基盤施設整備費等に充当する開発者負担制度を設けています。都市基盤施設整備の時期と土地の売り払いの時期にはずれが生じることから、当座の整備費の財源には、開発事業の実施に必要な財源として充てることができる開発事業基金を活用しています。
このたびの売り払い収入についても、開発者負担制度の趣旨や、開発事業基金を活用していることに鑑みると、これまでに西風新都特別会計で支出した都市基盤施設整備費等に充当することが適当であり、一般会計には繰り入れず、開発事業基金に積み立てて、本市の開発事業に活用していくべきものと考えています。
(中村たかえ)
次に、第73号議案契約の締結についてお聞きします。第73号議案は、中央図書館および映像文化ライブラリーの移転整備並びに広島市郷土資料館サテライト(仮称)の整備の工事についての委託契約です。
この間、中央図書館移転の費用について増額が繰り返されています。昨年度の予算特別委員会でも、費用の増加や事業の見通しのなさに指摘が相次ぎました。
今回提案されたのは、外壁を撤去し窓を取り付ける工事、共有設備の取り替え工事を行うことの契約です。これはエールエールA館の共有部分にあたるため、市が直接業者に依頼するのではなく、建物管理者である広島駅南口開発株式会社に委託するということです。つまり委託金限度額を示し、委託先である広島駅南口開発株式会社が施工業者を選定することになります。
そこでいくつかお聞きします。今回の整備工事その1の施工業者はどうやって決めるのでしょうか。
(市民局長)
エールエールA館の施設管理規約には、共用部分等の変更は管理者が行うものと定められており、本工事が外壁の撤去や窓の取り付け、消火設備等の取り替えなど共用部分等の変更を行うものであることから、本建物管理者である広島駅南口開発株式会社に委託し、同社が本工事の施工業者を選定することになります。
施工業者の選定に当たりましては、安全で効率的な工事施工等の観点から、施設の構造等を熟知した業者を選定する旨同社から聞いております。
(中村たかえ)
委託金限度額が12億263万円とされていますが、その根拠となるデータはあるのでしょうか。
また工事費用が委託金額よりも低い金額で収まった場合、残額は返還されるのでしょうか、お答えください。
以上で議案に対する質疑を終わります。
(市民局長)
委託料の算定に当たりましては、工事内容や算定金額が適正であるかを確認するため委託先となる広島駅南口株式開発株式会社から見積書を徴収しており、その内容を確認した上で決定しました。
また、委託金額は、工事内容自体に変更がない限り変わらないため、実施設計により工事内容は確定していることから、減額が生じることは想定していません。
【再質問】
(中村たかえ)
第73号議案のところで、委託料の見積もりは、この広島駅南口開発株式会社が言ってきたものをそのまんま受け取って、それを何かどこかと精査してっていうことはされなかったっていうことで、そういう理解でいいんでしょうか。
(市民局長)
広島駅南口株式会社の方から見積書を徴しておりますけども、それがもとになっておりますけれども、その内容を担当課の方でしっかり確認をしまして、仕様が間違いないのか、数量等しっかり精査した上で、同社とも価格交渉を行った上で決定しているものです。