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(清水てい子)
お疲れ様です。日本共産党の清水貞子です。日本共産党市議団を代表して、2024年第2回広島市議会定例会に上程された議案について討論を行います。
反対するのは、第73号議案です。意見を付して賛成の議案は第66号議案です。その他の議案には賛成です。
反対する議案について、その理由を述べます。
第73号議案契約の締結については、中央図書館など商業ビルのエールエールA館に移転整備するための議案です。国際平和文化都市であると標榜している広島市の文化の拠点たるべき中央図書館は、平和の発信拠点の一つとしても、それにふさわしい立地と建物にすべきであると考えているところであり、この事業自体に異議を申しあげてきた立場から、この議案には反対します。
なお、工事を行うにあたって特命随意契約のような形をとって業者の見積もりをそのまま契約額に採用するのはその額の妥当性に疑問が残ります。
これは通常の入札で言えば、施工業者が予定価格を算出し、その施工業者が予定価格の100%で契約するということであり、少なくとも施工能力を有する別の業者に合い見積もりを取って、資材価格などについて検証するべきです。
以上の理由で、この議案には反対します。
次に意見を付して賛成の議案について意見を述べます。
第66号議案一般会計補正予算第1号のうち、最初にUIJターン就職学生支援事業について意見を述べておきます。
この支援事業は、国の制度を利用しつつ、広島市独自に上乗せをして、学生への支援を拡充させたこと自体は評価するものです。しかし大事なのは、学生にしっかりと活用してもらうことです。
東京事務所のプロモーションセンターや、国、県が実施する広報などを活用する他、市独自にSNSの活用や、有給インターンシップ参加者にも周知するとされていますが、周知するための予算が確保されていないことが気がかりです。
学生に本事業が確実に利用され、広島市で働き、生活することを選択する若者が増えることで、人口流出の改善につなげるためにも、積極的な広報に取り組んでいただくよう要望しておきます。
次に被爆証言応答装置の製作についてですが、新しい技術を活用して、現に存在していない被爆者に質問をして、本人が回答したように見せるのは、やはりバーチャルなもの、アトラクション的なものにならざるを得ないものだと思います。
その点で、地獄のような現場を体験された被爆者の皆さんが、あえてその地獄の惨状を思い起こして、次世代や外国の人々にも伝え、2度とあってはならないことを訴えようとしてこられた心情を想い、共感し、真摯に受けとめ考えていただくというこれまでの取り組み、その体験そのものを残していく努力を続けることが、大事なことだと思います。
いたずらに新しいものに頼ることなく、被爆の実相を伝え、核兵器廃絶の強い思いを培ってきたこれまでの取り組みを愚直に継続していくことが被爆地の使命だし、その取り組みがこれまで世界を動かしてきたし、今後も世界を動かす力になるのだと思います。
続いて、平和大通りの利活用の推進についてです。私は被爆2世です。この地には「広島第一県女」や「移動演劇さくら隊原爆殉難碑」などの碑があります。原爆で一瞬のうちに日常生活を奪われた多くの被爆者を静かに慰霊する場です。平和大通りににぎわいと鎮魂は両立しません。なぜなら、この平和大通りは「平和」という名前がついているように、戦後の広島復興のシンボルであり、様々な慰霊碑が点在する通りであり、平和公園に準ずる平和の発信地です。
にもかかわらず、慰霊碑を無視するかのごとくにぎわいを優先した開発は、平和大通りを平和でも文化でもなく、ただの「通り」にしてしまうのではないでしょうか。
6月23日には、平和大通りの樹木が倒れました。幸いなことに怪我をされた方はませんでしたが、まず最優先すべきは、平和大通りの安全確保です。さらに、原爆の惨禍で破壊される前には、どんな街並みがそこにあったのかがわかるような工夫をし、思いを巡らせる環境こそ整えることが大切ではないでしょうか。
以上の二つの事業には賛成できませんが、ワクチン接種など大事な取り組みが多いことから、以上の意見を付して、第66号議案には賛成とします。その他の議案には賛成します。
以上で討論を終わります。