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「広島市地域コミュニティ活性化推進条例(仮称)」の制定に向けた取組状況について
(中森辰一)
いくつかちょっと質問させていただきたいと思いますが、今説明いただいた1枚目のところで、被害の想定というのがあるんですけれども、大規模な地震災害が発生したときに、どの程度の被害を受けるかということをできるだけ最大限の形で評価するようにというふうなことなんだろうと思うんですが、当然その規模というのは、緊急時の行動に関わってくることだと思うんですよね。
特にライフラインはすごく重要だと思うんですけども、その中で、(2)被害の想定のところで、断水人口が4535人となっておりまして、広島市全体の人口規模、とりわけ大きな被害が出るかもしれないと考えられるデルタ地域の人口だけを考えても、非常にこの断水人口が小さいのではないかという印象を持ちました。
今年の予算特別委員会で質疑をした際に、確か水道管の老朽化対策、耐震化対策というのはまだ3割弱だったと思うんですよね。
それから考えて、どの程度の大きな地震になるのかっていうのはありますけれども、多くは液状化、特にデルタ地域はその危険地帯ということになっているわけです。液状化によって水道管が大きな被害を受ける可能性ってのはこの1月の能登半島地震を見てもよくわかると思うんです。
それで考えて耐震化対策が未だ三割に届いてないという状況の中で、被害を受ける可能性が非常に大きい。そうすると、どうもこの断水人口4535人というのは規模が小さいんではないかなと思うんですよ。
これはちょっと想定が甘いということになると、右側のライフライン、インフラの維持、応急給水の実施であるとか、上水道施設の応急復旧の実施とこういうところにも大きく影響してくる可能性があるんではないかなと思うので、そのあたりはどうなのかなと思うんですがどうでしょうか。
(危機管理課長)
水道の水道管については、こういった破断であったり、そういったことで断水の可能性は十分あるかと思うんですけれども、これは下水道と比べて上水道については網の目のように広島市域に配管されておりまして、そこが断水しても他の経由で水を供給できる可能性があるので、下水道に比べて水道管というのは、そこまで被害が大きくならないと考えているんだと思います。
ただ実際に、今回の能登半島地震を見てもですね、耐震化ができてないところで水道管の断水というものが生じておりまして、その場合は速やかに応急給水等で対応すべきだと考えておりまして、それについては今後もいち早く皆さんに水が届くように検討を進めていく必要があろうかと考えております。
(中森辰一)
だいたい迂回して給水することができるというふうな考えだろうと思うんですけども、それにしても、一旦は止まるわけですよね。
どの程度の規模で止まるのかわからないけれども、止まって自動的にその切り替えが行われるわけじゃないでしょうから、それはやっぱり人手でやっていくわけですので、それは一定の期間は断水が起こりうるというふうなことをやっぱりきちんと明らかにしておく必要があるんじゃないかなと思います。
その点では、この右側のページの応急給水であるとか、応急復旧であるとかね、やっぱりそういうふうなところにこう関わってくる問題ですから、やはりその点はきちんと想定をした形で進むようにしておく必要があるかなと思います。
それから2枚目のところで、物的資源の確保の(2)の電力ですよね。この庁舎の浸水対策がこれからやっていかなくちゃいけないということで書いてあるんだと思うんですよね。
止水板の設置、自家発電設備等の高所への設置等ということになっておりまして、こっちの冊子の方では22ページのところでも、そういうおそれがあると、浸水により機能しなくなる恐れがあるというふうに書いてありまして、1枚めくると各区役所がみんな受電設備が地下1階になっているわけですよ。
自家発電は、特に中区役所の場合は9時間しかもたないというふうなことになってて、頻繁に燃料を供給せないかんというようなこともあるんですけれども、一方でこの地下1階にあるってことは浸水の影響を受けるということになります。
だから止水板の設置なんかが必要なんだということなんですが、この高所への配置替えっていうのが基本的には根本的な対策になるというふうに思います。止水板の設置にしても高所への設置等ということにしても、やっぱり一定期限を区切って進めていくという取り組みがいるんだろうと思うんですよ。
その点で、いつまでにこの取り組みを行うのか、進めていくのかということも含めて計画していく必要があるんじゃないかと思いますがその点はどうですか。
(危機管理課長)
まず今止水板が設置されていない区については、令和9年度までに整備を進めていく方針でございます。
それ以降先生がおっしゃられたように高所への移転ということも、もうこれが間違いなく一番良い方法ではあるんですけれども、これについてはかなりの予算規模が必要となってまいりますので、その点については今後十分に内部で検討した上で進めていきたいと考えております。
(中森辰一)
ちょっとついでにですけど、今後こういう市の庁舎であるとか建物を作り変えたりとか、あるいは新たに建てたりとかいう場合には、やっぱりこういう自配電設備というのは、やっぱり高いところに当然設置していくという考え方でやっていかなくちゃいけないというふうに思いますので、それはあえて私が言うまでもないことかもしれませんけれども、ぜひお考えいただきたいというふうに思います。終わります。
(中森辰一)
今説明をいただいたことについてですけど、まず国が出している地方自治法の一部を改正する法律案の考えを踏まえながらみたいな報告があったと思います。
こうした国の動きを踏まえつつ、この法律案についてはここで言ってるその地域コミュニティに関わる条文についての議論というのがどの程度行われているのかわかりませんけれども、もっぱら緊急事態における国による地方自治体への指示、こういうようなところが議論されているかなと思うんですが、ここで言われている法律案の内容と、それから、この条例との関わりについてはどういうふうなことになるのか教えてください。
(コミュニティ再生課長)
国の法律案と条例の関わりでございますけれども、まだ国の方から条例案の詳細が示されておりませんので、限定的なお答えにはなりますけれども、広島LMOが指定地域共同活動団体に該当するかどうかを判断するための情報が現時点では十分ではございませんけれども、引き続き国の動向を注視するとともに情報収集に努めたいと思っております。
国の動きが条例の制定にどういうふうな影響してくるかっていうところも、現在国会で審議中の地方自治法の一部を改正する法律案に規定されている指定地域協働活動団体制度を導入する場合には、法の規定に基づき当該団体の指定要件等を条例で定める必要があるとされています。
本市においても市そして地域協働活動団体制度を導入する場合には、現在作成中の広島市地域コミュニティ活性化推進条例(仮称)に当該団体の指定要件等を盛り込むかどうかの検討が必要になるなどの影響があろうかというふうに考えております。
(中森辰一)
そうすると、法律案にある当該特定地域共同活動団体いうのは、これは広島LMOの認定団体と同一になる可能性はあるということですか。
(コミュニティ再生課長)
繰り返しになりますけど、まだちょっと指定地域協働活動団体に該当するかどうかを判断するための情報がまだ不十分でありますので、今の段階では何とも言えませんけれども、ときあたかも我々もこれ条例を制定しようとしておりますので、当然のことながら国の情報を踏まえた上での条例検討というのは留意してまいりたいと思っております。
(中森辰一)
聞いたところでは既に政令市の中でも七つの政令市のところで、広島市がこれから取り組もうとしているような、この地域コミュニティに関わる条例ができているということなんですけれども、そういうものもこの国の法律案の中に、法律の中ではこう考えられて法律案が作られているのかどうかということがあるかなというふうに思います。
一部抜粋要約ということで書いてありますこの法律案の抜粋ですけども、この中で、随意契約による市町村の事務委託って項目があるんですよね。この辺がこれから広島市で広島LMOにも関わる条例を作ったりとか、それから地域コミュニティに広島LMO参加といいますか認定してもらえるような事業活動を行うような組織を作っていくというふうに当たってはね、やっぱりこの辺はかなり気になるところではないかなというふうに思っています。
それで広島LMOに関わっては、予算特別委員会でもいろんな議員が議論をされたというふうに思うんですけれども、スケジュールを見ますと今年のうちには大体条例をまとめていこうというスケジュール感かなというふうに思うんですよ。
今市が進めている取り組み、広島LMOについて、担い手にそれについての意見をまだ聞いているのかどうかよくわからないんですけれども、条例案を作るにあたってはその辺の実際にこれから担い手になっていこうとしている地域コミュニティの各団体ですよね、こういうところに市が取り組んでいる方向性について、どういう意見を持っているのかということについて、やっぱりよくよく聞いておく必要があるんじゃないか。
有識者から意見を聴取するとかいろいろあると思いますが、まずはやっぱり肝心な地域の担い手のところがどういうふうに思っておられるのかをまずは聞く必要があるんじゃないかなというふうに思うんです。
その点で、まず町内会長であるとかいろんな地域コミュニティ団体がありますけれども、そういうところに対して市の今の考え方、方向性というのを示した上でね、アンケートやるとか、そういうことをまず先行してやっていく必要があるんじゃないかなと思うんですけどその点はどうでしょう。
(コミュニティ再生課長)
今委員からお話がございましたように、何よりもこの現場、町内会の会長さんだとか担い手不足に関するご見解をお聞きするというのは本当に重要だと感じております。
ちょっと付け加えて補足説明させていただきますと、シンポジウムだとかワークショップ、先ほどご紹介ありましたところに、実際に町内会の方とか、LMOを既に立ち上げておられる方なども含まれてご参加いただいております。
今LMOを立ち上げていただいた団体、それとこれからLMOを立ち上げようとご検討いただいている団体、まだそこにも至っていない団体含めて、今市区社協、それと区役所、我々本庁の部隊がですね、足を運んではどういうふうなことに弊害があるかというところを担い手不足も含めて、意見を交換して、課題っていうのを把握するように努めております。
ですから当然委員ご指摘のように現場の課題、担い手不足も含めた現場の課題っていうのは積極的にこれからもあの意見をお聞きしたいと考えております。
そういったご意見も踏まえて、あの条例の制定に取り組んでまいりたいというふうに考えております。
(中森辰一)
そっちの方が先よという意見も今出ましたけれども、やっぱりそういう取り組みをまずやってですね、そういう声が大体集まったところでそれをまとめていただいて、我々議会にもそれをフィードバックしていただいてね、一緒に議論していくということを、ここに書いてある取り組みと並行してね、やっぱりぜひやっていただきたいということをお願いしておきたいと思いますがどうですか。
(コミュニティ再生課長)
できるだけ地域の声だとか課題とかっていうところがだいぶ取りまとめられて、条例の制定の前に何かを示しできるような形っていうところも並行して目指していきたいと思っております。
(中森辰一)
まずは緊急質問させていただきましてありがとうございます。市民の皆さんの関心の高い問題が起きたということで、特に今年の8月の問題でもありますのでちょっと緊急質問ということで少し議論させていただきたいと思います。
今年の平和記念式典にイスラエルを招待するということが報道されまして、様々な批判の意見が出されてきております。市としてはどのように受け止めておられるでしょうか。
(市民活動推進課長)
これまで本市には、イスラエルはガザ地区で女性や子どもなど罪のない人々を殺している国家であるため、このような国を式典に招待すべきではないといった意見が寄せられているところであり、本市としましても、前回より多くの人々の命や平穏な日常が奪われていることは極めて遺憾なことであると受け止めております。
(中森辰一)
一昨年の2月にウクライナに侵略戦争を仕掛けたロシアとそれに手を貸しているベラルーシをこの年の平和祈念式典から招待しないという態度を対応をとりました。
これは紛争当事国を含めて全ての国を招待するという原則と違うやり方で行われた対応だったと思います。ところが、今回イスラエルは招待するということにしております。
イスラエルはパレスチナのガザで、ハマスを掃討するということで、武器を持たない市民が住む都市を繰り返し攻撃をしてきました。既に3万数千人ものパレスチナ市民の命を奪いさらに、百数十万人と言われる人々が密集して避難生活を送っていたところへの大規模攻撃、今どんどん避難が行われているようではありますけれども、そこへの攻撃やめようとしておりません。
どちらも国際法違反であり、国際人道法に著しく反する行為が行われていると厳しく繰り返し批判されている国であります。
市民の批判の意見というのは、もちろんロシアを招待するのも嫌だ、いけないとか、あるいはイスラエルを招待するのは問題があるといった意見もあるんですけれども、同時に、ロシアとベラルーシは招待しないのにイスラエルは招待するという広島市の対応はこれ二重基準ではないかと。そんなことをしたら広島の核兵器廃絶、世界恒久平和への訴えは力を失ってしまうんではないか。こういう批判の意見があります。私も二重基準ではないかと思うんですけども、どういうふうなお考えでしょうか。
(市民活動推進課長)
平和都市を目指す本市としては、被爆者のこんな思いを他の誰にもさせてはならないという平和のメッセージに触れていただくことが核兵器のない平和な世界の実現に繋がるのではないかという思いのもと、全ての駐日大使を呼び核兵器禁止条約の非署名非加入国の首脳を招待することとしております。
ロシア、ベラルーシも本来であれば招待するところではありますが、両国を式典に招待することが式典の円滑な挙行に影響を及ぼす可能性があっため、例外的に招待を見送ることとしたものであり、本市としては二重基準ではないと考えております。
(中森辰一)
今の説明ではちょっと納得いかないところだと思います。イスラエルは核兵器の保有を公式には認めておりませんけれども、以前から核兵器を持っているということは公然の秘密のように言われてきた国であります。
今回のガザ攻撃の中で、最近ですが閣僚の1人が後から比喩的に行ったと弁明をしましたけれども、ガザに原爆の使用が選択肢の一つだと述べたこともあります。
ロシアもイスラエルも、隣の国に対して行っていること、核兵器の保有と使用の可能性が隣国との戦争を続けている中で心配されるようになっているということも共通しております。これらの点について、広島市としてはどういうふうに受け止めておられますか。
(市民活動推進課長)
ロシアは国家元首であるプーチン大統領が複数回にわたって核兵器の使用を示唆している一方で、イスラエルは先ほど委員ご紹介ありましたように、核兵器使用が選択肢の一つだと発言した閣僚がネタニヤフ首相に更迭されていることから、この発言は、政府の公式の見解ではないものと認識しております。
(中森辰一)
公式の見解かどうかということは別にして、いずれも核兵器保有しているという事実と、それからそういう可能性が全く否定できないわけではないという事実もあると思います。
それから、先ほど申し上げたように、何をやっているかという点について、一体どこが違うのかということがあるんだと思うんですよね。
市長が記者会見で、二重基準ではないかということについて、二重基準ではないと否定されましたけれども、ただ否定しただけでは、これはなかなか説得力はないというふうに思うんです。二重基準ではないというやっぱり根拠を、先ほど少し述べられましたけれどもやっぱり根拠がそれぞれについて示される必要があると思うんですよ。招待する招待しないと判断をした根拠は何でしょうか。
(市民活動推進課長)
式典への各国の代表者の招待については、平成10年のインド、パキスタンの相次ぐ核実験を受け、国際社会が核兵器の使用、拡散の危機に直面する中で、広島の思いと被ばくの実相に触れ、核兵器と人間の関係を考えるきっかけとすることを目的に、同年から核保有国の駐日大使に参列要請を行ったことが始まりとなっております。
その後、ちょっと先ほどの答弁と重複いたしますけれども、被爆者のこんな思いを他の誰にもさせてはならないという平和のメッセージに触れていただくことが核兵器のない平和な世界の実現に繋がるのではないかという思いのもと、平成18年以降は紛争地域であるかないかに関わらず、一貫して全ての駐日大使を始めとした各国の代表者を招待し続けており、例えば平成13年2001年の9月11日の同時多発テロを機として長年にわたって紛争状態にあったアフガニスタン紛争や、アゼルバイジャン領内のナゴルノカラバフ紛争の当事国も招待してまいりました。
こうした中、ロシアおよびベラルーシについては、令和4年に両国を式典に招待することが式典の円滑な虚構に影響を及ぼす可能性があると判断したため、招待を見送ったものでございます。
これについては現時点でもその状況が変わったと言えないことから、今年も同様の対応をすることといたしました。
(中森辰一)
あえて繰り返しになるかもしれませんけれども、招待しないとしているロシアとベラルーシは、招待した場合に具体的にどういう問題が発生するというふうに考えられたんですか。
(市民活動推進課長)
ロシアおよびベラルーシを招待した場合、式典の会場においてウクライナ侵攻について事実に反する主張をすることなどにより、誤ったメッセージが発信され、式典における原爆死没者の慰霊と世界恒久平和の実現に向けた平和の発信、とりわけ核兵器廃絶に向けた機運を醸成するという本来の目的が達成できなくなる恐れがあると考えたものでございます。
(中森辰一)
式典の会場においてそういうふうな発言をするっていう誰が発言をするということですか。
(市民活動推進課長)
例えば出席した大使であるとか、そういった方を考えております。
(中森辰一)
そういうことは考えられるんだろうかというふうに思うんですけれども、招待すると判断をされたイスラエルに対する批判、非難というのはこれはロシアと同じように世界中から行われて極めて厳しい批判にさらされています。
しかしどんなに批判されても、世界中が反対をしてもガザでの攻撃を行うとイスラエルの首相は言ってるわけですよ。世界中から非難されても、人道に反することをやめない態度というのはこれはロシアと共通しております。
ロシアやベラルーシでは、式典の円滑な挙行に影響を及ぼす可能性があるが、イスラエルはそういう可能性はないという根拠は一体何なのかということになると思うんですけども、この点はどうですか。
(市民活動推進課長)
本市としましては、現時点ではイスラエルについてはそのような可能性はないと考えておるところでございます。
(中森辰一)
その根拠は何かということですよ。
(市民活動推進課長)
先ほどロシア、ベラルーシで懸念しておりました、事実に反する主張をすることで誤ったメッセージが発信されると、そういった心配は現時点ではないのではないかと考えておるところです。
(中森辰一)
ロシアやベラルーシだったらそういうふうな発言をするのではないかという、その根拠は何ですか。
(市民局次長)
招待を取りやめた令和4年度の時点で、その当時のロシア大使であったガルージン大使が、プーチン大統領がその当時何度も核兵器の使用を示唆する発言を繰り返していたにもかかわらず、ロシアはそのようなことを一切言っていないというような、要は報道されてるものと実際のその発言が反するような発言を繰り返し行われていたというところで、式典会場においても、そのような事実に反するような主張を、例えばインタビューを受けたときにするのではないかというような懸念等を抱いたというのも一つの理由であります。
(中森辰一)
現実の問題としてこの間ずっと私も議員として会場の中で参列をしてきたわけですけれども、あそこで招待をされている招待者たちが、会場の中で、あるいは式典が行われている最中に、メディアからいろいろインタビューをされて発言をするというような場面というのはあり得ないというふうに思うんですよね。
少なくとも、式典が始まる前、それから式典の終了が宣告されてみんなが退場するそういう段階以降はわかりませんよ、会場の外へ出た。だけども会場の中でそういうことがありうるんですか。
(市民局次長)
式典中に関しましては、確かにプログラムに基づいて実施されるものですので当然そこで不規則発言ということをするのは難しいというふうには考えますけれども、実際に世界に向けて平和祈念式典の様子が報道されるときには、式典の前式典の後に行われるインタビュー等も当然含まれた上で発信されるものと考えております。
そうした場合に例えば式典の前式典の後にそのような誤ったメッセージ等を発するということがあれば、それもやはり平和祈念式典の挙行とセットで全世界に流れるという可能性は当然ございますので、そういった意味で誤ったメッセージが発信される可能性があるというふうに判断したところでございます。
(中森辰一)
前にいつのことだったか、ロシアなどを招待するとウクライナを支援する西側諸国が参列を見送る懸念などを外務省から指摘されて判断した。こういう説明をあなた方がメディアに対して行ったというふうに報道されておりますけれども、その通りですか。
(市民活動推進課長)
懸念の一つとしてそのような説明をしたことがございます。
(中森辰一)
外務省が指摘をしたということなんですけれども、今回のイスラエルに関しても、同じような事態というのは考えられないんですか。
(市民活動推進課長)
先ほど答弁しましたように、イスラエルについてはそのような現時点ではそのような可能性はないと考えております。
(中森辰一)
なぜそのような可能性がないと判断できるのか根拠がわかりませんけれども、ロシアのときは、外務省に相談をして外務省からそういう助言、指摘があったということのようですけれども、イスラエルに関して外務省に相談したということは、多分してないんだろうなというふうに思うんですよね。
そうすると、いずれにしても、招待すると判断するにしろ招待しないと判断するにしろ、どうもただやっぱりあなた方の方が勝手に、そういうことがありうるのではないかということを心配をして、招待をしないということを決めた。あるいはそういうことは起きないであろうというふうに考えて招待することを決めた。ここの判断基準というのはどうもすっきりしないものがあります。
そこら辺が二重基準ではないかと言われているわけですよ。ロシアとイスラエルっていうのは、国際的にはどういう立場にあるかということを考えてみるということもあるかなと思います。ロシアもイスラエルも、やってることは同じなわけですよ。核兵器を使う可能性がゼロではないという点も多分同じだろうと思います。
だけれども、結局そういう国の助言もあって、ロシアなどを招待しないということになった。あるいは、イスラエルを招待するのはそういうふうなあなた方が心配はないと判断したということなんだろうと思いますが、国から何も言われなかったということでもあるかなというふうに思います。
いずれにしても、ロシア・ベラルーシとイスラエルに対する判断がわかれているという広島市側のその判断に対しては、やっぱり厳しい批判の声が市民の間からも起きているわけですよ。
こういう点で言うとどっちにしても紛争当事国であるかないかに関わらず、全ての駐日大使や各国の代表者に招待状を送ってきたと、こういう市の方針が、結局は国の助言なり意向もあってですね、変わってきているということでもあるのではないかというふうに思うんですよね。
考えてみると、我が国日本の政府のこの二つの軍事紛争への態度を見るとですね、どうもやっぱり違いがあるよねと。ロシアに対しては徹底して厳しい批判の態度をとって、当然ですけれども、軍事物資も含めて様々な形でウクライナへの支援も行ってきた。イスラエルに対しては、最近こそ少し批判的な態度をとっているけれども、これは世論の動きもはっきりしたというふうに思いますけれども、ロシアに対してのような厳しく非難して制裁にも参加する、こういった態度ではありません。
その姿勢には大きな落差といいますか違いがあります。残念ながら我が国の政府の意向というのは、アメリカの政府の意向に大きく左右されているというのが実態で、これまでも長い間、国際紛争に対しては、アメリカの態度に追随してきたという実態もあります。
そう考えますと、結局アメリカの対応いうことが、ずっと回りまわってこの広島市の対応にも影響したのではないかというふうに思われても仕方がない。そんな結果になっている。これがやっぱり二重基準というふうな批判にも繋がってきているんじゃないかなと思います。
記者会見で、ダブルスタンダードではないかと、二重基準ではないかというふうに記者から質問された途端に、市長が声を荒げて勝手な解釈だと言われたそうですけれども、やっぱりこれは痛いところを突かれて逆上されたというふうに言われても仕方がないなというふうにも思います。
最近、中国新聞の報道で※平岡敬元市長の発言が載っておりましたよね。96歳になられたそうですけれども、平岡さんは「市は独自の考え方に基づき平和を訴えるべきだ。原爆が投下された8月6日を核保有国も含むあらゆる国を広島に招待し、「戦争を止めよう」と訴える日だととらえて、より幅広い国の結集を呼びかける。戦争中の国にはなおさら来てもらい、78年余り前の惨劇を思ってほしい。核のない世界を作ろう、戦争止めようという広島の思いを受け止めてもらいたい」こういうふうに述べておられます。
私もそういう形で平和祈念式典を運営するってのが一番いいんじゃないかなというふうに思ってるわけですよ。
ロシアに対してはG7の国々を中心に非難し、制裁を課しておりますが、その中心国のアメリカがイスラエルを支持し軍事支援さえ行ってきました。まさに二重基準で行動しているために、ロシアを孤立させることができずに、かえってロシアを利する結果になっている。これが現状ではないかと思うんですよ。
元々紛争当事国も含めて、招待をするという立場で全ての国に招待状を出してきたわけです。8月6日の平和祈念式典は、世界に向けて核兵器廃絶を訴えるとともに、戦争のない世界の実現を、戦争を止めようと訴える場なんですよね。その場が二重基準だというふうな批判がされるとなりますとですね、この訴えの力が大きく損なわれるということになるんじゃないでしょうか。
とりわけロシアもイスラエルも公然・非公然はありますが、核保有国であるということも踏まえて、広島で起きたことを直視せよ、人道を取り戻して和平に取り組んでほしい、戦争を止めよとまさにこの平和祈念式典で呼びかける必要があるんじゃないでしょうか。
招待国の問題っていうのは、そう考えますとね、やっぱり紛争当事国も含めて全ての国を招待するという本来の広島市の立場を市民にも丁寧に説明をして、全ての国を招待する。こういう方向で二重基準ではない、こういう方向でやっぱり再検討していく。こういうふうにするべきではないかというふうに思いますけれども、どういうふうにされますか。
※正しくは東京新聞(5/11)でした。
(市民活動推進課長)
本市としましては、先ほどと重複しますけども、本市に来ていただいて平和のメッセージに触れていただくことが核兵器のない平和な世界の実現に繋がるのではないかという思いのもと、これまでも紛争地域であるかないかに関わらず、全ての駐日大使をはじめとした各国の代表者を招待してきております。
本市としましてもロシア、ベラルーシを招待したい気持ちは持っておりますが、現在においても両国を式典に招待することで、式典の円滑な挙行に影響を及ぼす可能性があることから、今年もやむを得ず見送ることとしたものであり、現時点ではこの考えに変わりはございません。
しかし本市としましては、一刻も早く平和裏に解決し、本市に来て、被ばくの実相に触れていただきたい気持ちを持っていることから、昨年同様両国に対してそうした旨の書簡を送付することとしております。
(中森辰一)
ロシアとベラルーシを招待しないということが明らかになったときに、この両国からも、それぞれ抗議の声が上がりましたよね。今回のイスラエルの問題当然招待するわけですから、そういうふうな抗議の声は当事国からは上がらないと思います。
しかし、8月6日、仮にイスラエルの国の代表が参列されるとしてですね、その式典を挙行している最中にもなお、これはガザでは、殺戮が行われている可能性はあるんですよ。
そういうことに対してね、市民の間で大変な抗議の声はどんどん上がってくるんじゃないかなと思います。そういうふうなこともやっぱりよくよく考える必要があると思いますし、結局どこかの国を招待する、どこかの国を招待しないこういうふうに取り分け、それぞれが紛争当事国であるという現実も考えると、やっぱりそこには何らかの広島市としてのその区別をする判断というのが出てくるわけですよね。それに対して、納得できないという国々も出てくるでしょう。市民の間でもそういう声はどんどん上がってくる可能性がある。そうすると、やっぱり二重基準じゃないかという批判の声というのはどんどん広がっていく可能性がある。そうなるとやっぱりこの広島からのメッセージっていう力がね、やっぱり削がれてしまうというか力を失ってしまう。アメリカがダブルスタンダードでこの紛争当事国に対する態度が大きく違うということについて、結局隣の国を侵略しているロシアを利するような結果になっているという。それと同じようなことがね、この広島市のメッセージに起きていいんだろうかというふうに思うわけですよ、これはぜひ再検討していただきたいと思います。また別の機会にもまた引き続き議論させていただくということを申し上げて終わります。