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1.能登半島地震の教訓を生かそう
2.更年期休暇の新設について
3.安心・安全なまちづくりについて
(1)バス停のバリアフリー対策について
(2)比治山公園の維持管理について
(中原ひろみ)
お疲れ様です。日本共産党の中原ひろみです。総括質疑は、この三つのテーマを設定いたしました。「能登半島地震の教訓を広島市でも生かそう」と、「更年期障害の特別休暇の新設を」「安心安全なまち作りについて」のテーマです。
まず能登半島地震の教訓を広島市でどう生かしていくのかということについて聞いて参ります。
中身は「地域防災計画の被害想定の見直し」「広島市の特性を踏まえた避難計画が必要ではないか」「避難所にはスフィア基準を適用してほしい」と「災害支援にはジェンダー平等の視点を」の四つの角度でございます。
能登半島地震では、甚大な被害となりました亡くなられた方のご冥福を祈るとともに、被災された全ての皆さんにお見舞いを申し上げ、1日も早い復興を願うものです。
改めて能登の今は、明日の広島かもしれない。そのような危機感も持ちながら能登半島地震中心の教訓を広島市で生かせればと思って質疑をいたします。
まず、地域防災計画の被害想定がされておりますが、これは本当に的確なものなのか、見直しが必要ではないかという問題提起をさせていただきたいと思っております。
まず端的に伺います。市は現時点で能登半島地震のからどんなことを教訓にすべきだというふうにお考えなのか。
また昨年3月に、広島地域防災計画を修正されておりますけれども、この修正された理由と修正内容を教えてください。
(危機管理課長)
まず初めに能登半島地震から教訓にしようと考えていることはあるのかという質問にお答えさせていただきます。
このたびの能登半島地震については、先日、国の検証チームが設置され、今後トイレの衛生環境、備蓄物資の品目や量、必要物資のニーズの把握と調達、国や民間事業者等との連携体制など、様々な視点で検証が行われることとなっております。
本市としましては、この検証結果等を踏まえて、災害対策の見直しを検討してまいりたいと考えております。
また、毎年住民による訓練を実施している地域においては、声を掛け合って、津波から迅速に避難できたとの報道もございます。
日頃からの市民の防災意識の向上と地域における防災活動の活性化が重要であると改めて感じております。
このため、本市においても、市民に災害を我がことと捉え、適切な避難行動や早めの避難、避難の呼びかけに繋げていただけるよう、防災訓練の支援や地域の防災リーダーの養成など、防災まちづくり事業などにしっかりと取り組んでまいりたいと考えております。
続きまして昨年3月に地域防災計画を修正しているが、修正の理由とその内容、はどのようなものだったかということに質問にお答えいたします。
地域防災計画は、災害対策基本法において、毎年検討を加え、必要があると認めるときは修正しなければならないとされており、本市では毎年度必要な見直しを行っております。
昨年3月の主な修正内容は、気象庁において緊急地震速報等の発表基準に長周期地震動階級が追加されたことに伴う本市災害対策本部の設置基準の見直しや、避難所における食物アレルギーを有する者に対するニーズの把握やアセスメントの実施などによる支援の強化について、新たに記載いたしました。
また、社会福祉協議会との災害ボランティア本部の設置運営に関する協定など、新たに締結した六つの民間事業所等との協定等を計画に盛り込みました。
(中原ひろみ)
必要な改定だというふうに思いますが、これは能登半島の周辺海域の活断層群の地図でありまして、北陸電力の資料です。
赤色緑色青色と様々いろいろありますが、これは断層群が細かくなっているということであります。
このように、能登地域は数kmから数十km程度の小さな断層群というふうに評価がされてきました。
そのために小さな断層が動いても、ごく局地的な地震しか起こらないんだと、だから被害は小さいよということが言われてきたんですけれども、しかし実際には能登半島はマグニチュード7.6、震源の深さ16km、長さ60.7kmと76.4kmの複数の逆断層が連動して動いて140kmにわたる大規模な被害となりました。
これは専門家が想定していた8倍もの被害と聞いております。なぜそんなことになったか。ここには活断層を細かく細切れにして、地震の被害を小さく見せようとする活断層カッターというような異名を持たれる学者さんがいらっしゃるようでありまして、活断層を細切れに評価する理由は言わずもがな、原発建設を進めるためということに他なりません。
それで翻って広島市を適用して考えますと、上関原発の建設計画があり、愛媛県では伊方原発が稼働しております。それで改めて広島市のこの地震被害想定は正しいのかと疑問を持つわけであります。
次に示しますのは、広島大学大学院准教授の早坂康隆氏が作成されました中央構造線の位置図であります。伊方原発運転差し止め広島裁判に提出をされた資料です。
早坂氏は伊方原発は大分県の佐賀関半島から愛媛県の佐田岬を通って360kmにも及ぶと、日本一長い断層、中央構造線、この直近に赤く示した600mに伊方原発はあるんだというふうに評価をされていますが、四国電力は、今青い線が入りました、ここにあるんだと、沖合8キロから10キロの遠くにあるんだと。だからあまり地震の被害を受けないんだということを言っております。
上関原発設置許可に当たって、原子力発電安全審査課が作成した資料を示そうと思っておりました。原発建設予定地の敷地前面海域の海底地質図なんです。広島市も、伊方原発も上関も入っております。
この原子力発電安全審査課が作成しました海底地質図には三つの断層群が表されております。
F4断層群というのが、これ40.1kmでマグニチュード6.8、広島からいいますと一番西側にあります。
その次にF3断層群、33.4kmでマグニチュード6.7、それからFH5というのが広島湾内にあり14.6キロでマグニチュード6.3という評価なんです。それぞれの活断層の評価はされており、総延長88.1㎞にもなるんですね。
このF4、F3、FH5という断層群は、ちょうど横に並んでるわけです。
それが能登半島地震のように連動して動けば、90キロにも上る大きな被害になるということで、専門家はF3、F4、FH5の断層群が連動すれば、この阪神淡路大震災を引き起こした断層より遥かに長い。この断層運動によって隆起する量は2m以上になろうというふうに言われております。
直下型の大きな地震だというふうに言われておりまして、加えて、この上関原発予定地側が、隆起するんだということですから、ここは絶対に上関原発は設置できないということを改めて言わなければいけないことだというふうに思っております。
そこでお聞きするんですが、広島市が昨年改訂された地域防災計画において、この南海トラフ巨大地震、それから芸予地震、安芸灘地震の想定被害は、この中国電力さんが上関原発建設のために評価された瀬戸内海西部にありますこの20にも及ぶ断層群を含んだ想定になっているんでしょうか。
(災害予防課長)
中国電力株式会社の活断層の評価は、建設を予定している上関原子力発電所建設のために、同社が活断層を選定し評価したものでございます。
一方で、平成25年に策定した広島市地震被害想定は、国や県が作成した被害想定に基づきまして、歴史的に繰り返し発生し、将来発生する可能性が高い地震や国の地震調査研究推進本部が、長期評価を行っている主要活断層帯による地震のうち、本市に及ぼす影響が甚大となる可能性が高い南海トラフ巨大地震や五日市断層による地震など、六つの地震に係る被害を想定して策定しているものであり、中国電力株式会社が対象とした活断層の全てを対象とはしていません。
(中原ひろみ)
対象となっていないということです。この画面に表しましたのは今回の能登半島地震で石川県珠洲市の外浦海岸と呼ぶんでしょうか、4mも隆起したんです。私はこれを見て改めて活断層が動いたときのすごい恐ろしいエネルギーを感じました。
広島市でも、こういうことになる可能性が大きいということを胸に秘めておかなければいけない。こういうことがあるんだということを踏まえた地域防災計画に私は見直しが必要ではないかと思いますが、今後この見直しというのはされないんでしょうか。
(災害予防課長)
先ほどご答弁いたしました通り、本市の地震被害想定は、国および県が行った地震被害想定に基づき策定しています。
現在、国において、南海トラフ巨大地震に係る被害想定の見直しが行われており、また県は、令和6年度から令和7年度にかけて、県内に大きな被害を与える可能性が高い地震に係る被害想定の見直しを実施する予定です。
今後、こうした国および県の見直しの結果に基づきまして、本市の地震被害想定を見直していきたいと考えています。
(中原ひろみ)
見直しをされるんであれば、広島市から、中国電力さんの原発建設を推進する中で明らかになったF4、F3、FH5が繋がれば90kmにもなるこの断層をきちっと評価すべきではないかということはしっかり意見をしていただきたいと思います。
万が一にも、防災計画の見直しに当たって原発建設を推進したい中国電力の思惑、能登半島でもあったように、断層小さく細切れにして、小さいんだと大丈夫なんだというようなそういう評価結果に左右されないようにしていただきたいと思いますがいかがですか。
(危機管理室長)
先ほど災害予防課長が答弁いたしました通り、本市が行う被害想定というのは、国および県の想定に基づいて行っております。危機管理についても当然そのように考えております。
その国県および県の中で、この今、委員おっしゃられます上関原発あたりの断層帯が含まれるようであれば、それは入るものと思われますが、今そのように考えております。
(中原ひろみ)
私は入れるべきだというふうに思います。そのことが能登半島地震の教訓を生かす第一歩だということを指摘したいと思います。
今朝も未明に、福島県沖で地震が発生したようですね。千葉県の房総半島でも2月末からずっと続いて40回ぐらいの体に感じる揺れがあるようです。
国土地理院によると、千葉県東方沖で連続的に発生している地震は、プレート境界がゆっくりと滑るスロースリップという現象だと言われておりまして、まさに南海トラフ地震や巨大地震との関連性が指摘されているということであります。
気象庁もこの2月26日に、愛媛県南予を震源とした地震を巡って、近い将来の発生が予測される南海トラフ巨大地震、そして先ほど言いました西日本を東西に走ります中央構造線断層帯の活動との関連性について分析調査しなければいけないという方向のようですから、ぜひこれはしっかり被害想定の見直しを改めて求めたいと思います。
元旦に地震速報が入りまして、志賀原発は大丈夫かというふうに、被災者の心配と同時に志賀原発の不安をみんな感じられたんじゃないでしょうか。たまたま停止しておりましたから過酷事故にはなりませんでしたけれども、これがもし稼働していればもう、大変な事態になったんだろうと思うわけであります。
先般の2月26日の地震でも、伊方原発は大丈夫かと思われた方も多いんじゃないでしょうか。やはり地震のたびに原発事故を心配して怯えて暮らすこんなことはごめんだというのが国民の総意であり、この地震列島日本に原発はいらないということを改めてこの場で言わなければいけませんし、広島市としても、地震は人間の力で防ぐことはできませんけど、原発事故に繋がる原発をなくすということは、これはできるわけでありますから、被爆者を出さないという広島市の責務からしても、原発に頼らない再生エネルギーの転換を国に求めていただきたいというふうに思っております。
次は広島市の特性を踏まえた避難計画へと見直しということですが、この写真は、能登半島地震の発生を受けまして、1月4日に東京大学生産技術研究所とか長岡技術科学大学とか、京都大学などが実施された緊急被害調査の報告で公表をされているものです。
画面にしめしているのは、石川県七尾市の尾湾橋と読むんでしょうか、1991年の竣工です。
次に、石川県の金沢市の才田大橋という、これは1980年竣工です。
能登半島地震で問題なのは、橋そのものは落ちなかったんですよ。橋は元気に頑張ったんです。しかし、道路が液状化して陥没して道路と橋に大きな段差ができてしまって、ライフラインが機能を失ったという事態があちこちで起こりました。
その調査を先ほど紹介した大学などがおやりになったわけです。広島市も、安佐南区の祇園の安川あたりまでは軟弱な地層がゆるく堆積した三角州の上に発達した都市ということですから、ほとんどが液状化の極めて危険な地帯ということ認定されております。2001年の芸予地震では、30秒程度の揺れだったようですが、やっぱり海岸付近では随所で液状化が発生しました。
想定されております南海トラフでは、少なくとも2分ぐらい揺れるというふうなことが懸念されておりまして、そうすると液状化で道路や橋が損壊して、この三角州が孤立してしまう。三角州が五つぐらいあるんですかね、これが孤立するんじゃないかということは考えなければいけないのではないかと思うわけです。
それでお聞きするんですが広島市には6つの川が流れますが、3209の橋があるということです。
これまで落橋防止対策ということで、市も力を入れてこられましたけれども、この能登半島地震では、橋の前後が陥没したと、こういうことが広島市で起きないのかということを聞きたいんですが、どうでしょうか。
(道路課長)
地震の被害については地震の規模やその地域での地盤特性の他、揺れの周期など様々な要因によって異なるため、このたびの能登半島地震と、同様の地震が本市で発生した場合に同様の被害が発生するかどうかは一概に申し上げられませんけども、本市が地域防災計画にもある通り、平成25年度広島市地震被害想定では、南海トラフ巨大地震等が発生した場合、デルタ部の大半が液状化の危険性が極めて高い領域であると予測されております。
(中原ひろみ)
ということになればやはり、三角州ごとに完結した避難計画が必要ではないかと思いますけれども、そんなふうになってるんでしょうか。
(災害予防課長)
デルタ市街地は、河川が被災者の行動を分断する最大の要素であるため、落橋等により島間の移動ができない場合も避難所確保できるよう、指定避難所の指定に当たって、島単位で必要な収容力を確保しているところでございます。
(中原ひろみ)
そういうふうにされてると言われるけど、実際には問題だなと思うことがありますよ。
国際基準であるスフィア基準というのがあるんですが、これは避難者の命を守る4分野として、給水と衛生、食料、避難所、保険医療としております。
この食料という視点から見ますとね、例えば市が計画している市内を五つの給食センターにするんだというこの方針は、三角州の島ごとの整備にはなっておりません。
ですから三角州が孤立すれば、給食センターから温かい給食を届けられるという条件はあっても、配送することができないということになるんじゃないかと思うんです。
能登ではこの地震で断水続きましたね。毎日揺れが続くという中で、自宅で避難されてる方は怖くて精神的な悪化により、めまいが出たり持病が悪化したりということで、怪我はしてないんだけど、医療は逼迫して崩壊状態だったというふうに言われております。
被災地に医療で応援に行かれた方にお話しを聞きますと、改めて自治体病院の重要性が大きかったというふうに振り返っていらっしゃいました。
そうなりますと、今広島県は八つの基幹病院を統合して、駅の北口に移転・集約するやり方を進めていますが、これは災害時の保健医療の確保という点からは問題であろうというふうに言わなければなりません。
それで聞くんですが、この六つの川が流れ海に面する広島市の特性から見れば、この川に挟まれた島ごとに備蓄の確保とか、マンホールトイレの整備とか、命を守る病院、温かい食事が提供できるそういう環境を整えることが必要だと思うんですけれどもそういう点での見直しが必要ではないでしょうか。
(災害予防課長)
これら全ての指定避難所にはアルファ化米やクラッカーなどの食料、生理用品やオムツなどの生活必需品等の物資を備蓄するとともに、市民に対しても、家庭で最低3日分の食料や飲料水、簡易トイレなどの備蓄をすることを呼びかけています。
またマンホールトイレについては、デルタ市街地を中心に順次整備しているところであり、現在、宇品小学校や千田公園など、14ヶ所に設置しています。
災害時における医療救護活動の拠点となる災害拠点病院については、平常時から診療機能を有する建物の耐震化を進めるとともに、ライフラインの機能の機能の拡充、備蓄等に努めているところでございます。
災害時には災害拠点病院間で連携し、医療救護班災害派遣医療チームDMATの派遣等による医療救護活動の実施や、重篤患者の受け入れに対応することとしています。
避難所での食事の提供については、被災者が直ちに食することができる弁当等を提供するとともに、温かい食事を提供するために自衛隊やNPO法人等の支援による炊き出しも行うこととしています。
その際に、給食施設の使用について申し出があった場合には、学校教育に支障を及ぼさないように調整を行った上で、使用する必要があると考えているところでございます。
(中原ひろみ)
改めて、巨大地震を想定した場合、大きな被害と混乱は避けられません。病院を移転して地域からこの医療を取り上げるとか、コストを理由にして給食センターを五つに集約する方針は見直すべきだということを申し上げておきたいと思います。
小学校の自校調理場は、北部地区の学校給食センターが整備された後も106ヶ所あるというふうに聞いております。
誰が考えても市内に5ヶ所の給食センターより身近な場所にある自校調理場があることこそ、災害時に温かい食事が提供できる条件が広がるということで安心が広がるというふうに思います。
老朽化していても自校調理場は市民の財産の一つですから、建て替えられるように求めておきたいと思います。
次は避難所の基準についてです。関連死を出さないための最大限の取り組みが必要だと考えます。発生から3ヶ月程度までが関連死が起きるリスクが高いというふうに言われております。
2016年の熊本地震では、災害関連死は200人にも上りました。今回の能登半島地震では、これは2月19日付の情報ですが、15人いらっしゃったというふうに聞いております。
広島の過去の北部土石流災害や西日本豪雨災害などでの関連死者数は何人ぐらいいらっしゃったんでしょうか。
(危機管理課長)
平成26年8月豪雨災害と平成30年7月豪雨災害の関連者数についてお答えいたします。
平成26年8月豪雨災害の災害関連死は3人、平成30年7月豪雨災害の関連死は5人です。
(中原ひろみ)
広島市でもそういう方いらっしゃったということで胸が痛むわけですが、国際基準になっておりますスフィア基準というのがありまして、基本理念はここに掲げておりますように、当たり前の日常が、災害によって損なわれる状況にあっても、被災者は尊厳ある生活を営む権利があり、災害による苦痛を減らすために実行可能のあらゆる手段をとらなければならないと定めておりまして、被災者が困っているから助けてあげるという考え方とは違うんだというふうにしております。
それで、能登地域の避難所がテレビなどで報道されましてね、今なお体育館に雑魚寝の状況を見るにつけ、なかなか改善されないなと胸が痛むわけです。
過酷な避難所であってはいけないわけなんです。これを改善する必要性がありますが、広島市ではどのように取り組まれているでしょうか。またこのスフィア基準に対する受け止めも聞いておきます。
(災害予防課長)
指定緊急避難場所の避難環境の充実を図るため、令和6年度当初予算ではWi-Fiルーター、車椅子対応型の組み立て式仮設トイレ、扇風機、およびポータブル電源を整備する経費を計上しています。 また、スフィア基準とは、紛争や災害の被害者が尊厳のある生活を送るために定められた、避難所等における給水衛生食料の確保と、栄養などに関する最低限満たされるべき基準や考え方であり、国の避難所運営ガイドラインにおいて、避難所の質の向上を検討する際に参考とすべき国際基準として紹介されています。
本市におきましても、この基準の考え方を尊重し、避難環境の充実に努めているところでございます。
(中原ひろみ)
新年度に指定緊急避難所に組み立て式トイレを導入されるということなんですが、能登の医療従事者からは、視覚障害者の方が他人の排泄物に触れるようなことが起きて、大腸炎に罹患されたということもあったようですし、トイレの衛生環境が非常に悪くて、ノロウイルスの感染症の患者が激増して避難所を閉鎖するという事態にもなったというふうに聞いております。
トイレは必要なものでありますけれども、どのような衛生的な管理されるのか、それからスフィア基準では、避難所のトイレ数は20人に1基だというふうにしておりますし、女性トイレは男性トイレの3倍必要というふうにしております。この点についての設置数についてどう考えていらっしゃいますか。
(災害予防課長)
車いす対応型の組み立て式仮設トイレの使用にあたっては、衛生的に使用できるよう、手洗い場の近くに設置し、手指消毒剤を配置するとともに、使用後の便袋については居住スペースと十分距離を取り、決まった場所に保管することとしています。
また、衛生管理につきましては、トイレの責任者を定め、使用状況に応じて清掃をしっかり行うこととします。
そして、指定緊急避難場所等が閉鎖される際には消毒清掃を行い、必要に応じて、専門業者による消毒を実施した上で、備蓄倉庫等に保管することとしています。
避難所でのトイレの設置数は、国が定めた避難所におけるトイレの確保、管理ガイドラインやスフィア基準においては、災害発生当初は避難者約50人当たり1基、その後避難が長期化する場合には約20人当たり1基が目安とされているところでございます。
本市ではこのことを踏まえまして、まずは避難者50人当たり1基を目安として簡易トイレや仮設トイレの設置などを行うこととしています。
また、男女のトイレの設置数が男性用1基に対して、女性用は3となるように配慮するとともに、避難が長期化する場合には、約20人当たり1基のトイレを確保できるように取り組んでいきたいと考えています。
(中原ひろみ)
はい、わかりました。それで時間がタイトになっておりますから想定しておりました質問を少し飛ばしまして、ジェンダー平等の視点というところへ、移らさせていただきたいと思います。
これまでも、災害支援に女性の視点をということで、何人かの議員からも質疑がありました。
内閣府の男女共同参画局が災害対応力を強化する女性の視点ということで、防災復興ガイドラインを策定しておりまして、七つの基本計画を示しています。
・平常時から男女共同参画の推進が防災復興の基盤となる
・女性は防災復興の主体的な担い手
・災害から受ける影響やニーズの男女の違いに配慮する
・男女の人権を尊重して安全安心を確保する
・女性の視点を入れて、必要な民間との連携協働体制を構築する
・要配慮者への対応においても女性のニーズに配慮する
・男女共同参画担当部局、男女共同参画センターの役割を位置づける
というものであります。
それでお聞きしますが、この災害対応の部署である危機管理室とか防災会議、ここでの女性の割合、それからこの割合を増やすことについてどうお考えか教えてください。
(危機管理課長)
本市の危機管理室の正規職員35人のうち、女性職員は4人で、その割合は約11.4%です。
また、本市防災会議は、委員69人のうち女性委員は9人で、その割合は約13%です。
現在、危機管理室の女性職員は、市民の防災意識や職員の災害対応能力の向上に係る業務等に携わっております。
今後とも、女性や妊産婦などに配慮した備蓄物資の品目選定や避難所の運営方法の検討などにおいて、女性職員の視点をより一層生かしていくこととしており、女性職員の配置についても検討しているところでございます。
また、防災会議の委員は、電気やガス、通信などのライフライン、事業者、報道機関、国、県の防災関係機関等で構成されており、委員の任期満了等に伴う交代の際には、女性委員を推薦いただくよう強く働きかけているところでございまして、今後とも、女性委員の割合を高めるよう取り組んでまいります。
(中原ひろみ)
ぜひよろしくお願いします。広島市でも過去に発生しました土石流災害、西日本豪雨災害では、多くの職員さんが泊まり込みで、復旧・復興に奮闘されたというふうに思います。
本当に不眠不休の災害対応に敬意を表するものですけれども、この災害の対応で、女性職員さんは自費で近くのホテルを借りて、シャワーを浴びて仮眠をとって災害対応に当たってきたというふうにおっしゃるんです。
本庁の地下1階には福利厚生施設のシャワー室があります。
このシャワー室で汗を流してリフレッシュして、引き続き災害対応の業務にあたるということをすればいいんじゃないかと私なんか思いましたけれども、このシャワー室は鍵がないから女性職員は使えないんだということで、自費でホテルを借りなきゃいけないんだということをお聞きしました。
男性職員も床に寝袋で仮眠を取りながらの対応ということなんですけども、災害時でもやはり人としていかなる時も人権が守られるということが必要だと思っておりまして、このシャワー室に鍵をつける必要があるのではないか。本来は福利厚生施設ですから、平常時の昼にジョギングをして汗をかいて、ここで汗を流して午後の業務にリフレッシュした気持ちで取り組むということで職員さんならどなたでも使ってもいいんじゃないかと思うんですが、ここに鍵をかければ、日ごろからも女性職員も使えるし、災害時のときも職員の健康を維持する大きな力になると思います。鍵の整備、それから女性は女性のシャワー室が必要だと思いますが、いかがでしょうか。
(総務課長)
現在本庁舎の地下1階にあるシャワー室は、男女共用となっていますが、来年度以降、庁舎内の衛生設備等を改修する際に、女性用と男性用に区切り、各部屋の入口と個々のシャワーブースに施錠ができるようにします。
(中原ひろみ)
はい、よろしくお願いします。
(中原ひろみ)
それでは次の更年期休暇の新設について移ります。厚生労働省が2022年7月26日に更年期症状・障害に関する意識調査基本集計結果というものを公表しております。
この調査は令和4年3月に実施されました。対象は全国の20歳から64歳の女性2975人で、男性は2025人、合計5000人ということです。
これがその結果のグラフなんですが、女性は40歳代で28.3%、50代で38.3%、男性は40代で8.2%、50代で14.3%の方が何らかの更年期症状更年期障害を経験したという結果となっております。
更年期症状は40歳代以降の男性も女性も、ホルモンの分泌量の低下に起因して様々発症するわけですが、火照るとかのぼせとか発汗、動悸、頭痛、関節痛、冷え、疲れやすさ、食欲低下、イライラ、不眠など様々あるわけですが、他の疾患に起因しないものを更年期症状というんだそうです。
特に症状が重くて日常生活に支障が出るという状況を更年期障害というふうに定義をされております。
労働組合であります総合サポートユニオンが2021年に行った調査では、更年期症状を経験した女性の約4割が、それを理由に会社を休んだことがあると、通院で薬を服用しながら働き続けているという実態を明らかにしておりますし、労働政策研究研修機構の調査では、更年期障害で思うように出勤できないということで、降格、昇進辞退、労働時間や業務量を減らしてくれということで、雇用とか収入に負の影響があったというふうにも回答する男性では20.5%、女性では15.3%という実態も明らかになっております。
更年期障害は発症時期や原因にはいろいろ違いがありますが、年を重ねると、男女問わず、中堅からベテランまでの年代に起こるんですね。少なくない人が苦しむ症状なんです。
それで職場では当事者を含めた周囲の知識や理解が追いつかないと、支援策がない中で、更年期の症状がつらいのに仕事を休めないと、更年期で使える休暇がないということで、更年期休暇を求める声も大きくなっております。
40代以降といいますと、自治体の職場でも民間企業でも重要な役割を担う世代であります。
ですからこの更年期障害に対して適切な対応を行うことが、健康で働き続けられるということもあり、そしてその能力をしっかり生かすことができるという点でも、とても大切なことだというふうに思うんです。
そこで市の更年期症状・障害に対する認識と、実際今の市職員さんのうち40歳代の方、50歳以上の方を男女別に教えてください。
(職員健康管理担当課長)
一般的に更年期とされる40歳代から50歳代の職員は職場においては、中堅からベテランとして活躍する時期であり、家庭においては、子育てや親の介護など多くの役割を担っております。
このため、職員一人ひとりが安心して健康で働き続けることができるよう、更年期に当たるとされる世代の職員の健康管理にはしっかりと取り組むことが重要であると認識しています。
また、本市職員の年齢構成について、令和5年4月1日現在の学校の職員を除く正規職員および常勤再任用職員のうち、40歳代および50歳代以上の男女別人数と割合は、男性職員5685人のうち、40歳代が1081人で、率にして19%、50歳代以上が1797人で、率にして31.6%となっており、女性職員3666人のうち、40歳代が629人で、率にして17.2%、50歳代以上が793人で、率にして21.6%となっています。
(中原ひろみ)
女性だけを見ますと1400人ぐらい40歳代以上の方がいらっしゃるということで、集計の約3割から4割の方がこの更年期症状に苦しむということになるとですね、かなりの人数に広島市でもなるわけです。
鳥取県が昨年の10月1日から、更年期症状による不調を抱える職員への特別休暇を新設されております。
これが鳥取県が実施されたアンケートなんですが、昨年の5月、4月にアンケートをされて、その結果35%の職員が更年期症状を経験しているということがわかりまして、働きやすい職場を実現しようということで休暇の制度が実施されたようであります。
広島市でも、やはりまずは、その実態の調査のアンケートを実施されて、その結果を受けて、鳥取県に学んで、更年期障害の特別休暇も検討されるべきではないでしょうか。
(給与課長)
現在、国が令和4年度から令和6年度にかけて性差に基づく更年期障害の解明と、両立支援開発の研究の一環として、全国的な実態調査を行っていることから、本市職員を対象としたアンケート調査の実施は考えていません。
国は、この調査により、更年期症状に関する実態を明らかにした上で、今後適切な支援施策に繋げていくこととしていることから、本市としては、こうした国の動向を注視するとともに、特別休暇の新設に当たっては、国や他の地方公共団体との均衡に留意しながら対応していきたいと考えています。
(中原ひろみ)
お聞きしますと、65歳に定年が延長されるということで、新たに孫休暇というのも、5日間の休暇ができたということで私はこれを聞いてすごくほっこりしましたよ。嬉しかったですね。
その休暇を使うか使わないかは別にして、そういう更年期症状で苦しむ方が、そこで休めるという職場の優しさを感じるという意味でも、ぜひ検討いただきたいというふうに思います。
(中原ひろみ)
それでは最後の、安心安全なまち作りについて、バス停のバリアフリー対策と樹木の維持管理について聞きたいと思います。
新年度予算では乗合バス事業の共同運営システムの構築などということで、事業費1億2000万円を超えて計上されておりまして、その中に利用者目線で質の高いバスサービスを提供するというふうに書いてあるんです。
利用者目線で質の高いバスサービス、私は疑問を感じました。南区の宇品東の中広宇品線沿いの大型スーパー前のバス停には大きな問題があるんです。
何が問題かというと、この赤く囲った部分、道路に縁石が残ったままなんですね。この縁石は15センチぐらいの高さですが、高齢者から、この15センチの縁石をまたぐために足を上げることが難しいと。バスはノンステップが来るんだけど、縁石が邪魔で乗り降りが難しいという訴えで、この縁石を取ってくださいというお話がありました。
既に南区役所には伝えて、わかりましたということで、来年度対処しましょうということで気持ちよく対応いただいたんですが、問題は、このバス停はいつ設置されたのかということです。昨日今日設置されたんじゃないんですよ。この利用者が、私のところへ申し出がなければ、これはずっと改善されないままでではないかと思わざるを得ません。バス停の設置日、このような状況がなぜ長期間にわたり放置された状況になってるのか。
(道路課長)
委員ご指摘のバス停は、広島市地域公共交通再編実施計画に基づくバス路線の再編に伴い新設された、新規路線広島港新線が運行開始した令和2年1月に設置されたものでございます。
一般的には、バス停を設置する場合はバス事業者が必要な道路改良も含め行うことになりますが、本件については利用者の利便性と事業者の効率性の両立を図り、持続的なバス路線のネットワークを確保する観点から、本市とバス事業者が連携して取り組みを進めていくという考えのもと役割を分担し、バス事業者がバス停留所の標識の設置を、それから道路管理者である本市が道路の段差解消を行うこととしていたものでございます。
当該新規路線を運行するにあたっては、新たに設置されるバス停が9ヶ所ありましたが、これらの位置が確定したのが、関係者との調整に時間を要し、運行直前となったことから、歩道の段差解消工事を運行前に行うことが時間的に困難な状況となりました。
このため当該工事を翌年度以降に対応していくことになり、その後の引き継ぎ等の連携不足により時間を要してしまいましたが、来年度早々には実施することにしております。
(中原ひろみ)
事業者との調整がうまくいかなかったということでありますけれども、部署間と自治体の中での連携をしっかりしていただいて、気持ちよくバスに乗れるような状況を作っていただきたいというふうに思います。
(中原ひろみ)
それでは次は最後です。比治山公園の樹木の管理についてお聞きします。
新年度予算の主要事業では、公園緑地等整備のうち法面防災対策で6100万円計上されておりますが、この事業内容、そして樹木の維持管理費の新年度予算額を教えてください。
(公園整備課長)
令和6年度当初予算における法面防災対策の事業内容は、安佐北区の寺迫公園および西区の竜王公園の法面防災工事です。
また樹木の維持管理に係る令和6年度当初予算は、公園緑地等の管理として、便所清掃やゴミ収集、光熱水費などとともに18億7779万円を計上しています。
(中原ひろみ)
次に示しますのは、これ比治山公園の比治山本町6ブロックの比治山公園の入口のそばです。この木は民家の方に倒れ、民家の屋根に影響を与えたため、倒れた木は伐採されました。
問題は、この伐採された木がそのままそこに置いてあるというのが、私は問題だというふうに思うんです。
このすぐ木のそばには民家がありまして、周辺の皆さんから、伐採した木をなぜ撤去しないのかという声をお聞きし、この木が倒れたことを知りましたが、被害を与えた木を毎日目にしたのでは精神的にも良くないということなんですが、これは撤去すべきではないかと思いますがいかがでしょうか。
(公園整備課長)
委員ご指摘の箇所については南区維持管理課の職員が、直ちに落下する危険がないことを確認し、残置している状況ですが、今後撤去することとしております。
(中原ひろみ)
この木は安全対策をしているということで、区役所の方からも聞きましたけれども、私は、被害を与えた比治山公園の管理者の広島市として、この倒れた木を撤去することこそが、最後まで完結することだというふうに思いましたので、撤去を改めてこの場でお願いをしております。
これは比治山公園の入口です。ここに比治山公園というポールが立っておりまして、この上には青いシートがかかっております。
これは比治山の入口なのに、こんなふうにブルーシートがいつまでもかかっていたのではやっぱりよくないのではないかというふうに思うわけですが、これは早期の対策が必要ではないんでしょうか。
(公園整備課長)
委員ご指摘の法面については、表面の成形を行った上で侵食を防止するための植生マットにより保護することとしております。
今月末の完了を目指して、本日から現地に着手しております。
(中原ひろみ)
本日からということなんですけれども、この地域、私も南区の選出ですから、よく通りますけどこの赤い丸のこの大きな切り株ですね、ずいぶん前からこれあるんですよ。
根がぐっと広がってますから根っこは取らない方がいいと、根が張ってることで地盤が安定するということもありますけれども、やはりこの改良工事のときにはどんなふうにされるのかわかりませんが、この根っこもやっぱり見た感じが怖いですから、危険性を感じないような対策をお願いをして質問を終わります。ありがとうございました。