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1.ひろしまLMOについて
2.パールハーバー国立記念施設と平和記念公園との姉妹協定について
3.服務の宣誓について
(中森辰一)
お疲れ様です。今日は3点のテーマでお話をさせていただきたいというふうに思います。
昨日も質疑がありましたし視聴も度々、その思いを発言していらっしゃいましたけれども、改めてこの広島型地域運営組織ひろしまLMOについて少し質疑をさせていただきたいと思います。
市民主体のまちづくりを推進する新たな協力体制だということなんですけれども、今年度で認定した地域の数と、どのような取り組みをしているのか簡潔に教えていただきたい。
それと、来年度何ヶ所まで認定できる見通しか。取り組まれようとしている事業の中で、特徴的なものを教えていただきたい。
(コミュニティ再生課長)
2点質問いただきましたので順次お答えいたします。まず今年度ひろしまLMOとして認定した地域の数についてですが、今年度は昨日までに19地域をひろしまLMOに認定し、昨年度からの累計は28地域となっております。
さらに現在、21地域においての設立に首が進んでおります。ひろしまLMOは、子ども、高齢者等の見守りや居場所作り、防災講習会や祭り等の地域行事の開催、地域住民にアンケート調査の実施など、様々な他取り組みを地域の実情に応じて実施しております。
次に来年度、何地域まで得るものとして認定できる見通しなのか等についてです。
ひろしまLMOの設立は、地域の自発的な取り組みであることから、認定数を組み込むことは困難ですが、来年度末までに累計で72地域で、ひろしまLMOが設立されるものとして、所要の予算を計上しております。
来年度のひろしまLMOの取り組みについては、現在それぞれのひろしまLMOにおいて、来年度の事業計画を作成するための話し合いが進められているところであり現時点では把握しておりません。
(中森辰一)
来年度のうちに半分まで地域の半分までやっていこうという考えだということです。
この地域コミュニティが活性化していくということは必要なことだというふうに思っております。
市としては141ある小学校区全てで、新たな協力体制を構築していきたいというよりも、これは地域が構築していくわけですから、構築されるよう支援していきたいということだと思います。
この141の小学校区全てに新たな協力体制を構築するという見通しについてはどうなんでしょう。
(コミュニティ再生課長)
本市としては141の小学校区全てにひろしまLMOを展開するため、できるだけできる限り多くの好事例を作り、地域の理解を得ながら早急に普及させていきたいと考えております。
(中森辰一)
現状で各小学校区ごとの地域コミュニティの状況というのはもう様々だというふうに思います。
最近の町内会や自治会の加入率は、大体5割程度だと思いますけれども、これは今の市民の生活のありようでは、今後もっと低くなっていく可能性もあります。
かつては60歳で定年を迎えて、その後はどのようにして過ごそうかと考える人たちも多かったと思いますけれども、今は定年の年齢は65歳です。しかも年金だけでは暮らせないという人たちも増えておりますので、65歳以降も働かざるを得ないという人たちが増えております。
総務省の資料では、2021年には、65歳から69歳の就業率が50.3%ということになっております。
その理由はやっぱり年金だけでは暮らせないということで、そうなると、70歳以降も働かざるを得ない人は、5割に準じた状況が想像できるんではないかなというふうに思います。現実にそういう声もあります。
現役世代では、企業などに勤めている方々が多いです。企業によっては残業をしないようにしようという動きが進んでおりますけれども、現実に定時で帰れない人や、土曜日曜も働かざるを得ない人たちも多いわけです。市内電車、あるいはJR山陽線私も時々利用しますけれども、午後9時ごろの乗客の多さを見ると、なかなかワークライフバランスなど、縁遠いという日常を送っている方たちが多いこともわかります。
若い人たちを中心に、町内会などの地域組織に加入しない人たちが多いと思います。町内会に入るのは当然と言われた時代の高齢の人たちを含んだ加入率5割程度ですから、若い人たちの中では加入したしない人たちの方がだいぶ多いということだろうというふうに思います。
そういう中で、地域コミュニティを担って頑張っておられる方々には、この担い手の高齢化が進む中で、今のコミュニティをどう維持していくかについて、不安をお持ちの方が多いのではないかなというふうに思うんです。
そういう中で、以前に企業に地域コミュニティに参加してもらう取り組みが、この予算特別委員会でも取り上げられていたと思いますけれども、今どれくらいの企業が地域の活動に参加しておられるでしょうか。
(コミュニティ再生課長)
企業に地域コミュニティに参加してもらう取り組みについて、本市が実施しております広島型地域貢献企業認定制度における認定数で申し上げますと、昨日時点で15社を広島型地域貢献企業として認定しております。
(中森辰一)
そうした企業の地域の活動への関わりの仕方ってのはどういったようなものでしょうか。そこの従業員の方々の参加のあり方はどのようなものか教えてください。
(コミュニティ再生課長)
これまで認定した企業の地域貢献活動としては、地域団体が主催する環境美化活動への従業員の派遣や、地域団体が参画するイベントの運営補助等の人的支援、地域団体が行っている子ども食堂への食材提供や、地域団体への寄付等の物的支援などがありました。
(中森辰一)
こうした企業が参加する場合は基本的に営利企業なわけですから、その企業や団体にとって参加することが結果的にメリットである必要があるんじゃないかなと思います。メリット等その企業が参加する継続性という点で、そのあたりはどのようにお考えでしょうか。
(コミュニティ再生課長)
地域活動に参加する企業としても、地域活動への参加状況をPRすることで、地域内外における企業イメージの向上が期待できるなど、一定のメリットがあるものと考えております。
こうした企業の活動をさらに促進するため、本市の広島型地域貢献企業認定制度では、認定した企業に対し、自社の広報媒体や製品に使用できる認定マークを付与するとともに、本市ホームページ内の特設サイトにおける企業名および活動内容等の掲載や、本市の入札制度等における優遇措置を行っております。
(中森辰一)
先ほど申し上げましたけれども、このひろしまLMO認定して行政が地域の活動を支援をして、地域の活動が活性化する方向で、私は進んでほしいと思っているわけですけれども、問題は他にもいろいろ言われましたが、それになかなか乗れないところも多いのではないかということなんです。このことについてはどのようにお考えでしょうか。
(コミュニティ再生課長)
昨日時点で28地域をひろしまLMOとして認定し、さらに21地域において、ひろしまLMOの設立に向けた取り組みが進んでいるなど着実に住民主体のまちづくりを取り組みが広がっているものと認識しており、引き続き、社協や区役所と連携して、地域に寄り添った伴走支援を行っていきたいと考えております。
(中森辰一)
引き続き、取り組んでいきたいということなんですが、小学校区が141もありますと、それぞれの地域の状況と本当に様々だというふうに思います。
比較的若い人たちが参加してくれるところもあるでしょうけれどもそういうことはなかなか望めない。厳しいところもあるんではないかなと思います。
どの小学校区にも様々な地域組織がありますけれども、やっぱり後継者に悩んでおられるところも多いのではないかなと思うんです。それでも、高齢化した地域にある今の課題に対応するために一生懸命取り組んでいるところもあると思います。
例えば、地域の高齢化による高齢者の交通の確保が、喫緊の課題になって、地域交通の運行にこぎつけて何とか運営しているところがいくつかあります。
採算が取れませんから、これは民間の交通事業者はそのままでは入ってくれません。そういうところですから、地域交通を運営すれば、必ず赤字になります。その赤字分の一定割合を、地域組織が負担しなければならないわけですけれども、その負担額を工面するのに苦労しておられます。使用する車の更新の費用をどうするかという問題に直面しているところもあります。
建設委員会の所管分野で議論をしたところですけれども、そういう事業にひろしまLMOが使えますよと。認定されれば赤字分の負担額も、そこへの補助金から出すことができますよと、市は説明をしております。
私もそれができれば解決だというふうに思いました。しかし、地域の方がなかなかそこに手を出すことができていません。道路交通局の担当課とひろしまLMOの担当課で一緒に説明に行ってもらったところもありますけれども、これも認定申請を提出するというところまでいきませんでした。それはなぜだというふうにお考えでしょうか。
(コミュニティ再生課長)
具体的な地域がわかりかねますのでご質問の状況に近いと思われる地域の事例で申し上げますと、昨年8月に道路交通局や区役所ともに当課の職員も同行し、乗り合いタクシーの制度説明とあわせて、地元負担額の確保に資するひろしまLMOの運営助成金制度について説明を行っております。
その際、地域からは「できたばかりの助成制度であるため、現時点では活用するかどうかの判断ができない」「提出資料の作成が負担になるのではないか」といった声がありましたが、これはこの地域に対して説明を行った時期が、昨年の8月であり、昨年4月から運用開始したひろしまLMOに対する運営助成金制度の運用実績が少なく、地域における検討材料が不足していると判断されたことによるものと受け止めております。
(中森辰一)
そういうふうに受け止められたということなんですけれども、こういったところではやっぱり本音というものがあるんですよね。
一つは継続性です。これまでもそういう話がありましたけれども、本当にこの事業、ひろしまLMOの事業が将来にわたってずっと続くのかということへの不安、補助金から赤字分の補填をしていてそれがどっかの時点で止まるようなことになったら、またお金を工面する苦労をしないといけなくなる。そういった不信感に対してどういう対応を行う考えでしょうか。
(コミュニティ再生課長)
地域においてひろしまLMOへの支援制度の継続性を懸念する声があることは承知しておりますが、本市としては、ひろしまLMOへの支援制度については、今後も必要に応じて、充実を図りつつ継続していきたいと考えており、地域には引き続き丁寧な説明に努めてまいります。
また、現在持続可能な地域コミュニティの実現に向けて、基本理念や施策の基本方針等を定めた地域コミュニティ活性化推進条例(仮称)になりますが、この条例の制定に取り組んでいるところであり、今後ひろしまLMOの支援制度の持続を求める地域の声を念頭に市民や議会とも対応を重ねながら、条例の内容を検討してまいります。
(中森辰一)
もう一つですけれども、これまで市が地域の町内会などにいろいろと行政の仕事を依頼しておられました。地域はそれにできるだけ対応してこられましたけれども、これまで通りできるかどうかはわからない。
そうした地域組織と市の行政との関係があった中で、これまでの関係があった中で、市が人件費を300万円を限度に出します。支出の確保に200万円までは出します。事業そのものの経費として100万円を限度に出すと、こういう仕組みを作られました。
それは間違いなくありがたいことでありますけれども、一旦ひろしまLMOに認定をされてお金を出してもらうと、もう後に引けなくなるんではないか。市の方から、新たな地域組織への行政の仕事の要請があったときに断れなくなるんじゃないか。行政にあれこれ物を言えなくなるのではないかという不信感みたいなものがあるのではないかと思います。
これから高齢化を含めて、いろんな課題が一層増えてまいります。そうしたことに対して、地域組織にいろいろ仕事を持ってこられても断れなくなるんじゃないか。そういった行政に対する疑いみたいな思いもあるんではないかと思うんですね。
現実に地域では、介護の必要な、あるいは見守りの必要な高齢者がますます増えてまいります。これまで、介護保険の地域事業などで、地域がボランティアで家事や見守りをしてくれるようにということをやってきましたけれども、結局うまくいってはおりません。
既に介護施設には要介護3以上でないと入所の申し込みもできなくなっておりますが、今度政府はこれから施設だけではなくて、在宅介護も含めて、介護保険で見る範囲を要介護3以上にしようということさえしております。
そうなると、地域がボランティアで対応しないといけないということが一層増えてくるんではないかと思いますが、組織ではそんなことはとても対応できない。地域の課題いろいろ増えてくるけれども、一旦行政のお金をもらいだしたら、全部地域でやってくれって言われるんではないか、こういう疑いの思いが現にあるわけです。だから簡単にその誘いにのっていいんだろうか。こういう思いがあります。
どういうふうに受け止めておられますか。
(松井市長)
政府の政策に不信感を持っておられるのは勝手でありますけれども、補助金などを通じていただく金も、切れるから金をもらいたくない、仕事をしないという地方自治体でしょうか、あるいは地域なんでしょうか。前提が違うんじゃないでしょうか。
(コミュニティ再生課長)
多様化が進む市民の生活課題に的確かつきめ細やかな対応をしていくためには、自助と公助に加え、それらを繋ぐ共助が重要となります。
このため本市としては、地域コミュニティ活性化ビジョンにおいてお示ししているように、これまでの行政主導型から共助の精神に基づき、多様な主体が連携して、様々な地域課題の解決に取り組むひろしまLMOをしっかりと下支えし、市民の生活課題を解決する市民行政協働型のサービスの実現を目指しており、こうした点についても地域に丁寧に説明し、理解を得ていきたいと考えております。
(中森辰一)
現実にはですね、大変な思いをしておられるんだと思います。
そういう中で、これからどうなるんだろうかというふうに、先々の心配をしていらっしゃる方はたくさんいらっしゃるんだというふうに思うんですよ。
ですから、なかなか手出しができないというところが増えてくるんではないかなというふうに思ってるわけです。
地域の、これは国も地方も一緒ですけど、この行政に対する不信感、こういうものはやっぱり払拭していく必要があるんだと思うんですよね。
このシステムをうまく前に進めるためには、そうではないんだということを先ほど説明していくというふうにおっしゃいましたけれども、やっぱり丁寧に説明をしていく、安心感を持っていただく、そういうことが必要だと思いますし、その思いを変えて安心してもらえる、そういうふうなことになるような担保みたいなものもいるんではないかなと思うんですよ。
これについてはどういうふうに対応されますか。
(コミュニティ再生課長)
ひろしまLMOづくりをためらう地域に対しては社協や区社協、区役所と連携しながら、先ほどもご答弁しましたが、本市の考えを地域に対して丁寧に説明し理解を得ていきたいと考えております。
(中森辰一)
これはやっぱりこれからあなた方がお考えになる仕組みというものを本当に丁寧に説明をしていく、理解していただく、そういう努力は当然必要なんだというふうに思うんですけども、継続性という点では、先ほど条例作りを進めていくというふうに言われました。
地域の人たちに、これは公助を押し付けようというわけではないんだと。いざというときに機能する、地域のコミュニティを維持し発展させてほしいと思うからやってるんだ、こういうふうなことがですね、納得してもらえるようにしていくっていうことが必要なんでしょう。
午前中の発言の中でも、自分の地域ではひろしまLMOをやらないと言っているというふうなことがありました。現実にあるわけですよ。
それはどうしてかっていうことが大事なことだというふうに思います。こういうことは丁寧に説明をするということは必要ですが、それだけではなくて、地域に何が問題かということをよく聞いていただいて、必要なことであればそのやり方であったり仕組みであったり、そういうものの修正もしていくことが必要ではないかというふうに思います。
これから取り組むという条例の中にも盛り込んでいく、そういうふうな柔軟なお考えが担保になっていくというふうに思うんです。 地域に任せるみたいなことではないと思いますけれども、職員の皆さんが地域に出かけて行って、1ヶ所1ヶ所、一つ一つ意見を聞いていく、そういう努力からこの問題は進んでいくんではないかなというふうに思うんですよ。
その点はぜひご検討いただきたいということを申し上げて、この点を終わります。
(中森辰一)
2番目と3番目なんですが、3番目を先にやりたいと思いますのでよろしくお願いします。
最近、核兵器廃絶の目標に関わって市民と市民社会同士で新しい動きがありましたので、一点だけ聞いておきたいというふうに思います。
先日、アメリカのカトリック系の平和団体が広島に来られて、被爆者団体と交流をされました。
広島に初めて来られたこの団体の代表の方がスピーチで、米国市民として、米国の広島への原爆投下を謝罪され、米国政府による謝罪実現に取り組むというお考えを述べられたと報道がありました。
新年度予算には姉妹協定に基づいて、広島からハワイに若者や被爆者など10名を派遣する経費が計上されております。
広島とハワイの人たちが平和と核兵器廃絶をテーマに交流することは大いに進めたらいいというふうに思いますし、有意義な派遣事業になるといいなというふうに思っております。
同時に、そういう交流を含めて、別に姉妹協定をしなくても、市民社会との交流ができるわけですし、現に今回のカトリックの団体のように様々な形でアメリカからも、平和や核兵器廃絶をテーマに交流しようと来られる方々がこれからも続いていくんだろうというふうに思います。
広島から渡米して、交流しに行くっていうことは、本当に費用面のハードルもあって大変なんですけれども、広島市が一定の予算を組んで派遣することは大いに進めていくべきだというふうに思います。
一方で、これまでも、広島市の市民を米国に派遣するような取り組みをしてきたというふうに思いますし、それを目的として、あえて米国政府機関と協定を結ぶことは、強い違和感が多くの人にあるわけです。
米国政府が未だに原爆投下を正当化し続けているっていうことは、少なくとも原爆投下について反省していないということです。
カーター氏やオバマ氏やバイデン氏が広島に来られましたけれども、その状況は何ら変わっておりません。
反省していないからこそ、核兵器の開発を継続しています。そこには、和解の余地はないわけです。
今パレスチナのガザで、人道上極めて危機的な状況が続いております。我々は毎日刻々と悪化する人道危機にメディアを通じて立ち会っています。
世界の世論は、1日も早く停戦を実現するというところにあるわけですけれども、米国政府は、ガザに攻撃を続けるイスラエルを一貫して支持し、武器も含めた軍事支援を行っております。
しかも、度重なる国連の停戦を求める決議に一貫して反対の態度を続けており、安保理事会では拒否権を発動し続けております。
このように世界の世論的対し、財政への取り組みを妨害し続けてきました。米国政府は平和を口にすること自体がおこがましい態度をとり続けているわけです。
ロシアもそうですけれども、世界の世論が求める人道と平和に反する態度をとり続けてきたのが、米国政府ではありませんか。
その米国政府と、世界の反核と平和の中心にいたはずの広島市が姉妹協定を結ぶことに広島の世論が強い違和感を持つ、これは当然のことではないかと思います。
日米の市民社会同士が、あるいはアメリカと広島の市民社会同士が交流するのに、相変わらず人道にも平和にも反する行動をとり続けている米国の政府と協定を結ぶ必要があったのか、このことについて、改めてお考えを伺います。
(国際化推進課長)
本協定につきましては、これまでも何度かご答弁しておりますが、本市としては、核兵器廃絶を願う被爆者の思い、姉妹都市ホノルル市との60年以上にわたる市民同士の交流、そして10年以上にわたる迎える平和の取り組みを踏まえつつ、昨今の世界情勢を考慮すれば、今こそ双方が和解の精神を重視した対応を未来志向で行っていく好機であると捉え、締結したものでございます。
また、市民同士の交流の積み重ねなどがあったからこそ、2017年にホノルル広島県人会会長のウェイン・ミヤオ氏から、両公園の協定についてご提案があったと考えており、米国政府の意向とは関係なく、一般市民からも、両公演の姉妹提携が望まれているものと受け止めております。
これまで、カーター元大統領、オバマ大統領およびバイデン大統領が広島に来られまして、それぞれ核兵器廃絶への思いをメッセージとして残されていますが、そうしたことがありながらも、核兵器廃絶に向けて前に進まないということは、市民社会における核兵器廃絶の機運がアメリカ国内においても、全世界においても十分に醸成されていないことだと認識しております。
このため、本協定を通して文化の振興を力強く取り組んでいくということが、本市の役割だと考えております。
(中森辰一)
文化の振興、大いに結構。やっていただきたいというふうに思います。
ホノルルの県人会でしたか。打診があったのは確か3年前、もう4年前になるんですかね、いうふうに思いますけれども、それからそれだけの年数がたって、今回昨年の6月に突然そういうふうなことが行われたわけですよ。
一体どういう判断の違いなんだろうかというふうに思いますし、やっぱり今回のG7サミットということを契機にしてやっぱり政治的な意味合いがあったのではないか。そういうふうに考えていらっしゃる方も多いのではないかなと思います。
市民の中では、こういうやり方はおかしいというふうにおっしゃる方々が、この協定はやっぱりやめてもらえるように継続して運動しようというふうなことをやっていらっしゃいます。
引き続きこの問題は折に触れて取り上げていきたいというふうに思っております。
(松井市長)
いろんな意見があるということは重々承知しておりますが、今、担当課長が申し上げたように、平和を愛する人々、国家ではなく、市民社会の連携を強化するということを重視した取り組みをですね私は必要だなってずっとやらせていただいております。
そして、平和市長会議という国の政府関係者ではなくて地方自治体の住民を重視する首長さん方との連携で、国に対して市民社会の意見を届けるその立場で連携の輪を広げ、広島に来ていただくということでありました。
こういった思いがですね共通できたのは、例えば、オバマさんが見えたときにですね、ハグされた方おりますよね。
謝ってほしいと思うけども、未来志向でこういった方々がおられる方々もおるということを私は大切にしたいと思います。
国家というのは、ややもすれば国家の利権、主張を通して、この国を倒す倒さないという立場で様々なご意見展開されることを否定するものでありませんが、平和を愛する個人の集合体である都市、国家としてのそういう機能を持ってない都市のレベルで、まず市民の思いを届ける。だけど紹介あった方はまさに市民としておられて、そのまま広げておられます。根は同根だと思います。
(中森辰一)
市民の皆さんの中にも、いろいろ思いが違う方もいらっしゃるし、やっぱり目指す方向は一緒だというふうに思うんですけれども、私たちももうずっと長いことアメリカも含めて、市民社会同士の交流をしてきました。
広島市もそういう交流をずっと続けてきたとおっしゃいます。それはこれからも、これまでやってきたことをですね、もっと発展させていくような取り組みってのは大事だというふうに思っておりますけれども、しかし、その市民社会同士の交流、そこに国の機関との関係を新たに作るということが本当に必要だったのか、この点についての疑問を申し上げてきたわけです。
この疑問が、そう簡単に解けることにはなってないというふうに思っております。
(中森辰一)
もう一つの問題です。本会議でも質問したことでありますけれども、あの後、あと一点だけ聞いておきたいなということがありましたので、あえて質問させていただきます。
本会議の答弁では、本市の宣誓書には、憲法に掲げる基本理念に基づいて、本市職員が全体の奉仕者として職務に当たる上での心構えを詳細に記載していることから、この点を変更する必要はないと考えておりますというふうに述べておられました。
今の広島市の服務の宣誓の内容は、国際平和文化都市を目指す広島市の職員として、その職務が広島市民全体から信託された公務であることを深く自覚し、市民のために、市民の立場に立って、その職務に積極的に取り組み、広島市職員としての誇りを持って市民福祉の向上に全力を尽くすというものです。
憲法には前文に続いて、103カ条の条文が定められております。そのうち、地方自治に関わる第93条から第95条までだけが広島市の職員に関わるものだということではないと思っております。
補足である第100条から103条までを除く99か条の全ての条項が、広島市の職員を含む公務員の職務に関わる、この精神というものをきちんと学ぶということが必要だと考えます。
一つ一つの条文の基本的な解釈を含めて、憲法が求めるものを全体の奉仕者の一人ひとりとして十分に学び、職務のあり方の内容として身につけ、実践していただかなければなりません。
それを言い表す言葉が、第99条が求めていることに従い、日本国憲法を尊重し擁護することを誓うという文言であります。
先に紹介した広島市の服務の宣誓の文章が、憲法の基本理念に基づいて、公務員としての心構えを記載していると言っても、それは単に心構えを述べているのであって、99か条の憲法の内容を遵守し、実践するということを表しきれるものではないと思います。
しかし、公務員の義務である憲法の尊重擁護、これを誓うという言葉が入ることによって、ごく簡潔に、憲法によって公務員に義務付けられていることに従っていうことを表現することができるのであると思います。
国際平和文化都市に掲げた理念、イコール99か条の日本国憲法の諸条項ではありません。いわゆる国際平和文化都市という言葉で、前文を含む憲法の全体を表現することはできないと考えます。
ですからやはり、簡潔な日本国憲法を尊重し擁護することを誓うとの文言を先制することによって、公務員としての義務を自覚して職務に当たるっていうことになると思います。
本会議の答弁で、一定の修正を検討する余地はあるというふうに言われたわけですけれども、憲法の尊重擁護の文言を入れることを検討していただき、4月の服務の宣誓ではそのように変更したものを使用していただきたいと思いますが、どうされますか。
(人事課長)
現下の世界情勢は、ロシアによるウクライナ侵攻が長期化し、核兵器使用のリスクが懸念されていることに加え、他の核保有国おいても核兵器の近代化や増強が図られるなど、国際平和文化都市を目指す本市がこれまで経験したことのないような極めて緊迫した状況にあります。
こうしたことから、宣誓書について本年4月以降に新たに採用する本市職員に憲法を尊重し擁護する義務を負うという自覚をより一層促すための修正を行いたいと考えております。
(松井市長)
加えて申し上げますと、今言われましたように、憲法は前文を含む99条からなるということであります。
前文の他に、条文の初めの方には天皇制というものを象徴天皇であると規定されております。これは大切にするという趣旨だと思います。
そして96条には、憲法改正規定も予定されております。手続きはまだ備われておりません。どういったものにするかということを憲法全体を尊重するということをやりながら、公務員としての責務を果たす必要があると思っています。
(中森辰一)
日本国憲法というものは、制定当時、人類が到達した最新の英知が盛り込まれたものだというふうに思います。
これ私の考えですけれども、その中で最も重要な原則は、基本的人権の原則に表れている、個人の尊厳であると思います。
これは明治憲法の対極にある原則で、自分さえよければいいと、自分だけが大事だという考え方ではなくて、国民一人ひとりを人間として大事にする、大事にされるということだと思います。
国民同士に当てはめると、公共の福祉ということを前提にお互いに尊重し合い大事にし合おうということです。
午前中市長が企業の行動を批判されましたように、企業の将来やそこで働く労働者よりも、株主の目先の利益を優先したことが、もっと言いますと、それと政府の政策、政治が結びついたことが、失われた30年などと言われる事態を招いた。これはまさに、将来の日本経済よりも、株主たちの個人利益を優先させた結果であります。
公共機関に対しては百人百様の状況にある人々を、十把一絡げに捉えて考えたり扱ったりするんじゃなくて、一人ひとりの違いを同じ人間として認め、尊重する態度で対応することが必要であるということだと思います。
広島市の職員には、日本国憲法の99か条が求めるところをしっかり学んでいただきたい、このことを申し上げて質問を終わります。