議会での質問・答弁

2024年03月14日

2024年第1回 2月定例会・予算特別委員会 総務関係 清水てい子

1.小規模修繕契約希望者登録制度について

(清水てい子)
 お疲れ様です。日本共産党清水てい子です。文教関係に続いて今日は市の全体の小規模修繕契約希望者登録制度について質問をいたします。
 本市が平成17年2005年から始めた小規模修繕契約希望者登録制度は、小規模事業者に自治体が直接仕事を発注することにより、地域内循環の経済効果を持つ優れた制度で、全国449自治体に広がって実施をされています。
 まず他の自治体で実施されている事例を紹介します。東京都板橋区は、公園のベンチや学校フェンスの塗装など施設設備の修繕、改修などの仕事を中小業者に発注をしています。
 公園のフェンス塗装の工事をした塗装業者は、「不況で困っています。区の小規模登録工事を受注して嬉しかったです。自治体か自治体からの頑張れというサインだと思っています」と語っています。
 このように、小規模事業者にとって、自治体から直接仕事を得ることは、自治体が応援してくれると感じ、喜ばれています。
 また公園の整備改修が進むにつれて、子ども連れで公園を利用する若いお母さんたちから、最近公園がきれいになった、気持ちがいいとの声が上がるようになったとのことです。市民にとって住みやすいまち作りになっているのではないでしょうか。
 新潟市は2009年度から発注限度額を100万円まで引き上げました。
 市立保育園のプールの防水改修工事を受注した業者は、「これまでの仕事で技術向上に努力をしてきましたが、市の工事をやって、自信になってよかったと思っています。嬉しいです」と語っています。この業者は、仕事の幅を増やすことで、技術の向上になると励みにしています。
 文教関係でも述べましたが、制度が始まった平成5年から令和4年までの18年間で、登録業者の受注の延べ件数1万205件16億2000万円もの実績になっています。
 インボイスや資材高騰で苦しむ小規模事業者にとってなくてはならない制度であると思います。
 それでは市の発注の状況を見てみます。令和3年分の小規模修繕該当工事は全体で2675件、発注金額3億7465万5000円です。
 このうち、登録業者へ発注した件数は456件、対象工事の17.1%。金額は8133万1000円、21.7%でした。件数は前年の87件、16%減少し、金額は3474万円。29.9%もの減少になっています。
 また、平成25年から8年にわたって1億円以上を維持してきた受注規模が大きく減少し、最高額1億4794万7000円だった令和元年からは45%もの減少になっています。
 そこでお聞きします。本市の小規模修繕対象事業の件数のうち、登録業者へ発注した件数の割合が、10年前の平成25年度は25.8%だったものが、直近の令和4年度には18.4%まで下がりました。その理由はなぜでしょうか。

(契約部長)
 先日の予算特別委員会、文教関係の質疑におきまして、教育委員会から小規模修繕登録事業者への発注件数の減少の原因について、施設の老朽化の進行に伴い、対象金額を超える修繕件数の割合が増加したことの他、資材等の高騰による影響があるのではないかとの答弁がありましたが、市全体の発注件数の減少についても、同様なことが原因ではないかと考えております。

(清水てい子)
 小規模修繕登録業者への発注件数の減少の原因について施設の老朽化の進行に伴い、対象金額を超える修繕件数の割合が増加したことや、資材等の高騰による影響があるのではないかという教育委員会の答弁、市も全体の発注件数の減少について同様なことが考えられるという答弁だったと解釈しました。
 そうであるならば、新潟市のように発注の限度額を100万まで引き上げる必要があるのではないでしょうか。見解をお聞きします。

(契約部長)
 本市では、平成17年度の制度を制定時より1件当たりの金額が、原則50万円未満の修繕を対象としており、近年の人件費や資材費の高騰等を踏まえますと、対象金額について検討が必要と考えております。

(清水てい子)
 近年の人件費の高騰や資材費の高騰を踏まえると、対象の金額についても前向きに検討していただけるという答弁だったと解釈しました。
 小規模修繕契約希望者登録制度、教育委員会以外の次に多い部門の区役所分では、当該工事671件8270万円のうち、受注件数は169件25.2%、1716万3000円となっています。
 区役所の関係は、集会所の老朽化で、トイレの修繕などの要望を自治会長からされています。
 青森市の業者は、「毎年仕事は減り続け、多いときには10人いた職人が今は2人になった。そんなときに市役所の仕事はありがたかった」と語り、小学校の遊具補修の仕事や、市営住宅の風呂場の補修や駐輪場の鉄柱の補修などの仕事が回ってきた。一件数千円から市営住宅の部屋の補修で数十万円の仕事もあり、実績を上げているとのことです。
 本市としても市営住宅の改修などに小規模事業者に仕事を回すようにお願いをいたします。
 次に、小規模修繕事業者の登録者の推移はどうなっていますか、お聞きします。

(契約部長)
 過去4年間における年度当初時点の登録事業者数の推移は、令和2年度は161者、令和3年度は175者、令和4年度は186者、令和5年度は144者となっています。

(清水てい子)
 登録申請は3年ごとに更新されると思いますが、更新したときには仕事がないから、もう登録をやめるとかいうことで減って、年度内にまた増えていくという傾向だと思います。
 登録申請を簡素化して、登録者が登録しやすいように努めていただきたいと思います。
 また、登録業者が登録を継続するように、ぜひとも仕事の量を増やしていただきたいと要望します。
 また、小規模修繕契約希望者登録制度の周知はどのようにされていますか、お聞きします。

(契約部長)
 本制度の各部局等への周知については、毎年度の予算執行に関する依命通達において、小規模修繕契約希望者登録制度を活用した取り組みなどにより、地元中小企業の受注機会の確保に努めることとしている他、制度への登録の一斉更新時や追加登録時の機会を捉え、各発注部局に対して制度の活用を促しているところでございます。

(清水てい子)
 各部署に登録の徹底をしていただくということだと思います。業者団体も登録業者を増やす努力をしています。市としても関係部署と協力して、小規模事業者の発注をせめて50%引き上げるように努力をしていただきたいと要望いたします。
 小規模修繕契約希望者登録制度については、我が党の議員が繰り返し質問をしています。本市の制度は全国的にも注目される制度です。地域を支える小規模事業者が希望を持って働くことができるよう要望させていただきます。
 最後に、小規模事業者支援制度として三原市では、国の物価高騰対応重点地方創成臨時交付金を活用した中小企業事業者支援策として、今年1月から三原中小事業者支援給付給付金制度が始まりました。
 これは、「売り上げや対象期間を限定しない小規模事業者への一律支援を」の要望が実った制度です。建設業を営む業者は、売上は変わらないのに、資材高騰で利益率が下がっている。業者の声を反映した制度で、少額でもありがたいとの声が上がっていると全国商工新聞で紹介をしています。
 本市でも地域で根を下ろし、雇用を守るために頑張っている中小業者の声を聞き、応援する立場に立っていただきたいと要望して、私の質問を終わります。

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