議会での質問・答弁

2024年02月21日

2024年第1回 2月定例会・予算特別委員会 議案質疑 中村たかえ

1.第124号議案令和5年度広島市一般会計補正予算(第6号)
(1)こども誰でも通園制度(仮称)の試行事業について
(2)学校施設のトイレ洋式化について
(3)障害者相談支援事業等に係る消費税相当額の措置について
2.第136号議案広島市公園条例及び広島市付属機関設置条例について

1.第124号議案令和5年度広島市一般会計補正予算(第6号)
(1)こども誰でも通園制度(仮称)の試行事業

(中村たかえ)
 お疲れ様です。日本共産党の中村たかえです。
 会派を代表して、令和5年度2月定例会に上程された議案のうち、第124号議案令和5年度広島市一般会計補正予算第6号、並びに第136号議案広島市公園条例および広島市附属機関設置条例の一部改正について質疑をいたします。
 第124号議案令和5年度広島市一般会計補正予算第6号の国の補正予算等による補正のうち、その他の補正でまずはこども誰でも通園制度(仮称)の試行事業についてです。
 こども誰でも通園制度は、全ての子育て家庭を対象とした保育の拡充として、月一定時間までの利用可能枠の中で、就労要件を問わず時間単位等で柔軟に利用できる新たな通園給付として、こども未来戦略方針に基づいて実施するというものです。
 制度の意義として、子どもが家庭とは異なる経験や家族以外の人と関わる機会になる、孤立感や不安感を抱える保護者の負担感の軽減などが示されています。
 この制度によって、子どもが社会に支えられて育つ経験をすることや、保護者が1人で抱え込まずに子育てをすることを支えるのは大変重要だと思います。ただ一方で、この事業に懸念も寄せられています。
 園や曜日を固定して利用する定期利用と、空きがあれば全国どこでも利用できる自由利用も可能にすることに対して、赤ちゃんの急死を考える会の阿部一美さんは、安全性について次のように指摘しています。
 「保育中の死亡事故で、これまで亡くなった子どもの年齢を見ると、0歳から1歳が全体の約8割を占めている。また、預け始めの初日間もない時期に、死亡事故が多く起きている。そして、万一重大事故が起こった場合の責任の所在も不明で、これから検討する段階。何よりも子どもの命を守ることができる制度にしてほしいということが、保育事故当事者の願い」と語っています。保育園での重大事故や不適切保育が起こる背景には、保育士の配置基準が実態に見合っていないことが挙げられます。
 今保育士の中から、自分も不適切保育をしてしまうかもしれないという不安の声が上がるほど人手不足が深刻化しています。
 さらに、0歳から2歳の年齢は特に安定的で持続的な関わりが不可欠となる上に、安全と安心の点から、高い専門性が求められます。
 また保護者の孤立感や不安感の解消のためにも、専門的理解や知識とともに、安定した信頼関係も必要になります。
 福島大学の大宮勇雄名誉教授は、月10時間の利用可能枠と、自由利用の組み合わせでは、保育者や友だちとの間に密接な関係を築くことが困難で、子どもにとって不安や戸惑いばかりを経験することにならないかと懸念を示しています。
 また、子どもを受け入れる体制についても、次のように指摘しています。一時預かり事業の保育者は、一般の保育所に比べて緊張・ストレスを感じている時間帯が多い傾向がある。現行の配置基準を上回る人数の保育士やその他の専門職の配置を考えるべきと述べています。
 以上のように、子どもの成長や発達に対して、月10時間で、人間関係や信頼関係が築けないまま過ごすことが、本当に子どものためになっているのか、懸念が示されています。
 保育事故で子どもを亡くした保護者からは、保育の安全性が確保できる体制はきちんととれるのか不安の声が出されています。
 保育者にとって、保育士の配置基準が実態に見合わない中で、高い専門性が問われ、受け入れ体制を整えなければならない深刻さが指摘されています。
 そこでお聞きします。この制度を利用しようとすると、どういう手続きが必要なのでしょうか。既に広島市でも取り組まれている一時預かり事業とは何が違うのでしょうか。

(こども未来局長)
 第124号議案、令和5年度広島市一般会計補正予算第6号についてのこども誰でも通園制度(仮称)の試行事業について数点のご質問にお答えします。
 まず、利用にあたってはどのような手続きが必要になるのか、また、既存の一時預かり事業との違いは何かについてです。
 今回の試行事業の利用にあたっては、保護者の申請に基づき、市は対象年齢であること、保育園等に在籍していないことを確認した上で、月10時間分のチケットを交付します。
 チケットの交付を受けた保護者は、利用を希望する施設に連絡し、子どもと一緒に施設職員との面談を行い、アレルギーの有無など、子どもの安全確保に関する情報を伝えた上で、施設において安全に受け入れ可能かどうかを検討します。
 受け入れが可能となれば、保護者は、日時等の予約を行い、利用することとなります。
 こども誰でも通園制度は、多くの子育て家庭が孤立した育児の中で不安や悩みを抱えていることなどを背景に、子どもの視点に立って、良質な生育環境を整備することなどを目的として創設されるものであり、一時的に家庭での保育は困難となった場合など、保護者の立場からの必要性に対応する。一時預かり事業とは性質が異なるものです。

(中村たかえ)
 そして月10時間の利用時間が本当に適切なのでしょうか。

(こども未来局長)
 次に月10時間の利用時間が適切なのかについてです。
 今回の試行事業において国の補助基準上、1人当たりの利用時間の上限は「月10時間」とされており、これに関して、国は現在の一時預かり事業の年間利用日数は平均で3日程度であることに比べ、こども誰でも通園制度は相当程度多く利用できるものであり、子どもにとって、毎月一定時間、地域に出ていって家族以外の人と関わる機会が得られるなど十分に効果が期待されるとしています。
 これにより試行事業を行い、保護者のニーズや受入れに当たっての課題等を確認し、本格実施に向け検討を進めていきたいと考えています。

(中村たかえ)
 既に保育現場は人手が足りずにギリギリのところで、子どもたちの成長と安全に責任を負っています。そんなときに、新しい取り組みが可能なのでしょうか。市の見解をお答えください。

(こども未来局長)
 次に、保育現場は人手不足だが、そうした中でこども誰でも通園制度を実施することは可能なのかについてです。
 試行事業の実施にあたりましては、施設の申請に基づいて必要な職員数や面積等を確保できていることを事前に確認することとしており、基準を満たしている施設において実施してまいります。

(中村たかえ)
 保育所等に通っていない全ての子どもが対象ということで、障害のある子も利用できる制度です。日常的に関わっているわけでもなく、利用する子どもによっては、療育が必要な場合も考えられるため、相当な専門性と保育療育のしっかりした経験が必要だと思いますが、今回試行する施設での保育士の配置や安全性、専門性の確保はどのようにされるのでしょうか。
 また障害のある子の受け容れの対象はどうなっているでしょうか。以上のことについてお答えください。

(こども未来局長)
 次に障害のある子どもも利用できる制度だが、今回の施行において、保育士の配置安全性、専門性の確保はどうするのか、また、障害のある子の受け入れ体制をどうなっているのかについてです。
 この度の試行においては、現在本市で実施している一時預かり事業と同様に、保育士資格を有する職員の配置を前提とした上で、受け入れにあたっては、事前に施設職員が、保護者から子どもの状況を十分に確認した上で、必要に応じて職員の加配等を行います。
 実際に施設において職員を加配した場合には補助金に加算を行うこととしており、こうしたことで、受け入れに必要な体制を確保することとしています。

(中村たかえ)
 国は、保育資格がなくても従事できるような制度として提案しています。自治体が責任を持ち、保護者と保育者が協力し、子どもの成長と安全を保障してきた保育のあり方を大きく変えることに繋がりかねません。
 大阪市立大学の木下秀雄名誉教授は、次のように指摘しています。0歳から2歳の子どもをまるで宅配可能なものとして見ているか、あるいは子どもの保育を行楽シーズンのホテル予約のように考えているのではないかという印象を持つと語っています。
 この制度が公的保育制度の商品化に繋がり、保育の専門性が失われ、子どもの安全性を保障できなくなる懸念が専門家から指摘されていますが、市はどのようにして認識していますか。

(こども未来局長)
 最後に、こども誰でも通園制度については、公的保育制度の商品化に繋がり、保育の専門性が失われ、子どもの安全を保証できなくなると懸念する専門家もいるが、市はどのように考えるかについてです。
 こども誰でも通園制度は、子育て家庭の多くが孤立した育児の中で不安や悩みを抱えている状況を踏まえ、子どもの良質な生育環境を整備するとともに、全ての子育て家庭に対して、多様な働き方やライフスタイルに関わらない形での支援を強化するために、国が創設を進めているものです。
 本市においても、子育て家庭の孤立化、子育てに対する不安や負担感が高まっており、子育てに課題を抱える世帯を早期に発見し、支援を行っていく必要があると考えています。
 このため、こども誰でも通園制度の実施に向けて試行事業に取り組むこととし、各区に設置します「こども家庭センター」とも連携しながら、保育園等への適切な職員配置等のもと、安全に十分配慮した上で、子どもの育ちを支えるとともに、子育てに不安や悩みを抱える保護者に対しまして、保育園等の関わりの中で専門性を生かした必要な支援を行っていきたいと考えております。

【再質問】
(中村たかえ)
 こども誰でも通園制度のところで少し確認というか、もう少し教えてほしいんですが、先ほどその制度を利用するとどういう手続きが必要かというところで教えてもらったんですけど、月10時間分のチケットを保護者の方に渡して、その保護者は個別に保育園に連絡を取って、やり取りをするっていうことなんでしょうか。

(こども未来局長)
 今回の試行事業に当たっては、先ほど申し上げましたように、まず保護者が市の方に申請して、市の方で対象年齢と保育園等に在籍していないことを確認して、その保護者に対してチケットを送付します。
 保護者は、今度は利用を希望するおうちの近くとかご自分の都合に合わせて希望する施設に連絡を取りまして、施設の方実際に保護者と、子どもと面接を行って、いろんな子どもさんの状況を把握した上で利用可能かどうか判断します。それで、実際受け入れ可能となった時期に、今度は実際の利用希望日時については、電話等で予約するという形になります。

(中村たかえ)
 結局、保育園と直接やり取りを最終的にするんだと思うんですけど、その際そもそも市に申し込みをしなければならないっていう周知などはどのようになるんでしょうか。

(こども未来局長)
 事業開始にあたりまして、実際は来年度の夏頃目途なんですが、その前にまず市民と市政の広報紙、それからまたテレビ等の市の広報番組についても広報し、それでまた区役所の窓口の方でも個別のご相談の際には、そういった周知を行うことと考えております。

(中村たかえ)
 では、先ほどの答弁の中では、基準を満たしている施設が、この受け入れ施設になるんだっていうことだったと思うんですけど、基本的には本格実施に向けてこの取り組みを進めていくっていうお話だと思うんですが、その令和8年の本格実施には体制も広島市は十分確保できるっていう判断なんでしょうか。

(こども未来局長)
 先ほども申し上げましたように、今回の試行に当たりましては、いろいろな受け入れ体制だとか、保護者のニーズ、そういったことを把握するためのものだと考えております。8年度から本格実施ができるよう、検討してまいりたいと考えております。

(2)学校施設のトイレ洋式化について

(中村たかえ)
 次に、学校施設のトイレの洋式化についてです。
 学校施設のトイレの洋式化は、この間の議会でも繰り返し取り上げられ、国の2025年度までに、公立小・中学校の洋式トイレ95%という方針に基づいて、小中学校のトイレの洋式化が進められてきました。
 今回の補正予算でも、小学校45校、中学校7校のトイレ改修工事が計画されています。
 そこでお聞きします。今回の事業で、小中学校の校舎のトイレの洋式化率はどの程度進みますか。
 また今後の計画はどのようになっているでしょうか。

(教育長)
 第124号議案、令和5年度広島市一般会計補正予算第6号についてのうち、学校施設のトイレの洋式化についてのご質問にお答えをいたします。
 まず、今回の補正予算で、小中学校の校舎のトイレの洋式化率はどの程度進むのか、また今後の計画はどのようになっているのかについてです。
 令和5年度末における小中学校の校舎のトイレの洋式化率の見込みは71.1%で、このたびの補正予算および令和6年度当初予算で計画する事業が予定通り完了すれば、令和6年度末時点では83.2%となる予定です。
 今後は、国の目標値である公立小・中学校のトイレの洋式化率95%を目指して、まずは児童生徒が長時間過ごす場である小中学校の校舎のトイレについて、令和7年度末までに目標達成できるよう取り組みを進め、続いて、令和8年度には、幼稚園および高等学校の校舎の洋式化率を95%とすることを考えております。

(中村たかえ)
 体育館など校舎以外でのトイレ洋式化はどの程度進んでいるでしょうか。
 小中学校に和式便器が一定数残っていますが、掃除などの衛生面を考えれば、和式便器を残す必要はないのではないでしょうか。
 市の見解をお答えください。

(教育長)
 次に、体育館など校舎以外でのトイレの洋式化率はどの程度進んでいるのか、また小・中学校に和式便器が一定数残っているが衛生面を考えれば残す必要はないのではないかについてです。
 小中学校の校舎以外のトイレの洋式化率については、本年2月時点で体育館等のトイレが57.8%、屋外にあるトイレが32.3%となっております。
 体育館等のトイレの更なる洋式化については、まずは児童生徒が長時間過ごす場である校舎内の整備を優先しつつ、必要なスペースが十分に確保できるかなどを検討した上で、順次取り組むとともに、屋外にあるトイレについても、老朽化に伴い修繕が必要となった際などに、利用実態やニーズを踏まえ、洋式便器への取り替えを実施していき、学校施設全体として95%とすることを目指したいと考えております。
 また、数の少なくなった和式便器を最終的に全て洋式化するかどうかについては、学校現場の意見や今後の国の動向の他、衛生面の課題等も踏まえながら判断したいしていきたいと考えております。

(3)障害者相談支援事業等に係る消費税相当額の措置について

(中村たかえ)
 次に一般補正のうち、障害者相談支援事業等に係る消費税相当額の措置についてです。
 昨年10月、こども家庭庁と厚生労働省から障害者相談支援事業等の税務上の処理についての通達が出されました。
 これまで非課税として委託していた事業が本来課税対象であったことに対しての対応として、委託事業者に対し消費税相当額の措置が取られます。今回8事業19法人が対象となっています。
 いくつかお聞きします。広島市ではなぜこれまで非課税扱いになっていたのでしょうか。

(健康福祉局長)
 第124号議案令和5年度広島市一般会計補正予算第6号について、障害者相談支援事業等に係る消費税相当額の措置についてご質問がございました。
 まず昨年10月、国から障害者相談支援事業等の税務上の処理について通達が出され、これまで非課税事業として委託していた事業者に消費税相当額を措置するとのことだが、市はなぜこれまで非課税扱いとしてきたのかについてです。
 本市では、障害者総合支援法に基づく障害者相談支援事業等を、社会福祉法人などへの委託により実施しております。障害者相談支援事業は、当初、社会福祉法上の第二種社会福祉事業に位置づけられ、非課税事業とされていました。
 そうした中、相談の支援の体系が見直され、当該事業の課税の取り扱いが変更された際、多くの自治体で、当該事業が第二種社会福祉事業等の認識のまま、非課税事業としての取り扱いが継続されていました。
 このたび、当該事業が消費税の課税対象であることについて周知徹底を図るよう、国から通知があったことを踏まえ、既存措置を講じることとしたものです。

(中村たかえ)
 今回19法人のうち、これまで免税だった事業者はどれぐらいいますか。

(健康福祉局長)
 次に今回措置の対象となっている19法人のうち、これまで消費税が免税であったのは何事業者かについてです。
 19法人のうち、二つの事業者が消費税の免税事業者でありました。

(中村たかえ)
 またそうした事業者が、今後の消費税の納税のために税理士を雇用する際の負担について、市として何か対応はされるのでしょうか。

(健康福祉局長)
 次に消費税が免税であった事業者が、今後消費税を納税するために税理士を雇用する際の負担について、市として何か対応する予定があるのかについてです。
 消費税を納税する際にかかる負担につきましては、本来、事業者が納税義務を果たすために必要となるものであることから、原則として事業者の負担となりますが、同様の措置を行う予定の他都市の対応状況等も踏まえ、検討することとしております。

(中村たかえ)
 新たに課税事業者になり、事業が継続できなくなる事業者はいないのでしょうか。以上、お答えください。

(健康福祉局長)
 最後に、今回新たに課税事業者になったことにより、事業が継続できなくなる事業者はいないのかについてです。
 19の事業者に対しては、個別に情報共有を図りながら、適切に修正申告を追納等が行われるよう、対応進めているところです。
 その中で、新たに課税事業者となる見込みの二つの事業者については、今回の措置の有無に関わらず、事業継続する意向であることを確認しております。

2.第136号議案広島市公園条例及び広島市付属機関設置条例について

(中村たかえ)
 最後に、第136号議案広島市公園条例および広島市附属機関設置条例の一部改正について質問します。
 これは、Park-PFI制度を活用し、民間事業者が平和大通りの公園施設の管理運営を行うための条例の一部改正です。
 改めてですが、平和大通りというのは、第二次世界大戦中に建物疎開によって作られた防火帯が、戦後、平和記念都市建設法のもと、恒久の平和を誠実に実現しようとする理想の象徴として目的を定め、平和記念道路に位置づけられて整備されたものです。
 平和大通りは、1945年8月6日の8時15分、建物疎開のための学徒動員で駆り出されていた児童生徒や、義勇隊として組織された市民の多くが、原爆の犠牲になった場所でもあります。
 そのため、犠牲者を悼む慰霊碑や記念碑、平和を祈る石灯籠が設置されています。
 また、供木運動が取り組まれ、平和を願う多くの市民によって、75年草木も生えないと言われた広島が、緑豊かな街に生まれ変わった象徴的な道路でもあります。
 2022年3月に策定された平和大通りの利活用のための基本計画の目指す姿は、「鎮魂」、「憩い」、「にぎわい」、「おもてなし」が調和し、都心の回遊を促す平和のシンボルロードにするというものです。
 「鎮魂」と「憩い」というのは、平和大通りが作られた経緯とその後の役割を踏まえた大変重要なキーワードです。
 しかし、「鎮魂」と「にぎわい」は両立しません。平和大通りに必要なのは、住民や観光客が安心して使用できるトイレと、安全のための街灯の設置です。
 にぎわいの名のもとに、平和大通りが民間企業の儲けの対象になるのではないか。そういう懸念が残ったままです。
 民間企業は儲けが見込めなくなれば撤退することも当然あります。逆に、儲けを出すために、事業拡大で、店舗などの範囲を大幅に拡大することや、平和大通りの趣旨にそぐわない企画をすることも考えられます。
 そうしたもとで、今回の条例の一部改正で平和大通りが、にぎわいの名のもとに、企業の新たな儲けの場になってしまうのではないでしょうか。
 いくつかお聞きします。企業は儲けが出ないと、撤退することもあります。その場合誰が公園施設などの維持管理を行うことになるのでしょうか。

(経済観光局長)
 第136号議案、広島市公園条例および広島市附属機関設置条例の一部改正について順次御質問にお答えします。
 まず企業は儲けが出ないと撤退することもあるがその場合、誰が維持管理を行うのかについてです。
 本市において既に実施されているPark-PFIおよび指定管理者制度を併用した事業では、公募により選定した民間事業者が撤退した事例はありませんが、最長で20年とされているPark-PFIの計画期間中に、仮に事業者が撤退することがあった場合には、その状況に応じて、対応策を検討することになるものと考えています。

(中村たかえ)
 また、平和公園内の元安橋のカフェポンテが繰り返し行ってきたように、業者による事業拡大が慰霊碑や記念碑の近くまで広がることを後から追認することはないのでしょうか。

(経済観光局長)
 次に、事業開始後、民間事業者が決められた事業範囲を超えて慰霊碑等の近くまで範囲を拡大し、市が追認することはないのかについてです。
 飲食・物販施設等の収益施設は、公募により選定した民間事業者が、本市から設置等計画の認定を受けて管理・運営を行うこととしており、現在作成中の公募設置等指針において、民間事業者に対して収益施設の範囲を明確にさせる条件を設定するとともに、事業開始後も、本市が認定する設置等計画の範囲を無断で逸脱しないよう、適切に指導していくこととしています。

(中村たかえ)
 さらに以前、原爆ドーム隣のおりづるタワー1階のカフェで行われた薄着の女性が接待するビアガーデンのような、ジェンダー視点で見て疑問が出されるようなことが、平和大通りで行われることはないのでしょうか、お答えください。
 日本国内にとどまらず、世界中から広島を訪れる人々は、広島の平和の発信に心動かされ、自らの街や国で平和について発信したり、核兵器廃絶の行動に踏み出したりしています。
 日本国憲法前文の、「我らは、平和を維持し、専制と隷従、圧迫と偏狭を地上から永遠に除去しようと努めてゐる国際社会において、名誉ある地位を占めたいと思ふ」という崇高な理念を実践していくのが、この国際平和文化都市広島なのではないでしょうか。
 観光客の多くも、広島に平和を学び、考えることを目的にしているのではないでしょうか。その国際平和文化都市広島が、ただのキャッチフレーズとして、企業の儲けの場として利用されることがないようにしなければならないと考えますが広島市の見解をお答えください。

(経済観光局長)
 次に、ジェンダー視点から問題がある営業が行われることはないか。国際平和文化都市型のキャッチフレーズとして儲けの場として利用されないようにしなければならないと考えるが、市の見解はどうかについてです。
 平和大通りは、「鎮魂」、「憩い」、「にぎわい」、「おもてなし」という四つの要素が調和し、人々に平和を実感してもらい、都心の回遊を促す「平和のシンボルロード」を目指す姿として位置づけ、その整備に取り組んでいます。
 Park-PFI区域の「にぎわい」については、多様な人々がイベント等を通じて交流できる広場を整備するといった内容であり、この交流広場に、民間活力を導入してカフェ等の飲食・物販施設等を設置し、居心地の良い、くつろぎの場を提供するための「憩い」の空間を演出することを目的としています。
 この主旨は、目指す姿である「平和のシンボルロード」にふさわしい整備や利活用を行おうとするものであり、収益の確保のみに特化したにぎわい施設の創出とは異なるものです。
 事業者の公募に当たりましては、こうしたことを念頭に置き、選定することとしています。

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