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1.歳出のあり方について
(1)新型コロナや物価高騰への対応について
①市民生活分野と経済政策分野について
②施策の財源について
(2)児童館、放課後児童クラブについて
(3)生理の貧困への対応について
(4)療育センターのマイクロバスについて
(5)広島駅南口広場再整備について
(6)高速道路事業について
(7)財政支出のあり方について
2.彫刻等の文化財の扱いについて
(1)広島市の文化財の扱いについて
(2)広島駅北口の「朝」の扱いについて
(中森辰一)
お疲れ様です。二つのテーマで、質疑をさせていただきます。
まず、歳出のあり方ということです。行政の問題というのは、すなわち広島市の財源をどう使うかということだと思っております。広島市は令和4年度で見ますと、一般会計でおよそ7000億円、独自に諸施策に使える財源が3000億円余りあります。
この大きな財源で、令和4年度はどのような行政を行ってきたかということだと思います。私は市政を考えるポイントは、市民の1人1人を大事に考えた市政になっていたかどうかということだと思います。
全国的な問題でありましたけれども、広島市でも新型コロナ物価高騰と、昨年度は市民生活や地域経済を苦しめる二重の厳しい社会的な要因がありました。
こうした中で、令和4年度は地域経済を支える地元の中小企業事業者に対する施策、市民生活を支える施策というのが、どのようなことが行われてきたのか、またどのような姿勢で行政が行われてきたのか、関わりが大きい経済関係と厚生関係の局から答弁をいただきたいと思います。
(経済企画課長)
まず、新型コロナウイルス感染症や物価高騰に対する本市の施策の考え方ですが、コロナ禍における世帯所得の減や物価高騰による経営危機などに直面する生活者や事業者に対する支援については、基本的には国や県により対策が講じられるべきものであるとの考え方のもと、本市としては、これまで共助の精神に基づく地域での支え合い事業者同士が連携した取り組みへの支援など、国や県の公助による下支えの補強、補完に資するような施策を講じてきたところです。
次に具体的な施策についてですが、経済観光局におきましては、共助の精神に基づく地域での支え合い、事業者同士が連携した取り組みへの支援として、販売促進、販路拡大に取り組む中小事業者等を支援する団体に対して、その経費を補助する広島市販路拡大等チャレンジ応援実行委員会への支援、共助の精神に立ってプレミアム付利用券等の発行などに取り組む団体に対して、その経費を補助する生活衛生関連事業者への支援、農業者を支援する団体に対して、その経費を補助する物価高騰に伴う農業者への支援などを行いました。
また、事業者に対する直接的な支援として、電力やガス等の価格高騰の影響を受けている中小企業者等の省エネルギー化と地域の脱炭素化の一石二鳥の効果が得られる省エネ機器導入支援事業などを行いました。
(健康福祉企画課長)
続きまして、健康福祉局の取り組みとしましては、まず、生活困窮者等への支援としまして、感染症による影響が長期化する中で、様々な困難に直面する方々の生活、暮らしを支援するため、住民税非課税世帯等に対する臨時特別給付金の支給や休業等に伴い収入が減少した方に対する住居確保給付金の支給の他、生活困窮者の多様な支援に取り組むNPO法人等に対する活動経費の補助などを行いました。
次に、社会福祉施設やその従事者等への支援としまして、コロナ禍や物価高騰の中にあって、介護サービス事業所等がサービスの質を維持しつつ、安定的に事業運営できるようにするため、感染発生時の消毒費用、人材確保費用等への補助や、高騰する食材料費、光熱費などの経費に対する補助を行った他、感染拡大予防に努めながら、献身的に従事されている社会福祉施設等の従事者への特別手当の支給等の費用に対する補助などを行いました。
さらに、相談支援体制の強化としまして、感染の拡大により、住宅生活を余儀なくされている障害者や、その家族などからの相談に応じるため、各区の障害者基幹相談支援センターに相談支援専門員を追加配置したほか、不安を抱える市民に対して、電話やWeb面接等による心のケア相談を行いました。
(こども未来調整課長)
続きまして、こども未来局の取り組みでございます。まず、子育て世帯への支援として、低所得の子育て世帯への生活支援特別給付金等を支給いたしました。
また、保育園、児童養護施設等やその従事者への支援として、サービスの質を維持しつつ、安定的な運営を継続できるよう、感染が発生した場合の消毒費用や人材確保費用等への補助や、物価高騰に伴う食材費や光熱費などの経費の増加に対する支援金の支給を行ったほか、感染拡大予防に努めながら、献身的に従事されている児童養護施設等への従事者への特別手当の支給等の費用に対する補助などを行いました。
(中森辰一)
ありがとうございました。今挙げられた事業は、これは必要な事業だったと思うんですが、いずれもその財源は多くが国が直接、あるいは県を通じて、新型コロナへの対応や物価高騰への対応のために相当な規模の財源が手当された、そういうものが使われたと思うんですけども。
令和4年度ではどれだけの額の財源が使われましたでしょうか。それから、その財源額のうち広島市では共助の取り組みということが強調されましたけれども、その共助の取り組みの施策にはどれだけの財源が使われたのか。
それと、国の政策に強調して単独で市の自主財源を使って行われた施策は何かあったのかどうか、どれだけの財源が扱われたか、それはまとめてお答えください。
(財政課長)
まず国、県を通じた財源の額についてでございます。新型コロナウイルス感染症対策に充当されました令和4年度の国庫支出金の額は約186億円。県支出金は約14億円で、合わせて約200億円となってございます。
次に物価高騰対策につきましては国庫支出金が約83億円。県支出金が約4億円、合わせて約87億円となっています。
以上により、新型コロナウイルス感染症対策および物価高騰対策に係る国庫支出金と県支出金の合計は約280億287億円となります。
続きまして、その財源のうち共助に係る取り組みについていくら使われたのかでございますが、共助の精神に基づく地域での支え合い事業者同士が連携した取り組みへの支援に係る令和4年度決算額は、広島市販路拡大等チャレンジ応援実行委員会の支援やバス路面電車などの交通事業者への支援などの実施により、約26億円となっています。
最後に、そうした財源を出す国の政策に協調して、単独で市の自主財源を使って行われた政策はあるかのご質問でございます。
新型コロナウイルス感染症や物価高騰といった、全国に共通する不測の事態への対応に伴う財政需要に対しましては一義的には地方創生臨時交付金などの国の財源の活用を図るべきであることから、市の一般財源のみを用いて実施した支援策はございません。
一方で、PCR検査の実施であったり、学校内の消毒などの感染症対策などに従事するスクールサポートスタッフの配置などの事業については、事業費のうち、国の財源では賄えない本市負担分いわゆる補助裏部分などに約15億円の一般財源を充当しています。
(中森辰一)
ありがとうございました。言うまでもなく市は基礎自治体ですから、市民生活の実態というのが一番見えていなければならないと思います。
社会の状態が良くないときはより注意深く、現状の施策が実情に合っているか検証しながら、この市政の光というのを市民生活などに充てていくということが必要だと思うんです。
実際には今答弁があった施策だけで、この新型コロナとか物価高騰で苦しんでいる市民生活を十分に支えることができたかと考えると、なかなかそうもいかなかったのではないかなと思っていますので、ここは担当の部門でもよくお考えいただきたいなと思います。
一方で、新型コロナや物価高騰問題とは別のところで、市民生活の実情にきちんと光を当てて適切な行政が行われていたかということを考えると、なかなかそうなっていなかったのではなかろうかと思います。むしろ、弱い立場の子どもたちや女性たち、高齢者、障害のある人たちに少なくとも配慮の足りない現実というのがいろいろあったんではないかなと思いますので、いくつか取り上げていきたいと思います。
(中森辰一)
まず児童館は、令和4年度までで全小学校区の中でどこまで設置ができたのか、あと何ヶ所残っているのか。また1館建設するのに、概ねどの程度の建設費がかかったのか。またその建設費のうち、一般財源と市債、国の補助金の割合はどの程度かを教えてください。
(放課後対策課長)
児童館については、整備対象である140学区中、令和4年度末時点で120学区に整備しており、その後令和5年5月1日、1学区が整備完了したことから未整備額が19学区となっています。
設計費と建設工事費を含めた児童館の整備費については、小学校の校庭内に単独で2階建てを整備する場合、標準的な大きさである飯室児童館の実績額で申し上げますと、約1億4700万円です。
また、小学校の余裕教室を活用して整備する場合、直近に整備した石内児童館の実績額で申し上げますと、約4400万円です。
その財源については、整備費の実支出額の3分の1と国の補助基準額を比較して少ない額が国からの補助金であり、その残りのうち8割が市債、2割が一般財源となります。
(中森辰一)
その1館1館についてはそんなに大きな額にはならないと今伺ったわけですけども、一方で、巨額の事業費を使った大規模工事が並行して進められているわけですよね。
こういう中で一気に児童館の建設を進めていただきたいということをこれまでも繰り返しお願いしてきたんですけども、これがなかなか進まなかった原因ってのは一体何でしょうか。
(放課後対策課長)
本市では原則小学校区ごとに児童館を整備する方針としており、同様の方針としている政令市は20都市のうち3都市のみと政令市の中でも手厚い整備を進めてきています。
このため、整備する館数が多く、一度に建設を進めるためには多額の費用がかかることに加え、整備場所の調整なども必要となることから、条件が整い次第、順次整備を進めてきているものです。
(中森辰一)
新しく生まれた子どもがね、もう社会人になってしまっても、これがなかなか終わらないという、そういう実態があるってのはこれは広島市は特別なことをやってきたんだということなんですけども、しかしそれにしても、全体の公平感という点から考えても、もっと短期間でできなかったのかなと思っています。
それで、今現に使われている児童館についてなんですけれども、児童館の遊戯室、夏の使用ではエアコンが必須だと思うんですが、ところがあるところとないところが今でもあるわけですよね。どこの遊戯室も大体同じぐらいの大きさだと思いますけれども、この遊戯室にエアコンを設置するのにどの程度の費用がかかりますか。
(放課後対策課長)
天井が2階部分まで吹き抜けている児童館の遊戯室にエアコンを整備した場合、1館あたり約500万円となります。
(中森辰一)
そこそこお金がかかるということなんですが、令和4年度までで、どれだけ何ヶ所設置できたのか、それから令和4年度は何ヶ所設置されたのか教えてください。
(放課後対策課長)
遊戯室のエアコンの整備につきましては、令和3年度から整備を開始しており、令和4年度末までに38館で整備を完了しています。また、令和4年度中には13館を整備しています。
(中森辰一)
そうなりますと、まだついてないところの方が圧倒的に多いという実態だと伺いました。遊戯室というのは夏になると非常に暑くなるんですよね。それで熱中症で事故が起きないように、室温が一定以上になると使用禁止となりますけれども、どういう基準になってますか。
(放課後対策課長)
全児童館の遊戯室には暑さ指数計を設置しており、児童が利用する前には指導員が暑さ指数計を確認し、学校と同様に、暑さ指数が31以上の場合は運動させないようにするため、遊戯室は使用していません。
また、暑さ指数が31未満の場合であっても、適宜休憩を取り水分補給させるなど、児童の様子を見ながら使用しているところです。
(中森辰一)
先月、遊戯室にエアコンがついてるところと、ついてないところをそれぞれ訪問することができたんですが、エアコンがついてるところで夏休みにも子どもたちがよく遊んでいたと指導員さんたちは本当に喜んでおられました。
一方で、これがない遊戯室は夏になると、ほとんどの日の室温が基準以上になってしまうということで、夏場はまず利用できません。夏休みに放課後児童クラブに来た子どもたちは暑すぎて、外遊びはほとんどできないにも関わらず、同じように暑すぎて遊戯室も使えない。こうなりますと、子どもたちはストレスはどんどんたまってしまってね、いろいろなトラブルの原因になります。
昨年までに全ての児童館の遊戯室にエアコンがついてれば、どこの児童館、放課後児童クラブでも遊戯室を使って遊ぶことができたわけですが、そうなっていないのが多いという。これは問題があるんじゃないかなと思いますので、これは急いでやっていただくということが必要なんではないかなと思います。
一方で、今年から放課後児童クラブの有料化をした。サービスを良くするということもあるわけですから、早くエアコン設置を終えるべきではないかなと思うんですが、いつまでにエアコン設置を終える計画でしょうか。
(放課後対策課長)
放課後児童クラブの有料化、利用者負担を導入したってことから、児童館の遊戯室にエアコン設置を早く終えるべきだとのお尋ねですけれども、放課後児童クラブにつきましては、生活の場として児童が快適かつ安全に過ごせるよう、全ての専用室にエアコンを整備しています。
また、児童館につきましては図書室や工作室、既に全てエアコン整備しているところであり、残り遊戯室についても令和3年度から整備を開始しており、令和7年度末までに整備を完了する予定です。
(中森辰一)
再来年度まであと2年かかるということなんですよね。これは児童館にに併設をしてない単独のところも含めて、このエアコンのついた遊び場ってのがいるんじゃないかなと思いますので、その辺りはぜひ工夫をしていただきたいなと思っています。
それから、児童館、放課後児童クラブいずれもトイレが今日の水準からは極めて遅れていると思います。今日の子どもたちは洋式しか知らないというのが実態ですが、和式と併用になっております。しかも男女兼用です。今の放課後児童クラブは6年生まで使うようになってるわけですから、男女別でないといけないのではないかと思うんですよ。もちろん、児童館もそうです。
男女別でないトイレ、あるいは男子用のストール(小便器)でも入口がきちんと閉じないというところもありました。こういうところは男女ともに使いづらいというのが実態ではないかなと思いますので、これは早く改善する必要があるんじゃないかと思うんですが、どうしてトイレってのはこういうふうな状況なんでしょうか。
(放課後対策課長)
近年整備している児童館のトイレは男女別で洋式化されていますが、整備年度の古い児童館についても、全ての便器の洋式化に向けて整備を進めているところです。
令和4年度末時点で全ての児童館トイレは、複数の洋式便器がある状態となっています。さらに令和5年度においては洋式便器が2基しかない児童館の和式便器1基を洋式化することとしています。
なお男女別の独立したトイレを整備することについては、入口を別に設ける必要があるなどスペースの制約があることから、直ちには困難なため、トイレ内への簡易な間仕切りの設置など可能な範囲で運用上の工夫によりプライバシーの確保に努めているところです。
こうした施設については、児童館の大規模修繕などを機会を捉え更なる対応を検討していきたいと考えています。
(中森辰一)
私が今回視察したところ2箇所なんですけども、トイレによっては工夫次第で、男女別に分けることができる可能性のあるところもありますので、そこはちょっとよく現場において研究していただきたいなと思います。
それから放課後児童クラブですが、壁面に穴が開いたままというところがいくつもありましたし、子どもたちが使う机にも、もう古くなって穴が開いている、あるいは机の角とか天板のへりがささくれ立っていて非常に危ない。そういう状態に対してテープを貼ってしのいだりとか、あるいは本棚の天板なんかも同じような状況ですから、ここもダンボールを置いたりしてカバーするという工夫がしてありました。
現場からは早く改善してほしいという要請があったと思いますが、これはなかなか、もうかなり古いですから、流れに渡って放置したままではないかなと思います。なかなか予算が行き渡らないということだと思い、思うんですけれども。
この点で私は9月議会ですごく感じたんですけれども、総務委員会でエールエールA館のフロアの一つ費7億円も増やされるということになりました。これに対してね、いろいろ言ったんですが、その中で7億円もあったら子どもたちのために使いたいところがたくさんあるよということを申し上げました。
この優先するべきところっていうのがあると思うんですよ。で、現実に子どもたちが怪我をしかねない危険な実態がある。時代遅れのトイレというのがある。こういう状況を改善をしていく。期限を決めて早く問題を解決していく解消していく、そういう取り組みが必要だと思うんですが、どうなんでしょうか。
(放課後対策課長)
放課後児童クラブを含む児童館内の施設については、児童の安全を確保できるよう適切に維持することとしています。
委員の御指摘の児童館の破損箇所については、既に児童がけがをしないよう応急対応しており、令和5年度中には壁の補修や座卓の購入を行うこととしています。
引き続き児童が快適かつ安全に過ごせるよう、環境の維持により一層努めてまいります。
(中森辰一)
一昨年の6月議会の一般質問で、私が生理の貧困の問題を取り上げました。学校や公共施設の女性トイレに生理用品を置くように提案をしたところですが、その後、令和4年度までに何か前向きな取り組みがあったのかどうかを伺います。
(男女共同参画課長)
生理の貧困問題の背景には、経済的な貧困だけでなく、父子家庭のため、生理用品の必要性に気づかないなど家庭環境に起因するものや、児童虐待さらには、配偶者パートナーからの経済的DVなど、様々な問題が潜在化しており、生理用品をトイレに設置提供することによって、こうした深刻な問題を把握する機会を逃す側面があると考えられます。
こうした状況から、生理の貧困問題を解決するためには、生理用品を入手できない状況の根本にある様々な問題に対応し、着実な支援に繋げる必要があるとの考えのもと、相談事業の中で生理用品を提供しているもので、公共施設の女性トイレに生理用品は設置しておりません。
(中森辰一)
もう一つ学校があると思います。
(学校安全対策担当課長)
続きまして、学校においては、児童生徒が生理用品を必要とする場合、保健室で受け取るよう周知しており、児童養護教諭等が生理用品を渡す際には、児童生徒の家庭状況等の把握に努め、経済的な貧困状況があれば、生活支援や福祉制度に繋げるなどの対応を行っています。
こういった場面は、教職員が児童生徒の状況を把握する有効な機会となりうることから、今後とも児童生徒のプライバシーに十分配慮しつつ、こうした対応を継続していきたいと考えており、学校のトイレに生理用品を設置していません。
なお学校からも、今後もこうした機会を通して、児童生徒の状況把握の充実に繋げていきたいとの意見が寄せられています。
(中森辰一)
先日の本会議でも同じような答弁があったかなと思うんですけれども、私が本会議でやった質問の中で、若者のグループがアンケート調査をしたところ、「経済的な理由で自分の生理への対応が十分できなかった」こういう答えが、何か4割近いというふうな結果があったことや、経済的に困窮している子育て中の母親にあえて聞くと、生理用品の入手に実は困っているんだという答えが返ってきた、そういう実態があるということも紹介をしました。
市内でも経済的に困窮している市民や家庭が相当数あると思います。現実に、女性が子どもを抱えて必死で働いて頑張っているそういう例はたくさんあります。放課後児童クラブに子どもを通わせている家庭の中でも、困窮して食料支援を受けている母親もおられるんですよ。
困っている女性たちがたくさんおられるということがわかっているので、それをあえて世間に自分は困窮していますと訴える当事者はなかなかいないとこういうこともわかっているので、社会として配慮をして、公共施設や学校の女性トイレに生理用品を置いたらどうかということを提案したわけです。ところが、実際はなかなか前進していないということなんですよ。
伺いますが、令和4年度で小・中学校などで保健室に生理用品をもらいに来た子どもが何人あったでしょうか。
(学校安全対策担当課長)
令和4年度に生理用品を受け取りに来た児童生徒の総数は把握していませんが、小中学校を各区1校ずつ抽出し、聞き取りをしたところ、大半の学校で月に数名程度、生理用品を受け取りに来ているという状況でした。
(中森辰一)
次に数名程度受け取りに来ていると。いっぺん把握したらいつでも受け取れるような仕組みってのがいるんじゃないかなと思います。
例えば4年度で、ゆいぽーとの女性支援の相談窓口に相談に来られて生理用品をもらって帰った女性がどれだけおられたのか。その数はこの最近の2年間でどうなっていたのか教えてください。
(男女共同参画課長)
令和4年度にゆいぽーとにおいて生理用品を提供した人数は18人でした。また、令和3年度に実施した困難を抱えた女性のためのつながりサポート事業では、ゆいぽーとにおいて86セット、他の支援機関等を通じて、941セットの合計1027セットの生理用品を提供しました。
(中森辰一)
その生理用品を受け取るということが目的で、例えばゆいぽーとに相談にこられたという方の居住地別の分布、行政区別の分布というのはわかりますか。
(男女共同参画課長)
ゆいぽーとにおける女性のための何でも相談事業では、通常は行政区の確認を行っておりませんが、相談内容により必要があると思われる場合は確認しています。
令和4年度に提供した方については、お1人が安佐南区でしたが、その他の方は行政府の確認はしておりません。
(中森辰一)
行政区わからないってことですね。広島市では生活保護を受けておられる世帯がたくさんありますけれども、その中で女性のひとり親世帯っていうのがどれだけあるのか令和4年度で教えてください。
(保護自立支援課長)
本市の令和4年度の生活保護受給世帯のうち、現に配偶者がいない65歳未満の女性と18歳未満の子どものみで構成されている、いわゆる女性のひとり親世帯数は1,005世帯となっております。
(中森辰一)
1000世帯を超える同じように、令和4年度でひとり親世帯の児童扶養手当を受給しておられる世帯がどれだけあるのか、全部支給と一部支給に分けて教えてください。
(子ども家庭支援課長)
令和4年度末時点の児童扶養手当受給者数は7574世帯で、このうち所得が基準額内であることにより手当が全部支給となっているのは4245世帯。所得が基準額を超過していることにより、手当が減額され、一部支給となっているのは3329世帯です。
(中森辰一)
今言われた世帯数の中で、およそ5%が男性のひとり親世帯だと思いますけれども、全部支給の世帯だったらおそらく全部、一部支給の世帯でもそのうち多くは生活保護の適用になるんではないかなと思うんですよね。しかし、2度にわたって安倍政権のときですけれども、生活保護基準を引き下げましたが、その際に生活保護バッシングというのが起きまして、そのために、困窮していてダブルワークとかトリプルワークやってて、子どもとの家庭生活を犠牲にしているのに、「生活保護だけは受けたくない」という方がたくさんいるというのが今の現実ではないかなと、私達も実際に経験してますからそう思っています。そういう世帯を広島市はどう把握しているでしょうか。
(子ども家庭支援課長)
児童扶養手当受給者に対しては、毎年8月に現況届の提出を求めており、その際には個別面談により聞き取りを行い、生活状況の把握に努めています。
困窮していても、生活保護の受給を希望されない方の人数などは把握していませんが、個別面談の聞き取りにおいて、困窮の状況が確認された場合には、生活保護制度を案内するとともに、必要に応じて就業支援を行う母子家庭等就業自立支援センターを紹介するほか、看護師や保育士など、就業に有利な資格取得を支援する給付金制度を案内するなど、必要な支援に繋げています。
(中森辰一)
私は、ダブルワーク、トリプルワークするよりも生活保護を受けて、昼間仕事をして安定した生活を取り戻して、子どもたちとずっと家庭生活をきちんとやっていくというそういうことが一番いいと思っています。いろいろ相談にこられたらそういうことを話をするんですけども、どうしても受けたくないとおっしゃる方あるんですよね。
生活保護を受けられるのに、保護受給を拒否して極めて厳しい暮らしをしている女性たち。この人たちこそ、生理用品が必要な人たちではないかと思うんですよ。そういう人たちをまだ把握しきれているわけじゃない。こういう中で、広い広島市内でたった1ヶ所しかないゆいぽーとに相談に来てくださいということを今でもやってるわけですよ。
実態を反映した施策になっていないんじゃないかなと思うんですがどうなんですか。
(男女共同参画課長)
現在ゆいぽーとで実施している「女性のための何でも相談」では、例えばまず電話で相談された方が、その相談の中で生理用品の入手入所が困難であり、ゆいぽーとまで来ることができないことがわかった場合には居住近くの区役所で生理用品を受け取ることができるようにしております。
(中森辰一)
そうは言いながら実績は18人でしょ。86セットという数字が出ておりましたけれども、現実の問題として、その安佐北区、佐伯区、安佐南区安芸区と都心から遠いところがずいぶんあるわけですよ。そこからゆいぽーとまで往復するのにどれだけお金がかかるかということを考えると、こういうやり方はちょっと改める必要があるんじゃないか、もっと身近なところで、そういう相談ができる。必要があれば生理用品を受け取れることを考える必要があるんじゃないかなと思うんですがどうなんですか。
(男女共同参画課長)
先ほどもご答弁させていただきましたが、生理の貧困を解決するためには、生理用品を入手できない状況の根本にある様々な問題に対応し、着実に支援に繋げる必要があると考えておりまして、相談事業の中で生理用品を提供しているものです。
(中森辰一)
だから、1ヶ所でやるのは無理があるよっていうことを言ってるわけですよ。もっと身近なところで例えば少なくとも区役所でそういうふうなことができるようにするとか、それぐらいは考えてもいいんじゃないかなと思いますよ。
今年度で、今備蓄している災害備蓄の生理用品の期限が来ますよ。来年度は2万9,000個。これを廃棄するというふうなことになります。まだ使えるものなわけですから、これを有効活用するということも必要でしょう。
理屈とかじゃなくて実態を考えて、もっとこの問題も積極的に取り組んでいただきたいなということを改めてお願いをしておきたいと思います。
(中森辰一)
次に、先日療育センターの園児の通園バスに33万キロ以上走行してボロボロになってるバスとか、雨漏りをしているバスがあるから、買い替えてほしいという声を伺いました。
そういう状況ですから、当然以前からもっと早く買い替えてほしいという声が現場から上がっていたんだろうと思うんですよ。少なくとも昨年度まではそういうことができなかった。なぜこういうことができなかったんでしょうか。
(障害児支援担当課長)
園児が日々安全にバスで通園することは大変重要であることから、使用しておりますマイクロバスや中型バスにつきましては、法律で定められた点検整備の他、運行前後の日常点検などにより早い段階で不具合を発見できるように努め、不具合が見つかった場合はその都度修繕を行いながら運行し、安全の確保に努めているところでございます。
(中森辰一)
この今要望が上がってるバスを、新規に購入するとどれくらいの費用がかかるんですか。
(障害児支援担当課長)
中型バスを新規に購入するとした場合、1台当たり約2600万円と見込んでおります。
(中森辰一)
それぐらいお金がかかりますよということですが、一旦買ったらずいぶんと長く使うわけですよね。これは、早く更新していただきたいと思うんですがどうなんですか。
(障害児支援担当課長)
今後も園児が安全に通園できるよう、使用年数や不具合の状況を踏まえまして、適切に対応してまいりたいと考えております。
(中森辰一)
なかなか買い換えるということになりそうにないですね。これ20年以上あるいは33年使ってる。そうなりますと、簡単には部品も手に入らない状況になってるんじゃないかなと思いますし、かえって修理費も高くつくんじゃないでしょうか。
もちろん動いてるわけですから車検は受けてるでしょうからね。それは最低限の安全性を確保されているでしょうけれども、雨漏りがしているから早く替えてほしいと言ってるわけですから、これは対応するべきじゃないでしょうか。
市長だって公用車乗っておられますけども、5年程度で、これリースですけれども、新しい車両に変えておられるでしょう。20年以上、30年以上、放置しておくってのはバランスがどうもおかしいんじゃないかなと思いますよ。ぜひ来年度予算をつけていただきたいということを改めてお願いを申し上げておきます。
(中森辰一)
一方で、大規模な公共事業に思い切って財源が振り分けられてまいりました。広島駅の南口の広場の再整備、ここでは最初155億円だと言ってたのが2.3倍360億円にまでなりました。我々どうして233倍にもなったのかということを聞こうと思いましたけども、ちょっと時間がだんだん押してきておりますので、あえて聞きませんけれども、同じように高速5号線建設事業、ここも一番最初700億だと言ってたわけですよ。それが今ではもう1400億を超える。2倍以上になってる。最近では、空港までのアクセス時間の短縮効果、最初7分程度と言ってましたけど今では3分とも5分とも言われております。こういう事業毎年、巨額の借金を含めた税金をつぎ込んできているわけです。あそこのトンネル工事、最初80億円だと言ってたところがこれが200億円になりました。その後、200億円で一式工事の契約をしたのに、着工の直後に、工事の進行に不可欠なセグメントなどが入っていなかった。こういうゼネコン側のあり得ない理由を認めて87億円の工事費が増額された経緯、私たちは納得してませんが、また我々以外にも納得している人は、なかなか多くはないんではないかなと思います。
極めて不可解なことを伴いながらしかも、普通はありえないトラブルがありえない頻度で繰り返され、未だ工事完了に見通しも立たない。結局どれだけの工事費なるのかもはっきりしないまま、工事だけは続けられております。
そういうはっきりしない状態に加えて、さらに今回、2号線と5号線の連結の工事費が30億円も増額される、こんなことになっております。87億円の問題があったのは2019年のことです。その際に、費用便益比の数値を引き上げるために、連結路が復活するなどで310億円もこの事業費が追加されました。そのとき出した数字にこの30億円、今回プラスということになったわけです。
聞きますと、設計をするときに必要な地質調査を行わなかったから、安全な橋脚を設置できないから設計をやり直さなければならなくなった。橋げたの工法も変更する必要が生じた。こう言ってます。
地中に構造物を作ろうとか、そういうときに、考えた通りにいくかどうか、しっかりした地質調査やるのは当たり前のことじゃないかと思います。この当たり前のこともしない、いい加減な仕事の仕方が、令和4年度も継続してやっていたということではないんでしょうか。
こんなことでいいんだろうかと思います。なぜ地質調査もせずに設計をしたんでしょうか。
(道路部長)
大規模な橋梁などを整備する際には、まず近傍に既存のボーリング調査結果がある場合は、それらを活用し、橋梁形式を決める予備設計を行います。その後、事業に着手し、橋脚の設置位置でボーリング調査を行い、その結果を反映した詳細設計を行います。
今回の高速2号線と5号線連結路におきましても、こうした手順を踏み、事業化前の段階で近傍の既存のボーリング調査結果を活用して、予備設計を行い、令和元年度に整備計画に追加し、事業着手をしております。
その後、詳細設計を行うにあたり、ボーリング調査を橋脚の設置位置にて行いましたところ、支持層が深いことが判明し、橋脚基礎形式から見直す必要が生じたため、そのデータをもとに予備設計からやり直し、詳細設計を行ったものです。
したがいまして、設計をするときに当然やるべき地質調査を行っていないとのご指摘にはあたりません。
(中森辰一)
あの辺りはおそらく地質の構造がずいぶん複雑になっているところではないかなと思うんですよね。そういう中で、既存の地質の状況調査というのはこれはやらなくてけないでしょう。流用していいのか利用してけないのか、そういうことも事前の調査をきちんとやっておけばわかったと思いますよ。しかしそういうこと。漫然とやってたんじゃないかな。そういう中で流用すればいいというふうな判断をされた。そこが失敗のもとでね、おかげで4年間も工期延長する、事業費も増えるとなったわけじゃないですか。
この高速道路の事業というのが、どうも、普通のことではないなと思っています。一式工事の契約をした後になって、工事に不可欠な部品代や工事費が入ってなかったから100億円増やしてくれなどというような言い分が通るようないいかげんな工事契約を高速道路公社はやっていた。その際に復活した連結路では、そういう地質の問題でもきちんとした認識もなく、やるべきことが行われなかったということなんですよね。
騒音も振動もないやり方ですといいながら、現実にはひどい騒音がある、振動で家にいられない。こういう住民がいらっしゃる。そういう状況を「被害とは思いません」と高速道路公社の理事長は述べているわけですよ。
高速道路公社は市と県が作ったわけですけども、あんな組織でいいんだろうかなと思うんですよね。今回の30億円の増額も市民から見たら、いい加減さが招いたことじゃないのかと思われると思います。そういうことを容認してはいけないと思います。
巨額のお金がかかるわけですから、きちんと厳密に必要なことをちゃんと踏んでやっていく、こういう姿勢が当然いると思いますけども、どうなんですか。
(道路部長)
先ほどご答弁しましたように、公社は高速2号線と5号線連結路につきまして適切な手順を踏みながら事業を進めております。橋脚基礎形式の見直しなどによる増額は必要なものでございます。
これらの変更内容を含む整備計画変更の同意案につきましては、さきの9月議会において可決され、認めていただいたところでございます。
(中森辰一)
広島市では大規模な工事が行われるたびに、どんどんどんどん規模が大きくなっていくっていうことを繰り返してきましたけど、これからもそうなるんだということを今おっしゃったような気がします。
我々から見たら本当は必要がなかったんじゃないか、30億円は無駄遣いじゃないのかと思いました。
こういうことをやっておきながら、駅前広場でも大変な事業費が膨れ上がりましたけれども、一方で市民生活の現場では、子どもたちのところにさえもお金を出し渋っているとしか思えないような対応が見えてきます。
広島市が使っている財源は市民から預かった貴重な税金ですよ。こういうふうなアンバランスな使い方でいいんだろうかと、優先順位が違っているんじゃないかなと思うんですが、どうなんでしょうか。
(財政課長)
本市の財政運営に当たりましては、限られた財源の中で現下の社会経済情勢に対応した社会福祉施策であったり、次代を担う子ども施策に取り組むとともに将来の税源涵養につながる都市機能の強化に資する施策などにも取り組んでいるところでございます。
いずれにしましても、各種施策のバランスのとれた予算配分に意を用いつつ、必要な施策の推進を図っていくことは肝要であると考えてございます。
(中森辰一)
もっとね。子どもたちとか、そういうところにお金使ってくださいよ。思い切って。そのことをお願いしておきたいと思います。
(中森辰一)
広島市内には、平和公園を初め、市の施設や広場や河畔に様々な彫刻やオブジェが設置してありますし、施設の壁面に絵やレリーフがあるといったような場合もあります。そういう作品が施設の改変などで移設とか、どう扱うかということが問題になることがあります。
最近では、広島駅南口の入口の壁面にあった、日本代表する彫刻家なんだそうですが、舟越保武さんという方の「牧歌」という作品が破壊されて、廃棄されていたということがわかって批判をされました。その作品の価値をどう見るか認識しているかということだと思いますけれども、駅ビルの場合はJRの側に何の認識もなかったということなんだろうなと思います。
広島市内でそういうたくさんの市、公共で持ってるもの、民間で持ってるものいろいろありますけれども、そうした芸術文化作品の扱いについてはどうしてほしいとか、要請するための何か基準とか規定みたいなものがありますか。
(文化振興課長)
芸術文化作品の施設等の取り扱いにつきましては、基本的には所有者の判断によるものであり、市として設けている基準はございません。
(中森辰一)
一つ一つの芸術文化作品は非常に貴重なものだし、これは持ってる人だけの一応所有ということではあるんですけども、人間社会の財産ではないかなと思うんですけども。
ああいうことがありますと、広島という街は本当に文化都市なのかと疑われるような、本当に残念だったなと思うんですよね。
(中森辰一)
同じように、広島駅に関わる彫刻作品が広島駅の北口にもあります。圓鍔勝三さんという方による「朝」という作品なんですが、あれは圓鍔さんの代表作なんだそうですけれども、あの作品の配置は実際に行って周りの状況とか、あの作品の四方から作品自体を見てみても非常に違和感が大きい。
あの作品は北口の再整備の中で位置が変わったわけですけれども、どういう経緯で、誰が決めてどのような考え方であの位置になったんでしょうか。
(街路課長)
広島駅北口の新幹線口広場の彫刻像「朝」につきましては、昭和54年に新幹線の開通を記念して設置したものでございます。
設置にあたり、本市と国鉄が協定を締結しており、その中で、広島商工会議所からの寄付を含めて、本市が建設費の3分の2を国鉄が3分の1を負担すること。この負担割合を踏まえ、設置位置は、建設面積のおおむね3分の1を国鉄所有地内とすることなどを定めています。
その後、本市において新幹線口広場を再整備する際、広場レイアウトの変更に伴い像を移設する必要が生じたため、既に亡くなられていた圓鍔氏に変わり、その親族と協議を行ったところ、像の向きにつきましては移設後も同じ向きにしてほしいという要望を受け、これに従った向きとなっています。
また、移設場所につきましては、共同設置者である国鉄の後継会社であるJR西日本と協議をしたところ、建設当時の協定を踏まえ、移設後の建設面積のおおむね3分の1がJRの所有地となるように設置してほしいとの意向が示されたことから、広場のレイアウト上、現在の位置になったものでございます。
(中森辰一)
あの作品の正面に隣接してバスの切符売りが場があって、あれが問題なんですけれども、あれはあのバスの切符売り場ってのは広場の設計の段階で決まっていたんだろうなと思うんですよね。
正面から鑑賞するのに、スペースが狭すぎるという批判がありますし、9月7日付けの新聞の記事を見ますと、作家の長男の方は「あんなところにバスの切符売り場があるのは知らなかった。除幕されたのを見て、本当に残念だ」とおっしゃっておられて、ああいうふうな配置になったことに不満をお持ちのようですけれども、どう受け止めておられますか。
(街路課長)
広場再整備のレイアウトを決定するにあたり、彫刻像につきましては、バスの乗車場と一般降車場の間にもうける滞留スペース内に移設することとし、詳細な位置については、工事を進めながら関係者と協議して決定することにしていました。
こうした作業を進める中で、広島県バス協会から広場内に交通案内所の設置要望が出され、確定している広場のレイアウト内で像の移設の検討と並行して、交通案内所の設置位置を検討することになったものでございます。
こうした条件下において公共交通利用者の乗り換え利便性を考慮をした結果、交通案内所が設置可能なのは滞留スペース内のバス乗車場しかなかったこと、また彫刻像の移設先につきましては、JR西日本の協議結果を踏まえると現在の位置しかなかったことから、圓鍔氏のご親族に交通案内所と像の位置関係がわかる図面で事前に説明を行い、了承を得た上でそれぞれの配置を行ったものでございます。
(中森辰一)
この長男とおっしゃる方は、事前に了承を得たとおっしゃるけれども、ああいうふうな形になってるというイメージがなかったんじゃないかなと思います。
前の置き場所は、作者がその位置で、今3分の1、3分の2という、そういう敷地の境界に置くということがあったとおっしゃった。その最初にできたときはね、その境界の位置で作るということを前提に、その位置で周囲の状況も考えられて、あの作品が作られたんだろうなと思うんですよ。再整備をして、広場の構造が大きく変わったわけですよね。前は平面の広場だったんですよ。今は立体構造物が主になっているような形に全然変わっている。そういうときに、あの作品をどのように配置すれば一番作者の思いを尊重した形になるのかということを考える必要があったんじゃないでしょうか。
そういう点では、美術品をどう扱うかということでの専門的な見地からの意見じゃなくて、JR側と市側の敷地の境界線が問題になったということなわけですから、まさにこれは広島の文化の水準が問われるということになってしまったということじゃないんでしょうか。
著名な芸術家に作品を依頼して作っていただいたからには、それは先ほども言いましたけども、単にJRや広島市の持ち物ということじゃなくて、我々の歴史の中で生み出された新しい創造物。こういう受け止めをする必要があるんじゃないでしょうか。
そういう点から考えると、この北口の広場を作り変えるときにあの作品をどのように配置するか、どのように配置したらあの作品が生きるのかということも考えに入れた設計というのが必要ではなかったんでしょうか。
それにしても、敷地の境界がこういう芸術作品の配置で問題になるというのは、これは文化と何の関係もないでしょう。
あの作品は、昭和54年に作られたということなんですけれども、元々設置された場所の周りや背景には樹木も配置をされておりましたし、作品の正面には広いスペースがあった。
今あの周りで作品を見ますと、正面から全体を鑑賞するには本当にスペースが不足しております。後ろに下がろうとすると、すぐ切符売り場の建物の壁にぶつかってしまうわけですよ。背面から見ると、後ろから見ると、ペデストリアンデッキ等の工作物に埋もれるような感じになっておりますし、北側から見ると、まさにそのペデストリアンデッキやデッキに上がる階段と間近に重なり合うようなそういう構図になってしまっています。南側からだと、階段の影から覗くような形になってるんですよね。位置から見ても、あのような作品を鑑賞するそういう環境ではないと誰でも思うと思います。
広場はもうできてしまっておりますから、今の広場の中で、よりふさわしい場所を検討し直して場所を変えるべきじゃないかと思うんですよ。その際はね、JRと広島の敷地の境界なんて関係ないでしょう。今さら。
最後に提案なんですけど、例えば、彫刻の北寄りの方に、前が開けた場所があるんです。ベンチなどが置いてあって、背面には樹木も植えてあります。その位置は、後ろの道路が東の方にスペースを空けるような形に曲線になってるんです。そうして、その前面の直線になっているペデストリアンデッキからの距離が一番空くような形でまさに広くとってあるんですよ。
そういう場所だったら作品を鑑賞する周辺の環境の改善もできるんじゃないかなと思いますし、不十分であっても、バスの切符売り場の後ろに隣接しておいたままよりは遥かにいいんじゃないかなと思います。
新幹線で大勢の方々が広島に来られます。外国の方もたくさんおられるでしょう。文化都市と言いながら、ずいぶんと文化の程度が低いなと思われるようなことは本当に残念な話だなと思うんですよね。あれでは、彫刻が生かされているとは到底言えない。
今さら、先ほど言いました敷地の境界、こんなことはどうでもいいじゃないですか。それはJRとよく話をしてほしいと思うんですよ。JRの敷地内も含めて、あの広場は広島市が市民の税金で作ったわけでしょ。専門家の意見も聞いて一度、この配置を変更するっていうことについて、検討してみたらどうかと思うんですが、どうでしょうか。
(街路課長)
現在の広場内で、彫刻像の場所を変えることについては、建設当時の設置場所に係る協定があることや、美術品である像の移設にはかなりの費用を要することから、現時点では考えてございません。
なお、広島駅北口周辺では、都市開発の動きがあり、こうしたまちづくりが進んでいく中で、将来的に広場の改修を行う必要が生じた場合には、彫刻像の場所を変えることについても検討していくことになるのではないかと考えてございます。
(中森辰一)
今の場所っていうのは何か後ろから見てくださいというふうな位置関係になってます。やはり作品にふさわしい場所じゃないと思います。JRとよく話をしてもらったらいいじゃないですか。
敷地敷地っておっしゃいますけどね、JRは広場作りに一体どれだけお金を出したのか、出してないでしょう。
南北自由通路をつくる時だって、本当に一部しかお金出してないですよ。あの南口も北口も自由通路も含めて、ほとんど広島市の市民の税金じゃないですか。
そういうことを考えたらそんなJR遠慮する必要なんかないと私は思います。文化都市の広島市が、笑われないようにしてただきたいと。検討を改めてお願いをしておきます。