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付託議案
中央図書館等の移転整備について
広島広域都市圏における公共交通を利用した交流の促進
付託請願
請願第16号広島市立中央図書館等移転の再検討を求めることについて
請願第17号広島市立中央図書館等の基本設計およびエールエールA館への移転を撤回し、再検討を求めることについて
付託案件外
レッドゾーン内の住宅滅失後の宅地の固定資産税について
「パールハーバー国立記念公園」と平和記念公園との姉妹公園協定の締結について
(中森辰一)
私からは補正予算の2つの項目について質疑をさせていただきます。先に今2人の委員から図書館についての質疑がありましたので、こちらの方から、先にやらせていただきます。
今いろいろとやり取りがありましたけれども、要するに今回の補正予算説明で目を引いたのは、これまで65億円だと説明をしていた移転先のフロアの買い取り額、これ7億円増えるということになったわけですね全体で。65億円というのは概算額だという説明なんですが、そういうことでいいんだろうかと思うわけですよ。
今もありましたように、一番最初に57億円余りと言ってた。この数字から、市民は65億円に増えたねと思ってるわけです。それがまた約72億円に増えてしまった。今、説明を聞きますと、その最初の57億円余りというのは図書館本体だとおっしゃいましたけれども、しかしあのときに議論になっていたのは映像文化ライブラリーも、それからこども図書館もセットで集約をして、エールエールA館に移すということだったと思うんですよね。だから市民は、あれ全体でエールエールA館に移ってくる、その買い取り額が57億円余りだと理解していたと思います。それが、いつの間にか65億円に増えた。そして今回また約72億円になった。
買取額っていうのは、市民にとっても議会にとっても、どれがいいかということを考えるときの重要な要素だったと思うんですよ。それがこういうふうに変遷してきている。建築資材価格の高騰とか土地代の高騰、これはまた後で言いますけれども、それは要素としてありうるかもしれないけれども、しかしそれにしても、65億円のときにそういった説明というのはなかったと思いますし、そもそも57億円余りというのが65億円に増えたというときの説明もなかったかなと思ってるんですが、どうも不誠実ではないかと思うんですよ。市民に対しても議会に対しても。この点はどのようにお考えでしょうか。
(生涯学習課長)
付帯決議が出されまして、それには図書館の再整備について要は図書館の再整備方針を作って、その後に比較するということになっておりますので、それに伴って忠実に比較検討を行ったと考えております。
(中森辰一)
あなたの理屈はね、なかなか市民一般には通用しないですよね。細かいことを言うとこうなんですと言っても、全体としてこういうものですと説明をしてくれないと、比較検討というところで、判断が変わってくるかもしれないじゃありませんか。その辺は不誠実だなと思います。
それから、この今回の経緯を考えてみますと、どこに作るか、あるいは現地建て替えかということも含めていろいろ検討した。そして、これはなかなか現地建て替えは大変だから、よそへ移転させようという判断を広島市はした。そういうときに、南口開発の方から、ぜひエールエールA館に提案してほしいという要請をしてきた。南口の開発効果が一層上がるよというふうなことを言って、ぜひエールエールA館に対して整備してもらいたい、こういうふうなことを要請をしてきたということが、今回のエールエールA館になったわけですよ。
このエールエールA館の一番の中心である福屋、市民の中にはあのビルは福屋のビルだと思っておられる方がたくさんおられます。「あのビルは福屋じゃないの?」と、何人もの方から言われましたよ。まさにエールエールA館という名前よりも福屋という名前の方が通用していた。そういう状況があるほど、あの建物の中では福屋の存在というのは大きく、今でも大きいわけです。
しかしその福屋本体を見てみますと、もう長いこと赤字経営を続けておられて、改善の様子が見えません。官報に出ている資料で最近の10年間の経営状況を見ても、純資産と負債の合計額がおよそこの10年間で120億円減少しております。4分の1も減ってるわけです。
エールエールA館の駅前店の方も、先ほどオーバーストアというふうな話もありましたけれども、駅ビルが建て替わって開業しますと、今でも厳しい客足は確実に新しい駅ビルに吸い取られていく。いろいろとお客さんの流れを確保しようとこれからも努力はされるでしょうけれども、会社全体として厳しい現状にあって、駅前店もなかなか困難な状況が予想されております。
つまり、現状の福屋にとっては営業するフロアの縮小を簡単に了解するほど厳しい状況があるということではないかなと思っています。つまりエールエールA館という建物の商業ビルとしての価値自体が、なかなか上がっていくような状況ではないということではないかと思います。
そういう状況があるということを含めて、もうこれは過年になりますけども、ビルの開業から20年経って、福屋との更に20年先までの賃貸の再契約をしましたけれども、その際に、賃料を大幅に引き下げてそのために、敷金の7割近い48億円を福屋に返却をいたしました。エールエールA館が開業から20年たってずさんな経営計画を立てていたものですから、約束した内容で建設の際の借金を返す見通しが立たなくなった。何の当てがあったのか、20年後から毎年の借金返済額を倍に引き上げるという計画になっていたわけですよね。そんなことがうまくいくわけがないんですけれども、案の定20年経って行き詰まってしまいました。
その結果、融資先に返済期限を大幅に延長してもらうということと、利息を大幅に引き下げることを要請をした。
その際に広島市も貸付の利息額を6億円余り放棄しました。その際に、融資先を納得させ、了解を得るために、この計画が破綻するようなことがあったら、全額市民の税金で保障し、融資先にはこれ以上の損をさせませんという損失補償契約を結んだわけです。そこまでやらないと、あのビルの経営破綻したわけですよ。そういう経緯を市民局も承知しておられると思います。
損失補償というのは広島市が行いました。そのために、損失補償額を上限とする債務負担行為が提案をされ、利息の6億円の放棄と合わせて、議会は承認しまして、私どもは反対しましたけれども、要するに、この建物は市が運営しているっていうのと同じだということですよね。実質的に市が運営しているようなビルが、経営再建のめどが65億円で立ったとこの6月議会で報告された。あそこの経営報告ではなってるわけですよ。
であるにも関わらず、さらに市民の税金で追加をするってのはこれはなかなか市民感覚からいきますと納得できないということになるんじゃないかなと思います。
一方で、福屋の賃料は大幅に引き下げたんだと思います。ということは、このビルの使用価値自体が大幅に下がっているということではないかなと思います。20年以上もたった中古のビルだということもあると思います。
いずれにしても、使用中のビルの価格が地価の上昇で上がるというのは、なかなかこれも疑問ですよ。更地を買うということであるなら、地価をそのまま反映するということは納得されると思います。
そうではなくて、使用価値の下がったビルが建ったままの状態の土地なんです。
同様に、今建て替えをしたら、建築資材が高騰しているから、どうもビルの価値が上がったかのような説明がなされましたけれどもこれも納得できない。中央図書館を移転整備しようとしているのは20数年経った使用価値の下がったビルなのであって、新築のビルではない。
もちろん、経年劣化を今計算したというふうなことは言われましたけれども、しかしそれでもなかなか納得し難いですよね。関係ないじゃないかと一般的には思うわけです。
なぜ、更地でもない土地の地価の高騰とか、新築でもない中古のビルに入るのに、建設資材価格の高騰が理由になって、実質市が運営しているようなビルの買い取り額を増やす必要があるんでしょうか。
(生涯学習課長)
今のは土地建物の鑑定評価の手法の話だと思うんですけども、手法として、そういう手法を使ってそれで出された数字と。
それについては先ほど繰り返しますけども財産評価委員会の方にもかけて、その数字が適切に出されたものだということですので、きちっとした数字を出していると認識をしております。
(中森辰一)
不動産鑑定の結果だとおっしゃるわけですが、私はこのエールエールA館に中央図書館移転させること自体に反対なんですけれども、それにしてもこの不動産取引っていうのは民間同士の厳密な鑑定をして、やり取りをするような取引じゃないじゃないですか。
結局広島市の建物ですよ、あれは。他に地権者もいらっしゃいますけれども、しかもこれは広島市が損失補償契約をしなければもう破綻しとったビルですよ。そんなビルを買い取るのに、なんでまた65億円出すっていうのも私はどうかと思います。しかしそれにしても、一旦は65億円ですと言って説明しとったものですよ。しかも、ここを運営している南口開発の方は、この65億円で経営再建できますと説明をしてるわけですよ。それだったら、65億円のままでもいいんじゃないですか。もしかしたら投げ売りをしなくちゃいけないような建物かもしれないわけですよ。こういうふうな状況にあるビル、民間のビルではありませんよこれは。本当の意味で、広島市がおらんかったら成り立たないビルですよこれは。
こういうビルの、福屋にとってはもう明け渡したいような実態にあるあのフロアを明け渡してもらって、そこに広島市の施設が入る。そういうものをわざわざ地価の高騰とか、建築資材価格の高騰とかそういうことを理由にして、1割以上引き上げて払うということは、なかなか納得しがたいと思います。この点、どういうふうに思われますか。
(生涯学習課長)
市が高く買うために71億を出せということではございません。あくまでも公共として、適正額で購入するということについて出させていただいた数字だと認識しております。
(中森辰一)
南口開発がちゃんと経営がやってきますと言ってるその枠内でやり取りをすればいいんじゃないかと思います。民間であればおそらく値切ったりとかそういう交渉もやるんじゃないですかね。今のそのビルの実態いうのを見て。
実際にオーバーストアということになれば、あそこの使用価値は本当に本当は下がるんじゃないかなというふうな気もします。
それから、先ほどもありましたけれども、賃貸の部分の話がありました。7階のフロアの一部を閉架書庫の場所として使う、それから地下2階の一部も使うわけですが、これも賃貸という格好でやらざるを得ないということになっておりましたが、今回の72億円弱、この中にはこの賃貸額っていうのは含まれていないわけですよ。
一体いつまで賃貸のままでいくのかということもあります。一部の地権者が納得しなければ、ずっと賃貸のままということもあり得るわけですよね。そこで他のフロアの賃貸、福屋が借りてるわけですけども、そういうところのワンフロアが大体全体でどれくらいの賃貸料になっているかというところから、階数によって違うかもしれませんけれども、今回の面積を考えて、一体どの程度のものになるのかと。見込みぐらいは示してもいいんじゃないかと思うんですけど、どうなんでしょう。
(生涯学習課長)
南口開発が各テナントさんとどのような契約をしているかというのは、おそらくうちの方に情報提供してもらえるような情報ではないと考えております。
それぞれの相手によって契約額を決めて、対応されているものだと考えておりますので、フロアで単価がいくらでいくらっていうような契約ではないんではないかと考えております。
(中森辰一)
もしかしたら賃貸のままで40年使うかもしれません。今、広島市は40年使うと言っているわけですけども、60年あのビルが持つのかというお話もありましたけれどもね。そうするとこの賃貸料は確実にこの72億円に上乗せをされていくわけですよね。72億円だと判断するわけにはいかない。ここを実際に買い取るとなったときも上乗せされますけども、これ40年も使うという話だったらもうちょっと大きな額になっていくんじゃないでしょうか。
そういう情報がないままで、こういう判断を議会に迫るということ自体がおかしいんじゃないですか。これ南口開発にちゃんと示してくれりゃいいじゃないですか。そうしないと買えないよと、議会は判断できないよというふうなことを言ってもいいんじゃないですか。
全体が実際いくらになるのか、建築費はまた別ですよ。そんなことわかってますけども、それ以外にこの建物のフロアを使うのに一体いくらかかるのかっていうことがきちんと示されもしない。そんなことでこれでいいよと議会としていうわけにいかないじゃないですか。こんな提案をおかしいと思いますがどうでしょう。
(生涯学習課長)
当然に賃貸料がかかってくるということになれば、それに対する予算要求をしていくことになりますので、それについて議会にお諮りすることになると思います。
それに向けて南口開発の方に向けても、賃料を広島市の方に提示する準備をされているとは聞いております。
(中森辰一)
建築費は別にして、一体このそもそも不動産に関わる不動産取得、その使用に関わる費用が一体いくらになるか全くわからない。
今の高速道路の問題がありますけどね、一体いつ終わるのか、一体いくらかかるのかわからないけれども、変更契約もしないままに工事だけ進めている異常な公共事業ですけれども、こういうことをこの図書館の問題でも繰り返すわけですか。そんなことしていいんですか。私はそう思います。
(中森辰一)
それからもう一つ、広島広域都市圏における公共交通を利用した交流の促進というところで533万9000円計上されております。
本会議でも聞いたんですけれども、この公共交通の利用促進という点ではちょっと疑義があります。広島市内でも今日公共交通の便の悪いところがあります。ましてや市外県外ということになりますと、公共交通だけではとても、自治体相互にということになってますけれども、訪問して交流ということには実感としてならないのではないかなということで、本会議でも質問したんですけども改めて伺います。
(広域都市圏推進課長)
本事業につきましては、公共交通を支えることが、基礎自治体である本市の重要な責務と考えております。この公共交通の利用促進と地域における地域コミュニティの活性化を同時に実現することを企図した事業でございます。
今ご質問のありました、公共交通が身近にない自治体のエリアにつきましては、市町内に例えば公共交通の駅等がない団体につきましても、近隣の最寄りの駅やバス停等に集合していただきまして、その地点から交通費を出していただいて利用していただくことで、そういった利用を促していくことができるものと考えております。
(中森辰一)
実際に町内会の会長さんやっておられる方も言っておられたわけですけども、自分たちがよその取り組みを視察に町内会で行ったけれども、高齢であったりとか、非常に便利が悪かったりとか、乗り換えを頻繁にせんといかんとかそういうことで結局マイクロバスをチャーターして利用したと聞いています。
実際にはレンタカーでマイクロバスを利用したりとかバス業者タクシー業者に依頼したり、あるいは自家用車を連ねていくということが多いんではないかというのが現実ではないかなと思います。
あなた方が説明をされた意義を否定するものではありません。しかし、どうも本当にこれが使われるんだろうかというところで疑問符がついているわけですよ。この予算規模533万9000円。この予算規模を考えてもそんなに大きな成果を上げようという考えじゃないんじゃないかなという気もするんですけども、これはどうなんですか。
(広域都市圏推進課長)
本事業によりまして、町内会自治会や、例えば広島LMOなどのの地域コミュニティの担い手が公共交通を利用していただくことで、その圏域内を活発に移動していただくと、こういったことで、公共交通が地域住民の日常生活であったり、地域経済を支えるための不可欠な存在として受けられ、かつ広く利活用される環境の整備に繋がるという効果が期待できるものと考えております。
こうした考えのもとで、今年度は交流事例の蓄積でありますとか、需要の喚起などを行うための、本市との連携市町間または本市内の移動に限定しまして、モデル事業として実施するものと考えているのでございます。
(中森辰一)
モデル事業とおっしゃいましたけれども、この533万9000円という予算はどういうふうに積み上げられたものなんですか。
(広域都市圏推進課長)
まずこの事業の立ち上げにあたりまして、関係市町とまた本市内でもヒアリング等を本市内の関係部署と行いまして、本市と連携市町がそれぞれ270件程度、それを合わせまして540件程度行われるものと、あの試算をさせていただいてるものでございます。
(中森辰一)
540件程度で533万9000円。1件当たり1万円ということなんですよね。それで間に合うのかどうかっての私はようわかりません。
けれどももう一つ伺いたいのは、今回広島市が立てた予算、これはこの圏域内の他の市町も協調して同じように予算を立ててるんですか。
(広域都市圏推進課長)
当該事業につきましては、連携市町の中でまず賛同が得られたということで、ただ本市におきまして、今回先ほど申し上げましたけれども、事例の蓄積であるとか、需要の喚起を行うということでモデル事業に位置づけてということでございますので、これは本市の方で、この度は事業の経費を負担するものとして位置づけております。
(中森辰一)
連携都市圏同士の都市圏の中でのいろんな事業をやっていくというところでいつも思うんですけども、広島市が牽引する都市なんだと、中枢都市なんだというところで予算が一番多いと。出すお金が一番多いというのはそりゃわかりますけれども、しかし、広島市だけがお金を出す事業というのはいかがなものかなと思うんですよね。
同じようにこの一つの事業参加する都市としない都市とあるんですけども、参加する都市はそれなりに協調して、全体の事業費を見積もってその中で都市の規模に応じてお金を出し合うとか、そういう形にすべきじゃないかと思うんですよ。
今回みたいにモデル事業だと言ったって、最初から自分たちも一緒に検証に立ち会ってくという立場で事業を一緒に進めていくという姿勢がどうも欠けるんじゃないかなという気がするんですけども、そのあたりどうなんですか。
(広域都市圏推進課長)
このたびの事業につきましては、広島広域都市圏におきまして、人、物が活発に循環し続けるために、それらの移動を容易にする公共交通ネットワークの活用が不可欠であると考えておりまして、この公共交通ネットワーク圏域内の維持につきましては、連携中枢都市である本市が圏域全体の発展を牽引する立場として、本市が中心となって取り組むものと考えているものでございます。
(中森辰一)
この予算の財源はどうなっておりましたかね。財源は全て一般財源ですよね。ですから、広島市として中枢都市としてやっていくんだということで広島市がお金を出してこういう事業をいろいろとやっていってるわけですけども、別に国が補助金を出してるわけでもない、広島市が独自にやっていこうというわけですよ。
中枢都市圏の、お互いに協力し合ってこの都市圏の中を活性化していこう発展させていこうということでやってるわけだけれども、それにしては、どうも広島市に比べて他の自治体の熱量が、どうも温度差があるんじゃないかという気がしております。
前に、この広域都市圏の問題が出てきたときに、他の連携都市の大きい小さいありますけども、全部見ていましたけれども、きちんと位置づけられてると思えないようなところも結構たくさんあるんですよ。
その辺はね、広島市が一生懸命やってるけれども、私はこれについてはちょっと評価が違うんですが、他の自治体が同じような熱量でやってるとはとても思えません。この部分について別に反対するものでありませんけども、その辺がどうも納得いかないなということだけは申し上げておきたいと思います。
(広域都市圏推進課長)
ただいま委員からの財源の話が最初ございましたけれども、本事業は第2期広島広域都市圏発展ビジョンに掲載しております、圏域内連携交流促進事業として実施することを予定しております。
これにつきましては、連携中枢都市圏制度に基づく特別交付税措置、これは経費の10分の8が当たりますけれども、これが措置される見込みとなっておりますので、これを充当することとしております。
それから圏域市町との連携につきましては、本市がまさに牽引役となって、こういったところへの関わりというところをもっと深く関わっていけるように、われわれとしても各市町とのヒアリングそれから担当課長同士のそういった会議も含めまして、いろいろな新規連携、新規事業の創出等で連携を図っていくこととしておりますので、そういった姿勢で臨んでいきたいと考えております。
(中森辰一)
答弁があったのであえて申し上げますけど、交付税ってのは、結果的にいくらくるはずだということがわかってるお金ではないんです。
もう皆さんよくご存知だと思いますけども、いろいろ算定のありようというのはあるんですけれども、しかし、この事業のためのお金っていう名目はつけていろいろ算定されてくるけれども、総額的にその通りに来るとは限らないお金でありまして、ということは本当にお金をこのために使いたいけれども、使っていいものかどうかということはなかなかわかりにくいお金だということだけ申し上げておきます。
(中森辰一)
提案されました議案のうち第85号議案広島市一般会計補正予算第3号には反対といたします。
理由は、中央図書館の移転整備費は納得ができないということであります。エールエールA館の一部フロアの買い取り額が、市が当初説明しておりました65億円から計71億9000万円余りと、約7億円も増額になっているということが問題であります。65億円は概算だということなんですけれども、エールエールA館の経営は何かあったら結局広島市が尻拭いをするということになって、つまり、広島市の持ち物と同様だということであります。経営を行っている南口開発株式会社自体が、既に65億円で経営再建を行うと、計画を立てているわけで、あえて7億円もの資金を市民の税金を使って追加してやる必要はありません。
元々このビルの一部フロアを買い取るという経済取引自体、本来、優位に立つのは広島市の側であって、南口開発株式会社の方は経営の実情から考えても、買い取りをお願いする立場なわけですから、対等に不動産鑑定通りの価格を請求できる立場でもありません。第一、あのビルに不動産鑑定で出すような値打ちがあるとは思えません。再度建て替えた際の建築費が反映するなどという説明も当然納得できません。
だからこそ、開業から20年後の福屋の再契約の際は、賃料が下がったんだと思います。
市民の間では、中央図書館をエールエールA館に移すのは、経営の先行きが見通せない南口開発株式会社の経営再建のためだという認識は広がっております。そういう中で7億円も追加するというのは、市民の納得は得られないと思います。
中央図書館の商業ビルへの移転整備そのものに反対してまいりましたけれども、7億円あるんだったら他に、子どもたちのところに使ってもらいたいところはいくらでもあります。
こういう税金の使い方に賛成するわけにはいきません。ゆえに85号議案には反対いたします。
(中森辰一)
図書館に関わる請願陳情が出されております。まとめてこれに関わる質疑をさせていただきます。お金の話は先ほど行いましたので、それ以外の部分について発言をいたします。
これまでもう2年にわたってこの議論を繰り返してまいりました。不十分なところは多々あったかなと思いますが、今回新たに請願を出されたということも踏まえて改めて質疑もさせていただきたいと思いますのでよろしくお願いします。
まず先日の都市活性化対策特別委員会で、中央公園内の施設の再配置、集約化の方向について説明がありました。そこでは説明はなかったんですけれども、市が計画しているように中央図書館と映像文化ライブラリーが広島駅前のビルに移転したら、その移転した後の跡地に、音楽ホールなどを作るといったことが取り沙汰されております。
あの土地は空き地のままにしておくのか、それとも文化関係の施設を作るといった考え方もあるようですので、音楽ホールのようなものを作るという考え方があるのか、どういうことなのかその点について教えてください。
(文化振興課長)
中央図書館の跡地に音楽ホールということでございますけれども、その具体的な検討をですね行っているものではございません。
(中森辰一)
あえて申し上げておきたいと思うんですけども、中央図書館等を駅前のビルに移転する際の費用の相当部分を国の補助金で賄うことができるという説明があったんです。
しかしそれは施設の集約化の取り組みを推進するための補助だったということなんだと思いますけども、この点については確認をさせてください。
(生涯学習課長)
施設を集約化するということで、集約債を使うということでございます。
(中森辰一)
公共の建物が別なところに移設されますと必ず跡地ということが出てきます。あの敷地は売却するわけにはいかないものですので、その跡地をどう活用するかということが必ず出てくるでしょう。
しかしそこに新しい建物箱物を作るということになりますと、公共の箱物を集約する方向とは逆のことになるんじゃないかなと思いますが、これについてはどういうふうにお考えですか。
(市民局次長)
公共施設集約債につきましては、公共施設等総合管理計画の中の個別施設計画で掲載されております施設につきまして、集約複合化を図るという観点で使用できるものと認識しておりますので、今議員ご指摘の全く新たな施設を整備をするという議論とは別の話なのではないかと考えております。
(中森辰一)
あえてこの問題は言ったんですけれども、結局、私達は別に集約という考え方はしていなかったんですよね。だけども、あえて集約ということについての、国の補助金なり、国が元利返済に当たって交付税で手当てしてくれる、そういう債権を使うということなんですけども、そういう考え方でいろいろ集約すると言いつつ、事業を進めていくことに対して、先ほども市民的な感覚と申し上げましたけれども、跡地にまた新しい建物を作るんだったら、結局集約にはならないじゃないかと思われるのは普通のことですよ。
それからもう一つ、跡地ができたから、新たな建物を作るということになりますと、結局はその事業費も含めて、その移転整備ということに上乗せをしていかないとつじつまが合わないんじゃないかという話も出てくるかなと思うんですよね。
今、広島市の財政は極めて厳しいとあなた方がおっしゃってます。日頃から。そういう中でいろんな事業が行われておりますけれども、しかし、市民の暮らしの実態もあるわけですから、そういうところと整合した形でお金を使わなければなりませんし、できるだけ今すぐ必要でないものは作らない。私たちは建物を新たに作るということ自体に反対はしません。必要なものは作る必要があると思うんですけども、しかしそれは、経済的な実情、市の財政の現状、市民の暮らしの実態、思い、そういうものを踏まえたものでなければならないと思っておりますので、今回集約化ということがあえて出てきておりましたので、この点は矛盾しないように考えていただきたいなとあえて申し上げておきたいと思います。
それから、新たに提出された請願第17号にある指摘について、当然できていないといけないと思われることを含めていくつか聞いておきたいと思うんですが。
請願では広島駅前地下通路網の最深部にあたる場所、つまりエールエールA館の地下2階そこに、集密書庫を置いて大量の蔵書を収納するリスクというものを正当に評価しているのかという疑問が出されておりますけども、この点について見解を伺いたい。
(生涯学習課長)
エールエールA館のある場所につきましては、10年に一度の雨が降ったとしても浸水しない地域に位置しております。
基本的に、そうは言いながら1000年に一度の雨が振るということになれば全市的に水没するということになるんですけども、本については貴重書庫というのは、上位階7、8、9、10というところに置き、また貴重書については9階の貴重書庫で保管していくということで対応していきたいと考えております。
(中森辰一)
あそこに貴重書庫を置かないからいいというふうな話だったと思います。10年に一度あるいは1000年に一度みたいな話もありましたけど、今は50年に一度という雨は頻繁に降るんですよね。そのリスクという点では、もう少し厳密に実態に合ったものを今日の気候状況に合ったものをという形で考えていくべきではないかなと思います。
それから、高層ビルだとどこも大規模地震とか火災の際の避難誘導っていうのが問題になるんですけども、今回はビルの一番高いところに市の図書館を整備して、大勢の人々に来てほしいと言ってるわけです。
少なくとも8階から10階での避難誘導の責任は市にあるということになると思いますけれども、そのあたりの検討はされているでしょうか。
(生涯学習課長)
今でも既に営業されている建物ですので、避難ということに関してはきっちりできていると考えております。当然図書館ができても、避難訓練を実施しながら適切に避難できるようにというのは継続していくと考えております。
(中森辰一)
つまり、今までの使い方と違って、図書館という商業ビルとしては考えられていなかった使い方をするわけですよ。ですから、人の流れも違うでしょうし、来る人の数ももしかしたら違うのかもしれません。できるだけたくさん来てほしいと思ってるんでしょうから。あるいは、子どもたちにたくさん来てほしいというようなフロアだってあるわけですから、これまでのやり方を踏襲するっていうことではなくて独自に新しい使い方に合わせてどういうふうなことが考えられるのか、改めて検討し直すという考え方は必要じゃないかと思いますけども、どうでしょう。
(生涯学習課長)
現在以上に、新たな利用状況によっての避難が必要ということであれば、その都度しっかりと対応していくことになると考えております。
(中森辰一)
前回の総務委員会でも少し質問があったかなと思いますけれども、フロアの中央に大きな吹き抜けがあります。7階までの音の処理どうするかということが問題になると思うんですが、この問題はどういうふうに処理されることになっていますか。
(生涯学習課長)
吹き抜け部分には、ガラススクリーンを囲んで、基本的には転落防止ということ含めて音の方も軽減できると考えております。
また基本的に図書館の下になる7階6階というところは図書館の静かな環境を配慮したテナントが入ると聞いておりますので、特段それによって音がすごく上がってくるとは考えておりません。
(中森辰一)
入口を除いて完全にガラス壁で、壁を作ってしまうと理解してよろしいんですか。
(生涯学習課長)
エスカレーターの出入りの部分を除いてスクリーンで囲うということになります。
(中森辰一)
それが結果的にどういうふうに音がシールドされるのかっていうのはまたわかりませんけれども、たちまちはそういうふうに考えているということなんですね。
音に関しては、映像文化ライブラリー上映室の遮音対策は完璧でなければいけない、これは前提条件だと思うんですが、この請願にもありましたように、例えば対面朗読室の対策、当然必要なわけですけど、この配慮っていうのはきちっとなされているんでしたでしょうか。
(生涯学習課長)
映像文化ライブラリーにおきましては、基本設計の中において現施設の実際の上映時の音響調査なども行っておりまして、必要な防音性能を確保できるよう検討を行っております。
周辺諸室に対して振動より伝わる音を低減するような防振構造、床を二重ににするということなんですけども、するとともに壁や建具天井については、吸音遮音性の高い素材を採用するなど、周辺の防音対策を実施する計画としております。
また、対面朗読室につきましても遮音性能を有する間仕切り壁を設置し、開架エリアと区切られた部屋とすることで落ち着いた空間で利用していただけるように考えております。
(中森辰一)
図書館として使うというこれまでの使い方と違うことになるわけで、全面的に改装するんでしょうから、照明も当然やりかえをしていくということになるんだろうと思うんですが、その際に、図書館専用あるいは図書館であるとことを配慮した照明のあり方、先程紫外線を除いた照明にしていくとかいうふうなこともあったんですけども、今計画の中で、実施設計をしていくにあたって、もう考えられていないといけないと思うんですけども、そのあたりはもう検討済みということでよろしいんですか。
(生涯学習課長)
詳細は今進んでいます実施設計の中で検討していくことになりますけども、色温度とかそういった実際の照明の明るさっていうのは、本を見るところ、くつろぐところを考えながらしっかり検討していきたいと思っております。
(中森辰一)
しっかり検討していきたいというお話でしたが、この実施設計はいつからかかるんですか。
(生涯学習課長)
実施設計はもう既に進んでおります。細かい部分について今検討しているところなので、その中で図書がしっかり読めるような空間を作るための照明を設置していきたいと考えております。
(中森辰一)
これは専門家から意見を聞きながら、実施設計をする側にこういうふうにしてほしいという要請をしていくということですか。
(生涯学習課長)
設計されておられる方も図書館の建築されておられる業者さんでありますので、そういったところも含めながら要はどういった形っていうのを提案していただきながら、また照明のメーカー等もお話しながら決めていくということになると思っております。
(中森辰一)
それから南側、川がある側。ここに大きな壁に穴を開けて、窓にしていくガラス面にしていくということで、景色が見れるようにするんだということになっているわけですけども、その場合、これは音の遮断、日射の処理っていうことはこれは当然問題になってきます。
この辺りはどういうふうに処理することになっているんでしょうか。
(生涯学習課長)
窓を開ける部分に関しましては、室内への熱負担軽減のためのガラスの種類を複層ガラスにするとかブラインドを設けるというような計画にしております。
また、窓の近くには本を必ず置かず、ゆったりとくつろげる閲覧室を中心に配置するというような計画になっております。
(中森辰一)
映像文化ライブラリーのことなんですけれども、基本方針で先ほどもありました視聴覚ブースを廃止するということになっているということなんですが、疑問にありましたように、16ミリフィルム、DVD、CD、レコーディングテープ、これ一般に貸し出しをする。この中には、外へ持ち出してもいいものと、そういうわけにいかないものとあると思うんですけども、この貸し出しっていうのはどういうふうになるんですか。
(生涯学習課長)
今、インターネットの配信など視聴スタイルの多様化に伴って音楽とかビデオ等の視聴に対する市民ニーズの変化とか利用状況により、専用の視聴覚コーナーというのは今回廃止するんですけども、新たに整備する中央図書館においても、図書館内の閲覧室を10階の映像文化ライブラリーそばになりますけども、AV視聴席を設け、レコードやビデオ等を使用するための機器などを備えるか貸し出すなどして、市民の方に利用できるようにしていくよう基本計画の中でもそういうようにしております。
(中森辰一)
16ミリフィルム、それからDVDの全部かどうかわかりませんが、外で例えば市民団体あるいは町内会子ども会なんかで上映会とか視聴会、そういうものをやるのに貸し出しをするということができるようになっていると思うんです。
ただ個人的に中で見てもらう以外にはないというものもあるんではないかなと思うんですが、これをやる場所がなくなるということなんですよね。グループで見れるような場所は作られるようになっていたと思いますが、個人で見る場所というのはあったかなと思うんですけどこれは作るんですか。
(生涯学習課長)
個人で見れる部分につきましては10階の映像文化ライブラリーの西側そばにAV視聴席というのを設けておりまして、そこで見ていただけるように考えております。
(中森辰一)
それから上映室の問題前回も聞いたんですけれども、上映室の奥行がおよそ3分の1程度短縮するということだったと思いますが、それでよかったですかね。
(生涯学習課長)
距離的にはその20mが15mになりますので4分の3程度になると考えております。
(中森辰一)
それにあたって、今保有しているレンズでちゃんと焦点が合うのかと。映写機もそうですがレンズももう生産されていない貴重品だと聞いておるわけですけども。そのことを聞いたんですけど大丈夫だという答弁だったと思います。
改めて聞くんですけど、本当に4分の1焦点距離が短くなる、それでピントが合うのかどうか。合わないってことになるとレンズをどうやって入手するかということになるかと思いますが、その点はどうなんですか。
(生涯学習課長)
既に試しておりまして、15mで映写できるということは確認しております。
(中森辰一)
その短くなるけど、これ、ちゃんと映写できるということなんですよね。スクリーンサイズのことなんですが、スクリーンサイズは今の上映室と同じ大きさのスクリーンを使用すると聞いていたんですが、その通りでよろしいですか。
(生涯学習課長)
実際のスクリーンの幕につきましては、同じ大きさということになります。
(中森辰一)
ただ同じレンズを使って、焦点は合うということなんですが、距離が4分の1短くなる。そうすると、映像の大きさが横幅も高さもそれぞれ4分の1ずつ短くなるということになるんですが、その通りでしょうか。
(生涯学習課長)
フィルム、レンズによっては言われる通り、多少小さくなる部分もあるとは聞いております。
(中森辰一)
聞いておりますということじゃなくて、これは計算するとわかると思うんですけども、横幅と高さがそれぞれ4分の1ずつ短くなると、映像全体の面積が4分の3が残るわけですから4分の3×4分の3、16分の9いうことで、大体4割程度面積が小さくなるんじゃないか。かなり小さくなるという印象なんですけども、どういうふうにお考えですかこの問題については。
(生涯学習課長)
まだ4割小さくなるかどうかっていうのわかりませんけども、基本的には多少小さくなるというのは間違いございません。
基本的にホールにつきましても、基本的には今あるホールよりも小さくなりますので、見るということに関しては大きく影響はないと考えております。
(中森辰一)
映像の面積が小さくなると、かなり迫力に欠けるようなそういうものなんじゃないかなと思うんです。
今の映像文化ライブラリーのコレクションってのはこれはシネマサイズのスクリーンに映写されたものを、ストックしてあるコレクションしていると思うんです。そういう点では、できるだけ本来の形で鑑賞できることが望ましいんじゃないかなと思います。
ただそれは大きく損なわれるんじゃないかなということになる。残念なことだなと思います。ただスクリーンのサイズだけは今までと同じだということなんですけども、これはどういう意味があるんでしょうか。
(生涯学習課長)
今の映像を映すホールでにおいても、それだけの幕が付けられるということでございます。
(中森辰一)
スクリーンだけ大きいけれども、要は壁面が同じ大きさだという意味かなと思うんですけども、でも、映像する画像は小さくなってしまう。一番前で見るということになると小さくなったなという感じになるかなと思いますので、その点は、やっぱりああいうところに移転すると、こういうことになるのかなと思います。
それからもう一つですけど、電子図書館、これは計画は全然ないんですか。
(生涯学習課長)
電子書籍につきましては、図書館職員が今導入に向けた調査研究を進めているところでございます。今後図書館職員等具体的に検討を進めていきたいと考えております。
(中森辰一)
電子図書館として整備するとなるといろんな機器やスペースがいるのではないかなと思うんだけども、その辺りの余裕というのか、そういうことを考えたレイアウトというのか、そういうことは行われているんでしたか。
(生涯学習課長)
電子書籍サービスは、インターネットを通じてスマートフォンやタブレットなどの端末から電子書籍の貸し出し閲覧などを行うことができるサービスとなっておりますけども、導入にあたっては館内に紹介コーナーを設置するなど利用促進に向けた取り組みを行っていくことになると思っております。
そのことによる設計上の大幅なレイアウトの変更は生じないと思っておりますので、そういったことも今の中で十分できると考えております。
(中森辰一)
もう終わりますけれども、今回、議会が認めてしまっているわけですが、エールエールA館に移転整備をするということで今、準備が進められています。来年度からはおそらく、整備工事とかかるのかなとも思うんですけども、商業ビルを使うということでの制約というのはどうしても出てきたんではないかなと思うんですよね。
なぜ集密書庫を地下2階に置くのか。なぜ閉架書庫を7階にわざわざ別途置かなくちゃいけないのか。大方の最初のころの議論では、3フロアで全てこの図書館の移転というのは片付くというふうな理解もあったんじゃないかなと思うんですけども、なかなかそうはならない。
それは、重い集密書庫を階上のフロアに持っていくわけにはいかないという制約の中で、そういうことにもなってきたんではないかな。8階から10階だけではなくて、7階それから2階もスペースをとる。もちろん1階には荷捌き場がいる。そして地下2階にも書庫を設ける。使い勝手という点で非常に大きな制約がここには出てきてるんではないかなと思います。
そういう点では、もっと最初からそういうことも含めて情報提供してきちんと検討していく。市民と一緒に話をしていくということが必要ではなかったかなと改めて思います。今日はこれで終わります。
※平岡委員の質疑後
(中森辰一)
ちょっと今お話を聞いてて、ちょっと二つ考えたんですけれども。
一つは、今の金額の話ですけれども、要するに、提示する額がこれだけですよというお話である。市としてはこれ以上の金額は出せないという、そういう話だよと理解しますと、そうすると南口開発の方が65億だと言ったので65億でいいですということになったから65億になるっていうことでいいんですか。
(生涯学習課長)
公共しては適正額を提示するということになりますので、基本的には今回の額を提示するということになります。
(中森辰一)
先ほど申しましたように、広島市と南口開発との関係というものがあると思います。広島市がなければ南口開発の経営は成り立たない。そういうことを考えるとやはり、65億でいくと決めたんだったら、65億でいいじゃないかというふうな交渉は市としては当然やるべきでしょう。だって税金を使うんですよ。7億円も余分に。
そこはね、ぜひ考えていただきたいということと、もう一つは現場の職員の意見を聞くというお話があったんですけども、中央図書館、全部の図書館そうなんですけども、これは指定管理者制度ということになっています。非公募ではありますけども専門性があるということで、非公募ではあるんですが、しかし現場の人たちは、いろいろ話を伺いますとね、市に対してはものすごく遠慮してるんです。
もしかしたらこれが公募になって、自分たちが指定管理者としてやってるけれども、この仕事が奪われてなくなってしまうんじゃないか。そんな心配もしながらこの図書館の問題については対応してきたんだと思います。そこの現場で働いているたちのいる人たちの声を聞きますとね。
そこは配慮して、忌憚なく意見が出せるように、1回とか2回とかじゃなくって気づいたことがあればいくらでも話をしてほしいと。市の方もよりよい図書館を作りたいということなんだと思いますから、そこは指定管理者として働いてる人たちの立場を配慮した上で、本当の意見が出てくるような配慮っていうか意見の聞き方っていうのはいるんじゃないかなと思いますけども、この点はどうなんでしょうか。
(生涯学習課長)
現在その実際に設計している担当レベルでの協議を繰り返しておりますので、皆さんの声を拾い上げられていると考えております。
(中森辰一)
現場の意見を聞いたらそうなってないからあえて言ってるんですよ。その担当者のレベルでなくて、実際に現場で働いてる人たちがどういう声を上げているか、どういう意見を持っているか。そういうことをきちんと踏まえて取り組んでいく必要がある。
図書館長とか副館長とかそういう管理の立場にある人たちだけの意見じゃなくて、その人たちがまとめてきた意見だけじゃなくて、現場の人たちの、そういうふうに上がってこない意見もあると思いますよ。そういうこともきちんと踏まえないと、いい図書館はできないと思いますので、そういうことも配慮していただきたい。このことは、あえてお願いをしておきます。
(生涯学習課長)
先ほどの、担当者レベルというのは管理者ではないレベルでお話をさせていただいてると。一般職員と話をさせていただいてるということでございます。
(中森辰一)
お疲れ様です。3点質疑を質問することにしております。最初にレッドゾーンの中の住宅災害で、住宅が滅失した後の宅地の固定資産税をどうするかということについて、伺っていきたいと思います。また、提案をしたいと思います。
広島市では最近の30年間でも大きな規模という点でいうと3回集中豪雨による大規模な土砂災害で多くの命が失われ、また、住宅を失った方もさらにたくさんおられます。そうした中で、これからも災害が発生する恐れが大きいということで、土砂災害特別警戒区域、いわゆるレッドゾーンに指定された区域が、もう既にたくさん存在しております。
レッドゾーンには原則として住宅の建設はできない、実際は可能ですけれども、通常の土地に住宅を建てるよりも遥かにコストが増える。心理的にも危険な場所に、あえて一生ものの住宅を建てるということはしないのが普通だと思います。
そうなりますと、民間での該当の土地の売買っていうのは一般的には成り立ちにくいと考えるべきだと思います。つまり、当面の公共の場所として活用する以外はなかなか使い道がないというのが、これらの土地ではないかと思うんですが、こうした土地について現状の固定資産税の課税ってのはどういうふうになってるでしょうか。
(固定資産税課長)
土砂災害特別警戒区域の指定を受けた区域、いわゆるレッドゾーン内に所在する土地につきましては、土地の評価額の算出にあたり、総地積に占めるレッドゾーンの面積の割合に応じて減額補正を行った上で税額を算出しており、税負担を軽減しているものです。
また、災害により住宅が滅失し、更地になった場合、被災後2年度間は住宅用地とみなして課税標準の特例措置、被災住宅用地に対する特例措置でございますが、これを適用することとされています。
(中森辰一)
レッドゾーンになったので、その土地の評価額も大きく下がるわけですけれども、しかし一定の特例措置というものを設け、2年間という期限を設けてやるということなんですよね。
ただ、そのときの評価額に基づいた固定資産税、実際には課税されているんだと思うんですけど、課税されますと以前よりも評価額が下がったとはいえ、通常の評価に応じた固定資産税を納めるということになるんだと思います。
しかしながら、災害で失った住宅を失った方々っていうのは、何らかの形で新たな住宅を得て生活をしておられます。また、新たに別なところに住宅を土地を求めて、住宅を再建されたという方もいらっしゃいますし、マンション購入されたっていう場合もあります。あるいは、賃貸住宅に居住することになったという方もいらっしゃると思います。
いずれも住居について、災害に遭わなければ必要がなかった新たな負担をしておられる。新たなローンを払ってそこに新たな固定資産税を払っていらっしゃるわけですよね。そこで、あるいはそれらを合わせた規模の家賃を払っているというところもあります。
その上に、売ることもできないし住むこともできない土地のために固定資産税を払い続けるっていうのは、なかなか苦痛ではないかなと思います。しかも更地になっているために、住宅があるよりも、実は3倍あるいは6倍になる固定資産税を払わんといけんわけですよね。
それで、この先ほど2年間特例措置というふうなことがありましたが、その軽減する方策っていうのはないんでしょうか。
(固定資産税課長)
先ほども答弁いたしました通り、災害により住宅を滅した土地につきましては、被災後の2年度間、課税標準の特例措置を継続することで税負担を軽減するものでございます。
(中森辰一)
2年度間だけだということなんですね。皆さんもよくご承知の通り、元々レッドゾーンと言われるところに住宅を建てて住んでおられた方々の多くは、危険なところにミニ宅地開発っていうのがどんどん行われたわけです。当時はそれに対する規制っていうのがほとんどなかった。そういう中で危険な区域が宅地開発をされ、そこを購入して住み始めたという方々なわけです。こういう方々に、そもそも危険な場所に住んでいたという責任を問うことはなかなかできないと思います。
そうであるんであれば、ほとんどが高齢期を迎えて、年金が主な収入の世帯が多い状況だと思いますが、そういう人たちが、相当の住居費の負担をしながらそれに加えて、自分たちの生活にとっては意味がない土地の固定資産税の負担をしなければならない。こういう状況を何とか改善しようという発想があってもいいんじゃないかなと思うんですけども、市としてはどういうふうにお考えでしょうか。
(固定資産税課長)
固定資産税は土地などの固定資産の有する価値に着目して、その資産を所有することに担税力を見出して課税するものでございまして、現行の制度以上の軽減はできないものでございます。
なお、住宅の滅失の有無に関わらず、土地の評価額の算出におきまして、例えば土地全体がレッドゾーンの指定を受けている場合においては45%の減額補正を行った上で、税額を算出しているところでございます。
(中森辰一)
現状では課税額そのものが、少し配慮して減額をしてるんだというお話だったと思うんですけども。広島市の行政としても、こういうレッドゾーンに住み続けることは避けるべきだとお考えだと思います。
なので、そこからの移転を促進するという目的を持ってレッドゾーンではない区域に新たに土地を求めて居住しようという方に対しては、そのための借り入れに対する利息を負担する制度を設けております。
私たちはまだまだ不十分じゃないかと思っているんですけども、そういう基本的な考え方はある。そういうことであるんだったら、レッドゾーンで被災して住宅を滅した更地を抱え続けている、抱えながら他の地域に居住しておられる、そういう方に対して、被災によって、住宅をなくして更地になった土地についての固定資産税は、これ2年間の特例というのがありましたが、住宅があったものとみなして6分の1に軽減をしています。こういうところはね、6分の1と3分の1、住宅の跡地の規模によって違うんですけどもそれを相当な期間延長するということをしたらどうかと思うんですけどもでしょう。
(固定資産税課長)
繰り返しになりますが、災害により住宅が滅失した土地に対する課税標準の特例措置は、地方税法の規定により、被災後の2年度間適用するものとされていることから、2年度間を超えてこの特例措置を適用することはできないものです。
ただし、平成30年7月豪雨につきましては、一部復興関連公共事業が未了であることなどから、現在も当該特例措置の期間が延長されておりまして、こうした場合には2年度間を超えて特例措置を継続して適用しているところでございます。
(中森辰一)
政府が特例措置を新たに設けたというところは、期間が延長しとるわけですよね。そういうことをもっと長くできるようにしたらどうかと私は思うわけですよ。現実にできるできないというのはあるかもしれませんけども、例えば広島市が自治体として、特に考えて国からの補助もないかもしれないけれども、そこの軽減措置というのを独自に延長するとかいうことを考えてもいいと思いますし、同時に国に対して、平成30年7月豪雨災害もう本当に大規模なものだけではなくて、例えば、それ以外の8.20災害、ああいう場合も含めて、どういう場合でも災害で住宅を失った、そしてよその地域に移らざるをえなかったそういう人たちが持っている更地に関しては、延長するということをぜひ考えていただきたい。そういうことを国にも要請していただきたいと思うんですよ。
それから、まず更地を保有している限りはそういう問題があるわけです。事業用地としては使えるんですけれども、しかし住宅用地というのは事業に使うにしては狭いところが多いです。そういう点では、なかなか売買ってのは成り立ちにくいんじゃないかなと思います。
そこで、できるだけ早い時期に公共用地として市が引き取る。その上でいろんな形で活用可能ではないかなと思いますので、そういうふうな形で市が使うというふうなことはできないのかどうか。そういうことを考えられないのかどうかを教えてください。
(管財課長)
本市が行っておりますこういった土地に対してってことなんですけど、寄付の受領はあくまで行政目的で活用するということを前提としておりまして、公共用地として利活用する予定のない土地を、受領することは困難であると考えております。
(中森辰一)
それはそうでしょ。だけども、活用するという計画を立てればいいわけですよ。その土地なりのその土地の状況に応じた利活用の仕方を考えればいいんじゃないかなと思います。これはぜひ積極的に、被災した人たちのことを考えてやっていただきたいというふうに思います。
災害で被災するということに関しては、被災した方々に何の責任もありません。むしろ、レッドゾーンで今でもずっと放ってあるところがたくさんあるんですよ。危険な箇所で6000ヶ所、広島市内でもあるわけです。そういう危険な箇所が、例えば砂防堰堤ができればレッドゾーンからイエローゾーンに変わるわけですけども、そういうことができてないところはたくさんある。そういうところが行政としてまだきちんと手当ができてない。そういうところに住んでおられる方もたくさんおられる。これから毎年のように、それこそ50年に1回みたいな豪雨が発生しておるわけしてるわけで、また広島市内でないとは限りません。
そういうときにまた大勢の市民が住宅を滅失してしまうということは大いにありうることだと思います。そういうときのために必要な政策も考えておくということが必要ではないでしょうか。
市民に寄り添うということであるんだったら、それぐらいのことはぜひお考えいただきたいと思いますので、よろしくお願いします。
(中森辰一)
引き続きお疲れ様です。今日の2番目のテーマである、先ほどもありましたパールハーバー国立記念公園との姉妹公園協定についてということで質疑をさせていただきます。
先ほど棚上げっていうお話がありました。私は棚上げにしてはいけない問題があるんだということをお話したいと思います。
ついでに、先ほど日中国交正常化の問題での棚上げ問題ということがありましたけども、私たちの理解は、日中国交正常化、田中角栄元首相と周恩来元首相との間で調印が行われましたけどもあのときに、周恩来氏の方からあの尖閣諸島の問題、向こうは尖閣諸島とは言いませんが、あの問題どうしようかという問いかけがあったんです。あのときに田中元首相は、「難しいことは後回しでしょう」といった趣旨のことを述べた。そういうことで、あのときはきちんとした決着をつけなかったと。棚上げにしちゃったわけです。
なので今尖閣諸島の問題があんな大変な状況になっているんだと。そういうことでは、外国との交渉というものは、譲るときはあるけれども、しかし決着をつけなければならないものはきちんと決着をつけていく。そういうことができないといけないんだという教訓を残したのではないかなと私たちは考えております。そういうことで、今回のパールハーバーの問題もきちんと問題を捉えて考えていかんといけないと思います。
記者会見で市長が、人類が戦争という過ちを犯しながらも、理性を持って和解し、未来志向で平和を求めることができる存在であるとの象徴になるというふうに述べられましたが、そもそもそれぞれの施設の設置の目的が異なっております。
広島市の平和記念公園は、恒久の平和を誠実に実現しようとする理想の象徴として、広島市を平和記念都市として建設することを目的とする、こういう広島平和記念都市建設法に基づく記念施設です。原爆投下によって亡くなった方々を追悼するとともに、二度と戦争しないように、核兵器を廃絶できるようにとの思いを具体化するための施設であります。
パールハーバーの国立記念施設というのは、アリゾナ記念館に見られるように、日本軍の奇襲攻撃で亡くなった人々を追悼する。追悼は一緒ですけれども、ともに、日本軍の奇襲攻撃があったということを象徴するといいますか、そういう施設なんですね。
アリゾナ記念館の建物をデザインしたアルフレッド・プライスさんという方が、この建物のデザインについて語っておられるようです。中央部確かにたるんでいるが両端はしっかりと持ち上がっておりと述べた後、最初の敗北と最終的な勝利を表しているというふうに述べていた通り、いかにアメリカが戦争で果敢に戦って勝利を収めたか。そういうふうなことも表しているそういう点では、そもそも設置の目的が違うんではないかなと思います。
片や、非人道的な戦争被害を告発し、その実相を知らせ、原爆が二度と使われない世界の実現を願って作られた施設。片や被害者の追悼ということは同じですけれども、戦争に勝利したこと、勇敢に戦い勝利した米兵とアメリカ軍を誇りに思ってもらう施設であって、戦争のない世界を作ろうというものではありません。
パールハーバーは旧日本海軍が米軍基地を奇襲攻撃したのであって、戦争を有利に進めようとした基地への攻撃というのが目的でありましたが、これに対して、広島への原爆投下というのは、軍事都市ではあったんですけれども、そこに生きていた子どもからお年寄りまでが、つまり一般市民がたくさん生活する場所であって、しかも四方を山と海に囲まれた開けた地形で、原爆の効果を測るのに都合がいいという理由で選ばれて、原爆投下を受けた。しかも、世界大戦終結後の世界での力関係と、核兵器を使用したときにどういう被害を及ぼすことができるかを実地に調べる目的があったと。いわば広島、長崎もですが、実験台となったという面もあります。しかも未だにそれをアメリカという国は正当化し続けております。
そもそも全然違う目的、違う趣旨の施設であるにもかかわらず、なぜ姉妹協定という話ができるんだろうかと思うんですがどうですか。
(国際化推進課長)
このたびの姉妹公園協定は、両者が過去から学び、未来の新たな考えを共有し、多くの人に訪れてもらうことで、恒久平和を願う場であるという公園の重要性を理解してもらうという共通の理想達成することについて合意したから締結できたものです。
なお、国立公園局の説明によれば、パールハーバー国立記念公園の記念碑文は恒久平和の象徴であるとされています。
(中森辰一)
協定書では、パールハーバーの方は英語表記では、パールハーバーナショナルメモリアルとなっております。メモリアルパークとはなっていないのに対して、平和公園の方はヒロシマピースメモリアルパークと書いてあります。
つまり広島の方は広島平和記念公園となっているわけですが、パールハーバーの方はパールハーバー国立記念施設いうことになっております。あれは公園同士の協定ではなくて、平和公園と国立公園局が管理しているパールハーバーにある国立の記念施設、あるいはいくつかの記念館との姉妹協定ということになるんではないかと思うんですが、どうなんでしょう。
(国際化推進課長)
本協定が対象としているのは、パールハーバーナショナルメモリアルを構成する複数の記念碑、記念施設です。
これらについては国立公園局から、アリゾナ記念館、ユタ記念碑、オクラホマ記念碑、旧下士官宿舎、ビジターセンターとその周辺区域に限定されるとの説明を受けています。
なお、パールハーバーナショナルメモリアルを和訳する際、米国の国立公園局が設けている姉妹公園、シスターパークという枠組みに基づいて締結するものであり、米国側と協議し、わかりやすく表記するために、便宜上パールハーバー国立記念公園と訳したものです。
(中森辰一)
だから公園ではないということなんだと思うんですよね。姉妹公園協定として調印をした相手は公園ではないと今おっしゃったと思いますが、アメリカの方でこれを、アメリカ側の方を記念公園とするということになりますと、パールハーバーの公園区域と言われる一定の区域があると思いますけども、そこにある戦争に関わる全ての施設を含むということになってしまうんじゃないかなと思うんですけども、この点どうですか。
(国際化推進課長)
先ほども答弁した通り、パールハーバー国立記念公園はアリゾナ記念館、ユタ記念碑、オクラホマ記念碑、旧下士官宿舎、ビジターセンターとその周辺区域に限定されています。
(中森辰一)
そうおっしゃいますが、パールハーバーのにある戦争記念施設っていうのをいろいろ調べてみましたら、一般的に紹介されているのはビジターセンター、これは入ってましたね。これが玄関口だということなんですけど、そこから四つの施設に行けますと説明されております。先ほどあったアリゾナ記念館、戦艦ミズーリ記念館、パールハーバー航空博物館、USSボーフィン潜水艦博物館いうものが紹介をされております。いずれも太平洋戦争で戦った兵士たちやその勇敢な戦いを称賛し、誇る展示が、主の目的になっているようです。実際はそれぞれ運営団体が違っているということなんですけど、アリゾナ記念館のすぐそばにも、軍事博物館とも言える潜水艦ボーフィンを展示し、中に入って体験できる施設といったものもあります。
このボーフィンというのは、ボーフィンに撃沈されて1500人と言われる子どもたちが犠牲になった対馬丸、これも撃沈されたわけですけど、これもボーフィンの先端、艦体にどんだけの数撃沈したかっていう日の丸の数が塗って表示してあるんですよ。その中にこの対馬丸も入っています。この対馬丸も入ったこの表示っていうのは、外に展示してあるわけですから風雨によってどんどん塗装が剥げたりしていきます。それを改めて塗り直して、その日の丸の撃沈した数も対馬丸の分も含めてちゃんと表示し直されるというものになっているわけですよ。つまりそういう施設だということですよね。公園というであれば、これらの施設も一体ということになるんじゃないかなと私は思います。
それで、6月22日に出された協定締結についてという説明文書がありました。対象となる施設について、先ほども説明ありましたけれども、一つは、平和記念公園内の施設については広島市が所有するものに限りますと書いてあります。パールハーバー国立記念公園はアリゾナ記念館、ユタ記念碑、オクラホマ記念碑、旧下士官宿舎、ビジターセンター周辺区域を指し、軍事施設は含まれていませんとも書いてありました。
しかし協定文を読みますと、対象となる施設について、平和記念公園については6月22日の説明文書と同じ記述があります。パールハーバーナショナルメモリアル、こっちの方は6月22日の説明文書にあるような対象施設の指定や限定の文言はありません。軍事施設は含まれていないにしても、周辺には先ほど申し上げた施設があるんです。
どうして協定文の中に、平和記念公園の対象施設を限定したように、相手施設も限定する、そういう文言文章を入れなかったんでしょうか。
(国際化推進課長)
パールハーバー国立記念公園については、国立公園局が所管するものの対象範囲が明確にされていたところ、平和記念公園については、市が所管していない国立広島原爆死没者追悼平和祈念館の他、市民団体等が設置している多数の慰霊碑等を協定の対象に含まないことを明らかにするために記述したものです。
(中森辰一)
でも、そういう限定の文言を入れてもおかしくはなかったと私は思いますよ。そういうことをあえてしなかったということではないかなと思うんですけども。
それから、前回も指摘しましたけれども、この6月22日の説明文書では、戦争終結の地という言葉がありました。私はこれ説明に来られたときにこれはどうなのかということを申し上げましたけれども、実際には8月6日以降も長崎への原爆投下がありました。全国の都市への空襲がまだ繰り返されておりましたし、実際に戦争が終結したのは、結局9月2日の、それこそパールハーバーに展示してある戦艦ミズーリ上での降伏文書調印式によってであります。だから、その戦争終結の地という説明自体がこれは事実として誤りです。と同時に、原爆を投下された広島を戦争終結の地とするということは、原爆投下を戦争を終わらせるためだったというアメリカ政府の原爆投下の正当化の理屈を認めることでもあります。
これは、これまで広島市と広島市民が積み上げてきた、原爆投下が人道に反するものであるということともに、平和記念資料館の展示説明にもありますが、戦後の米ソ関係を見据えたアメリカの軍事的優位性の確保を意図したという本来の目的をおおい隠すことにもなるんじゃないかと思います。
核兵器は絶対に使ってはならなかったのであって、この記述は核兵器を使用した責任を曖昧にするものということじゃないでしょうか。
核兵器は絶対に使ってはいけなかったし、これからも使ってはなりません。このことを世界の世論にするために営々と取り組んでこられた広島市の平和行政と、被爆者を初めとしたたくさんの方々の努力、これと矛盾するんじゃないかと思います。
あの文章の中で使った戦争終結の地という言葉っていうのは、それほど重大な言葉になってるんだということを、広島市の方は自覚しておられるでしょうか。
(国際化推進課長)
6月22日の説明資料では戦争の終焉の地に関係するとしており、これは1945年8月6日に広島に原爆が投下され、同月15日に終焉を迎えたという時間的近接性を指しているにすぎません。
この度の協定はあくまでも在大阪神戸米国総領事が示したパールハーバー国立記念公園は太平洋戦争の当事者間の相互理解と平和推進を目的としており、平和記念公園と目指すところは共通しているとの見解を踏まえつつ、未来志向で平和と和解の架け橋の役割を果たしていくことになると考え締結したものです。
従って、アメリカ政府による原爆投下の責任については言及しておりませんけども、それを正当化するものではないと考えております。
(中森辰一)
アメリカが世界に先駆けて、旧ソ連との対抗的な世界戦略上、優位に立とうという意図で広島と長崎に原爆を投下したということが結局、旧ソ連の核兵器開発を誘発しました。そして、米ソの急速な核開発競争を招いた。さらに、世界各国への核兵器の拡散をもたらすことにもなりました。さらに、核開発競争の中で、広島と長崎だけではなくて、世界各地に核被害を拡大する。そういうふうなことにもなったわけです。
そういう意味でも、このアメリカという国の広島と長崎への原爆投下の政治的道義的責任これは極めて大きいと思いますけども、広島市行政はこの点についてはどういうふうにお考えですか。
(平和推進課長)
原爆投下の政治的道義的責任についての指摘を踏まえながら、本市としては、米国の道義的責任に言及したオバマ元大統領のプラハでの演説の通り、米国が核兵器のない世界に向けて、具体的な責任ある措置を取るよう促していくための環境を作っていく必要があると考えています。
(中森辰一)
オバマさんは、核兵器のない世界を自分たちが作っていくんだということをおっしゃいましたけれども、結局これは、何もできずに終わっちゃいましたね。アメリカという国はそういう国なんですよ。アメリカという国家は未だにこの原爆投下を反省しておりませんし、世界で初めて、原爆を使用したということについて、世界中の核兵器を使用したことによって、世界中の核兵器開発をスタートさせてしまった、こういう責任についても反省していません。
それどころか、アメリカが核開発を始めたにもかかわらず、その結果もたらされた世界各国の核兵器保有を理由にして、自らが率先して核兵器の削減を進めるどころか、核兵器保有の理由づけにもしています。先のG7サミットでの広島ビジョンなるこの共同声明でも、核兵器がある限り自分たちの核兵器が必要だと同じようなことを述べているわけです。
しかしこのように反省がない状態のままの国家に対して、核兵器を使用したということについて、広島は許していいんだろうかと思うんです。決してそういうわけにはいかない。なぜ放射能の影響を含めて、たくさんの市民が犠牲になるということがわかっていながら、さらに言えば、1個の爆弾による歴史上例のない大量の殺戮になるということがわかっていて、それでも原爆を都市で使用した。その判断をしたのかということを、アメリカや国家に問い続け、その責任を追及していく。ということがこれからもずっとアメリカが反省するまでいるんじゃないかと思いますけども、どうお考えですか。
(平和推進課長)
米国にその責任を問い続け、追及していくべきだとの考えがあることを承知しているからこそ、非難しあって平和構築に向けた動きが停滞することのないよう、本市では、被爆者の「こんな思いを他の誰にもさせてはならない」という切なる願いを基にしたヒロシマの心を世界中に発信することにより、米国を含む核兵器保有国が、核兵器のない真に平和な世界の実現を目指すよう取り組んでいく必要があると考えています。
(中森辰一)
そういうふうな答弁をされるんであればあえて言いますけれども、後の質問とも関わるんですけど、平和記念資料館に、確かにアメリカなぜ原爆を投下するに至ったか、どうしてそういう判断をしたかということは、簡単に書かれています。しかしアメリカの責任について明確に責任を問うような文言ってのはそこにはないんですよね。歴史上の事実としてそういうことを書いてあるが。そこら辺も広島のというか政治的なことに対する配慮というか、遠慮というか、そういうふうな状況が見えているんじゃないかなと思います。
先ほども和解というふうな言葉もありました。けれども、その和解っというのは秋葉さんの時代から始めたと思いますけども、これは広島市民を含めた日本の国民とアメリカの国民との和解いうことなのであって、核兵器を二度と使わせてはならない。1日も早くなくす、そのために、戦争がない世界を実現しようとこういうことで両方の国民が一緒に取り組んでいこうじゃないか。こういう思いを共有しようということなのであって、原爆投下の本当の移動を隠したまま、人道にもとる選択をした判断を正当化し続けたままのアメリカという国家を許すということは、違うことなんです。
平和記念資料館の館長をしておられた原田浩さんという方がいらっしゃいますけれども、新聞の取材に対して、「未来を志向するというなら、過去の検証は欠かせない」とおっしゃってます。しかし原爆投下がどんな意味があるのか。核兵器をなぜ市民に使ったのか。うやむやのままじゃないかということ述べておられます。
これはアメリカという国家が未だにうやむやにしたままだということをおっしゃっているわけですけれども、6月22日の説明文書では、広島ビジョン実現に向けた第一歩とこういうふうに述べてあります。これは広島ビジョンを、市が肯定的に評価していたということに他なりません。しかしその後、8月6日の平和宣言では事実として、広島ビジョンの内容が2点紹介されましたけれども、しかし、として核抑止論を破綻したというふうに強く指摘をしました。これは、広島ビジョンが核抑止論を肯定したものであるということを認め、これは、広島市が目指す方向と矛盾するということを認めたことを示しているんじゃないかなと受け止めました。
しかし、G7サミット後の6月議会では、市は広島ビジョンを評価する答弁をしておられましたね。つまり、市には、広島ビジョンを肯定的に評価するという考えがあったから、姉妹公園協定が広島ビジョン実現に向けた第一歩だとしたんではないかと思ったわけです。しかし、被爆者を初めとした市民の働きかけがあって、平和宣言には広島ビジョンを肯定的に評価するような文言は入りませんでした。
改めて伺いたいわけですけども、アメリカという国は、国として、原田元館長がおっしゃるように、未だにうやむやなままにしている。つまり人類に核兵器を使用したということについて未だに反省していない。広島と長崎の被爆の実相に向き合っていないからこそ、核抑止論を維持し続け、核兵器を使うという手段を手放そうとせず、決して自ら率先して核兵器を減らそうとしていないではないかと私は思うんですけど、広島市のこの平和行政を進めてきた当局としては、どういうふうにお考えですか。
(平和推進課長)
米国がロシアや中国などを念頭に置いた安全保障上の脅威への対処を超えて、オバマ元米国大統領がプラハで演説したように動くようにするためにも、平和宣言において、核抑止論が既に破綻したものであることを明言したところであり、本市としては、G7広島サミットにおいて、バイデン大統領が被爆の実相に向き合い、芳名録に記帳したことを踏まえ、核兵器廃絶に向けて具体的に行動していただきたいと考えています。
(中森辰一)
バイデン大統領は平和記念資料館に入られた。しかしその現場は私たちは見ていません。本当にあの日、本館の被ばくの実相に本当に触れられたのか。疑問を持っていらっしゃる方も、元館長もいらっしゃいましたよ。確か新聞でそういう発言をしておられましたけど、本当に本館を見られたのか。見てなかったんだったら意味がない。いうふうにおっしゃってましたけれども。
今バイデン大統領が残されたコメントでも、非常に曖昧なコメントだったなと思いますが、あれで、本当にアメリカという国が、私たちが求める方向に向けて動いていくんだろうか。現状でそういうふうな考え方になっているのか。少しでもそういう方向を目指そうとしているのか。全く私たちにはそうとは思えません。和解とか未来志向でとかいうふうに言ってるわけですけども、原田元館長さんがおっしゃるように、核兵器の使用にどんな意味があったのか、なぜ市民に使ったのか。ここが曖昧のままで反省もないままでは、決してアメリカという国家原爆を投下した国家と和解はできないし、核兵器廃絶という目標で、未来を共有することはできませんね。
もちろん、平和を願い、核兵器廃絶を願う。あるいはその願いを共有できる可能性のある市民とは、アメリカも日本もありません。それこそ未来志向で現状を確認し、どのようにして核兵器廃絶を進めていくのか、どのようにしてそれぞれの国家を動かしていくのかを市民の力で一緒に取り組みをしていくこれは必要であり、極めて大事なことだと思います。
しかし今回市長が協定を結んだのは、先ほど指摘したことを曖昧にしたままで反省もないアメリカという国家ですよ。打診してきたのは、G7があった、この際だから姉妹公園協定結ぼうと思うかどうかと言ってこられたんでしょう。それはアメリカの国家の代表の1人である領事ですよ。そして、実際に市長が調印された相手はアメリカの国家の代表である大使ですよ。
これはね、だからアメリカという国家と姉妹協定を結んだということになるんですよ。棚上げにするわけにはいかない問題なんですよ。そして相手の記念施設はそもそもの設立の目的が違うと思っています。
こういうふうに様々な問題があるのに、市長の判断だけで勝手に姉妹公園協定を調印してしまった。本会議で指摘したように広島市の平和記念公園ってのはこれは市長の持ち物じゃありません。
考えていただきたいのは、被爆者の皆さんが焼け野原になって、草木も生えないと言われた広島の町の復興に懸命に取り組み、たくさんの方々と一緒に被爆者に必要な医療と生活の手段を求める運動を進め、不十分なものですけれども、被爆者援護法が実現し、海外におられる被爆者まで対象にするなどの改善も進めてきました。並行して、二度と同じことが起きてはならない、そういう思いから、核兵器廃絶を求める運動が続けられてきた。そして、今日の核兵器禁止条約の発効にまでこぎつけてきた。広島の平和記念公園、平和記念資料館を初めとした施設が、今日の姿になっているのは、被爆者の皆さんや、一緒に運動に取り組んでこられた多くの人々の力によるものですよ。一番大事な、こういう市民に相談することもせずに、あたかも市長の持ち物であるかのように、松井市長1人の判断で、勝手に、反省のないアメリカ国家が運営するそもそも設置の目的も違う施設と姉妹公園協定を結んでいいのか。というふうに私は強く思いますが、この点について、改めてあなた方のお考えをお聞きします。
(国際化推進課長)
今回の協定は、姉妹都市となっているホノルル市と60年以上にわたり、市民同士が交流を深めてきたこと、さらには、迎える平和の取り組みを10年以上にわたり続けてきていることなどを踏まえつつ、議会に対して、過去の悲しみを耐え憎しみを乗り越え、未来志向で平和と和解の架け橋の役割を果たしていくことになると説明した上で、両公園の共通の目的のもとで、協定を結んだものです。
(中森辰一)
先ほどホノルル市との姉妹都市っていうのがありましたけれども、私は姉妹都市、あるいは今回は公園協定ということなんですけども、そういうふうなことであるなら、ホノルル市という国家ではない自治体とのあるいはそこの市民との交流をどんどん進めていく、そのために姉妹都市協定こういうものがあるんだと思うんですよね。それでいいじゃないかと思うんですよ。
なぜあえてアメリカという国が運営している、しかも、パールハーバーというのは、日本が戦争始めたそういうことを象徴するような、事件のあった場所なんですけども、それに対して、いかにアメリカの兵士が、果敢に頑張って戦って勝利を収めたかそれを象徴する施設として作られたんですよねそもそも。
そういうところと、そのわざわざホノルル市の姉妹協定とは別に、わざわざそういう協定を新たに結ばなくてはならなかったのか。その辺が非常に不透明です。未だに。
以前にホノルル県人会から姉妹公園協定の要請があった際は断ったと先ほどの質問があったんですが、それはなぜかということを改めて明確にお答えください。
(国際化推進課長)
当時は平和の機運の醸成を図りながら時間をかけて検討していく必要があると判断したものでございます。
(中森辰一)
その当時は、こういうふうな協定をやるようなタイミングではない、そういう判断があったということだと思います。
しかし、当時そういうことがあったということを市民に知らせましたか。そんなこと私は聞いてないですね。これとても広島の世論が許さないだろう、そういう判断があって断ったし、しかし、さらに市民にも知らせることもなかったということじゃないかなと思うんです。
しかし今回は協定を結んだ。しかも、市長の独断で。それはG7サミットが実施され、市長も含めて盛んに成功だったということをアピールしていた。そういう流れ、そういう考えのもとで、今なら世論の了解はいらないという判断だった。市長が独断でこれを決めて、調印してしまったのはそういう判断だったということじゃないかと思いますが、この点はどうなんですか。
(国際化推進課長)
広島ビジョンについては、その中で広島および長崎で目にすることができる核兵器使用の実相への理解を高め、持続させるために、世界中の他の指導者、若者および人々が広島および長崎を訪問することを促すとされたことで、これまでの本市の「迎える平和」が認知されたものと評価しています。
本協定については、目的に記しているように、過去から学び、未来の新たな考えを共有し、多くの人に訪れてもらうことで、公園の重要性を理解してもらうという共通の理想を達成するということが核兵器の使用二度と繰り返してはならないという多くの人々の訴えに沿ったものだと考えています。さらに本協定の締結は、平和文化を市民社会に根づかせるための重要な一歩になるものと確信しています。
(中森辰一)
それはあなたが今はそういうふうに答弁しておられるけれども、これ市長が決めたことでしょ。結局、市の職員としてそれを後づけるということを言っていらっしゃるんだと思いますけれども、問題は実際に市民の意見を聞くどころか、わずか1週間前に、協定締結するよということを市民と議会に知らせた。議会もですよ。これはいつものことだけれども、決まったこととして発表したわけですよ。
議会では一般質問で、市長がいるところで直接、この問題で質問することができないタイミングだったわけですね。この発表は。市民もこの問題でまとまった形で、市に意見を述べる機会はありませんでした。
私は唯一29日の総務委員会で、前回この問題を取り上げましたけれども、この日は市長がもう東京のアメリカ大使館に出向いて調印する日だったわけですよ。いくらこの場で議論したって、もう市長は行って調印するようなことになっていた。議論の余地ない。そういう状況の中で、これが行われたということで、本当に重大な問題だと思うんです。
広島市民の平和公園なのに、主権者である広島市とともに、復興と核兵器禁止条約は実現するところまで頑張ってきた市民にもその代表機関である市議会にも、この重大問題について意見を聞く場を設けることもなく、独断で調印を決めて共有してしまった。
民主主義ってのは、この広島市にはないのか、広島市の行政にも広島市という行政は、市長は、議会に対して、これ重大問題を意見を聞こうという態度を示すことしないほど傲慢になったのかと私は思いますよ。広島市には民主主義はもうなくなってしまったんでしょうか。
(国際化推進課長)
先ほども答弁した通り、このたびの姉妹公園協定は、本市として和解の精神を重視した対応すべき時期に来ていると判断し、二度と戦争の惨禍を繰り返すべきではないという考えを双方で共有しうる機会を逃すことなく、大切にすることにしたものです。
このたびの姉妹公園協定に対して、早急すぎるといった意見があるのは承知しておりますが、今後、本協定に基づいて、未来志向の取り組みを両公園で検討し、次世代を担う若者を中心とする交流を深め、和解の精神を具現化した交流の好事例として世界に発信することで、市民や議会の多くの賛意や関係する声にしっかりと応えていきたいと考えています。
(中森辰一)
決めたのは市長です。それを決めるにあたって、この広島市の主権者である、そしてこの広島の街を作ってきた、そして、もっと言えばこの広島の街を復興させてきた主体者である被爆者。広島の復興を進めてきたこの被爆者の皆さんですよ。わかってますか。市長じゃないんですよ。どうやって被爆者の皆さんが、今のような町にまで復興させてきたか。大変な苦労しながら、悔しい思いもしながらやってきたわけじゃないですか。乏しい国の制度、アメリカの補償もしない。そういう中で、国に対して、国が保証しろよと言っていろんな制度も求めてきた。それは誰か。被爆者の皆さんですよ。そしてそれを支援してきた周りの市民や、大勢の人々ですよ。
この一番肝心な市民に何の相談もなく、私はこの姉妹公園協定というのはホノルルの県人会が最初言っておられたという話ですけども、このタイミングで、わざわざアメリカの国家の国の代表者の1人が、この姉妹公園協定なるものを打診してきたそういう意図がどこにあったのかってのは全く明らかにされていません。
アメリカという国は、先ほども繰り返し指摘したように未だに広島に原爆を投下した、そしてその後、その世界中に核兵器が拡散したそういうことも含めた責任ということを認めちゃいませんよ。アメリカの大統領にはできれば被爆の実相を見せたくない、そういうふうな思惑があったんじゃないかというふうなことも噂ですけれども、言われております。
それぐらいアメリカという国は、この核兵器の問題に関して、そして、広島に原爆を投下した責任ということに対しては、頑固に曖昧にしたままなんですよ。
私はアメリカの国民、ホノルル市民も含めて大いに交流したらいいと思います。だけども、国ということが絡んでくると、結局アメリカの投下責任そういうものを曖昧にしたままでやっていこうとしてるんじゃないか。ここが曖昧なままだと、つまり核兵器を使ってあんなひどい事態になったということを反省しないからこそ、核兵器はまだ必要なんだということを言ってるわけですから。その責任を認めないということを核兵器を持ち続ける核抑止論に固執し続ける。これは表裏一体です。
そういうことを棚上げにするわけにいかないというのは当たり前のことじゃないですか。だからこそ館長の原田博さんも、うやむやのままだと、あえておっしゃったわけですよ。
そういう問題があるにもかかわらず、議会にさえも質問する機会さえ与えない、どういうことですかこれは。被爆者の皆さんにも、ちゃんと相談するべきじゃないですか。こんな市長の勝手な行動は絶対に許されません。私は、これは撤回すべきだということをあえて申し上げたいと思います。
この問題は、このままでは終わらせるつもりはありませんので、また、引き続き、皆さんとやり取りをしていただきていきたいと思います。残り時間があまりないので、もう一つのテーマ(平和記念資料館の展示について)については次回に譲ります。終わりです。