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日本共産党市議会議員の清水てい子です。党市議団を代表して広島市議会9月定例会に上程された議案について討論を行います。
第85号議案 令和5年度広島市一般会計補正予算(第3号)は修正案に賛成します。
反対する議案は、第89号議案 指定都市高速道路の整備計画の変更に係る同意について
第97号議案 広島市中央卸売市場新中央市場整備事業の契約の締結の2議案です。その他の議案には賛成です。
第85号議案、広島市一般会計補正予算(第3号)の修正案に賛成し、原案に反対する理由について述べます。
何より、中央図書館の移転整備費を71億9千万円余とし、約7億円を増額することに納得できません。これまで市は、エールエールA館の一部フロアの買い取り額は65億円と説明してきましたし、エールエールA館の所有者である南口開発株式会社自体が、すでに、65億円で経営再建を行うと計画を立てているわけで、あえて、7億円もの資金を市民の税金を使って追加する必要はないと考えます。開業から20年後の福屋の再契約の際には大幅に賃料が下がりました。にもかかわらず、中古ビルに移転するのに、地価の高騰などの理屈を持ち出し、新たに7億円も追加することに市民の納得は得られません。
大体、移転整備を要請してきたのは南口開発株式会社の方なのですから、対等に不動産鑑定通りの価格を要求できる立場ではないでしょう。
これまで、広島市はエールエールA館を管理運営する南口開発株式会社に41億円を超える貸付をし、貸付金利も引き下げて市が本来、受け取る6億6000万円もの利息収入を放棄し市民に大損害を与えてきた経緯があります。にもかかわらず、このたびの中央図書館の移転で、またぞろ市民の税金を7億円も南口開発株式会社に投入するということは認められません。
市民の間では、中央図書館をエールエールA館に移すのは、経営の先行きが見通せない南口開発株式会社の経営支援のためだという認識が広がっています。
これまで中央図書館の商業ビルへの移転整備そのものに党市議団は反対してきましたが、7億円あるなら、子どもたちのために使うべきです。こんな税金の使い方に賛成することはできません。以上の理由で修正案に賛成します。
尚、広島広域都市圏における公共交通を利用した交流の促進については、市長が広島広域都市圏協議会で提案されたということですが、広島市民の税金だけで他の23市町の面倒をみるのでなく、他の市町も協調して予算を出し合う仕組みにされるよう求めます。
また物価高騰の影響を受け厳しい経営環境にある生活衛生関連事業者 飲食、クリーニング、ホテル、旅館などの利用者に対し、消費喚起につながるポイント還元をスマートフォン決済アプリで行うとしています。
しかし、4割の事業者はスマホ決済のシステムを導入していません。零細事業者にとっては、高い手数料の支払いが必要となり儲からないからです。利用者も5割がスマホアプリでの決済を利用していません。物価高騰はすべての事業者、利用者に影響を与えており、一部の人や事業者だけの支援でなく、すべての事業者が等しく支援をうけることができるような取り組みにしていただくようお願いしておきます。
次は、反対する第89号議案についてです。
この議案は、広島高速2号線と5号線の連結路整備事業費を30億円増額し、広島高速道路の総事業費を4310億円から4340億円に変更し、工期を4年間延長して、令和11年に全線を供用開始する整備計画への見直すとともに収支見通の変更に対して同意を求めるものです。
事業費の増額理由の一つとして、橋脚位置でボーリング調査を実施したところ予備設計時より支持層が2.5mも深い位置にあり橋脚基礎形式を見直すことが必要となり設計をやり直すことになった。また、大型クレーンで一括仮設工法としていたが、現地調査の結果、クレーンを設置する箇所に地下埋設物があることが分かり、橋りょう上部工の架設方法を見直さざるを得なくなったためと説明しています。
2号と5号の連結路整備事業費は、令和2年度に167億円で事業着手していますが、この時、地質に関しては5号線のボーリング調査を流用したとしています。地質は場所によって違います。橋脚を立てる工事において地質調査はとても重要なものです。当初の段階で厳密な地質調査をしていれば、橋りょうの上部および下部工の架設方法をやり直す必要はなく税金の無駄遣いだといわねばなりません。本格的な地質調査をしたら事業費がどんどん増えるというやり方を当たり前にすることはできません。
そもそも、この接続路は「いわくつき」事業です。広島高速5号線シールドトンネル工事の契約にトンネルの内壁として不可欠のセグメントが入っていないという前代未聞のずさんな契約により、事業費が87億円も増額されたさいに、当時の費用対効果1.01を下回らないように、費用便益を上げるためにと復活した連結道路です。呉方面からの長距離利用者が増えて便益が向上するとして、費用対効果を1.1に押し上げた接続道路ですから、あわてて事業費を算出したことによるものだとも指摘しておきます。
広島高速道路の収支見通しについても、一日の予測交通量が2000台増えて料金収入が155億円増えるとしていますが、予測交通量が本当に増えるのか疑問です。地球温暖化防止対策が急務となる社会にあって、マイカーから公共交通にシフトする施策が進められています。加えて、人口減少が進むなか広島高速道路だけは交通量が増えて便益が上がるという根拠はないと考えます。費用対効果は1.1から1.02へと下がっており、投じた費用に対して、投じた費用の効果がない事業に賛成することはできません。
日本共産党市議団はこれまで、広島高速5号線整備事業について、必要性・緊急性・安全性・採算性の面に加え、災害を誘発しかねないとの理由から事業の中止を求めてきましたが、改めて、不要・不急の高速道路整備事業費の増額には同意できません。
最後は第97号議案です。この議案は中央卸売市場新中央市場整備事業を、設計施工および工事監理等を一括で行うデザインビルド方式により、518億5835万5300円で五洋建設・東畑建築事務所共同企業体に担わせる契約締結の議案です。
中央卸売市場の老朽化による建て替えは必要なことですが、近年、消費者ニーズの変化や生鮮食料品等の取引方法の変化により、中央市場の取り扱い数量は一貫して減少傾向となっており、過大な施設整備にすべきではないと考えます。
ましてや、賑わいの創出を目指す施設整備の必要はなく、市場として安全・安心に生鮮食料品を安定的に供給する役割をしっかりと果たせる施設として整備することが重要です。新市場の完成は令和15年で、10年も先です。10年先の市場を取り巻く環境の変化や、経営を展望したうえで、必要な機能に絞って建て替える事業内容にすべきです。
よって賛成できません。
以上で討論とします。