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1.第85号議案 令和5年度広島市一般会計補正予算(第3号)について
(1)広島広域都市圏における公共交通を利用した交流の促進
(2)中央図書館等の移転整備
(3)生活衛生関連事業者への支援
(4)原油価格高騰に伴う公共交通事業者等への支援
2.第89号議案 指定都市高速道路の整備計画の変更に係る同意について
(1)広島高速道路公社が広島高速道路の整備計画の変更に係る国土交通大臣の許可を受けようとするもの
3.第97号議案 契約の締結について
(1)広島市中央卸売市場新中央市場整備事業
大西オサム
日本共産党の大西オサムです。日本共産党広島市議団の会派を代表いたしまして、上程された議案に対する質疑を行います。
まず85号議案令和5年度広島市一般会計補正予算案第3号についてお尋ねをいたします。
広島広域都市圏における公共交通を利用した交流の促進として、533万9000円が計上されている点について、説明では、圏域の公共交通の利用促進および地域コミュニティの活性化を図るため、本市内の地域活動団体等の構成員が3人以上で、圏域内の同市の団体等の構成員と交流し、または地域資源の視察等を行う場合などに、公共交通の利用に係る経費を補助する広島広域都市圏協議会に対し、必要な経費を負担するというふうに説明をされています。
広島広域都市圏は、広島市の都心部からおおむね60キロ圏内。東は三原市エリアから西は山口県柳井市エリアまた北部は島根県浜田市や美郷町などのエリアを含めた28構成されています。
公共交通の利用を促進すること、これ自身は大切なことだと思いますが、この事業の必要性がもう一つわかりかねます。
そこでお尋ねします。まずこの事業のアイディアは、市民から寄せられたものなのでしょうか。
どこから提案があり、事業の目的および提案に至った。そういうその経緯はどのようなものなのでしょうか。
企画総務局長
先日福田議員のご質問に市長が答弁しましたとおり、公共交通は、モータリゼーションの進展や人口減少、少子高齢化により、特に利用者が減少した地域において厳しい経営状況に直面していたところこの中による輸送需要の大幅な減少が追い打ちをかけ、事業者の経営努力だけで事業存続させることが困難な状況になっております。
しかしながらその一方では、ネットワークとして市民や来訪者の移動や輸送にない、また教育、医療、福祉といった基礎自治体の根幹的行政サービスに深く関わるものであることから、公共交通を支えることは、基礎自治体である本市の重要な責務であると考えております。
こうした中、本市では200万人広島都市圏構想と地域コミュニティの活性化といったまち作りの視点を中軸に据え、これらの実現を目指していることから、本事業では広島広域経済圏における人物の循環や地域における住民活動の循環を直接支える公共交通の利用促進と、地域の担い手同士が市長の境を越えて行き来することによる地域コミュニティの活性化を同時に実現することを目指しているものです。
また、本事業は広島広域都市圏の新たな連携事業として位置づけるものであることから、本年7月に開催した令和5年度第1回広島広域都市圏協議会の主張会議において、本市から提案をし、連携市町の賛同を得たため、具体的な実施内容等について、各市町や庁内関係課との調整を行った上でこの議会に補正予算として提出したものでございます。
大西オサム
また、予算額500万円程度の規模で、公共交通の利用促進にどのような効果が期待できるのでしょうか。
企画総務局長
町内会、自治会や広島エルモなどの地域コミュニティの担い手が公共交通を利用して、圏域内を活発に移動することにより、公共交通が地域住民の日常生活や地域経済を支えるために不可欠な存在として受け入れられ、かつ、広く利活用される環境の整備に繋がるという効果が期待できるものと考えております。こうした考え方のもと、今年度は交流事例の蓄積や需要の喚起などを行うため、本市と連携市町間または本市の取り組みに対象を限定したモデル事業として実施をするものです。
大西オサム
さらに、単独事業で行う地域資源の視察は、団体にとってどのような効果があり、それがどのように地域に還元されるのでしょうか、教えてください。
企画総務局長
地域活動団体が地域資源の視察等を行う事業では、例えば他の地域で行われている祭りなどのイベントや、文化芸術活動に触れ、その取り組みの効果を体感することで、自身の団体の活動の充実を図るための参考にすることができると考えております。
またこうした視察等の活動により、団体の構成員間の交流を促し、結束を強めることが期待できることから、団体の更なる活性化にも繋がるものと考えております。
【再質問】
大西オサム
答弁ありがとうございました。
最初の公共交通を利用した交流の促進の問題については、実際には町内で行われている、必要なグループでの視察や交流は、例えば高齢者の参加などを配慮して、マイクロバスだとか、車に分乗してだとか、そういう形で訪問をされている場合が多いというふうに聞いております。
公共交通で何度も乗り換えが必要になる。そうなりますと、高齢者が参加して、移動の負担などがかなりかかるということも考慮して、町内会などでは工夫をされているというふうに聞いています。
そういった点も踏まえた上で、あえて公共交通を利用するというご提案なのか。再度この事業を実施する意義についてお尋ねをしたいと思います。
企画総務局長
公共交通を利用した交流の促進について、あえて公共交通を利用するというこの事業の意義は何かというご質問でございました。
繰り返しになりますけれども、公共交通はネットワークとして、市民や来訪者の移動や輸送を担い、また教育医療福祉といった基礎自治体の根幹的行政サービスに深く関わるものであることから、公共交通を支えることは、基礎自治体である本市の重要な責務であると考えております。
また、本市では200万広島都市圏構想と地域コミュニティの活性化といったまち作りの視点を中軸に据え、これらを実現を目指していることから、本事業では、広域経済圏における人の循環や、地域における住民活動の循環を直接支える公共交通の利用促進と、地域の担い手同士が市町の境を越えて行き来することによる地域コミュニティの活性化を同時に実現することを目指しており、この二つの目的の両立を図ることが、本事業の意義であると考えております。
大西オサム
中央図書館の移転整備についてお尋ねします。本補正予算で提案されている事業費23億243万4000円と、令和6年度の債務負担行為の限度額48億9218万6000円。合計で71億9462万円、およそ72億円についてです。
6月の総務委員会で、我が党市議団の中森委員と生涯学習局長との間でこのようなやり取りがありました。中森議員が8階から10階の3フロアの買取額全体で65億円だったと思いますけれども、この3フロアだけでは足りないので、地下フロアも書庫として使うということになりましたし、1階の移動図書館車とか、学校図書館や公民館などの図書室に配本するための車の出入り、駐車場に図書の入れ替えの作業スペースもいるわけですけれども、これらはこの65億円に入っていないと思うわけですが、これはどうするんでしょうかという質問です。
これに対し生涯学習課長は、「今委員の方からご質問がありました場所については全てその概算に出させていただいた金額の中に含まれておるものでございます」と答弁をされています。
この7億円の差について、どのように説明されるのでしょうか。
所有者である南口開発は、既に65億円を活用して経営を立て直すことを決めています。そこに今回なぜ突然、市民の税金を追加することになったのか。7億円も市民の税金を追加していいのか疑問に感じます。その意味についてお答えください。
市民局長
令和4年12月議会において提示した金額65億円は、広島駅南口開発株式会社売却について、市の対応は、決定したときに改めて取締役会等の手続きを経て確定させる必要があるものの、本市における検討作業を促すため、不動産鑑定士とそれまでの調整経緯なども踏まえながら相談して算定したものと聞いております。
一方、今回補正議案提出した71億9462万円はエールエールA館を中央図書館等として整備することが議会で承認されたことから、行政手続きにのっとり、本市として不動産鑑定を行ったものです。
このため双方の額を単純に比較していくら増えたと言えるものではありませんし比較できるものでもございませんが、この度不動産鑑定を行った令和5年8月までの間の地下工事などを勘案すると約8%上昇、建築単価も国土交通省などが示す指標から約6%上昇していることは価格に影響があるものと考えます。
【再質問】
大西オサム
図書館の移転に関して追加して一つお尋ねをしたいと思います。不動産所得を令和5年度と令和6年度と2回に分けて行う計画について、これがなぜ一括ではなくて、2度に分けての取得になったのか。その理由についてもお伺いをしたいと思います。
市民局長
中央図書館等の移転先となるエールエールA館では、現在でも様々な店舗が営業されています。
移転のための作業は、広島駅南口開発株式会社が各店舗との調整を行いながら進めていくことになりますが、店舗ごとに営業状況は様々であり、早期に移転等が可能な店舗もあれば、移転のために準備を要する店舗もあることから、同社においてはこうした店舗の意向などを踏まえながら順次購入していく必要があるということでございますので、2年度に分けて対応していくこととしております。
大西オサム
生活衛生関連事業者への支援についてお尋ねします。説明では、期間中対象の店舗等において利用者がスマートフォン決済アプリ等による支払いを行った場合、ポイントを付与するとし、物価高騰で厳しい経営環境にある生活衛生関連事業者を支援するとされています。期間は年末年始の1ヶ月半とのことです。物価高騰のもとで、証憑管理し、自治体が積極的に事業者を支援することは大切なことだと思います。ただこれだけを見ますと、この支援は、スマホ決済システムを導入している事業者への消費を喚起する形になっています。そこで心配になるのは、スマホ決済システムを導入していない事業者です。小さな飲食店、あるいは小さなクリーニング屋さんなど、導入していないできない事業者もたくさんあると思います。そういった零細事業者は恩恵を受けられません。そこでお尋ねしますが、現在スマホ決済アプリを使っている市民がどの程度の割合でいるのか。
経済観光局長
広島市民を対象にした数字はございませんが、令和5年1月に民間シンクタンクが全国の18歳から69歳の男女を対象に行ったアンケート調査において、約5割の方が日常の支払いでスマートフォン決済を利用しているということです。
大西オサム
また市内の衛生生活衛生関連事業者のうち、スマホ決済システムを導入している事業者は、どの程度の割合なのか教えてください。
経済観光局長
スマートフォン決済アプリ事業者に対してヒアリングを行ったところ、市内の生活衛生関連事業を含む事業者のうち、6割弱がスマートフォン決済に対応していると聞いております。なお、現在スマホとスマートフォン決済を導入していない事業者についても、紙に印刷されたQRコードを店舗に設置し、お客さんに読み取ってもらうことにより、この事業に参加することが可能でございます。
大西オサム
そしてもう一つ、この事業によってどれだけの効果を期待されているのか、数字があれば教えてください。
経済観光局長
今回の事業により、1回あたりの利用金額、期間中の利用回数、利用者等の見込みから約30億円の経済効果を想定しております。
大西オサム
次に原油価格高騰に伴う公共交通事業者等への支援についてお尋ねし、お尋ねします。この支援の財源は全額が国の補助で、新型コロナウイルス感染症対応地方創生臨時交付金で賄われています。そこでお伺いいたします。広島市分のこの交付金の残額を教えてください。また、この事業と同様の公共交通の運行継続を目的とした支援措置が、この交付金で繰り返し行われてきましたが、それに総額でどれだけの額の支援をしてきたのか、教えてください。
企画総務局長
本市に配分されました新型コロナウイルス感染症対応地方創生臨時交付金の残額は9月補正予算計上で約8億7000万円となっております。
道路交通局長
本市において、公共交通の運行継続を目的として、昨年度までに行った支援の実績の総額は28億374万4000円です。
なお、本年度は6月の第3回定例会におきまして、10億4700万円の補正を予算措置を行っております。
大西オサム
次に同意案についてお尋ねをいたします。第89号議案指定都市高速道路の整備計画の変更に係る同意についてです。
一つは、概算額に関連して質問をいたします。ここでは、広島高速2号線および5号線の連結部の整備に係る建設資材費の高騰等を理由に全体事業費概算額が4310億円から4340億円と30億円の追加変更が提案されています。
こうした中で、事業費の費用対効果を数値化した指標、費用便益比、B/Cが、一転0.2となり、0.08下がる見通しであることが報じられています。事業費が30億円増えたことが下がった要因であるかのように見えるわけですが、それで良いんでしょうか。
道路交通局長
費用便益比は国の費用便益分析マニュアルに基づき、事業費等の費用や共用後発生する走行時間短縮等の便益を現在の価値に換算した上で、便益を費用で除して算出いたします。
今回の高速2号線と5号線連結路の事業費30億円の増額等を反映した5号線全体の費用の現在価値は、2047億円。将来交通量の増加や便益の単価の上昇等を反映した便益の現在価値は2080億円と算出しています。
これら費用と便益の現在価値は、いずれも前回の整備計画変更での試算に比べ増加しているものの、費用の現在価値に対して、便益の現在価値の増加率が低かったことから、費用便益比が前回の1.0から1.02に下がったものであり、単に事業費30億円の増額のみの要因で下がったものではありません。
大西オサム
この要因について、市議会では説明がされていません。広島県議会では、詳細な説明があったというふうに聞いていますが、本市議会でも節減、説明が要るのではないでしょうか。今後の見通しも含めて丁寧な説明を求めます。
道路交通局長
整備計画は、広島高速道路全体に関するものであり、その変更に当たっては、費用便益比については必須とされていないものであることから、これまで特段の説明はしておりません。
なお今回整備、今回の整備計画の変更において、高速2号線と5号線連結の変更に伴う5号線全体の費用便益比の費用や便益など詳細につきましては、先ほどご答弁した通りです。
費用便益比の今後の見通しについては、公社からは「高速5号線のシールドトンネル工事の掘削に時間を要していることなどに伴う追加費用の負担については、現在受注者側から建設工事紛争審査会に調停申請されているところであり確定していない。このため、今後事業費が確定した時点で最新の国の交通量データ等を用いて、必要に応じて計算することにしている」と聞いております。
大西オサム
二つ目にお尋ねしたいのは、完成予定年度の問題です。広島高速2号線および5号線の連結路については、令和10年度への変更となっています。そこでお尋ねします。この連結される側の高速5号線は、いつ完成となるのでしょうか、お答えください。
道路交通局長
高速5号線本線の完成時期につきましては、公社からは「シールドトンネル工事において、牛田地区の掘削の見通しが立った段階で示すことにしている」と聞いております。
大西オサム
第97号議案新中央市場整備事業についてお尋ねをいたします。
設計施工および工事監理等を一括で行うデザインビルド方式で518億5835万5300円という大きな事業になっています。
中央卸売市場の老朽化による建て替えは必要なことだと思います。一方で、必要な機能に絞っての建て替えを検討されたのかということが疑問です。取り扱い高流通量は長期間減少を続けています。
そこでお尋ねをいたします。人口の減少や産業構造の変化の中で、中央市場での取り扱い高流通量について、どのような見通しを持って検討し、整備を進めようとされているのか、お答えいただければと思います。
経済観光局長
近年、生鮮食料品等の取引構造や消費者ニーズの変化等により、中央市場の取り扱い数量は減少傾向にあります。このような中で、平成31年3月に策定した新中央市場建設基本計画において、新中央市場の整備に当たっては、品質管理および衛生管理の高度化や物流拠点としての機能の充実を図るなど、中四国地方の拠点市場となるよう整備することとしており、これらの整備効果を踏まえて、新中央市場の全棟整備完了時点での目標取り扱い数量を設定いたしました。
具体的には近年の取り扱い数量に基づく推計をもとに新市場整備による取り扱い数量や販路の拡大とともに、市場を取り巻く環境変化への対応、経営展望について場内関係事業者の皆様と意見交換を行った上で設定したものであり、青果部門では平成29年の実績と比較しまして、15%減の15万t、水産部門では同等の2万5000t、花卉部門におきましては、20%減の1億3,000万本を目標取り扱い数量としております。
この目標取り扱い数量を元に場内関係事業者の皆様から、事業方針、事業計画等を踏まえた意見や要望等を聞き、必要となる規模等について協議を行った上で決定した内容により整備をすることとしております。
大西オサム
また、入札応札者は1社しかなかったことについて、応札者はこれまで同様の事業について、他にも実績があるとされていますが、どこの事業で、どの程度の事業規模のものを実施した実績があるのか教えてください。
経済観光局長
先日、豊島議員の一般質問でご答弁した通り、新中央市場整備事業の事業者公募に当たりまして、競争入札参加資格として設計業務や工事について、それぞれ延べ面積が1万平方メートル以上の卸売市場、または倉庫業を営む倉庫の整備実績を求めており、入札前に条件を満たしていることを確認しております。
この度の整備事業予定者の施工実績としましては、宮城県塩釜市が発注した塩釜市魚市場の延べ面積約2万平方メートルの新築工事、福岡市が発注した福岡市新生活市場卸売市場の約4万平方メートルの設計および工事監理、民間の事業では、相模原市の食品工場の約2万平方メートルの新築工事、名護市の倉庫業を営む倉庫の約1万1000平方メートルの新築工事などの実績を有していることを確認しております。
これらの実績も踏まえまして、本市としては、本事業を進めていく上で十分対応できる事業者であると判断しております。