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付託議案
第66号議案 令和5年度広島市一般会計補正予算(第2号)
(地方創生移住支援事業について、防犯機能付き電話機設置等補助について)
第70号議案 広島市市税条例の一部改正について(森林環境税、固定資産税)
第72号議案、広島市印鑑条例の一部を改正する条例について
付託請願・陳情
請願第11号 消費税インボイス制度の実施延期を求めることについて
請願第4号 「中央公園内の公共施設の集約化等に係る方向性」について再検討を求めることについて、請願第7号 広島市立中央図書館等のエールエールA館への移転を撤回し、再検討を求めることについて
付託案件外
平和記念資料館の開館時間延長について
平和祈念公園パールハーバー国立記念公園との姉妹公園協定の締結について
マイナンバーカードについて
(中森辰一)
いくつかの議案について、伺いたいと思います。最初に地方創生移住支援事業2114万円建ててありますけれども、この県補助金というのはどういう名目の補助金なっているんでしたか。
(地域活性推進課長)
本事業につきましては、広島県と連携いたしまして、東京23区に在住または通勤する求職者等が広島県内に移住し、県が運営するマッチングサイト「広島ワークス」に掲載された求人を通じて就職したり、テレワークや起業した場合に、移住支援金として、単身世帯に60万円、2人以上の世帯に100万円を支給するものになっております。基本的には移住された方が申請をしてきまして、そちらの申請を受けて交付をするという形になります。
(中森辰一)
名目という点について答弁なかったと思うんですけど、それと、これは県内ということですから広島市以外の他の市町も一緒にこういう事業をやるということなんですか。
(地域活性推進課長)
令和5年6月1日現在におきまして県内23市町のうち、呉市、竹原市、三原市、尾道市、福山市、府中市、三次市、庄原市、東広島市、熊野町、坂町、安芸太田町、世羅町および神石高原町の14市町がこの事業に参画しております。
(中森辰一)
広島市としては何件程度を想定していますか。
(地域活性推進課長)
今年度の予定としましては今10件程度を想定して予算を計上しているところでございます。
(中森辰一)
関東圏ということなんですけれども、この関東圏への転出と、関東圏からの転入の数ということで、差し引きでどれだけかというこの三つの数字を教えてください。
(政策企画課長)
関東圏への転入転出の状況ということでございますけれども、本市から関東圏への転出が7443人、転入が4929人となってございまして、差し引きしますと、2514人の転出超過になっているという状況でございます。
(中森辰一)
それでこの転入超過への対策ということで、この施策に期待するところがいろいろあるかなと思うんですが、その点についてと、それからこの事業を実施してもこれだけでこの問題を解消するということにはならないと思うんですけども、市としてこの転入超過を実現しようということのために、他にどういう施策が必要だと今お考えでしょうか。
(地域活性推進課長)
本事業を実施することでの効果というところについてまずお答えさせていただきます。
まず直接的な効果といたしましては、先ほど申し上げました10件10世帯30人を想定しておりますが、この人たちが本市に移住していただけるものと見込んでおります。
これに加えまして、本市を移住先として選択してもらうためには、働く場の確保が重要となります。この移住支援金の支給要件となる県の求職、求人のマッチングサイト「広島ワークス」において、本市の優れた中小企業群の魅力を積極的に発信することを通じて、本市における雇用の受け皿が東京圏を初め、広く全国に周知されていくことを期待しております。
このため本事業の実施につきましては就業支援に係る国や県の所管課との連携も図りながら、本市における雇用の推進を担う部署が中心になって、移住者にとって魅力的な働く場の掘り起こしに努めてまいりたいと考えております。
(中森辰一)
次に防犯機能付き電話機設置等補助250万円という予算があるんですけれども、限度額1万円となっておりますので、今年度を想定している対象者数は250人ということになると思います。それで、この対象となる高齢者ってのはどの程度おられると今掴んでおられるでしょうか?
(市民安全推進課長)
すぐに資料が出てきませんけど数万人おられます。10万以上おられます。
(中森辰一)
10万人以上と今おっしゃったんですけどもう一度お願いします。
(市民安全推進課長)
10万人以上がおられると思います。
(中森辰一)
既に単身の高齢者で自分で設置をされたという方もいらっしゃるかなと思うんですけども、かなりの対象者数があるという中で、250人が今年度のこの予算の対象数ということになるんですよね。だいぶやる余地があるなと思ってます。
(中森辰一)
70号議案ですが、市税条例の一部改正について、3項目のうち一つは予算にも出されておりました。分譲マンションの適正な管理の推進に向けた事業の一つだと認識しております。
固定資産を減額するために満たすべき一定の要件とはどのようなものでしょうか。
(税制課長)
こちらのマンションの適正な管理に関する法律で、管理計画認定マンションということでございますけども、一定の要件の方でございますが、複数ありますが主なものを申し上げさせていただきます。
築後20年以上が経過している10戸以上のマンションであること。それから、大規模修繕工事を過去に1回以上適切に実施していること。それから長寿命化に資する大規模修繕工事を適切に実施するために必要な修繕積立金が確保されていることなどでございます。
(中森辰一)
もう一点、一定の大規模修繕を行った場合にと説明されました。この一定の大規模修繕というのはどのような規模の、あるいは内容のものでしょうか。
(税制課長)
内容についてご説明させていただきます。マンションの建物の外壁について行う修繕または模様替え、それからマンションの建物の、直接外気に開放されている廊下、バルコニー、その他これに類する部分について行う防水措置を講ずるための修繕または模様替え。それからマンションの建物の屋上部分、屋根またひさしその他これに類する部分について行う防水措置を講ずるための修繕または模様替えを言います。
(中森辰一)
わかりました。それと本会議でも申し上げたんですけれども、個人市民税の均等割1000円を上乗せするというこの増税措置について、先日の本会議で物価高騰のもとでの市民生活への増税であるという問題、国と自治体との関係にゆがみをもたらすやり方ではないかという問題。それから所得税非課税水準よりもはるかに低い所得の世帯にまで増税するものであるという問題と、この所得の多い少ないによらず、定額を課すというこの問題を指摘してきたわけですけども、私のこの問題提起については市の当局としてはご理解いただけたんでしょうか。
(税制課長)
こちらの森林環境税の方でございますけども、成立しました趣旨をご説明させていただきます。
森林は地球温暖化防止や災害防止等多面的な機能を有しまして、国民一人一人がその恩恵を受けているというような状況にございます。森林環境税はこうした森林の有する公益的な機能が十分発揮されるよう、市町村が実施する森林整備等に必要な財源に充てるため、森林からの恩恵を受けている国民一人一人が分かち合って皆で森林を支えるという仕組みになっていると承知しております。
こちらにつきまして、現行法令下におきまして広く国民に定額の負担を求める税として個人の市民税の均等割がございますが、課税実務の面や国民からの理解等を踏まえるとこの個人市民税均等割の納税義務者を基本として森林環境税として定額の負担を求めるということにされたと承知をしております。またそのようなことが国会で審議を経て、導入されたものと考えております。
(中森辰一)
国会で決まったから何でもいいというわけにかないと思います。所得税の非課税水準の年収は103万円ですよね。住民税所得割の非課税水準は年収98万円です。住民税の均等割の非課税水準ってのはこれはひとり暮らしの方であると、年収35万円です。年収です。例えば、10億円の年収の人も、36万円の収入の人も等しく1000円払えという。全員になってるわけですよね、この不当さというのは誰でもわかると思います。1000円だからと見過ごすことはできない問題なんで、この後、討論でも申し上げますけども、この点はよく認識しておいていただきたいと思います。
(中森辰一)
それから72号議案の印鑑条例の一部改正ですが、確認ですけれども、マイナンバーカードの普及促進に関わるものだと認識しておりますが、これでよろしいですか。
(区政課長)
今回の法改正は、マイナンバーカードがやります利用者用電子証明書がこれまでカードに搭載されていたものが、いわゆるスマートフォンの方にも搭載されるようになるための法改正でございまして、これにより電子証明書の利用がスマートフォンだけで可能になりますので、結果としまして、マイナンバーカードの普及促進に資するものと考えております。
(中森辰一)
2点について反対の立場で討論をさせていただきます。
第70号議案市税条例の一部改正については、他の2項目いんですけれども、個人市民税の均等割に森林環境税として1000円上乗せをするという項目については、まず国税であるにもかかわらず、自治体である市が国の事務を肩代わりするものであり、国と地方自治体との関係にゆがみをもたらすものであるという問題があります。
さらに、所得税を課すことができない低所得層を含めて、生活費非課税の原則を無視して、どの所得階層にも一切配慮することなく一律1000円の増税を行う極めて非民主的なものであるという問題があります。
このことは、住民税の均等割そのものが問題があるということでありますと同時に、住民税非課税世帯を対象とする制度の適用水準が極めて低いことにも繋がっていることであり、是正が必要な問題だということも指摘しておきたいと思います。以上の重大性に鑑み、反対いたします。
第72号議案の印鑑条例の一部改正については、一般質問で問題性を明らかにしたマイナンバーカードの普及を推進するための議案であること。マイナンバーカードについては国民にとって、さしたるメリットはないけれども、国が国民の個人情報一元的に管理することによって、大企業などの新たな利益に奉仕することと、国が国民をコントロール可能な状態にしていこうという意図が見えるものであると考えております。
国民にとってほとんどメリットがないものだからこそ、マイナンバーカードはなかなか普及しなかったのであり、様々な分野でたくさんの不祥事トラブルが起きているにもかかわらず、また国民にマイナンバーカードを押し付けるために強引に保険証廃止を強行したことに対して、7割を超える世論がなお反対しているにもかかわらず、一層強硬に押し切ろうとしていることは異常なことだと考えます。
国民市民の利益に反することであるからこそ、数の力で強引に進めているものであり、それを促進するための条例には反対であります。他の議案には賛成いたします。
(中森辰一)
それでは私の方からは請願第4号7号および請願第11号について発言をさせていただきたいと思います。
そのうち時間の関係がありますので先に請願第11号消費税インボイス制度の実施延期を求めることについてについて発言をさせていただきたいと思います。
財政局に伺いますけれども、消費税法について、消費税という制度のあり方について、かなり誤解があると思います。
先ほども趣旨説明の中でも触れられましたけれども、この消費税法の中で、この消費税の納税義務者となっているのは誰か、つまり、今では消費税8%10%ありますが、この商品の価格に上乗せされて、徴収されるこの消費税ですが、これを支払う義務があるのは一体誰なのか、税務署に納める義務があるのは一体誰なのか、このことについて認識を伺います。
(税制課長)
消費税を納税する義務があるのは、商品サービスを受けた、購入した、サービスを受けた者、商品を購入した者でございます。
(中森辰一)
消費税法のどこにそういうことが書いてありますか。
(税制課長)
申し訳ございません手元に消費税法持っておりません。
(中森辰一)
あなた方もそういう誤解しとっては困りますよ。税の専門家じゃないあなたがたがそんなこと言ってるから誤解が広がってるわけですよ。インボイスのどういう問題があるかということについて、先ほど請願者が説明されたわけですけれども、やはりまずこの消費税というものについての誤解を解かなくてけないと思いますよ。
消費税法には消費者に納税義務があるとは書いてないんです。だから事業者は消費者が負担した消費税を預かっている、こういう認識も間違いです。消費税法にはそういうことは全く書いてないわけですよ。消費税法には、消費者に対して消費税分の支払いを義務付けてはおりません。買い物をしたときに消費税分、今であれば商品の価格の10%分これを事業者に支払わなければならないということは全く書いてないんです。ただ、事業者に対して、売り上げに対する税率が決められています。この税率を掛けた額を税務署に納めよということが義務づけてあるわけです。
業者は消費税率に応じた金額を商品の価格に上乗せできてもできなくても、そんなことは税務署の知ったことではない。とにかく売り上げに応じた今で言えば10%分これを払えと、事業者に義務付けている。これが消費税法の本質です。
ここを間違っているので、一部には10%分というのは消費者から預かった預かり金なんだというふうなことを言う人がいます。しかし、実は国会でも議員の質問に対して、消費税分これは預かり金ではありませんとわざわざ答弁をしとるんです。
ですから、こういう中で立場の弱い事業者、過当競争状態にある事業者こういうところは、この消費税分を転嫁するってことは、実態として難しい場合が消費税が導入された当初からずっと続いていることです。
同時に、先ほども少し触れられましたけれども、ほとんどが免税業者になっているフリーランスの場合は最初から消費税分なんか関係なく請負価格が決められている場合が多いわけです。最近急速に増えた食事を宅配する人たちがいますね。こういう人たちとか、個人で宅配会社から荷物の宅配を委託された人たちもいます。アニメ産業、この現場では単価が安くても、やりたい仕事だからという自分たちの思いで一生懸命頑張って仕事を請け負ってますけども、頑張っているアニメーター、こういう人たちで今のアニメ業界は成り立っているんですけれども、こういう人たちの実際の平均年収ってのは140、50万円だと言われているんです。
それから広島でも、舞台、音楽、演劇様々ありますけれども、こういう舞台が行われている。こういう一つ一つの場面でフリーランスのスタッフが個別のイベントごとに仕事を請け負ってるわけです。アニメーターの平均年収は先ほど言いました、同じようにこういった舞台のスタッフ、個人個人で請け負った人たちも、年平均で非常に低い。それでも頑張っておられるわけですよ。このアニメ産業とかそういうところだけじゃなくて、テレビドラマこういうのも同様で、低い制作費で、これらのコンテンツができて、大人まで喜ばれている。この土台には、こういう厳しい暮らしをしながら頑張っているフリーランスの人がたくさんおられるわけです。いずれも会社法人から仕事をこの人たちは請け負うわけですよ。
ですから今回で言えば、全て消費税が必ず関わってきます。もっと言えば、免税事業者がおられるからこそこういう業務が成り立っているということも言えると思います。こういう実態に目をつぶったままでインボイス制度を実施すると、日本の社会と経済文化にも様々なひずみを生んでくるということになると思いますし、今現に必死で仕事頑張っている人たちが仕事を続けられなくなるということも予想されると思います。
その結局、仕事がなくなって、収入がなくなる。こういう人たちに対する社会保障費が急速に拡大していくという問題点もあるとも思います。こういった問題を考えると、私たちはインボイス制度中止するべきだ、今現に複数税率になっていても、インボイス制度なくても、今の消費税の仕組みと成り立っているわけですから。うまくやってるわけですよ。
あえてインボイス制度をあくまでもやらなくちゃいけないということはないと思います。もういっぺん、こういう制度がいいのかどうか考え直す必要が日本社会ではあるんではないかと思いますので、せめて延期できれば中止。やはり考え直すべきではないかと思っております。ぜひ皆さんにもご検討いただきたいと思います。
(中森辰一)
令和4年度のエールエールA館への中央図書館等の移転整備ということについて、令和4年度の予算は基本実施設計と不動産鑑定等、令和5年度予算は基本実施設計等となっておりました。また、予算資料見ますと、6、7年度は整備工事開館準備という予定になっております。今年度4年度と5年度の予算を使って基本設計と実施設計が行われるということですけれども、基本設計と実施設計はそれぞれいつまでに行われるのか、またその設計内容はいつ議会に報告されるんでしょうか。
(生涯学習課長)
現在中央図書館の基本設計、実施設計を行っているところでございます。この設計につきましては、一応今年度も目途に一応設計を終わるということにしております。今作成中ですけれども、その案につきましては近々案がまとまりましたら議会の方にも報告させていただきたいと考えております。
(中森辰一)
その中で8階から10階の3フロアを買い取り額全体で65億円だったと思いますけれども、この3フロアだけでは足りないので、地下フロアも書庫として使うということになりましたし、1階の、移動図書館車とか各区図書館や公民館などの図書室に配本するための車の出入り、駐車場所、図書の入れ替えの作業スペースもいるわけですけども、これらはこの65億円に入ってないと思うわけですが、これらはどうするんでしょうか。
賃貸でいくのかまた追加で買い取るのか教えてください。その費用も含めて。
(生涯学習課長)
今委員の方からご質問がありました場所については、全てその概算に出させていただいた金額の中に含まれておるものでございます。
(中森辰一)
概算で含まれているということは、これは買い取るということになるんですか。
(生涯学習課長)
買い取りを前提で南口開発の方がその地権者と交渉しているところでございます。
(中森辰一)
今交渉中だという話でしたけれども、特に1階の車両のスペース、図書の入れ替えの作業スペースは当初示されていたスペースでは足りないということで、これは図書館が使うスペースとして広げるというふうなことを言っておられましたが、これはどうなったんでしょうか。
(生涯学習課長)
荷捌き場のことですけども、通常使っております荷捌き場を福屋さんと共同で使わせていただきながら、その北側のJTBが入ってた箇所になるんだと思いますけども、その部分については買い取ることで一応荷捌き場を広げると考えております。
(中森辰一)
これはもう確定したものですか。何らかのこう決まりましたというふうな文章があるんでしょうか?
(生涯学習課長)
現荷捌き場の北側のJTBの元あった場所ですけども、これは一応買い取るということで決定しております。
(中森辰一)
決定したということは、そういうことを確認する文書ってのはあるっていうことでよろしいんですね。
(生涯学習課長)
広島市の方からそちらの方を使わせていただきたいということをお伝えさせていただいて、南口開発のそういった取締役会等で承認されているものと思われます。
(中森辰一)
取締役会で承認されたということは、そこの文書が残っているということだと思います。
地下のフロアを借り切って書庫として使うということなんですけども、この追加の費用というのは、もうないというふうなことで先ほど答弁があったと思います。
それで、細かいことになりますが、カフェコーナーを設置するということにしておりますけれども、それはどこかの企業に委託をして運営するということになるのかどうか。それからカフェコーナーとなると、図書館のフロアに火気を持ち込むということになると思いますが、それはどういうふうなことになるんでしょうか。
(生涯学習課長)
カフェの運営については今どのような形でその委託にするのかというところについては検討中でまだ決まったものではございません。また消防法の関係については、消防に確認しながら進めておりますので基本的には消防法のものを満たしていくような形で整備していくものだと思っております。
(中森辰一)
消防法ではわざわざ図書館というふうなこと分けて規定しているものはないと思いますけれども、貴重な図書は使ったりするわけですよね。貴重な図書が置かれているフロアなんだということを踏まえたあり方というものを考えなくてはいけないと思います。単に消防法に準拠していればいいということにならないと思いますけども、それはどうでしょう。
(生涯学習課長)
貴重書庫につきましてはガスの消火を使うということで、本がしっかりと保存活用できるような形で保管するように考えております。
(中森辰一)
貴重図書ではないところについては、ガスの消火設備を使うわけではないということですか。
(生涯学習課長)
通常の開架書庫の部分についてはスプリンクラーでの消火となります。
(中森辰一)
8階から10階フロア買い取って使うというわけですよ。11階にはレストラン街があります。これは当然火を使うスペースです。万が一にも火災を起こしてはならないと思いますけれども、その可能性があるからこそ、火災発生の備えが行われているわけですよ。
中央図書館をエールエールA館に移転する際には、水を使わない消火装置を設置すると先ほども答弁がありましたけれども、基本的にはそういう形で、図書を守るというふうな考え方があると思いますけども、ただ11階はそうなっとらんと思うんですよね。これどういうふうになってますか。
(生涯学習課長)
11階に食堂街があるということをもって火災が発生しやすいということはないと思っております。
(中森辰一)
いや発生しやすいとか言ってない。可能性があるからスプリンクラーなんかも11階も設置してあるわけでしょ。その可能性の問題を言ってるわけですから、発生することはないとあなたが保証することはできないと思いますよ。どうなんでしょう。
(生涯学習課長)
11階にもスプリンクラーの消火設備がついているものと思っております。
(中森辰一)
そうすると先ほど開架図書のところはスプリンクラーだとおっしゃいましたが、少なくとも10階はそうなるということですか。
(生涯学習課長)
基本的にはあの建物はスプリンクラーで消火するようになっておりますので、他のフロアもそのようになっております。
(中森辰一)
貴重図書、あなたが今先ほどおっしゃいましたその図書は何階に配置するんですか。
(生涯学習課長)
9階に置くようにしております。
(中森辰一)
万一火災が発生した場合、当然消火作業が行われます。スプリンクラーだけではないと思うんですよ。10階の場合であれ設置されたカフェがそういうことを起こすということは考えにくいかもしれませんけれども、いずれにしても、火災が発生してスプリンクラーが作動する、あるいは屋内消火栓設備を使って消火作業が行われる。そうなると、当然8階にも9階にもその水の被害の影響が及ぶと思いますが、そういうことについてはどうお考えですか。
(生涯学習課長)
基本的にはスプリンクラーは火事があった部分のエリアに対して使われるものであるので、その影響は最小限だと思っております。
(中森辰一)
ああいう貴重なものを、水にぬれては困るものを配置しているところは、先ほどおっしゃったようなガスであるとか水を使わない消火設備を使う。しかし、ガスっもいろいろ事故が起きておりますけれども、人間がいるところには使えないものなんですよね。なのでそこは明確に区分けをしてやらなければいけないことだと思うんですよ。
一部分だけスプリンクラーが作動するからそれでいいんだという話ではなくて、被害をいかに防止するかという観点から、レイアウトを考えていかなければいけないと思いますが、この点はどうお考えですか。
(生涯学習課長)
レイアウトにつきましては、今日も昨年度図書館の再整備方針を作りまして、その機能がしっかり発揮できるようなレイアウトで考えております。
(中森辰一)
今おっしゃった機能の問題は当然重要ですと同時に、やっぱりこの問題に関わってこられた方々は、火の心配もしておられるわけですよ。火の心配をするということは当然水の影響を心配するということになります。
そこはどうやっていくのかっていうことも、綿密にいろんな事態を想定しながら、どういう消火設備を使うのかということも含めて、レイアウトを考えていかなければならないと思いますが、この点についてはどうでしょうか?
(生涯学習課長)
消防設備については当然人命に被害が及ばないようにしていくものなので、当然設計の中では消防局等も協議しながら、設置していくものだと思っております。
(中森辰一)
人命は当然ですけれども、私が申し上げてる同時に、この所蔵される書物もね、大事なものとして扱えるような体制、レイアウトそういうことを緻密にいろんなことを想定しながら考えていただきたいということを申し上げているわけですよ。この点もう一度お願いします。
(生涯学習課長)
先ほどの繰り返しになるかもしれませんけども、貴重書庫についてはその○○するような形で考えておりますので、その被害も最小になるような形で考えております。
(中森辰一)
ですから、一般的に考えるんじゃなくてね。あらゆる被害を想定したような形でもちろん人の命も大事ですから当然これ優先ですけれども、同時にこの貴重な図書を守る。そういう立場で綿密な計画を立ててレイアウトも考えていただきたいということを言っているんです。
この点について床の強度、建物の強度の問題で、レイアウトが限定されるという問題がありましたよね。そういうことも関わってくることですけれども、重要な書籍、歴史的なもの、そういったものを毀損することがないように、十分考えてやっていく必要があると思っています。この点はまた、必要があれば、質疑をしていきたいと思います。
それから一緒に移転しようとしている映像文化ライブラリーなんですけれども、この映像文化ライブラリーの広島の文化および被爆都市広島のまさにその平和文化にとっての位置づけってのはどういうものでしょうか。
(生涯学習課長)
映像文化ライブラリーは広島市の映像文化ライブラリー条例により、映像および音楽に関する作品および資料を収集し、保存し、その活用を図り、もって文化の向上に寄与することを目的して設置されているものでございます。
(中森辰一)
そう書いてあると思いますけれども、この映像文化ライブラリーというもののこんにちにおける希少性重要性について、どう考えていらっしゃいますか。
(生涯学習課長)
重要な施設であるということで、今回新たに再整備すると考えております。
(中森辰一)
あんまりそう簡単に言って欲しくないですね。映像文化ライブラリーでは、とりわけ平和をテーマとしたフィルムコンテンツが多いんですよね。中でも、原爆に関する作品の収蔵ではこれは国をも凌ぐほどの内容になっているんですよ。被爆というものを考えてもらう上で極めて貴重なライブラリーだと思いますけれども、市のあなた方の認識を伺います。
(生涯学習課長)
映像文化ライブラリーは全国でも数少ない貴重な施設だと考えております。
(中森辰一)
映像文化ライブラリーがこういった形でこういう施設があること自体が希少性があるんです。同時に、その収蔵しているものをどう保存活用していくかというものすごく大事なことだと思うんですよね。だからわざわざ移設して整備をするんだというふうなことをおっしゃるんでしょうけれども、どうもあまり重要な施設として考えておられるのではないかというふうな響きが感じられるんですけども、どうなんですかね。
(生涯学習課長)
繰り返しになりますけども、映像文化ライブラリーについては重要な施設だと認識しており、日本でも数少ない施設なので貴重な施設だと考えております。
(中森辰一)
私はね、ここに収蔵されている様々なコンテンツ、フィルムあるいは他にもありますけれども、そういったようなものを大事にしていくという観点がすごく大事だと思ってます。
今年間225日上映会を行っているということなんですけれども、この扱う35ミリフィルム。この詳細この保存と活用のあり方はどうあるべきかということはご存知と思いますが、認識をお聞きいたします。
(生涯学習課長)
そのような資料につきましては引き続き収集していき、しっかりと後世に伝えていきたいと思っております。
(中森辰一)
35ミリフィルムを映写するときに、今は低い温度と低い湿度で適切な設定をして保管をしているわけです。でもそのままで、映写機にかけることはできないんですよね。映写機にかけるためには、適切な状態に戻すっていう作業が必要だと聞いておりますけども、その点について知ってますか。
(生涯学習課長)
急激な温度変化により水滴がついたりするということは聞いております。なので、今後整備する施設においては、専用室を設けるなど、段階を追ってフィルムを出し、また段階を追ってフィルムもしまうと考えております。
(中森辰一)
水滴がつくとかいうことじゃないんですよ。フィルム自体が乾燥した状態だと切れちゃう。あるいは、何かフィルムは2種類あるそうなんですけれども、片方の種類ではそのまま使うと、今度は映写機の方を痛めてしまうという、そういう問題があるんだそうです。その低い温度低い湿度で保管している状態から別な部屋を設置して、65%の湿度になじませて、映写機にかけたときに、静電気でフィルムが切れたりとか、逆に硬い状態で先の機構そのものを壊したりしないように、時間をかけて準備するということが必要なんだそうですよ。その作業のスペースが必要だということなんですが、これは十分に確保される設計になるんですか。
(生涯学習課長)
先ほどもご説明させていただきましたとおり、要は急激な温度変化がないような形で、要は資料を出していくとなっておりますのでそういう部屋は確保しております。
(中森辰一)
今使っている35ミリフィルム映写機、これかなり貴重なもので、メーカーがないんだそうですね。今の状態での映写距離で20mになっているわけですが、今度エールエールA館ということになると、映写室といいますか、映画館になるわけですけども、スペースが狭くなる。確か席数も160余りから100席になるというふうなことを聞いておりますが、そういう中で、ここら辺の映写距離ってのはどうなるんですか。
(生涯学習課長)
今使っている映写機を持って行くことになりますので、それがきちんと撮影できる距離を確保していくということになります。
(中森辰一)
短くなるわけですよ。部屋が狭くなるので、距離も短くなるので、だけど今使っているレンズは20m、今の映写距離にあった焦点距離のレンズを使っているんだそうです。だけれどもこれをもっと短い距離になるんであれば違うレンズを使わなくちゃいけないけれども、そういうものはもう作られていません。なのでこれを確保するということが必要になりますがそういう確保はできるんですか。
(生涯学習課長)
設計において基本的には今使っているものが映し出せるような形で整備していくと考えております。
(中森辰一)
確実に距離が短くなっても、映写距離が短くなっても今の映写機が使えるということがないとしたら、短くなって今の映写機が使えなくて、ということになるとわかったら、もういっぺん設計やり直すんですか。
(生涯学習課長)
基本的には今の映写機が映るような形で設計をするので、設計した後に写らないということは、今考えておりません。
(中森辰一)
確認しながらやるということなんですね。それで客席が小さくなるということはわかっちゃったわけですけれども、映写距離が4分の3ぐらいになる。おそらく今のその設計でいくと。天井高も今より相当低いわけですよ。そうすると、スクリーンサイズがずいぶんと小さくなると聞いておるんですけども、そういう説明をこれまでしてこられたかどうか。
(生涯学習課長)
映像文化ライブラリのスクリーンサイズというのを説明したことはございません。
(中森辰一)
どうして説明されなかったんでしょうか?
(生涯学習課長)
今設計している段階ですので、どのような大きさになるかということは、今検討中でございますので、確定しないことをお伝えはしていないということでございます。
(中森辰一)
実際映写をして、観客の方に映画を見ていただくということができるかどうかということに関わるんですけれども、天井高相当に低くなりますので、映写機の位置を低くせざるを得ませんね。そうすると、もしかしたら角度の関係で、映写する映像が観客の頭に当たるような可能性もあるんじゃないかというふうなことも聞こえてきておりますけども。そういう点はどうなんですか。
(生涯学習課長)
基本的に設計に関しては映像文化ライブラリの職員とも話をしながら設計しておりますので、そういったことがないような形になると考えております。
(中森辰一)
案の段階で我々にもそういうことはありませんときちんと説明できるということでよろしいですか。
(生涯学習課長)
今度基本設計の案をお示しするときには、その部分については改めて確認したいと思っております。
(中森辰一)
ここを設計しておられるのは、結局全体の基本設計、実施設計ですけれども、今回の中央図書館移転をする8階9階10階このフロア全体を設計する人が、同じ人がやるということでよろしいんですか。
(生涯学習課長)
同じ業者が設計することになります。
(中森辰一)
この方はこういう映写システムであるとか、いわゆる映画館のことについてよく熟知されてる方なんでしょうか?
(生涯学習課長)
いろいろな建物が設計されておられますので、設計される方が自分の得意分野でないということであれば、当然確認しながら設計されるものと考えております。
(中森辰一)
最近の映画館というのは、まさにデジタルを使って、かなり効率的な形で映画館を運営する。そういうふうな作り方もあるし、逆にアナログ的な古い形の映画館で運営してるところもあるんだそうです。
今の映像文化ライブラリのシステムっていうのは古いタイプの映画館になると思いますから、そういうふうな知識がないんであれば、やっぱりそれをきちんと踏まえた形での設計が必要だと思いますので、その点はぜひ設計者にもお伝えいただきたいと思いますが、どうでしょうか。
(生涯学習課長)
その点については改めて確認させていただきたいと思っております。
(中森辰一)
それはぜひ確認していただきたいと思います。箱は作ったけれども実際に映画館にして運営しようと思ったらなかなかそうならなかった、映写ができないような状況になってしまったということがないようにしなければいけないと思います。
そういう点では、先ほど現場の声をしっかり聞くとおっしゃいましたけれども、それはぜひ双方向でしっかり我々としては独立したものを建ててほしいと思ってますけども、今実際に設計が進められているわけですから、設計をするにあたっては、現場の人たちから、今こうしてやってるんだ、こういうふうな問題なんだということをきちんと聞いていただいて、それがきちんと反映されたような設計にしていただきたいと思います。再度確認します。
(生涯学習課長)
設計につきましては、きちんと設備機器が使えるような形でしっかりと設計していきたいと考えております。
(中森辰一)
まず平和記念資料館の開館時間延長のことなんですけれども、6月23日の中国新聞に原爆資料館の開館延長との見出しで、観光庁が22日に観光再始動事業として平和記念資料館の開館時間延長が採択されたとの記事が出ておりました。
この事業は、中国新聞社と広島市が共催するということになっております。この事業はどのようなものになるかということなんですが、現在でも開館時間が延長されております。この開館時間の延長を担うのは平和文化センターの現場の職員であります。しかもこの職員たちは全て嘱託などの非正規の職員だと聞いておりますが、開館時間の延長をやりますと現実にはこの非正規の職員たちが残業するということになると思います。開館時間延長した場合に、どこの部署の職員がそれを担うことになるんでしょうか。
(被爆体験継承担当課長)
現在平和記念資料館では、G7広島サミットを契機といたしまして、更なる来館者の増加が見込められるとともに、1人でも多くの来校者の方に被爆の実相に触れていただきたい。その思いから、同館の指定管理者であり、広島平和文化センターと協議調整の上で、5月20日から7月31日までの71日間開館時間を午後6時から7時に1時間延長する開館延長を行っております。開館時間の延長に当たりましては、職員が従事する業務につきましては、入場券の販売や音声ガイドの貸し出し、ミュージアムショップの運営、総合案内などとなっております。
(中森辰一)
広島市のワークライフバランスということで以前から強調しておりまして市の職員にもそのようなあり方になるように取り組んできたんだと思います。
現場で働く職員は、広島市の職員ではなくて、平和文化センターに雇用された職員ですから、市が直接その働き方をコントロールする立場にはありません。
しかし市が委託した業務、この場合は開館時間延長ということなんですが、それが結果的に市の事業に従事する職員のワークライフバランスを損なうということになるのは、やはり問題ではないかと思うんですね。
平和記念資料館を開いて、見学者を受け入れるということも開館時間の延長も市の事業でありますし、市が出資して設立した団体の職場での問題のわけです。
ですから市として、あるいはよそのことだということではなくて、現場の職員の働き方に無理が生じないように平和文化センターとよく調整をしていただきたいと思うんですね。
今後、開館時間の延長を行おうとする場合に、平和文化センターの方が、現場の職員とその業務をどうこなすかということで十分に検討し合意できるような余裕を持った対応ができるように要請を行う時期にしても、それからこれは事業費の問題も含めて配慮する必要があるんじゃないかと思うんですがどうお考えでしょうか。
(被爆体験継承担当課長)
平和記念資料館の開館時間の延長を要請するに当たりましては、広島平和文化センターが余裕を持って対応ができるよう、また、職員のワークライフバランスにも配慮できるよう、早い時期から、さらには平和文化センターの方での予算的な裏づけがあるようにセンターと協議調整していきたいと考えております。
(中森辰一)
それはそのようにしっかりやっていただきたいと思います。ただ開館時間を延長しても、午後6時から、大体7時までと1時間が普通なんですけれども、一時間当たりの入館者数よりも延長時間中のこの1時間当たりの入館者数ですけれども、そんなに増えてない。つまりその日中、朝開けて夕方6時まで開けるわけですが、その大体1時間当たりの入館者数よりも、延長した分の入館者数ってのはあんまり増えてないっていうか、むしろ相当に少ないと聞いております。
5月22日から6月18日までのデータありますけども、延長時間の1時間分の入館者数っていうのはこの1%前後から2%前後、1日だけ4%を超えている日がありましたけれども、大体例年の5月の連休中でも、多くて4%程度というデータがあります。つまり、日中の1時間の入館者数よりもこの延長分の入館者数は相当に少ない。そういう点では、延長しても大幅な入館者数の増加にはなってないというのが現状だと思うんですよね。
今後はやっぱり延長そのものを慎重に決めたい方がいいんじゃないかと思っておりますので、この点は今後よく検討していただきたいと思います。
(中森辰一)
二つ目です。G7サミットが開かれた今年も、8月6日平和記念式典が行われまして、市長が平和宣言を行われます。
平和宣言の中に、市長の最近の言われることを聞いておりますと、どうもこのG7サミット広島ビジョンを含めて評価するような文章が入るんではないかと私は心配をしておるんですけども、これはどうでしょうか。
(平和推進課長)
平和宣言の作成にあたっては、今年も例年と同様に被爆者や有識者などで構成する平和宣言に関する懇談会でのご意見を参考にしながら、市長自ら起草することになっています。
これまで5月6月に2回懇談会を開催しましたが、その懇談会において、今年の平和宣言に盛り込む時代背景を踏まえた事項として、G7広島サミットに言及する方向で、出席者の意見が一致しているところです。
今年の平和宣言の中で、G7広島サミットについて、これをどのように言及していくかについては、来月に3回目の懇談会を開催した上で内容を固めていくことになりますが、いずれにしても、被爆者を初めとする広島市民の平和への思いが広く国内外に伝わるような宣言にしていきたいと考えています。
(中森辰一)
先ほども言いましたけれども、市長のG7での広島ビジョン、これが問題なんですけども、これについての発言を聞いておりますと、この広島ビジョンが核兵器廃絶に向けて前進だと捉えているように聞こえるんです。市としてはどう捉えておられるんでしょうか。
(平和推進課長)
今回のサミットで発出されました、核軍縮に関するG7首脳の広島ビジョンは、核保有国を含むG7の首脳が合意した、G7初の核軍縮に特化した独立文書として採択された文書です。
このビジョンの中で、全ての者にとっての安全が損なわれない形での核兵器のない世界の実現に向けたG7首脳のコミットメントが再確認され、核兵器を減少させさせる行動を逆行させてはならないこと、核兵器のない世界は不拡散なくして達成できないこと、被爆の実相への理解を深めるために、広島長崎への訪問を促すことなどが明示されています。
NPT再検討会議において、最終文書が2度も続けて採択できず。核軍縮の取り組みが停滞する状況が続いている中、各国首脳から全ての者にとっての安全が損なわれない形での核兵器のない世界の実現を目指すというメッセージが世界に向けて発信されたことは、一定の評価をすべきであると思っております。
(中森辰一)
大きく二つの私は問題があったなと思ってるんですけど、このビジョンの中に「われわれの安全保障政策は、核兵器は、それが存在する限りにおいて、防衛目的のために役割を果たし侵略を抑止し、並びに戦争および威圧を防止すべきとの理解に基づいて」こう言明しております。G7が、これは「核抑止論」の立場にあるよっていうことを明らかにしているんだと思うんですよね。
この核抑止論に対して、広島市は反対の態度をとってきたはずですけれども、この広島ビジョンで公然と核抑止論の立場が表明されたということをどう捉えておられますか。
(平和推進課長)
核抑止論に対しまして、広島市はこれまでも、核のボタンを握る為政者が理性的な判断ができることを前提となっていると理解しておりましたが、昨今核による威嚇を行う為政者が現に存在しているという現実を目の当たりにしたことで、核抑止論は成り立たず、核兵器が存在する限り、人類は甚大な危険におびえ続けなければならないことが明らかになったと受け止めておりまして、今後核兵器による被害を受けることがないようにするための唯一の手段は廃絶しかないと考えているところです。
今回の広島ビジョンは、委員がご指摘のような核兵器が必要だから持ち続けると積極的に宣言しているものではなくて、核抑止力については先ほど委員もご紹介いただきましたが、我々の安全保障政策は核兵器はそれが存在する限りにおいて、防衛目的のために役割を果たし、侵略を抑止し、並びに戦争および威圧を防止すべきとの理解に基づいているとのG7首脳の見解が記載されているものと受け止めております。
本市としては今や成り立たなくなっている核抑止論に依存することなく、対話を通じた外交政策を目指せるよう、引き続き世界中の平和首長会議加盟都市と連携し、国際的な規模で平和意識を醸成することに貢献していきたいと考えています。
(中森辰一)
広島市と一緒にこれまで一生懸命国連にも、あるいは各国にも働きかけて、核兵器廃絶という方向に向けて取り組んでほしいという取り組みをこられた方々、あるいは核兵器禁止条約の実現に向けて積極的に取り組んでこられた様々な人たち、この圧倒的多数が、今あなたがおっしゃった部分は、これは核抑止論だと、これを確認したものじゃないかと。こんなことを広島で、なぜ発出していいのかということを非難しておられるんですよ。
今あなたがおっしゃったのは広島市の見解かもしれませんけれども、世界でも日本でも頑張ってこられた平和運動、核兵器廃絶運動に取り組まれてきた人たちと被爆者の皆さんも含めての思いとは全然違うと思います。それをよく考えていただきたいと思うんですよ。
P5でしたっけ、核保有五大国がこれより前にこのビジョンの中でも言及しているけれども、核兵器いうものについては、やっぱり勝利者はいないんだと、核戦争とわざわざ書いているけれども、しかしその中でロシアはああいうふうなことを言ってるわけですよ。
やっぱり核兵器を持っている限り、こういう事態が起こるんだ。そういう点ではやっぱり核抑止という考え方そのものを否定するということが、示されなければならないと思いますけども、そうなってないこの文章、私はそう思います。
この広島ビジョンにあなたが先ほどおっしゃったように、全ての者にとっての安全が損なわれない形で、現実的で実践的な責任あるアプローチを通じて達成されると言いつつ、核兵器のない世界という究極の目標に向けた我々のコミットメントを再確認すると述べているんです。
核兵器のない世界というのは、今の我々にとっては究極の目標だということを改めて再確認をしていますよ。この点どうお考えですか。
(平和推進課長)
全ての者にとっての安全が損なわれない形でとの条件が付されましたが、現実的で実践的な責任あるアプローチを通じて達成される核兵器のない世界という究極の目標に向けたG7首脳のコミットメントが再確認されたことで、核兵器廃絶というゴールは共有されているものと考えています。
本市としては、各国首脳が一刻も早く、広島ビジョンが目指している核兵器のない世界の実現に向けた具体的な行動が積み上げられるよう、また、今や成り立たなくなっている核抑止論に依存することなく対話を通じた外交政策を目指せるよう、引き続き世界中の平和首長会議加盟都市とともに平和文化を振興し、核兵器のない平和な世界の実現に向けた機運の醸成に取り組んでいきたいと考えています。
(中森辰一)
あなたが今答弁された中で一つ言葉が抜けておりました。究極のっていう言葉です。この究極のっていう言葉があるから問題なんですよ。我が国の政府は国連で繰り返し核兵器廃絶の目標を「究極の目標」だと表現して、決議を提案してきました。核兵器廃絶に賛成しない国はあまりありませんから、かなりの数の国が賛成をしてきました。しかし、実はアメリカという国は、こういう決議の際も、実は反対はしないけれども、棄権をしてきた国なんですよね。
この究極の目標だっていうことなんですけども、これはまさにアメリカという国は核兵器を軍事戦略の中核に位置づけている、こういう国でも容認できる範囲の決議だと思います。この究極というものは。
アメリカでさえも、核兵器廃絶という人類的な目標自体には正面から反対できません。しかし、期限を決めて廃絶しようと、広島市や国も早くということを言ってきたわけですよね。我々も期限を決めて、早く達成してもらいたいということをずっと言い続けてきました。しかし、我々が要請をしてきた世界の要求にこのアメリカという国はなかなか組みすることができなかったんです。それがはっきり表れた記述ではないかと思います。
これは、広島の願いとはやっぱり違うんじゃないかと思うんですよ。被爆者の皆さんは、自分たちが生きているうちにと切実に願ってこられました。そういう願いに背を向ける記述になっていると思うんです。このどこが前進なんだろうかと思うんですよ。広島市はこの「究極の」っていう問題について、やっぱり問題があると認めますか。
(平和推進課長)
究極の目標というのは、あの、最後に到達するという意味であって、それ以上の意味がないと考えています。
(中森辰一)
だからね、我が国の政府が被爆国の政府として、決議案を提案してきました。それはずっと採択され続けてきましたけど、常に究極のっていう言葉がついて回ったんです。これをやり始めていったどんだけ年数が経ってるのかと思うわけですよ。世界の、もうそれこそ圧倒的多数の国がこれには賛成してきました。しかし究極のっていう言葉がついている。これは結局どの国も拘束してはこなかったんですよ。つまり、当面は何もしないということと同じ意味だと私たちは思っています。
それから、抑止ですね。侵略を抑止と書いてありますけれども、この抑止というのはつまり恐怖という意味です。これは防衛大学校の教授が書いたある絵本の中に述べてあることなんですけども、つまり抑止というのは相手に恐怖を与えて相手のやることを思いとどまらせるということなんです。相手の動きによっては、核兵器を使う意思があるということを示すっていうことなんですよ。
G7の首脳たちが平和資料館の被爆の実相の一部を見られて、何らかの考えを抱いたのだろうと思います。だけれども、その直後に発出された共同声明というのは、いざというときは自分たちもその侵略を抑止するためには、核兵器も使うというのが自分たちの考え方だと。こういう理解に基づいていると書いてあるわけですから、1945年8月の広島と長崎で起きた事態。これはいざというとき、自分の国が核兵器の攻撃を受けるかもしれないという、そう感じたときは自分たちも広島長崎で起きた事態を再現するよ、それはためらわないよという意思を示したということじゃないんでしょうか。極めて恐るべきことだと思います。
G7の首脳たちが一緒に被爆の実相を見たこと自体は意義があったと思います。しかし、現実の共同声明というのは、その核抑止の考え方の再確認ということで、これは意味がないんじゃないかと思うんですよね。被爆者の皆さんが期待を裏切られたとお考えになるのはこれは当然です。
広島ビジョンを肯定してしまいますと、核抑止を否定し非難してきたこれまでの広島市の訴えが、これからも訴えていくと思いますけども、やっぱりそうではない、広島が容認したじゃないかと受け取られてしまうんじゃないかと思うんですよ。どうお考えでしょうか。
(平和推進課長)
広島ビジョンについて、どのような感想を受けとめ持たれどのような発言をするかについては個人の自由ですので、そのことについてお答えすることはできませんけれども、核兵器のない世界を目指すということが、G7首脳の総意として明文化され、世界に発信されたことは、本市としては意義があったものものと受け止めています。
(中森辰一)
あなたは市長じゃないから、市長を超えるような発言はできないと思いますけども、やっぱりね、個人の自由だという話ではなくて広島市というのは公的な団体で、しかも世界中に核兵器の抑止力論これを否定し、やっぱりこういう考え方はやめてほしいと、そして1日も早く核兵器廃絶成し遂げてほしいと訴えかけてきました。そういう広島の力といいますか、発信力を大きく損なうものになるんじゃないかなと思います。
核兵器廃絶が究極の目標ということは、その実現は永久の永遠の彼方にあるということです。広島ビジョンっていうのは、各国の外務省などが擦り合わせをして作ったものですよね。ですから、核保有国の核政策の核政策の枠を超えることにならない。そういうものになることは当然です。だから、これまでの核保有国の言動を見ると、広島の願いに反することになるのは当たり前ではないかなと思います。
この広島ビジョンに対しては先ほども言いましたけれども、核兵器廃絶に頑張ってこられた方々が、取り組んでこられた方々がこれではこれまでの到達の後退だと批判をしておられます。広島ビジョンは、被爆者の皆さんを含めて、広島の根源的な願いに反するものとなっていると思います。
岸田首相は、本当は広島ビジョンなんか出さなければよかったんですよ。せっかく首脳たちが資料館で被爆資料に触れたし、慰霊碑に献花もされた。それだけでよかったんじゃないでしょうか。
今後、私は広島市はこの広島ビジョンというものは無視すべきだと思います。広島サミットが核兵器廃絶の機運を高めた。こんなことは言わない方がいいですよ。G7サミットが開かれた後だからということで、今年の平和宣言に、この広島ビジョンを批判すればこそ、美化するようなものを入れるということになると、広島での平和宣言の説得力を大きく損なうことになると思います。このことをよく市長にお伝えいただきたいということをお願いしておきます。
(中森辰一)
三つ目です。先日の一般質問で中原議員が通告していなかった問題ですので、問題ありと指摘しただけにとどめましたけれども、改めて取り上げておきたいと思います。
この平和祈念公園パールハーバー国立記念公園との姉妹公園協定の締結ですが、この協定を締結すると発表したのは先週の22日です。この問題を取り上げるには、市議会の一般質問発言通告期限を過ぎておりましたので、ああいうふうな言いっぱなしになったんですけれども、この協定調印式は、おそらくもう少しで今日の午後行われることになっております。
資料では、今年の4月にこの話があったということになってるんですけども、なぜ調印式の1週間前という急なタイミングで公表することになったんでしょうか。
(国際化推進課長)
本件につきましては、米国側から協定締結の打診が4月にございました。5月中はサミットの関連事業事務が集中したため流動的な状況で推移し、本格的な協議が6月に入ってからとなり、公表のタイミングにつきましては、米国との調整の結果、6月22日ということになったものでございます。
(中森辰一)
米国との協議の結果ですね。公表された資料には、核軍縮に関するG7首脳広島ビジョンの実現に向けた第一歩として、この申し出を受けるとしておりますけれども、先ほどの答弁を聞いておりますと、広島市はこの広島ビジョンの実現を進めていくっていう立場になっているということになりますけれども、改めてこの点を確認しておきます。
(国際化推進課長)
被爆の実相への理解を深めるために、広島長崎への訪問を促すことが盛り込まれた広島ビジョンは、迎える平和を推進する本市の取り組みを支援するものであり、本市としては、今回の協定は、戦争の惨禍を二度と繰り返さないという市民社会における気運の醸成に資するものになると考えているところでございます。
(中森辰一)
今あなたがおっしゃった、その部分だけを言えばいいんですよ。これは広島市が進めて取り組んできたことですから。
だけども、広島ビジョン全体となりますとね。いろいろ批判がある、様々な非難もあるものを全体を進めていくということになるんじゃないでしょうか。
先ほどの質疑でも申し上げた理由で、広島ビジョンを被爆者団体などが厳しく批判されておられます。このことは認識をしておられますか。
(国際化推進課長)
今回の締結にあたりましては、市民の方からいろんな意見をいただいております。
(中森辰一)
広島ビジョンを実現するということになりますと、広島市は核兵器保有国の核兵器保有を承認し、核抑止力論の立場を肯定するようなことになったのかと思われてしまうんですよ。
先ほどのやり取りで、私の考えとあなた方広島市のビジョンの捉え方が違うということはわかりましたけれども、しかし、多くの方々はこの被爆者の皆さんも含めてこれは問題だと言っておられるわけですから。
そうすると、このビジョンの実現を言うと、やっぱり核抑止力論の立場を肯定することになると思いますけども、そうお考えでしょうか。
(国際化推進課長)
核抑止力を決して肯定するものではございません。あくまでも被爆の実相への理解を深めるために広島長崎への訪問を促すこと、こういったところの広島ビジョンをは、迎える平和を推進する本市の取り組みを支援するものと考えております。
(中森辰一)
先ほど申し上げたように、広島ビジョンっていうのは核兵器を持っている国が核兵器を持ち続けているということは、核抑止力論の立場に立ってるってことですよ。自分たちから率先して核兵器をどんどんなくしていこうという行動をとっていないわけですから。そうでしょ。そういう人たち、そういう勢力が作ったビジョンを、丸ごと実現をしていくみたいなことを言うと、やっぱりいろんな問題が出てくる。こういう中で、広島市にとって評価できるところだけを取って、こういうことのためにやるんだということを書けばいいんですよ。そうなっていないのが、慎重さを欠いているということだと思います。
この説明文書の中には、市の考えとして、「戦争の始まりと終焉の地に関係する両公園」という文言がありますが、広島市は本当に、広島は戦争終焉の地とお考えなんでしょうか?
(国際化推進課長)
戦争の終焉の地に関係するとの表現は、1945年8月6日に広島に原爆が投下され、同月15日に終戦を迎えたことを指しているものでございます。
(中森辰一)
やっぱりこれは慎重さが足りないと思いますよ。戦争の始まりはともかく、広島への原爆投下、つまり原爆による今日の悲惨な事態が資料館にしっかりとそのための資料がたくさん展示されてるじゃないですか。ああいう事態が発生した。そのことが戦争を終わらせてくれたんだという表現で、本当にあらわされていいんだろうかと思うんですよ。この表現は軽率だったと私は思いますけどもどうでしょうか。
(国際化推進課長)
改めての説明になりますけども、終焉の地に関係するという表現は、1945年8月6日に広島に原爆が投下され同月15日に終戦を迎えたことを指しておるものでございまして、時間的、それから近接性、こういったものを捉えておる表現でございます。
(中森辰一)
原爆によって、おびただしい市民が犠牲になった。被爆者の皆さんに今日に至るまで大変な苦しみをもたらし続けてきた。そのことによって戦争が終わったんだ。仕方がないねと、この表現だけを見るとなってしまいかねないですよ。
それは、この原爆を投下したことによって戦争が終わった。これは今日に至るアメリカの原爆投下の正当化、これと同じ考え方に繋がると思いませんか。
(国際化推進課長)
長崎にも原爆が投下されているという事実を前提にするのであれば、戦争の終焉の地という表現を認めることが必ずしも原爆投下を正当化していることを容認することにはならないと考えております。
(中森辰一)
終焉の地なんていう言葉を使うのは軽率だと思います。言葉を弄ぶようなことはやってけないと思うんですよ。広島市であればこそ、核兵器の被害に対しては常に慎重な配慮ある言動が必要なんだと思います。こういった問題についての言葉の扱いは慎重であるべきだということについてはどうですか。
(国際化推進課長)
広島の後、長崎にも原爆が落とされたということは当然の事実でございまして、その事実認識を前提として持ちながら、広島への原爆投下を戦争の終焉の地と表現しております。
また先ほど申し上げたように、戦争の終焉の地に関係するとの表現は、1945年8月6日に広島に原爆が投下され、同月15日に終戦を迎えたという時間的近接性を示したものでございます。
こうしたことから、広島への原爆投下を戦争の終焉の地と表現することが、広島への原爆投下が戦争終結の直接的な原因になったということにはならないと考えておりますし、広島への原爆投下が、戦争の終結を早めたといった意見を持つことにもならないと考えております。
(中森辰一)
あなた方はそれで弁明されるんだけどもね。しかしこの表現に対しては批判の方がいっぱいあります。私のところに届いてきております。これはねどういう言葉を使うか、始まりの地と終焉の地なんていう軽率な表現はやめるべきだと思います。
パールハーバー国立記念公園というのは国立ですから、国が運営する公園ですね。アメリカという国は、未だに広島と長崎への原爆投下を100万人のアメリカの青年の命を救った。だからあれはやむを得なかったんだと正当化していますよ。そして同時に、未だに原爆投下とその結果広島が味わった苦しみに対して、謝罪したことはありません。
政府として、バイデン大統領は広島に来て、あの資料見られたけれども、しかし、謝罪の言葉をこの広島の地で発したわけじゃないんですよ。
過去の悲しみを耐えて憎しみ乗り越えという文言もありました。日米両国の市民同士の交流ってのはこれはどんどん進めていくことが大事です。そのことは、核兵器廃絶への世論の拡大にも繋がっていくわけです。けれども、だからといって、原爆を投下した国としてのアメリカ国家の人道上の責任が消えるわけではありません。広島の原爆投下に繋がった、日本という国が戦争を始めたことの責任にしても、よその国の国民にそのことによって甚大な被害を与えたことについてしっかり認識するということも我々は必要なんだと思うんです。そういうことをお互いの国民が、あるいはこれから交流していく様々な国民同士が共通認識として共有するということが大変大事だと思いますし、絶対に必要なことだと思いますが、どうお考えでしょうか。
(国際化推進課長)
今回の協定は、国家間の人道上の責任を左右する類のものではなく、あくまでもホノルル広島県人会の宮尾会長からあった提案、つまり真珠湾への奇襲攻撃並びに広島への原爆投下という二つの出来事に不幸にも亡くなった方々への感謝の念を忘れることなく、また被爆者の方々の苦しみや勇気が、二度と戦争の惨禍を繰り返すべきではないと、十分に示していることについて、敬意を払うことと軌を一にするものと考えております。
(中森辰一)
もう一つ聞きます。未来志向とか和解といったような言葉もあるんですけども、こういった国家の戦争責任や人道に反する行為をこういう言葉で免罪することがあってはならないと思いますけれども、この点についてはどうお考えですか。
(国際化推進課長)
繰り返しになりますけども、今回の協定につきましては国家間の人道上の責任を左右する類のものではなく、あくまでも二度と戦争の惨禍を繰り返すべきではないという考え方で進めていくものと考えております。
(中森辰一)
そうおっしゃいますけれども、あの公園は実は国が運営管理している公園なんですよ。説明資料の中で、在大阪神戸米国総領事から協定締結の申し出があったと説明してありました。米国総領事というのは、米国という国家の機関の代表者であり、米国国家の利益を背負って活動している人たちです。
先ほど、ホノルル県人会というお話がありました。それはそう思ってそういう話をしてこられたんだと思う。そうであれば、そういう人たちが国立の公園ですから代表として来るっていうことは難しいかもしれないけれども、もっと別な形で申し出をするっていうことがあってもよかったんじゃないかなと思うんです。
いずれにしても今日、調印式が行われます。ここで調印をするのは、米国特命全権大使です。まさに国家そのものですよ。国として広島と長崎の被爆者原爆犠牲者に原爆投下について謝罪もしていない。こういう人たちがこの国民と国民の友好だということで、その一方ではこれは広島市の公園ですから、広島市民のものですよ、でもパールハーバー国立記念公園ってのはこれは国の公園なんです。しかも、今回、調印の席に着くのは一方で広島市長だけれども、一方では国の代表なんですよね。特命全権大使です。
私は、未だに被爆者に対して謝罪一つできてないこういう国の代表が、調印をする資格があるんだろうかと思うんですけどもどうでしょうか。
(国際化推進課長)
繰り返しになりますけども、本市としては、今回の協定はあくまでも二度と戦争の惨禍を繰り返すべきではないという考え方を双方で確認し、未来志向に立って核兵器の使用二度と繰り返さないという市民社会における機運の醸成を図っていくために協定を締結するものであることから、原爆投下に関わる謝罪や責任を問う必要はないと考えております。
(中森辰一)
広島市は市ですから、自治体です。日本は戦後、1945年9月に、戦艦ミズーリの艦上でサンフランシスコ講和条約を結んで以来独立国という形になったんですけども、日本はずっと戦争はしたことはありません。
だけどもアメリカっていう国は、先ほど戦争は繰り返さないとおっしゃったけれども、戦後数限りなく戦争を自ら仕掛けてきた国ですよ。一番最近ではアフガニスタンでも戦争やっていたじゃないですか。その前にはイラクに対して、自ら侵略戦争やったじゃないですか。我が国の政府は残念ながらこういうことに対してきちんとものも言えておりませんけれども、しかしそういう国ですよ。
戦争はしてはならないと一方で言いますけど、そういう国の代表が来るんです。そこの意味をよくよく考えないといけないのじゃないかなと思います。広島市としてもっと慎重であるべきだったと思いますし、市民にいろいろあったかもしれないけど早くこういう話がありますということを知らせて意見を聞いた上で、協定を結ぶかどうかを判断すべきだったと思います。
このことは今後の教訓としていただいて、もしこういう協定に調印するということであれば、しっかりと議論を行うこと。それから5年後は見直しをしていただきたいということを申し上げておきます。
(中森辰一)
もう一つ、マイナンバーカードについてです。全国でマイナンバーカードにまつわるトラブルが多発していることが問題になっております。個人情報に関わる問題であって、こうしたトラブルはあってはならないと思いますが、この点についてのご認識だけお聞かせください。
(区政課長)
市民の信頼を損なうことになりますこうしたトラブルは、発生しないようにすべきであると考えております。
(中森辰一)
発生しないんじゃなくて、あってはならないんですよ。制度を作る上で、こうしたトラブルは100%ないようにしないといけないんです。0にしなければいけない。だけども、こうしたトラブルが人為的なミス、ヒューマンエラーということを言われております。そうであるとするなら、ゼロにすることは不可能だと思いますが、どう思いますか。
(区政課長)
今回の紐づけ誤りなどのトラブルは、人的なミスが主な原因とされております。このため、申請支援窓口におけるログアウト忘れにつきましては、国において申請支援窓口で使用する端末にログアウト忘れ防止のためのシステム改修を行いました。
また、支援スタッフに対しましては、支援マニュアルの徹底を図るとともに、本市におきましては、独自のチェックリストを作成してトラブルの発生防止に努めるとともに、適正な運用を図っております。
(中森辰一)
先週金曜日23日の中原議員への答弁で、広島市でマイナカードを返納した人が5月以降で107人。そのうち20人の方の理由が、「トラブル続発で信頼できない」という理由だったということでありました。
国会では政府が3月末までに返納した人が42万人だと説明をしましたけれども、全国でもこういうふうなことが起きているんだと思います。こういう事態になっていることについて広島市としてはどのように受け止めていらっしゃいますか。
(区政課長)
マイナンバーカードに不安を抱き、返納された方がいるという事実をしっかりと受けとめ、引き続き事務手順に沿った適切な申請支援を実施しますとともに、カードの安全性、利便性を市民の皆様にしっかりと説明し、市民の方に安心してカードを持ち続けていただけるように、マイナンバー制度の信頼回復に向けて取り組みたいと考えております。
(中森辰一)
聞くのはこれを最後ですけれども、特にマイナ保険証でのトラブルが信用低下の決定打になったんじゃないかなと思うんですね。マイナ保険証でのトラブルってのはまさに命に関わる問題です。ですから、あってはならないんですよこれ100%。人為ミスがあってはいけないんです。だけども、人が手作業でやる限りは必ず起きます。防げません。だから、このマイナンバーカードそのものが問題なんです。
これまでに窓口でマイナ保険証で受診できなかったトラブルだけでも1200件あったということなんですね。暗証番号の問題もあるので、これが市民全体に広がっていくと、これは重大な事態が起きるということになります。まだマイナ保険証を持ってる人の数は全部じゃありませんから、市民にマイナンバーカードを押し付けるために保険証を廃止したということに対して、7割を超える世論が反対しておりますが、これは広島市民も同様だと考えなければいけません。
まさにマイナカードに対する厳しい不信感の表れだと思います。政府は全てのカードについて紐づけられた個別の情報の総点検をすると言っておりますが、これは広島市の窓口、様々なことがある広島の事業にもマイナンバーカードが関わってるわけですから、広島市分に関しては、広島市が膨大な作業だと思いますがやらなくちゃいけないと思いますがそれでいいですか。
(区政課長)
点検の具体的な実施方法につきまして、まだ国からの通知はございませんが、市民の方にマイナンバーカードを安心して使っていただけるよう、市としましてもしっかりと総点検に協力してまいりたいと考えております。
(中森辰一)
全国的には政府の促進策もあって、相当な比率でマイナカードが普及してきました。それだけに、かなりの項目があったと思いますが、点検をするってことで相当な作業、健康保険に関わる分野、医療情報に関わる分野、あるいは、その広島市の事業に関わる文書、それぞれをそういった部門の人たちが、やっていかなくてはならない。本当に今でも忙しいのに大変なことだろうなと思います。
政府はいつも自治体に責任押し付けてくるわけですよ。ここにも政府の無責任さってのが現れているなと思います。広島市ではマイナ保険証や銀行口座の紐づけなどにはトラブルは把握できないわけですから、市内でも、どれだけトラブルがあるかはわからないでしょう。あってはならないわけですから、トラブルが防げない限りはこれはマイナカードの普及はやめるべきだと思います。
広島市としては職務ですからやっているということなんでしょうけれども、このトラブルの解決はコントロールできないわけですよ。ですから、トラブルで被害が発生すると、発行した市の方にも責任が生じてくるということにもなるんではないか。
市民に対して、トラブル0ということを保証できない。そういう立場で自治体として国の言いなりで、市民の不利益を生じるかもしれない業務になっていますから、どこかの自治体が返上するということを決めましたね。ああいうこともできるわけですから、広島市でもやったらどうかと思います。そのことを申し上げて終わります。