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(吉瀬委員)
広島高速5号線工事について質問してまいります。
トラブル続きで、完成のめども立たない広島高速5号線シールドトンネル工事ですけれども、昨年2022年12月22日に牛田東3丁目で二次管理値2.4ミリを超える隆起が発生し、工事は現在も停止したままです。
今は、工事着工前に住民と交わした調停に基づき、一旦工事を止めて計測してんの計測点周辺の緊急家屋調査を行い、原因分析と対策を検討し、それを地元に説明を実施した後に工事を再開するこの手順で対応することになっておりますが、まずこれら一連の対応は現在どのようにされているのか、また隆起の地点発生場所、そしてどれぐらい隆起が起こったのか、またその原因をうかがいます。
(高速道路整備担当課長)
二次管理値を超える地表面上昇が起きた場所は、住宅地350m区間のうち約200mの位置にある、トンネル直上の計測点でございます。
公社では地表面上昇した計測点周辺を対象とした家屋調査を行うとともに、シールドトンネル工事の専門家等で構成する施工管理委員会の委員の意見を聞きながら、現在上昇した要因の分析や対策の検討を進めていると聞いています。
(吉瀬委員)
この隆起の原因ですけれども、専門家によれば沈没や沈下ではなく逆の現象が起こる隆起というのは大きな問題だと指摘されています。
つまり地盤が隆起したということは、地盤が崩れて地盤上部で沈下が発生しているということだからだそうです。
そこで、どこで地盤沈下しているのか調査が必要かと思いますが、市の見解と隆起に対する評価についておたずねをするとともに、隆起地点周辺の家屋調査の対象世帯数、またその調査結果もおたずねいたします。
(高速道路整備担当課長)
公社は施工管理委員会の委員の意見を聞きながら、地表面上昇したメカニズム等について解析を進めており、その結果が取りまとまり次第、本市は報告を受けることとしています。
また、地表面上昇した計測点周辺の家屋調査の対象件数は13件で、その結果事前に行った調査と比較して大きな変状は確認されていないと公社から聞いています。
(吉瀬委員)
12月5日に広島高速5号線シールドトンネル工事の受注者が、中央建設工事紛争審査会へ調停の申請を送付しています。
紛争の中身は、工事の延期等請負金額の増額に関するものですが、事業を委託した市の責任として公社任せにしないことが必要だと考えます。
またこれまでの質疑の中で、マシンの最大能力190ニュートンを超える岩盤は出ていないということが明らかになっておりますが、また特記仕様書に照らせば、工事の延期や請負金額の増額については全て受注者負担となると考えられています。
公社に負担させようとするJVの主張に対して、毅然とした態度で、事実と特記仕様書に従い、一切の特例を認めず、主張すべきことは主張し、JV言いなりの安易な事業費増額にならないように、公社に指導するべきだと考えますが、いかがされるかお答えください。
(高速道路整備担当課長)
公社からは、申請内容を精査した上で、これまでと同様に特記仕様書等に基づいてしっかりと主張し適切に対応すると聞いています。
(吉瀬委員)
公社が言うには、公社の言っている190ニュートンを超えないというところで、しっかりそこは頑張っていただきたいなと思います。
2022年12月27日の中国新聞のひろば欄には、東区在住の市民の声が掲載されています。まずはその記事をご紹介させていただきます。
「広島高速5号線二葉山トンネルの建設工事がまた中断した。23日付社会面の記事によると、地表面の変化による中断は初めてで、原因も不明という。家屋などに被害が及ばないか心配だ。再三中断せざるを得ないような工事を強行してきたことに改めて怒りが湧く。トンネル工事は自然との戦いだ。自然を甘く考えていたとしか思えない。着工前に専門家とよく検討したのか。現場で入念に事前調査をしたのか甚だ疑問だ。トラブル続きで、既に工事費は当時の見積もりよりも大きく増える見通しだ。今回の中断でさらに跳ね上がっていくのではないか。その金額の税金の追加投入をどう説明するのか、今後の工事をどうするつもりなのか疑問は尽きない。完成しても短縮される時間は5分程度でしかなく、当初から税金の投入には真剣に取り組まなくてはならないのに、甘い見通しで安易に計画を考えたのではないか、大いに怒りを感じる。」
これは市民の率直な思いです。この市民の怒り、税金の使い方、大型工事実施のあり方について、市はきちんと市民に対して説明する責任があると考えますが、市の見解をお尋ねいたします。
(高速道路整備担当課長)
掘削に時間を要していることなどに伴う追加費用の負担に係る建設工事紛争審査会の心理内容や状況等につきましては、建設業法において手続きが非公開とされていることから、お示しできないと公社から聞いています。
本市としては審理結果とその対応を整理した段階で市民や議会へ説明したいと考えています。
(吉瀬委員)
令和3年3月4日に開催されたトンネル施工管理委員会でも、250m離れた位置でも騒音が気になったとの事例について意見が出されています。ですから住宅地を掘削している現在、工事の直上で生活されている住民には耐え難い苦痛ではないかと想像しますとともに、そうした意見もお聞きします。
それでは市にお聞きしますが、騒音に限らず振動や家屋被害など地域住民からどのような、どのくらいの苦情が届いているのか。
またその内容と件数、一時避難している人数、どのような軽減措置をとられているのかお答えください。
また隆起という事態が発生した中で、家屋を買い取ってほしいという人にも買収を考えられておられるのか、市の見解をお尋ねいたします。
(高速道路整備担当課長)
騒音振動等の苦情等の対応につきましては、公社では住宅地直下の掘削による影響が予測される80戸を戸別訪問し、工事に関するお困りごとについて聞き取りを行っており、その中で騒音振動や家屋等の不具合といった不安や苦情が寄せられています。
具体的には、騒音振動に関する不安や苦情があったのは21戸でございます。これらの方には個別の生活状況等の聞き取りを行った上で、一時的な転居や掘削時間帯に休息できる宿泊施設への移動といった対応を行っており、これまで6人の方が移動されていると聞いています。
また、家屋等の不具合に関する申し出があった方のうち、トンネル掘削が原因と思われる4戸について応急措置などの対応を行っていると聞いています。
また家屋の買い取りにつきましては、公社では建物等の事後調査を実施し、工事により被害等があったと認められる場合につきましては、損失補償基準に基づき、現状を回復するための修繕費等を算出し、金銭により保障することにしています。
また地表面沈下を不安視する住民の方々の要望に可能な限り応えるため、工事により沈下量が25ミリに達するなどの現状が確認された場合には、希望される方を対象に、通常の補償に加えて土地の買い取り等を行う仕組みを掘削に入る前の平成27年に用意しています。
(吉瀬委員)
今いろいろと苦情の件数や振動の件数などもおっしゃっていただきましたけれども、この工事はそもそも地域住民の反対の声を押し切って強行的に工事が開始されています。
また開始する際には騒音や振動なども起こらない静かな工事だという説明もあったとお聞きし、さらに地域住民が起こした差し止め裁判の際に、再三訴えてきた強固な岩盤が理由で今回この工事度々工事がストップしている、また今回の隆起もこの裁判では指摘されているともお聞きしています。
まさに地域住民が言ってきたことが今どんどん明らかになっているという状況です。市民の声を聞かない強行的な工事の結果、今では完成のめどが立たないずさんな工事となっているのだと考えます。この強行的なやり方は、所管が違いますが、中央図書館や可部給食センターも同様であり、これらの工事も今後こうした問題が発生しないか、様々な問題が発生しないかと危惧しています。
市民への説明は、紛争審査会終了後という話もありましたけれども、地域住民を含め、市民が納得のいく説明をぜひお願いしたいと思います。理解ではなく納得がいく説明を改めて要望してこの質問を終わります。