議会での質問・答弁

2022年02月17日

2022年第2回 2月定例会・予算特別委員会 総務委員会 中森辰一

歳出について
請願第29号『広島市こども図書館』のエールエールA館への移転中止と現在地近辺での建替、整備を求めることについて、広島市立中央図書館等再整備基本計画(案)について

歳出について

(中森辰一委員) 
 幾つか教えていただきたいと思います。
 まず一つは、歳出の中で積立金が64億円余りあるんですけど、この内訳を教えていただけませんか。

(財政課長) 
 歳出の積立金の内訳についてでございますが、財政調整基金への積立金が約57億円と、あとはサッカースタジアム建設基金への積立金が7億8,125万9,000円でございます。

(中森辰一委員) 
 それで、この財政調整基金への積立金が57億円あるんです。最近の決算と、この時期の補正を見てみたんですけど、余り例がないというふうに思っていまして、この時期に57億円を追加で積み立てるということは、普通に考えれば税収が予定より多かったということなんですが、その辺りをもう少し詳しく説明をしていただけませんか。

(財政課長) 
 財政調整基金への積立てについて、今回57億円計上しておりますけれども、こちらの考え方についてということでございます。
 まず、今回、市税の税収の伸びが見込まれるということで増額補正を行っております。そのうち、例えば法人市民税の法人税割ですとか、税ではございませんが、法人事業税交付金などにつきましては、増額補正を行っております。地方交付税の方の制度で今年度の基準財政収入額の積算に用いられた金額を今回上回るということになりますので、その分について、後年度で数か年掛けて減額する形で精算が行われるということになっております。したがって、来年度以降3か年掛けて精算されますので、それに備えて財政調整基金に積み立てるという要素がございます。
 また、もう一点といたしましては、12月補正で給与改定、減額補正を行っておるところでございます。こちらの減額分について、国の地方財政計画上、令和3年度の期末手当の引下げに相当する額については、来年度、国家公務員の取扱いとの並びを勘案してということでございますが、令和4年6月の期末手当から減額することで調整を行うものとして積算するということが示されております。
 したがいまして、来年度、地方交付税の金額が今年度の期末手当の引下げに相当する分減額されるということが見込まれますので、こういった要素に対応するという観点で、今回財政調整基金に57億円を積み立てるということとしたものでございます。

(中森辰一委員) 
 いわゆる収入が見込みを相当上回ったということと、支出が見込みを下回るという、その両方が基準財政需要額、収入額との関わりで、後で調整をしなければいけない。それに備えるために、今ここで57億円を積み立てておくという意味だというふうにおっしゃったと思うんですけども、こういうことは最近例がありましたか。何かあれば、教えていただけますか。

(財政局長) 
 少なくとも私の記憶の中では、年度末にこれほど大きく予算を上回って、国の方の財政措置の中でも大きく翌年度以降精算されるという、これほど多額の事例はないと思いますので、2月補正で積み立てるというのは、近年はない状況だと思います。

(中森辰一委員) 
 当初予算の時に見込んだよりも税収が大きく増えたということなので、これは喜ばしいことなんだろうというふうに思うんですが、ただ後で面倒な作業をしなくちゃいけないということになるんだと思います。通常は、決算の時に収支はきちんと精算をして、昨年の12月議会でもやりましたように、余剰金を財政調整基金に積立てをしていくということになると思います。私も議員になってからこういうことが行われたような記憶がないものですから、あえて聞かせていただきました。
 最後に、この市税等の増収分について、法人市民税だけなのか、あるいは個人市民税その他もあるのかどうか、内訳があれば教えてください。

(税制課長) 
 市税の補正の内訳でございますけれども、法人市民税が140億100万円、個人市民税が21億9,300万円、固定資産税と都市計画税につきましては、コロナの特例による減額が当初の見込みを上回ったという事情がございますので、約9億3,100万円の減額ということになっておりまして、合計で52億6,300万円ということになっております。

(中森辰一委員) 
 分かりました。コロナの関係で税収を少なく見積もっていたのかというふうに思ったんですけど。
 それからもう一つ、第309号議案ですけど、現物出資を行うということなんですが、普通に増資をしようというときに、私たちの考えでは現金で増資をするのかというふうにも思うんですけども、これは以前から現物出資という形でやってきたんですか。その辺りを教えてください。

(文化振興課長) 
 文化財団の現物出資につきましては、平成25年度に一度出資をしておりますけども、その時も同様に現代美術館の美術品を現物出資したという経緯がございます。

請願第29号『広島市こども図書館』のエールエールA館への移転中止と現在地近辺での建替、整備を求めることについて
広島市立中央図書館等再整備基本計画(案)について

(中森辰一委員) 
 私の方からも、この請願第29号と併せて、陳情第192号について、それから今報告された全体の基本計画(案)について、質疑をさせていただきたいというふうに思います。
 本会議で5人の議員の方がこの問題で質問をしましたので、その答弁も踏まえて、まとめてお聞きしたいと思います。
 今質疑のやり取りを聞いておりましたけれども、一つ思ったことは、交通の利便性というのがあります。これ以外については、新築する場合、新しく建て替える場合も、より良くなるというのは当たり前のことでありまして、それは移転するから良くなるということではなかろうというふうに思いました。その点は、今後よく考えて御答弁をいただきたいというふうに思います。
 まず、こども図書館について聞くんですが、こども図書館は子どもたちの育成教育に関わる施設であると思いますけれども、広島市はこども図書館の役割、使命についてどのように考えていらっしゃるでしょうか。

(生涯学習課長) 
 こども図書館につきましては、先ほど委員がおっしゃられましたように、子どもの情操教育、そういったところで大きな役割を果たすものというふうに考えております。子どもの読書離れが進む中、そういった意味でもこども図書館の果たす役割というのは重要になっているというふうに考えております。
 そうした中で、読む場所の環境も非常に重要になってくるかと思います。そういう意味でも、エールエールA館の方へ移転した場合であっても、より楽しく、あるいは心を落ち着かせて、あるいは子どもたちにとって楽しめるような設備にしていくことが重要というふうに考えております。

(市民局次長) 
 ただいまの課長の答弁を補足させていただきますと、お配りしております別紙基本計画の11ページを御覧ください。
 11ページに集約化のポイントということで、4のこども図書館が有している子どものための専門図書館としての役割につきましては、移転後も維持していくということで考えております。

(中森辰一委員) 
 集約という形を採るにしても、やはり商業ビルのもう出来上がった建物、一定のフロアを使うということは、もともと目的が違う施設ですから、非常に制約が多くなってくる。そういうことも克服しながら、移転するのであれば、より良いものにしていくということになるんだろうかというふうに思うんですが、やはりこの辺りは建て替える、あるいは別な場所に新築、移転する方が、よほど自由度があって良いというふうに思っています。
 付け加えておきますけど、こども図書館条例の第1条には、児童及び生徒の教養の向上及び福祉の増進に資するためというふうに書いてあります。子どもの読書活動の推進に関する法律というのがありましたけれども、この第2条には、子どもの読書活動は、言葉を学び、感性を磨き、表現力を高め、創造力を豊かなものにし、人生をより深く生きる力を身に付けていく上で欠くことのできないものであるというふうにうたってあります。市がそういうものとして、今回の問題を慎重に集約ということや広島駅前の商業ビルへの移転ということを考えてくれたのかどうかということが今問われているんだというふうに思います。
 今回の請願は、こうした子どもの読書活動に関わってこられた方々が集まって、広島市が今回進めようとしている、こども図書館を中央図書館に集約し、経営の先行きが見通せない状況に立ち至っている商業ビルであるエールエールA館への移転には大きな問題があるということで、本市議会に提出されたのだというふうに受け止めております。請願書の中に、市民に広く告知することなくとか、十分な議論もないままというふうに批判をされておりますように、請願提出者の方々を含めて大方の市民にとっては、今回のこども図書館の集約、移転というのは、先ほどもありましたように、急に出てきたことであって、余りにも短期間に事を進めようとしているじゃないかと、こういう市の姿勢にも重大な懸念を持っていらっしゃるんだというふうに思います。市が集約、移転に向けて予算を出してきているこのタイミングで、市民の中の特に有識者と考えられる方々から、このような市の方針に反対する内容の請願が提出されたということは、広島市としてはやはり重く受け止める必要があるんじゃないかというふうに思うんですが、どのように受け止められましたでしょうか。

(生涯学習課長) 
 今回のこども図書館の移転につきましては、移転に反対する署名あるいは市民意見での意見、それから先ほどありましたような有識者の方からの意見、こういった移転に反対する声、意見を多くいただいております。
 そうした中で、子どもの読書離れが進む中、こども図書館の果たす役割というものを十分考えた上で、今回の中央図書館等の移転、集約によって、ある意味機能を充実させるということをすることで、より子どもが読書に親しめる環境というのを作っていきたいというふうに考えています。移転後も引き続き、心地の良い環境の中で本に親しめる空間というものを、新しい移転場所でも整備していきたいというふうに考えております。

(市民局次長) 
 先ほどの課長の答弁を補足します。例えば実例で申し上げますと、資料1の7ページを御覧ください。
 7ページにこども図書館の諸室ということで、おとぎの部屋というのがございます。そこは、機能に書いておりますように、おはなし会、読書会等の行事を定期的に開催するという部屋でございます。ところが、ここは古い建物で窓がありませんので、換気機能を有しておりません。ということで、こども図書館においては、コロナがはやり出した頃から、ここを使用せずに、階段の下の展示室、オープンな所で読書会をやられているような状況です。現在はまん延防止措置になっていますから、こども図書館を閉館していますので、読み聞かせ会はできていませんけど、そういう状況の中で、新しい所のエールエールA館に移転した場合は、こども図書館に読み聞かせのためのもう少し広い換気のできた部屋を造るということで、安定して子どもたちが本に触れることができる機会ができるというふうに思っております。

(中森辰一委員) 
 今の施設の現状を前提にしておっしゃっておられるわけですけど、それは、移転して広くなればそういうことができますということなんです。でも、考えようによっては、今の場所に例えば中央図書館を建て替える。その際に、今こども文化科学館と併設という形になっています。あれと同じように、併設という形でこども図書館をくっつけた形でやるという方法だってあるじゃないですか。そのときに、今の問題というのは解消されていくわけです。ですから、あそこに移転しないとできないということではないということを強調して言わせていただいております。
 十分な議論もなくというのは、こども図書館も中央図書館もなんですけれども、歴史のある市民の財産、どちらもそうなんです。これをどう発展させるかという問題であるのに、内部の検討だけで勝手に決めて、短期間で事を進める。さっき、図書館協議会の意見であるとか、あるいは社会教育委員の意見であるとかというものが最近になって聴かれたというふうなことなんですけれども、それまでは全部内部でずっと検討を進めていた。その間に、こういうことをやりたいんだけれどもどうでしょうかという意見を広く集めたということにはなっていないんじゃないかというふうに思うんです。こういうやり方に対して、異議が申し立てられているということではないかと思うんです。これはやり方、プロセスの問題です。どう思われますか。

(生涯学習課長) 
 プロセスの問題ということで、先ほど平岡委員の時に申し上げましたけれども、これまで手順を踏んで検討を進めてきたというふうには思っているところではございますけれども、委員御指摘のように唐突感、あるいは説明不足、こういった意見もいただいております。そこはやはり、真摯に受け止める必要があるというふうには思っております。そのため、今後はそういうところを踏まえて、市民の理解を深めるために市民の方から御意見いただきながら、より多くの方々に利用していただける図書館というものにしていきたいというふうに思っております。

(中森辰一委員) 
 先ほど社会教育委員の意見というのがありました。反対というふうに言っていらっしゃる方はいなかったんです。市としてこういうことをやることにしているんだけれども、どう思いますかと、多分あなた方は意見を求めたというふうに思うんです。それに対して真正面から私は反対だという意見というのは、そうそう出てくるものではないのではないか。だから、移転するならこういうふうにしてほしいというふうな形の意見になっていたのではないかというふうに思います。
 僅か3週間のパブリックコメントで移転に関する意見が199件寄せられて、そのうち189件が反対の意見であったというふうに本会議では答弁をされました。それだけの方々がそれぞれの思いで、反対の思いをわざわざ寄せていらっしゃるわけですけれども、この119万人の市民のうちの僅か189人だというふうに片付けてしまってはいけないというふうに思います。
 広島県外を含めて、広島市民以外の人たちにも広く利用しやすくといったことを言っておられますけれども、広島市こども図書館も、広島市中央図書館も、まずは市民の税金で造る市民のための図書館であるべきだというふうに思います。その点で、市民の一般的な意見もですけれども、図書館の在り方に見識を持っていらっしゃる方々、広く意見を聴くということをするべきではないかというふうに思います。そういうことも含めて、もっと時間を掛けた議論をやった上で方向性を出していく、方針を出していくというプロセスが要るんじゃないですか。
 例えば、少なくとも最低限あと1年とか、もう少し掛けるとか、市民と十分な意見を交わしながら検討をしていくということをやるべきではないかというふうに思うんですが、どうでしょうか。

(生涯学習課長) 
 この度の中央図書館等の移転につきましては、もともと中央公園内の公共施設の集約化、複合化、これを平成23年から始めてきたところでございます。そうした中で、今回、今年度エールエールA館への移転というものを提案させていただいたところでございますけれども、そうした中で、広島駅周辺地区の中に移転させるということでございますので、駅周辺地区ということで言えば、令和7年に路面電車の駅前大橋ルートなどの完成で、新しい人の流れが生まれます。そして、そうしたことにより、人のにぎわいが創出されるということが想定されますので、そういう流れの中で、今回の中央図書館等の移転がそこで相乗効果を生むことで、よりまちづくりという観点からもにぎわいの創出ということで寄与できるというふうに考えているところでございます。

(中森辰一委員) 
 恐らく、これは当然市長が決裁をして決めたことですよね。市長も、自分が市長に就任した頃からというふうな答弁も本会議でされましたけれども、だからそれと違う方向はもう出せない、そういうふうに言われるわけですか。幾らこれから時間を掛けて議論したって、結論は変わらないという、そういう意味ですか。

(生涯学習課長) 
 この事業を進めていく上で、市側といたしましては、そういう方針と言いますか、方向性を今回都市活性化対策特別委員会でも報告させていただき、また、予算としても関連予算を提案させていただいているところでございます。一応その事業を進めていく上で、各議員、議会の方への説明、あるいは市民の方々への説明、こういったものはしっかりやることで適切にこの事業を進めていきたいというふうに考えております。

(中森辰一委員) 
 今のことはまた後で言いますけども、中央図書館にこども図書館を集約した上でエールエールA館に移転することの重要なポイントとして、広島駅周辺地区が交通結節点であるということを強調しています。今、電車のルートが変わるというふうに言われたんですけど、それをもって人がいっぱい集まってくるという、必ずしもそうなるとは限らないというふうに思います。ぐるっと回っていたルートが、稲荷町の電停から駅の方へ直行するというふうに変わるだけですから。それだけで人の流れが大きく変わるというふうなことになるのかどうかはよく分かりません。
 いずれにしても交通結節点であるということが強調されております。今の立地場所が決して交通の便が悪いというわけではないと思うんです。頂いた別冊の中の資料にも、多少何分か違うというのはありますけど、ほとんど状況は変わらないのではないかというふうに思います。バスセンターから数分でアクセスできますし、あるいは広島駅に降りた人たちがペデストリアンデッキを使ってエールエールA館に行き着く。そういう時間も、そんなに大きく変わるわけじゃないわけです。市内の交通結節点というのは幾つかあると思いますけれども、今立地している紙屋町の地域というのは、市民にとっては正に広島の随一の交通結節点ではないかと。取り分け鉄道沿線ではない地域の圧倒的多数の市民にとっては、一番利用が多い交通結節点だというふうに思います。やっぱり鉄道があるというのが広島駅周辺の一番の強みだと思いますけど、鉄道がない地域にとっては関係のない話です。この点については、どのように認識しておられますか。

(生涯学習課長) 
 交通結節点で、今回、移転先の候補地を検討していく中で、どういった人の流れというものがあろうかというところで、こちらの方で確認したデータによりますと、紙屋町地区ではバス、アストラムライン、それから路面電車、こういった方々の利用が1日に約11万人ぐらいあるというふうになっております。一方、広島駅周辺地区ではJR、バス、路面電車、こういった方々の利用で約13万人。紙屋町地区も確かに利用されている方が多いということはございますけれども、広島駅周辺地区もこのデータを見る限りではそれ以上の利用者がいるというふうに、こちらの方としては認識しております。

(市民局次長) 
 補足させていただきますと、今回交通結節点と申しますのは、広域的な交通結節点の機能が強化されるという意味合いが入っております。今回、駅南口広場の再整備等においては、JR西日本が実施している駅ビルの建て替えと連携し、路面電車を新駅ビル2階レベルへ高架で進入させる。そうしたことで生まれる空間などを活用して広場を拡張することにより、バスの乗降場を増設するなどの再整備を行い、公共交通機関相互の乗換利便性の向上を図るということで考えております。あわせて、広場、新駅ビルを中心に、周辺街区へのペデストリアンデッキを設置し、駅自由通路とつながる2階レベルの歩行者ネットワークを構築することで、新たなにぎわいが創出されるのではないかというふうに考えております。

(中森辰一委員) 
 今示されておりますこの別冊の資料の中でも、確かに公共交通機関利用者数は広島駅の方が13万人、今の紙屋町地区の方が約11万人ということになっておりますけども、これはJRの乗降客が非常に多いということなんです。ただ、取り分け周辺地域にとって重要なバス、この乗降客は5万人対3万人ということで、紙屋町の方がやはり多い。アストラムラインもありますし、広電の利用客も紙屋町の方が多いというふうなことになっております。違うのは、JRがある。相対では多い。それともう一つは、広島市以外から広島駅に降り立つ方が非常に多いから。そこら辺は市民じゃない方がたくさんこられるということはあるかと思いますけども、広島市民にとって、やはりこの紙屋町周辺というのは非常に重要な交通結節点であり、非常に利便性の高い地域だというふうに考えております。あなた方もおっしゃったように、たった一つしかない中央図書館がどこに立地しても、市民にとって便利になる所に住んでおられる場合もあるし、不便になる所に住んでいらっしゃる場合もあります。便利であるに越したことはないんですけれども、そういうことを言ったら、あらゆる施設を広島駅周辺地区に持ってこないといけないということにもなるんじゃないかというふうに思います。
 広島駅周辺地区への移転を考えて、その地域の既存ストックを探していたところ、エールエールA館への移転を求める要望書が広島駅南口開発株式会社から出されたので、周辺の民間施設と比較検討をしたというふうに答弁しておられますが、比較検討した周辺の民間施設というのはどことどこですか。

(生涯学習課長) 
 広島駅周辺地区ということで、今回中央図書館等を移転させるのに可能な施設ということで調査した施設といたしましては、新しく今造っております駅ビルであったり、あと郵政ビルあるいはビッグフロントのビル、そういった所を今回調査して確認をしたところでございます。

(中森辰一委員) 
 そういう所と比較して、今回のエールエールA館が良かったという点は何ですか。

(生涯学習課長) 
 一番大きかった点は、やはり現在の中央図書館と3施設合わせて1万平方メートルの面積がありますけれども、その面積を確保できると言いますか、その面積を提供できる施設というのがほかの施設ではなかったというふうに認識しております。

(中森辰一委員) 
 それは既存の営業している、あるいはもう計画が固まって、駅ビルはもう建て替えつつあるわけですから、そういうところに後から割り込むというのは簡単なことではありません。そういう点で言うと、やはりエールエールA館というのは非常に皆さんにとっては都合が良かったということなんだろうというふうに思うんですが、初めからこのエールエールA館ということが考えられておったんではないかという意見もあります。広島駅南口開発株式会社からの要望書は、初めは市民にも議会にも示されませんでした。これはそういう形を採っただけじゃないのかという疑念もあるわけです。要望書が出されてから市議会の特別委員会に報告するまで、たった2か月です。ジュンク堂も撤退するそうですけれども、大きな経費を掛けて商業活動を展開してきた核テナントの福屋さんの了解も、この僅かな期間に見通しを付けたということになるんだろうというふうに思うんです。福屋さんもジュンク堂さんも、大きな経営方針の転換の決断をされた。こういう短期間でそんな重大な方針転換が可能だったんだろうかというふうにも私たちとしては思ってしまうわけですけれども、この疑問にはどういうふうにお答えになりますか。

(生涯学習課長) 
 今エールエールA館内にテナントとして入っております福屋様あるいはジュンク堂様、こういった今入っているテナント様の方がどういうふうな思いと言いますか、広島駅南口開発株式会社が要望書を市の方へ出された時にどういった協議あるいは確認をされていたかというのは、こちらの方としては把握しておりませんので、今ここで答弁することはできません。

(市民局次長) 
 私どもが広島駅南口開発株式会社から聞いておりますのは、以前から、時期は聞いておりませんが、令和7年、2025年春にJR広島駅新ビルが開業するということを見据えて、エールエールA館のにぎわい創出に向けた検討を以前から進めておられたというふうに聞いております。今年度から同館前の通路、猿猴川河川敷へつながるペデストリアンデッキの整備などリニューアルに着手するなど、同館の更なる活性化に取り組んでいらっしゃったと聞いております。そうした中で、9月2日の都市活性化対策特別委員会で駅周辺という話が出て、要望書を出されたというふうに理解しております。

(中森辰一委員) 
 そういうことは、もう既に広島市が銀行団に対して損失補償契約をしなければ先々の経営の見通しがつかない事態に陥っておったと、広島市の貸し付けたお金に対する利息も大幅に削るという、市民の懐に入る予定だったお金を放棄するという議案が議会に出されました。そういう時にいろいろ説明は聞いておるわけです。つまり、あの時点で、やはりこれまでの経営スキームがそのままではうまくいかないということがはっきりしていたわけです。それを何とかするために、新しい枠組みを作ったと。それを議会は承認したわけです。その時に、こういうふうに福屋が実質的には多分3フロアぐらい減らすんだ、それから、ジュンク堂さんも撤退するみたいな、そんな話は全然なかったんです。こういう枠組みで、これからも経営を維持していく。福屋さんもこれから多分20年間、この核テナントとして頑張っていかれるんだというふうな説明だったんじゃないかというふうに思いますし、我々もそういうふうに受け止めました。こういうのが、途中でそのフロアを福屋が明け渡す、ジュンク堂も撤退する。そんなことを議会にずっと隠しとったということじゃないのか。これはここの話じゃありませんけれども、そういうふうにも思ったりして、そこも不信感があるわけです。
 本来、図書館協議会で十分な議論をしていただくということが必要だと思いますし、並行して、先ほども言いましたけれども、市民に対して様々な意見を聴く場というのがあるべきだったというふうに思います。
 いずれにしても、この図書館協議会にしても、議事録がまだ出されておりません。あなた方がピックアップした意見、主な意見というふうに出されておりますけども、これではどういうふうなやり取りが交わされたのかというのはよく分からないので、これはできるだけ早急に議事録を出していただきたいというふうに思います。それから、社会教育委員の方々の議論の場も、どういうふうな流れで議論がなされていったのか、その辺りも是非議事録を出していただきたいと思いますけども、その辺りの点についてはどうなんでしょうか。

(生涯学習課長) 
 社会教育委員会会議につきましては、議事録はホームページの方でアップをさせていただいております。また、図書館協議会につきましては、先日の総括質問の方でも委員の方から指摘いただきましたので、早急に9月にやった書面会議、それから11月にやりました会議、これの議事録については、昨日の夜だったんですけども、ホームページの方にアップをさせていただいております。

(中森辰一委員) 
 では、また見ましょう。
 それで、市民アンケートの意見の中で、通勤、通学や買物の途中に寄りやすいというものがあったんですけれども、これはまちの図書館に求められることであって、広い市域の中で1か所しかない中央図書館に求めるというのは、これは難しいことではないかというふうに思います。身近なまちの図書館の第一は区図書館であり、また公民館の図書室だというふうに思うんですが、横川駅近くの西区図書館のような区の図書館の場合、交通の便の良い所にある区図書館は、なかなか少ないのが実態だと思います。安佐北とか佐伯区のように、車がないと難しい所もあります。交通の便のことを言うのであれば、やはりこっちの方の改善も必要だと、大事だというふうに思います。
 一方で、各区の図書館もスペースに制約があって、蔵書数も十分ではありません。本当は親子がそれぞれ読みたい本を探しに一緒に来るというのは、これは区の図書館が一番ふさわしいというふうにも思っています。公民館の図書室の充実も含めて、より身近な所により充実した、そういう本に親しむ場所を造っていくという、こういうことも全体の図書館政策という点では重要なことだというふうに思いますし、恐らく平成二十何年だったかと思いますけども、そういう問題について出した提言があったんじゃないかというふうに思うんですけども、あれはどうなったんですか。

(生涯学習課長) 
 委員が言われた提言というのは、多分平成23年に出された図書館等のサービスの在り方検討のことだと思います。それにつきましては、今も図書館協議会の方で検討しているところで、作られたのが約10年前ですので、今後、その内容についての見直しと言いますか、そこら辺はこれから検討していこうというふうに考えているところです。

(中森辰一委員) 
 あそこにはまちの図書館というふうな言葉が使われとったというふうに思うんですけども、今盛んに利便性ということをおっしゃるから、こちらの方が非常に大事ではないかというふうに思ったので、あえて言わせていただきましたけども、あの提言の中で具体的に前進した点というのはあるんですか。

(生涯学習課長) 
 在り方検討の提言部分について、今どの程度の達成状況と言いますか、効果と言いますか、そういったところを今からこちらの方でもしっかり検討していきたいというふうに思っております。まだ、今この段階でそこについての結論と言いますか、そこはまだ出せていないというような状況です。

(中森辰一委員) 
 結構分厚い提言だった、ボリュームがあったというふうに思うんですが、せっかく出された提言を広島市の政策にいかされていないというのが多分実態なんじゃないかというふうに思います。全体として図書館の入館者数が減少傾向になっているというのが課題として、今回の問題とも関わって出されておったというふうに思うんですけども、その理由を分析しておられるなら、説明してください。

(生涯学習課長) 
 図書館の利用者の減少につきましては、以前も御説明させていただきましたけども、中央図書館の減少の割合が市の全体の減少割合に比べて大きかったということは以前御報告させていただいたと思います。そうした中で、全体的に利用者が減少しているという原因の一つとしては、1回に借りられる冊数が以前は5冊だったのが今は10冊になっています。そういったところで、今まで2回行かなくてはいけなかったところが1回で済んでいるといったところも、利用者が減っている要因の一つではないかというふうに考えております。そういった要因はありますけれども、中央図書館だけがほかの図書館に比べて大きく減っているという要因については、特に分析というのがまだできていないというような状況です。

(中森辰一委員) 
 1回に借りられる本の数が2倍になったからというふうな理由をおっしゃいましたけども、これは別に減ったから悪いということではないというふうに思います。中央図書館の入館者数が減っていることについては、立地の問題なのか、建物の使い勝手の問題なのか、それ以外の理由があるのか、まだ分析しておられないということですから、これをいろんなことの理由に挙げるということにはならんのではないかというふうに思います。インターネットの普及によって市民の関心が別になったりとか、本の向き合い方が変わってきたということがあるかもしれませんし、広島市では中央図書館を拠点として、ほかの図書館などと本の流通などもできるようになってきておりますから、わざわざ中央図書館に行かなくても用が済むということもあるのかもしれません。その点では、中央図書館というものの拠点性であるとか、特別な在り方というものをより高めていく、深めていく。わざわざ来館する意義が高い、そういう存在にしていく方向性、そっちの方がより大事なことではないかというふうに思います。その点については、異論はなかろうというふうに思うんですけども、それを単なるにぎわいの手段に変えていく。これは、にぎわいというのはどうもそぐわないのではないか、これは拠点図書館としての役割というのを損なう方向ではないかというふうにも思ってしまうんですけども、この点はどうお考えですか。

(生涯学習課長) 
 今回の中央図書館等の駅周辺への移転につきましては、一つは中央図書館等の利用者の減少を抑えて、利用していただく方を増やしていこうということが大きな目的の一つとしてありますけれども、もう一点として、楕円形の都心づくりという大きなまちづくりの観点で、東の核である駅周辺ということを考えまして、今回駅周辺であるエールエールA館への移転というのを方針として決めさせていただいたところでございます。そうした中で、まちづくりという観点では、文化的な施設を今の駅周辺の商業地域という所から新たな価値を創出させるというような意味合いもあろうというふうに思っております。そういう意味で、まちづくりという観点では重要になってくると思いますけれども、目的として、にぎわいづくりというところでは、そういう面を重視して駅周辺へ移転を決めたというふうには考えておりません。

(市民局次長) 
 課長の答弁を補足いたしますと、資料1の整備基本計画書の17ページを御覧ください。
 17ページに新しい図書館等のコンセプトがありまして、基本方針が四つございます。その中の一つ目に、誰もが図書を楽しめる環境づくりということで、図書館の本来機能の向上を図る。これが一番必要だと思っておりますので、移転再整備に当たっては、まずはやっぱり図書館の本来機能の向上を図っていくということが大事だというふうに認識しております。

(中森辰一委員) 
 それは否定しません。否定しませんが、別に中央図書館じゃなくてもいいじゃないかと。例えば、別に駅の前に図書館を造る、図書館を設置するということに反対するわけじゃありませんけれども、それこそ駅に来たついでに、その機会に広島市の図書館に寄って、本に親しむということはあっていいと思います。だけれども、拠点図書館である必要が一体どこにあるのかというふうに思うわけです。児童書や小中学生用の本もそれなりに区図書館にあります。なので、やっぱりこども図書館はこども図書館としての拠点性を高めて、わざわざ来るだけの意義のある図書館に高めていくという、そういう方向性こそが、これは中央図書館もですけれども、こども図書館もやっぱり大事ではないかというふうに思うんです。
 平和文化の拠点ということもおっしゃいましたけれども、平和文化の拠点にしても、別に駅の前に来ていいんです。来ることに意義があるかもしれません。だけども、それがなぜ中央図書館なのか。中央図書館でないと、そういう平和文化の拠点にはできないのか、発信はできないのかということも思うわけです。
 広島に来たということを広島駅に降り立って実感できるものが、実は今広島駅には何にもありません。もう長いことそういう状態が続いてきました。だから、そういうものを感じられる、そういうスペースというのはあっていいと思います。だけども、それがなぜ中央図書館なのかという説明をあなた方はきちんとできていないというふうに思います。では、これについてどうお考えか、聞きましょうか。

(市民局次長) 
 まず、中央図書館につきましては、施設が老朽化して耐震構造を有していないということで、至急何とか対応しなければならないという命題がございます。これにつきましては、中央公園内の他の施設も一緒で、中央公園内の他の施設をどのようにしていくかというのを、公共施設の在り方を検討しているところでございます。
 そうした中で、まず、中央公園の公共施設をどうするかということに当たりましては、全てを稼働しながら整備するに当たっては、現地で中央図書館を建て替えるということはまず困難であるという結論に達しまして、移転をしなければならないということがありました。そうした中で、楕円形の都心づくりの東の核に公共施設が少ないということもございましたので、広島駅方向に商業機能とは違った文化的機能を配置するという、そういう意味で、まずは中央図書館の建て替え移転、若しくはどうするかということの議論から入っておりますので、エールエールA館の駅前の方へ中央図書館を移転させたいということで考えております。

(中森辰一委員) 
 それは別な所にもっと適地を探して、新築移転ということも考えられるわけです。それは今の立地にこだわっている人たちもいらっしゃいますから、そこら辺は議論のあるところかもしれませんけども、制約の多いこの商業ビルのフロアを使うという、そこが多くの方々になかなか理解できないというところではないかというふうに思います。
 細かいことを聞きますけども、エールエールA館の10階の天井が他のフロアより高いから、映像文化ライブラリーの上映ホールの整備に適しているというふうな答弁がありましたけども、10階の天井の高さは今の上映ホールの天井高を十分にカバーできるのかどうかということ。それから、蔵書の書庫をどこにするのかというのは、本会議の答弁ではなかったというふうに思うので、もう一度この点についてお答えください。

(生涯学習課長) 
 まず、映像文化ライブラリーの上映ホールの天井高ですけれども、これにつきましては、約100席程度ぐらいの観客が入れるようなホールにする予定ですけれども、そうしたホールを造ったときに上映可能な高さというふうになっております。
 また、書庫につきましては、今8階、9階、10階にも開架の書庫と言いますか、あるいは閉架の書庫もございますけれども、当然それだけでは収まり切りませんので、今ほかの階に閉架の書庫を設置することを広島駅南口開発株式会社と調整しているところでございます。

(中森辰一委員) 
 書庫をどこにするか、特に開架に出さない閉架の書庫をどこにするかというのは、これは重量の問題があって、非常に大事なポイントだというふうに思うんです。
 本会議でも聞きましたけれども、通常の商業ビルのフロアの強度に比べて、開架の場合は2倍要るわけです。閉架の書庫がある所は4倍の強度が要るわけです。当然それだけの重量物をビルの途中に置くということになりますと、大きな地震があった時にそれだけの重量物を支えることができるかどうか、これは建物のく体の強度にも関わってくる問題なんです。なので、簡単ではないと思っています。
 確かに、あのエールエールA館の西側の方の一部、ずっと各階に自動車の駐車場が設置してありますから、そこの部分では強度はあるんだろうというふうに思います。だけれども、その他のフロアは通常の強度だろうというふうに思うんです。それで、既に耐震補強の必要はないというふうな答弁もありましたけど、その補強の必要はないという根拠が私はよく分からんのですけども、なぜ必要がないのか。これは、場合によっては非常に大きなお金が掛かる話になってくるわけですし、もしかしたら耐震補強するということになれば、商業ビルとして一時使えなくなる可能性もあるんじゃないかと、そんな気もしているんですけども、この点についてはきちんと検証がされたのかどうか、教えてください。

(生涯学習課長) 
 エールエールA館への移転によって、蔵書が多いということで、その分床に荷重が掛かるというところでの質問でございますけれども、まず、建築基準法上は図書館の設計用積載荷重として特に定められたものはございません。そうした中で、建築基準法上は1平方メートル当たり300キロというふうな設定がございます。ですから、ある意味、そこを基本的には超えることのないように、レイアウト等と床の部分をどこにするかというところを今後検討することにはなると思いますけれども、仮にそれが超える場合には、床の補強等をすることでそこは十分対応できるものと考えております。そういった意味で、全体的な耐震化ということにまではいかないというふうに考えております。

(中森辰一委員) 
 あなた方がどこまできちんと検証されたのかどうかというのはよく分かりませんけども、建築基準法では、ここに数字を持ってきていないんですけれども、決められとるわけです。この用途はこういう床の強度が要りますというふうなことが決められているわけです。これは構造計算をするときに、そこは当然大事になってくる数字だそうです。その数字の表を見てみますと、一般のオフィスビルであるとか、商業ビルであるとか、そういうものに対して、駐車場なんかは2倍ぐらいです。それから、開架図書室も2倍ぐらいです。だけども、閉架の蔵書がある、そういうところは4倍、2,900に対して1万1,000幾らであったか、ニュートンパー平方メートルという、そういう単位だそうですけれども、そういうふうな数字がきちんと書いてあるんです。あのエールエールA館という建物を造った時に、通常の基準を超えて建物の強度があるんだということであれば、それはそれでいいんですけども、そこはきちんと専門的に検証した上で進めていかないと大変なことになるんじゃないかというふうに思います。それによって、場合によっては改修費というのも大きく変わってくる可能性があるいうことなんだというふうに思います。
 エールエールA館のフロアの買取り額はおよそ60億円という額が示されておりますけども、これはどういう考え方で出された数字なんでしょうか。

(生涯学習課長) 
 床の取得費の60億円につきましては、3施設の移転によって必要と考えている面積1万3,000平方メートルを取得するに当たって、広島駅南口開発株式会社から示された金額でございます。ちなみに、この金額につきましては、広島駅南口開発株式会社が依頼した不動産鑑定士の評価による金額というふうに聞いています。

(中森辰一委員) 
 もう一遍聞きます。蔵書の書庫、1階か2階かというふうに思ったんだけども、これは場所の確定はまだしていないわけですか。

(生涯学習課長) 
 一応、広島駅南口開発株式会社と協議していく中で、おおむねここというふうには聞いているんですが、今入っているテナントとの関係もあって、はっきりここだということはまだ言えないということで聞いております。

(中森辰一委員) 
 1階であれば耐震、地震対策上はほとんど問題がないというふうに思いますが、それ以上であれば問題が出てくるのではないかというふうに私は思いました。
 それから、自動車図書館という機能です。先ほども説明があったんだけれども、今の商業活動と並行して、今まで行われてきた中央図書館の自動車図書館としての機能を動かしていかなくてはいけないわけです。そこの調整というのは、なかなか大変なことだろうというふうに思います。よく福屋の前のバス停にいて、あそこの出入りのトラックの状況を見ることがあるんですけども、かなり一日中トラックが出入りしているというふうに思います。それを考えると、中央図書館があそこで自動車図書館としての機能をちゃんと維持していくのには、相当な調整が必要になってくる。なかなか不自由な話になってくるんじゃないか。現場はそこら辺も不安に思っているんじゃないかというふうに思います。その辺の調整はこれからしていくのかもしれませんけども、これは間違いなく問題ないというふうに考えておられるんですか。

(生涯学習課長) 
 自動車図書館、それから各区の図書館への集配車の搬出入につきましては、当然車の出入りというところで、今の福屋とかそういうエールエールA館内に入っているほかのテナントとの時間調整と言いますか、そういったものが当然必要となってきます。その辺につきましては、広島駅南口開発株式会社としっかり調整等をしていくことで対応できるというふうに考えております。

(市民局次長) 
 中央図書館がエールエールA館に移転した場合、8階、9階、10階の商業機能が無くなりますので、その分集荷スペースを使う回数が少なくなるということと、集荷スペースは今委員がおっしゃった南側のバス停の所と、あと西側の旧ダイエー側に大きな集荷スペースが2か所ありますので、それを工夫していけば対応できるのではないかと思っておりますし、広島駅南口開発株式会社と現在調整しているところでございます。

(中森辰一委員) 
 南側の小さい方、トラックが1台やっと入るぐらいの所だと思います。もう一つの方も、トラックが3台ぐらい出入りはできると思いますけども、それに加えて中央図書館の車両の出入りが加わるわけです。そこら辺の調整がやはりなかなか難しいことになるのではないか、図書館にとって不自由なことになるんじゃないかということを今申し上げたわけです。
 それから、この資料の中でも、移転の場合は耐用年数約40年、現在地での建て替え、要するに新しく建てる場合は60年というふうな比較も出ています。それに対して、96億円と123億円という比較数字が出ていますけれども、耐用年数のことを考えると、別にこの96億円が安いわけじゃないというふうに思います、単純に考えれば。ですから、こっちの方が安くつきますというこの言い分も通らんのではないかというふうに思います。仮に96億円としているわけですけども、もしそれより大幅に高い事業費になることが分かった場合に、そのままそれでも移転を進めるということになるんですか。

(生涯学習課長) 
 今この時点でその96億円を超えるというふうには、そこを想定して考えておりませんので、その範囲内で収まるように今後計画的にしっかり進めていきたいというふうに考えています。

(市民局次長) 
 今、先ほど委員がおっしゃいました耐用年数と事業費の関係なんですけれども、建て替えの場合、96億円の試算ですが、この96億円の中には駅前の土地の取得費35億円を見込んでおります。資料1の不動産取得費のところで、土地の資産価値を約35億円と記載している部分でございます。この35億円は、市の財産になる部分でございます。そのため、実質的なこの度の移転に伴う費用につきましては、96億円から35億円を引いた61億円ということになります。それを40年で割りますと、1年当たりが約1.5億円、新築の場合には60年で割りますと約2億円ということになりますので、費用的にも考え方からすれば、移転の方が安いのではないかというふうに私どもは認識しております。

(中森辰一委員) 
 40年先の話ですから、さっきのエールエールA館の経営のスキーム自体が40年先どうなるか分からない、広島市が貸し付けたお金に関しても、40年先本当に返ってくるかどうか、これは分からないという、誰もここにいる人たちが責任を持てる話じゃないので、大した問題じゃないんですけども、金額の比較を強くおっしゃるので、殊更強調しておられるのであえて聞いてみたわけですけども、きちんと建て替える方がいいのではないかというふうに思っています。
 あと二つ聞きます。市長の答弁の中で、財政的に有利な地方債も活用しながらというのがあったんですけど、財政的に有利な地方債というのはどういうものがあるのか、どういうふうに活用できるのか、教えてください。

(生涯学習課長) 
 今回の中央図書館等の移転整備に当たりまして、活用できる起債というのがございます。その起債というのが、事業費の90%をその起債として充てることができ、なおかつその半分である50%が交付税措置されるというものでございます。そういった意味で、財政的に有利な起債というふうに申し上げさせていただいたところです。

(中森辰一委員) 
 もう一つ聞きます。市長の記者会見や先日の本会議でも言われておったんですけれども、今回の予算は議会において議論を深めていただくものだというふうに言っておられるわけです。これは、市民や議会の意見の状況によっては、今後エールエールA館への移転計画を変更することはあり得るということ、そういう意味でしょうか。教えてください。

(生涯学習課長) 
 市長の方が、都市活性化対策特別委員会とかでエールエールA館への移転であるとか、予算で来年度の関連予算を御審議いただくことで議論を深めるといった御発言のことですけれども、今回そういう市民意見募集を行って、その市民からの意見を踏まえての対応ということで、こども図書館移転後も引き続き居心地の良い、緑豊かな環境の中で本に親しめるような空間、これをこども文化科学館内に整備するというような対応もさせていただいているところです。そういった意味で議論もすると言いますか、意見も取り入れていくというような対応をさせていただいたところです。

(中森辰一委員) 
 だから、あくまでも移転を前提にして議論を深めていただきたいという、そういう意味なんですね。そこがやっぱり問題だというふうに思うんです。
 今後のこども図書館の在り方や中央図書館との連携等のことについても、双方の発展に向けた様々な議論が行われる余地が大いにあるというふうに考えています。その行方によっては、やっぱり移転では問題があるんじゃないか、エールエールA館じゃ問題があるんじゃないかという意見も大きく高まってくる可能性だってあるじゃないですか。
 来年度予算で出した移転のための予算には反対ですけれども、仮に予算が認められたとしても、やっぱり議論の状況によっては一度立ち止まって、聞く耳を持って、方針の変更も行う。そういう柔軟な姿勢で進められるべきだということをあえて強調しておきたいと思います。

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