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(中森辰一委員)
最初に今回の新しい陳情についてですけれども、「広島市議会が令和4年3月17日に可決した、令和4年度一般会計予算に対する付帯決議の内容が誠実に履行されていない。現段階において本市案を移転方針を撤回し、付帯決議で求めた丁寧な説明と理解の促進のため、各分野の専門家によって構成される検討協議会を設置するよう陳情する」ということになっているんですけれども、これについてまず広島市としての見解をお聞かせください。
(生涯学習課長)
広島市におきましては、図書館協議会、社会教育委員会議という、専門家、社会教育の関係の方、家庭教育の関係の方、新委員等を組織された審議会がございますので、これをもって要はここで一応議論をしていただくということで考えておりますので、新たなその審議会等を作るということは考えておりません。
(中森辰一委員)
今日のこの整備基本計画というのはまだ(案)がついてるわけですけども、今回12月の比較検討の案に続いて、それを踏まえて今回はエールエールA館に移転することを決めるという内容の計画案が提出をされ説明されたわけです。この問題について昨年3月17日の市議会の付帯決議ですけれども、市としてはこれは全面的に実践するという考えで取り組んでこられたのかどうか、その点をまず教えてください。
(生涯学習課長)
広島市としては付帯決議を重く受け止めておりまして、手続きを順を追って行ってきたというふうに考えております。
(中森辰一委員)
それで、付帯決議の第2項目では、図書館整備方針の作成後に現地建て替え、中央公園内等での移転建て替え、エールエールA館への移転、それぞれを詳細に比較検討できる資料を作成して、各資料について議会、利用者、有識者などの関係者に丁寧に説明をし、理解していただいた上で、移転先などを決定することとしております。
こうなっているわけですけれども、議会、利用者、有識者等と「等」がついているんですけれども、そうは言いながら、具体的には議会と利用者と有識者この三つが挙げられているわけです。
これらに丁寧に説明をし理解していただくということになってるわけです。全会一致で市議会の意思として、これを市長に求めたわけですけれども、これは実質的に条件を付けたということになるんだと思います。それでエールエールA館への移転に決定したということはこの第2項目をクリアしたと認識をしているということでよろしいですか。
(生涯学習課長)
再整備後の比較検討については、図書館再整備方針に掲げた機能ごとに施設整備の面や機能発揮の面で、いずれの候補地が優位であるかを比較するとともに、広島市公共施設等総合管理計画の基本方針に、いずれの候補地が沿ったものになっているかを検討する資料を作成し、昨年12月14日の総務委員会で説明後、市のホームページに掲載するとともに、中央図書館をはじめとした各図書館こども図書館等において設置配布をさせていただきました。
その後、12月23日の第3回広島市市立図書館協議会および12月17日の第3回広島市社会教育委員会議で説明してきたことから、付帯決議に沿った対応、すなわち議会利用者有識者などの関係者に丁寧に説明し理解していただくことができたというふうに考えております。
(中森辰一委員)
今ありました、その図書館協議会と社会教育委員会これらの二つの会議、昨年12月にそれぞれ市の比較検討の資料も含めて説明をされました。その前にも同様に、その時点での再整備方針等について説明をしてこられたわけですけれども、これらの二つの会議で図書館の再整備について説明をするということでやってこられました。これはどういう位置づけでこの二つの会議に説明をし、理解を求めたということになるのか確認します。
(生涯学習課長)
図書館協議会については図書館の運営に対する意見をいただく場所で、社会教育委員会議については社会教育に関してのご意見をいただく場所ということで、それぞれのところで図書館の今後の広島市の進め方についてご説明をさせていただき、それぞれ意見をいただいたものになります。
(中森辰一委員)
確認しますけれどもこの二つの会議の委員あるいは会議というのは、まさにこの付帯決議にある三つの対象、具体的に名前が挙げられている有識者になるのかどうか。
(生涯学習課長)
有識者だというふうに認識しております。
(中森辰一委員)
この二つの会議の委員について市長は記者会見の中で、専門家の委員たちだというふうな認識を示しておられますけれども、この委員に説明して理解を得るというのは、付帯決議の実践の上ではこれは重要な要素なんだろうと思います。
その点で、特に思うのは、比較検討結果の資料を、昨年12月の総務委員会の後、12月の二つの会議で説明をし、意見を聞いているわけですけれども、なぜ今日のこの会議にこの二つの会議の結果、議事録、それぞれの委員がどういうふうな発言をされたか、本当に理解をしていただけたのかということを判断できるような資料として提出をしていないのでしょうか。
(生涯学習課長)
それぞれの協議会につきましては、12月末に開催をさせていただきました。それについて内容を確認し、テープ起こしなどを行って議事録を作成し、その各委員に確認していただいた後公表するという流れになっております。そういった形でその作業を進めているというところでございます。
(中森辰一委員)
今日ちょっと資料の案が取れるのかどうかというのはありますけれども、少なくとも議会というところは、付帯決議がきちんと実行されたかどうかということも判断する場所でもあるかと思うんです。並列ではないと思うんですけども。
そういうことを考えると、その一つの要件である有識者に丁寧に説明をし理解を得る、このことがどうだったのかということを判断する資料として、当然つける必要があったと思うんですけども、そうではないんでしょうか。
(生涯学習課長)
それぞれの会議については、広島市のその比較の表を丁寧に説明させていただいて理解していただいたというふうに考えております。
(中森辰一委員)
付帯決議で有識者に説明し理解を得るということになっております。我々議会でこの問題を考えるときに、有識者だと市が位置づけている人たちの、この二つの会議がどうであったのかと、こういう資料は、あなた方が理解を得たというふうに思いますということを言うだけじゃなくて、きちんと資料として提供する。それが我々が付帯決議がきちんと履行されたかどうかということを考えると、大事なことだというふうに思うんですよ。
昨年の会議のときにも、この二つの会議の議事録が出てないことを問題にしましたけれども、今回も同じようなことになっているわけです。なぜそんなことになるんでしょうか。議会についてのちょっと考え方が違うんじゃないかと思うんですけども、どうでしょう。
(生涯学習課長)
審議会の開催の公表については通常のスケジュールと同じだというふうに考えております。基本的に会議が開催されまして、そのまま議事録を作成し、各委員の中に確認いただいた後に公表するという流れで、これまでも他の審議会においても同じようなスケジュールでやってきていると思いますので、それに沿った対応ができているというふうに感じております。
(中森辰一委員)
それに沿った対応じゃなくて、この議会にその審議するに足るだけの資料を提供するかどうか。そういう問題ではないかというふうに思うんですよ。議事録としてまとめる手順というのはあるでしょう。しかしそれは今日1月20日に総務委員会が開かれて、こういう説明をするってことがわかってるわけですから、それまでにその議事録を間に合わせるという作業をなぜやらなかったのかと思うんですよ。これどうなんですか。
(生涯学習課長)
議事録につきましては当然作成する時間も必要ですし、それぞれの委員の方に内容を確認していただく必要な時間もありますので、その時間の中でやっていっているというふうに感じております。
(中森辰一委員)
12月に行われたこれらの会議で市の説明に対して実人数として何人の委員が意見を述べられたのか。どういうふうな意見が出されたのか。まず、図書館協議会の方から報告してください。
(生涯学習課長)
昨年12月23日に開催した広島市立図書館協議会では、「再整備方針を生かして、こんな良い図書館になるというビジョンや夢を語ってもらえると良い」「図書館に全てを集約しなくても良いと思っており、世界に誇れる広島の文学を発信する場所を確保してほしい」「施設整備の優劣に関して反対者の疑問不安を払拭する説明がない」「障害者や高齢者が雨や雪の日も濡れずに行けるようにしてほしい」といったご意見がありました。
(中森辰一委員)
もう一つの社会教育委員会議の方はどうだったんでしょう。
(生涯学習課長)
「図書館の再整備方針のコンセプトである誰もが学び平和文化の情報拠点に照らして考えたときに、誰もが学びいこうという観点から、利用者数の増加が望めるということは理解できた」「平和文化の情報拠点としてどのように平和文化を継承していけるかについてもう少し説明があると理解しやすい」「市民意見募集をはじめとして様々な意見を集めることで方向性が明確になり資料もわかりやすいものになった」「静かに本が読めて、歴史も感じられる今の場所が素晴らしい」という方もいれば、「体力的な問題で、段差や移動が大変で駅周辺なら行きやすい」という方もおられ、賛否両論あるが「どこにあったとしても、広島市らしい図書館として運営できるように取り組んでいくことが重要である」「にぎわいだけを優先するのではなく、平和文化都市にふさわしい図書館と言えるかどうか、中身をしっかりことを考えることが大事だ」「広島市を知るエリアについて広く深く学べる空間、将来につながる文学館のための空間にしていただきたい」「自発的な学びの基幹施設である図書館を多くの市民と協働しながら様々な考えをすり合わせながら整備していく過程こそが地域作りの実践ではないか」などのご意見がございました。
(中森辰一委員)
昨年8月の図書館協議会では、この問題の説明の後で、実際に意見を表明された方は、委員長を除くと3人だけだったというふうに思います。その3人の委員の方々は市の整備方針に対して大変厳しい意見を述べておられたと思います。基本的にそのニュアンスから考えても、どうもこの方針には反対ではないかというふうな印象でした。
12月の社会教育委員会議を傍聴された方のメモも見せていただきましたけれども、それぞれの委員に理解できたかどうか、確認したらどうかという方もおられましたけれども、生涯学習課長も議長も、ここは意見をまとめて結論を出す場ではない。市の説明に対して意見を言うだけだといった趣旨のことも述べておられたようです。まあ理解してもしなくても納得してもしなくてもいいんだ、こういうことになるんじゃないかなというふうに思うんですよね。
12月の図書館協議会の様子を傍聴された方にもうかがいましたけれども、浅野家の諸資料を今後どうするのか。あるいは中央図書館に保管されているこども図書館の貴重な資料の扱いなど、こういう問題が先送りされているんじゃないかといった指摘とか、財政の論理が優先されているといった批判、あるいは資料の安全な保管や荷捌きの問題の指摘もあったというふうに聞いておりますが、市の方が十分に答えたのかどうか、この辺はどうも疑問だったというふうな感じでした。
人の流れの記述が多すぎるという意見もあったようですけれども、つまり、中央図書館の本来の意義とは違うのではないかというそういう点では本質的な意見ではないかと思います。これに対して市の方は多くの人に来てもらうのが大方針だこういった趣旨の答弁もしておられるようですけれども、まさにここに最大の問題があるんではないかと私は思っております。図書館協議会でも納得したということに十分なったのかどうか、これはどうも疑問だなというふうに思います。
我々が普通に受け止めて理解するという意味ですけれども、この説明ならいいと。その方針に賛成だという意思が示されたということだというふうに思うわけです。12月の図書館協議会でも社会教育委員会議でもどの委員も理解し納得した、賛成だと言ってもらえる状況だったのかどうか。どういうふうな認識でしょうか。
(生涯学習課長)
それぞれの委員の立場から様々なご意見をいただいたというふうに感じております。
(中森辰一委員)
だから委員がそれぞれがいっぱなしいうことだけが残っているということなんだと思うんです。いずれの会議でも有識者のメンバーの全員が、これで市の方針に納得したというふうにはなってないというふうに受けとめているわけですけれども、それでもそこでは理解されたという判断になる。これはどうもおかしいんじゃないかなと率直に思うんですがどうでしょう。
(生涯学習課長)
両審議会では市の考えをその資料に基づいて丁寧に説明させていただき、考えについて理解していただいたというふうに認識しております。
(中森辰一委員)
だからあなた方の述べられた考え、その意味がわかったとこういうことかなというふうに思うんですけども、要は各委員が意見を述べたらそれで終わりで、そういう性格の会議であるにもかかわらず、あえてそういう場で説明をしたら意見があってもなくても賛成の意思が示されるかどうかも関係なく手続きとしては終わりだ。理解を得た形にできるこういうことではないかなというふうに思います。
少なくとも社会教育委員会議では自分は理解できてない、あえてそういうふうに発言された方がおられましたけれども、それでも手続きとしてはもう終わったということになるんですか。
(生涯学習課長)
その審議会の当日でも、市の説明がご理解いただけない、わからない部分があるということであれば丁寧に説明させていただくというご説明をさせていただいたものです。
(中森辰一委員)
だから丁寧に説明すればいいということになるんではないかなというふうに思うんですよ。
結局市が言うところの理解した。今使われている理解したという意味ですよね。要するに、市が言っている意味はわかったということで、納得ということが課題解決への理解だと私たちは思ってるんですけども、その理解とはどうも意味が違うということではないかなというふうに思います。
次に、付帯決議の第2項目では、丁寧に説明し理解を得る対象として、利用者とというものもありますけれども、この利用者に対してはどのように説明しどのように理解を得られたものと判断したんでしょうか。
(生涯学習課長)
昨年の12月14日の総務委員会でご説明させていただいた後に、その資料について市のホームページに掲載するとともに、中央図書館をはじめとした区図書館、こども図書館において設置配布し皆さんに見ていただけるようにしてということで、皆さんにはしっかりと理解していただいたものというふうに感じております。
(中森辰一委員)
だからそこで意見を聞いてるわけじゃないということでよろしいんですか。
(生涯学習課長)
要はその考えをしっかりと理解していただいたというふうに感じております。
(中森辰一委員)
一昨年初めから昨年の初めにかけて、エールエールA館に移転する予算を出す直前の市民意見募集というのがありましたよね。ここでもエールエールA館への移転方針には異論反対の意見が非常に多数を占めていたんではなかったかと思います。
付帯決議が全会一致で可決された後、今年の夏に行われた整備方針素案に対する市民意見募集というのもありました。場所についての意見があえて出されておりまして、234件あったということなんですけども、現在地や中央公園内を希望する意見が158件あったのに対して、エールエールA館や広島駅前を希望する意見というのは33件だった。市の方針には反対する意見というのが圧倒的多数を占めて、ここだけを見るとそういうふうになっています。少なくとも市に寄せられた意見の中では、市の方針に反対するという市民意見の方が多い。これはもうはっきりしているんではないかと思います。
これでは、利用者すなわち市民の理解を得られたとはとても言えないと私は思うんですけれども、これで理解を得られたと、こういう判断にはならないんではないかと思いますがどうでしょうか。
(生涯学習課長)
先ほど委員の方から、市民意見募集にいた中で反対の意見が多かったというような御発言ありましたけども、基本的には市民意見募集につきましては、この図書館の付帯決議の中で要は図書館のあり方機能を整理する中で作成する図書館の再整備方針の素案について、その機能サービスについてのご意見をうかがったものでございます。
その中で、今回はその再整備地についての意見を聞いたものではございませんでしたけども、そういった意見があったものについては参考として出させていただいたものであり、その中で判断できるものはないというふうに考えております。
(中森辰一委員)
いやだからどっちにしても、市民に理解を得た、利用者に理解を得たということは判断できる材料がないとあなた方もおっしゃってるわけですよ。これはクリアできてないんじゃないかと私は思います。
もう一つ議会の方なんですけども、昨年の12月の総務委員会で、三つの案についての比較検討の結果が説明されましたけれども、議員の質問の中で、市が判断したことに根拠がないのではないかという指摘がいくつもあったと思います。それらについて市は十分に説明できたとは言えないという状況ではなかったかなと私は受けとめました。
委員外の議員も含めて7人の議員が発言をしましたけれども、うち4人が、市が出した結論に疑問を持つ、あるいは反対という趣旨だったと認識をしております。
これで議会の方で理解が得られたという判断には、少なくとも12月議会の時点、12月の総務委員会の時点ではなかったんではないかなというふうに思いますけども、どういう判断でしょうか。
(生涯学習課長)
先ほどの繰り返しになる部分もあるかとは思いますけども、要は広島市のという比較について丁寧に資料を作成し、説明させていただき広島市の考えというのは議員の皆様にご理解いただいたものというふうに感じております。
(中森辰一委員)
昨年12月22日に市長が記者会見をされて、「12月中に図書館協議会と社会教育委員会議を開催して、総務委員会で説明した資料を用いて説明をしたら、議会の付帯決議に沿った対応、関係者への丁寧な説明と理解といったことに対応できているんではないかというふうに考えております」と述べておられます。
今年の1月12日の記者会見では市長が、「12月23日の図書館協議会、同月26日の社会教育委員会議を開催して、付帯決議に沿った対応ができ、移転先を決定する段階に入ったものと考えております」と述べておられます。
また、「この付帯決議に沿った対応というのは、議会、利用者、有識者などの関係者に丁寧に説明し、理解をしていただくといった内容でありましたが、そういった対応ができた上でというふうな判断をしております。したがいまして、今後は1月20日の市議会の総務委員会におきまして、移転先をエールエールA館にすることを説明するという手続きを経た上で、速やかに中央図書館の移転整備に関わる基本設計実施設計の予算を執行していきたいというふうに考えております」こういうふうに述べておられるわけですよ。
要するに、付帯決議で求められたことを全てクリアしたんだから、今後は予算を粛々と執行していくということを宣言されたものというふうに思います。
しかし、丁寧に説明し理解を得る必要があるとしていた三つの要素いずれでも、今私申し上げましたように、納得した、あなた方が言う説明した、その言葉の意味は理解しました、だけどもそれに納得したという意味合いではないと私は思うんですよ。つまり、普通に考えて付帯決議で求めたことをクリアできたとはとても言えないんじゃないかなと、私は繰り返しになりますけども思うんですよね。もう一度それについてお考えをお聞かせください。
(生涯学習課長)
これにつきましては、市政全般について言えることですけども、全ての方の納得を得るということが困難だというふうに思っております。そうした中であっても、市の考えを理解していただく対応ができたというふうに考えております。
(中森辰一委員)
要するに意味がわかったということです。
それから、改めて確認するんですけど、中央図書館というものは少なくともにぎわいのための施設ではないと思うんですけども、市の基本認識をお聞かせください。
(生涯学習課長)
今回その付帯決議に沿って、図書館の再整備方針というものを作成いたしました。これは図書館にどういった機能を求めるのかというものをまとめてござものでございますけども、この機能を生かすのはやはり多くの方に利用していただくということで、図書館の機能がより活かせるものというふうに考えております。
(中森辰一委員)
先ほど紹介した市長の記者会見の言われたことを聞いて、改めてこの間の議会、市民の皆さんも含めた議論というのを考えてみたんですけど、改めてよく考えなければいけないことは、今回の問題は広島市立の図書館群のどれか一つをどうするか、単に一つの図書館の機能をどう高めるかということではないということだと思います。
広島市立の図書館群のサービス移動図書館車のサービス、公民館の図書室によるサービスといった、広島市立の図書館ネットワークが行う図書館サービスを推進するための中枢図書館であって、それらの図書館サービスのネットワークの機能をどう高めていくかに関わる問題なんだと思います。
同時に、被爆という広島市独自のといいますか、長崎市以外はどの年も経験していない特別な都市なんですよ広島市は。その広島市の被爆の歴史を背負い、被爆者やその周辺の人たちの思いも背負った図書館だと思います。そういう都市だからこそ広島市が標榜してきた国際平和文化都市の中枢図書館をどうするかという問題が大変重要なんだと思うんです。
浅野家の貴重な歴史的文書と、それを抱えた浅野図書館の歴史というものも踏まえなければなりません。鈴木三重吉といった日本文学の歴史上重要な作家の資料とともに、とりわけ被爆の歴史を踏まえた広島ゆかりの文学や作家の思いも表された施設だというふうに考えていく必要があります。これらのことも踏まえて、取り組んでいかなければならない課題ではないかと思うんです。そして、そのときそのときの広島市を含めた戦後被爆後の復興も含めて、貴重な歴史的な資料を蓄積し、それらにふさわしく、保管整理をしていく、そして閲覧活用できるようにしていくということも重要な中央図書館の役割だというふうに思うんです。こういうふうにいろんな役割があります。
それから、中央図書館というのは国連寄託図書館でもあります。中国四国を対象エリアにして国連の公式記録、国連の刊行物、こういったものの提供も行っています。こういう図書館は実は中四国には他にはありません。他の図書館とは違う、この広島市の中央図書館だからこその役割機能、そして何よりも中央図書館にしかない貴重な資料を擁した特別の図書館だとそういう点で、市が示したコンセプトっていうのはまだまだ大変不十分ではないかなというふうに思うんですよ。
昨年8月の図書館協議会での意見の中に、「図書館のことであるのに、本のことが全然書かれていないじゃないか」こういった厳しい本質的な批判もあったというふうに思いますが、まさにその通りではないかと思うんです。
結局のところ、いかに人が集まる施設にするかということが最大のテーマになってきたんじゃないのか。確かに利用者が多いというのは大事なことです。しかしそれが一番なんだろうかということになると、広島市の図書館サービスネットワークの中枢の役割を持つとともに、広島市の知の拠点、文化の拠点としての役割を考えたときに、それは違うんではないか、もっと順番が別に考えていかなくてはならないんじゃないかと思うわけです。
各区の図書館だったら、いかに便利なところにあるか、利用しやすい立地かということが重要な要素です。しかしそれさえも、駅に極めて近い交通の結節点でもある西区の図書館よりも、交通の便の極めて悪い安佐北区の図書館の方が利用が多いことを考えると、それだけではないと言うこともわかるじゃないですか。
私としては、交通の結節点に立地して便利な場所が利用者を増やすためには大変大事だという考え方は否定はしません。だからエールエールA館に新たに図書館を作ろうということ自体には、私はいいというふうに言いました。だけれども、それは中央図書館ではないというふうにも言ったと思います。それは本に親しんでもらうために利用しやすさを重要な要素と考える例えば区の図書館と、広島市の中央図書館とは役割が違うんだというふうに思うわけです。広島市の中央図書館だからこその特別な役割、特別な魅力そういうものがあると。そこを踏まえた構想がないといけないんではないかと思います。より多くの人に行きやすい立地であればいいということではない。
そういうことを考えると、この12月の総務委員会に提出された比較検討結果というのは、企画のあり方に誤りがあるんじゃないかと私は思うわけです。ましてやこの重要な施設をせっかく整備し直すのに、40年程度しかもたないような施設でいいはずがないんじゃないかと思うんですけども、この点を改めて問いたいと思います。
(生涯学習課長)
図書館の機能につきましては、ちょっと繰り返しになる部分もありますけども、広島市立図書館再整備方針にいろんな機能についてこういった機能を持たせる図書館を作っていくと、これは場所がどこであっても、こういった図書を目指していく。なのでこれは人が、そういう機能を要はより生かせるのはどちらかということでね、比較の検討を12月にさせていただいたものです。その中でこういった機能を、どこにあっても図書館として求めていくものをこれはまとめたものですけれども、これがどちらにある方がいいのかということで、それこの機能がより発揮できるのは、より図書館を利用していただくということでこの機能がより発揮できるというふうに結論づけたものでございますので、要はただ人が多いということではなくて、図書館を目指すこの機能がより活かせるのは、より多くの人に利用していただくということで、図書館としての機能が生かせるというふうに整理したものでございます。
(中森辰一委員)
12月に比較検討資料というものを出されましたけれども、改めていくつか聞いておきたいと思います。
平和文化の発信ということが重要なコンセプトになっているわけですけども、広島市民の場合も外国の人たちも含めて、広島市民以外の方たちの場合でも原爆被害の実相を知り、核兵器廃絶や平和の問題を考えようというときに、広島に来られたら、広島市民もそうですけども、一番先に行くのは原爆ドームであったり、平和公園ではないか、平和記念資料館ではないかと思うわけです。そこで実際に体験したことをさらに深めようというふうに考えたときに、平和文化を発信する中央図書館に行くということだとしたら、今の中央公園の場所の方がいいと多くの方が思われると思います。
一般的に言って、広島駅に着いた来訪者が先に駅前の中央図書館で平和文化を学んでから、原爆ドームにあるいは平和公園に行くこういうことはないんではないかと思うんですが、改めて市のお考えをお聞かせください。
(生涯学習課長)
比較表の中でもご説明させていただきましたけども、平和への思いの共有やまち作りや地域課題の解決等に役立つ場の提供のうち、その平和への思いの共有の機能につきましては、現在地の方が平和公園に近く、利用者の受け止めとして一体感を感じやすいものとなると思いますけれども、しかし、思いを共有するためには、広島を知っていただくということが不可欠であり、そのために通勤通学買い物等で日常的に訪れる市民や観光やビジネスで訪れる者が容易に足を運べる、広島駅に近いエールエールA館の方がその機能発揮に貢献するということで、またその平和を願う広島の心の共有や平和文化の振興は、多くの人の目に触れる機会の確保が重要であり、その点ではエールエールA館の方が優れているというふうにさせていただいたものでございます。
(中森辰一委員)
数の問題ですね。チャンス。でもそれだけで物事を決めていいんだろうかというふうにも思うわけです。
思いを共有しやすい場所というものもあるじゃないですか。それはこれまでの広島市のまち作りの歴史から考えても、今の中央公園というのは非常に重要な立地ではないかなというふうに私は思います。
エールエールA館の10階で今営業しているジュンク堂書店広島駅前店というのがありますね。常時80万冊を抱えている有数の書店なんだそうですけれども、そこの本屋としての実績の推移を調べていくということは、例えばあなた方がおっしゃる利用者数を増やすことが重要だという立地の判断に当たっては大変重要なポイントではないかというふうに思うんですが、何かこの点で調査されたことがあるんでしょうか。
(生涯学習課長)
個別の書店の利用者数だったり、売り上げだったりというのは調べておりません。
(中森辰一委員)
それは利用者の数というものを追求するにあたっては非常に重要なことではないかなと、なぜあそこにたくさんの人が来られて非常に売り上げもたくさん伸びているということであるとするならば、その立地の利点というのは何なのかとか、なぜあそこにわざわざ10階にあるのに足を運んでくれるとか、そういったようなことも調べておくことが必要だったんではないかと私は思いますけれどもね。
交通の結節点ということですから、確かに利用者は相当程度増えるということがあるかもしれませんけれども、どの程度増えるかといったリサーチを、今言われたように、やってるわけじゃないわけですよ。周辺に学習塾が多くて、中高校生がたくさん来てるからそういった層の利用が見込めるなんていうようなこともありましたけれども、それもリサーチして言っておられるわけではありませんね。ただ増えるだろうと言ってるだけです。普通、営業成績を上げることを目的に新たな施設を作ろうとする民間企業だったら、きちんと客観的な根拠を持ってどれだけ客が来てくれるか。そういうリサーチをして計画を立てるというふうに思うんですよ。そういうことなしに、ただ願望の域を出てないような理由というのが、比較検討資料には書かれてたんじゃないかと思います。
その程度の理由が、多くの反対意見を退けてあえて中古の商業ビルに移転する決定的な理由には私はならないんじゃないかなと思いますがどうでしょうか。
(生涯学習課長)
他の自治体において、駅前に移転した図書館が、移転する前よりも人数が減った図書館は私たちが調べた中ではございません。場所によっては3、4倍、10倍というような利用者が新たに新しくなった図書館を利用されているというふうに聞いております。
(中森辰一委員)
その駅前のほとんどの図書館は中央図書館では私はないと思っておりますけれども。区の図書館などと違って、切り離すというふうに発表された浅野家の歴史的な資料とか、エールエールA館に持っていくといった広島ゆかりの作家の資料など、広島中央図書館であるからこその貴重な資料があるわけですけれども、これらをどう保存し活用していくか。まさに中央図書館をどうしていくかの最も重要な課題の一つだというふうに思いますが、基本的には従来の扱いをしない少し広げたぐらいのことになっているだけ、実際は今後の課題に棚上げをしたに等しい状況になっているんだというふうに思います。
並行して、これをどうするか検討しているというふうにはとても見えません。中央図書館の中央図書館たる魅力を損なうような機会になっているんではないか。こういうふうにおっしゃる方も実際にあるわけですし、私もそういうふうに心配をしております。
そういうあり方に対して、これらの資料に権利を持っていらっしゃる方々は資料を引き上げるといったことも含めて厳しく反発しておられますけれども、それでいいのか。疑問だと思いますが、どうですか。
(生涯学習課長)
資料につきましては基本的には寄贈していただいているものになりますので、広島市の所有物ということになります。
今後、そういった対応の中で返却ということは基本的にはないと思っておりますけども、またそういったお話があるということであれば個別にお話を聞かせていただきたいというふうに思っております。
(中森辰一委員)
返却することはない。だからと言って、それに関わる人たちの声をいい加減に扱うということには到底ならないというふうに思います。この問題では、どうも発展的なこと、前回の資料でも書いてありましたけれども、しかしよくよく見てみると、とてもその新たな措置というものをやるということが保証されたようなそういう内容にはなってないです。黙っとったら、従前通りこれまで通りと何も変わらないということになるような、そういう文章になっています。これではとても納得できないんではないかと思います。
観光やビジネスで訪れた人たちが、広島駅からの移動の合間にカフェ等の憩いの場を利用してもらうことで図書館の利用者を増やそう、こういうふうなものがあったかと思っておりますけども、カフェが主体になっているのは図書館としては本末転倒だというふうに思いますし、例えば移動の合間、つかの間の時間をカフェで過ごそうという人たちにとっては、当然駅ビルの中のカフェの方が便利だということは普通に考えれば明らかなことではないかと思いますし、これも単なる願望に過ぎないと思いますが、それはどう思いますか。
(生涯学習課長)
図書館まで、まず足を運んでいただくということがすごく大事なことだというふうに思っております。そういった中で、カフェという目的の中で、帰りに図書を見ていただくとか、そういったきっかけになれば、それによってまた新たな図書の利用していただけるという可能性も生まれてくるので、十分期待できるものだというふうに考えております。
(中森辰一委員)
移動の合間にわざわざ離れたビルのしかも上まで上がってカフェに入る。それは時間もったいないですよ、そんなことはおそらくないだろうと私は思います。
特に問題があると思うのは、全ての市民により広島市の図書館の方に利用してもらうための移動図書館とか、公民館などへの定期的な配本活動がどうなるかということもあります。現地と駅前ビルと、優劣の差は生じないというふうになっておりましたけれども、実際に駅前ビルの1階にある車両の出入口私も見に行きましたよ。見ますと、商業ビルとしての毎日の商品等の出し入れ、そのための車両の出入り、こういうものと当然調整をしなければ、やっていけないことだというふうに思うんです。それから、本を選択し整理して箱に詰める。帰ってきた本を整理して所定の場所に戻す。こういった作業も必要になりますけども、そういうスペースの問題もどうやっても制約もあるというふうに思いますね。蔵書の中から本を選択するための作業ルートがどうなるか。これも問題になりますし、今の図書館のようなわけにかないと思います。おそらく人手も今より増やす必要が出てくるんじゃないかなとも思います。そうした作業のありようについて何の資料も出されておりませんから、実地に検証作業をしたということも聞いておりませんし、商業ビル側やテナントからの協力ということについても、了解してもらいました、相談しています、この程度のことではなかったかなというふうに思っておりますが、これでとても優劣の差は生じない。いうようなことにはならないんではないかなと思いますがどうでしょう。
(生涯学習課長)
実際の図書の配本のルートだったり、時間的なものを踏まえて南口開発の方と協議相談させていただき、対応できるという回答をいただいておりますので、それはしっかりやっていくということになります。
(中森辰一委員)
それはあなた方はそう言ってるだけで、具体的にこういうふうに検証しましたみたいなことは聞いてないですよ。
もう一つ、建物の強度の問題ですけども、市から12月の総務委員会のときに要求をして資料が出てきました。議員も含めて多くの市民が商業ビルとして作った建物は、極めて重量のあるものが設置される図書館とは建物の作り方が最初から違うはずだと指摘をしてきました。しかし市の方は、大丈夫だと、特別な補強は必要ないし、そのための特別な費用は生じないということを言い続けておられました。
改めて設計事務所が作った資料を素人なりに見てみたんですけども、我々が指摘をした建築基準法、文部科学省の建築構造設計指針で示された、床構造の積載荷重1万1800ニュートン、1平方メートルあたりという強度指針に対して、考えられている建物の使い方で想定される必要な強度を考えると、今の商業ビルはそれだけの強度を持っているから大丈夫だと書いてあったと受け止めております。
安井建築設計事務所の資料を見ますと、いろいろ専門的な数字とか計算式などが示されておりますけれども、その中でどういうわけか黒塗りしてありまして、全部見ることができないんですけれども、それ以外のところで考えてみて、今の建物で許容される積載荷重は9800ニュートン1平方メートルあたりとなっています。想定される床荷重を概略で算定すると、この建物の許容積載荷重以下になるというふうに書いてあります。
通常はただの商業ビルで、そこまで耐荷重強度を持つ建物は作らないと思いますけれども、このエールエールA館というのはどういうわけかそれだけの強度があるということになってます。専門職が作った報告ですから、そうなんだろうと納得するしかないんですけれども、ただし、実際に設置される周密書架の単位面積当たりの重量がこの許容積載荷重を超えないことが必要だということも書いてありました。
つまり、今の移転計画で想定されている使い方で計算する限りは、今の建物の強度はぎりぎりクリアできますということなんですね。しかしレイアウトを変更したりして重量配分が変わったりすると、補強工事をする必要があるということになります。
実際この資料には、その場合補強工事が必要になるということも書いてあります。私はこの資料を見て、そう受けとめました。つまり、今後の発展的な使い方には、建物の構造上大きな制約があるということではないかと思います。これは新築で設計する建物と比べて自由度が大きく制約をされるということであるとともに、一旦商業ビルに移転した後は、施設としての発展性がないものになるということであって、優劣の比較でいきますとね、これは重大なマイナス点じゃないかと思うんですよ。どうでしょう。
(生涯学習課長)
荷重の話でいきますと、百貨店の積載荷重については建築基準法で示されたものであり、その他の図書館閲覧室等の積載荷重は文部科学省の建築構造設計指針により示されたものになります。建築基準法、文部科学省の建築構造紙使用指針のいずれにおいても、積載荷重は原則実情に基づいて算定するということにされております。実情に応じた算定を行わずに積載荷重を考える際の、一般的な数値としてのものが、例えば百貨店であれば2900ニュートンという形で示されたものにということでございます。
今回はこの調査の中で、そういった実際に使おうとされる図書館の配置に基づいて積載の荷重の計算をしたところ、要は補強も必要なく、その体力を持っているということが確認できましたので、新たなその補強等が必要ないということにさせていただいております。
図書館についても今後の発展ということでいうと増えていくところといいますと、おそらく書籍の増床というところになろうかと思いますけども、増床につきましては、新たな中央図書館については135万冊という増床を考えておりまして、これは将来本が増えてきたものに対しても十分対応できるものになっているというふうに考えております。
(中森辰一委員)
先ほどの、私の前の質疑の中で、今回の分は、いわば基本設計、実施設計をしていくにあたってはもっと詰めて、レイアウトも当然、もしかしたら変更することもありうるかもしれない。そういうふうな話になっていくんじゃないか。様々な意見を踏まえて、もしかしたら若干配置も変わってくるかもしれない、そういうふうなことも、この今回の報告書を見る限りは制約があるということになるんじゃないかなというふうに思うんですよ。135万冊を一応想定はしているというふうなことがありましたけれども、ぎりぎりそこまではなんとかなるっていうことなんでしょう。
だけども、もっと自由なレイアウトしていきたいというふうになったときにそこはもう限界があるというふうなことなのであって、商業ビルに移転するということはそれだけの制約を一応覚悟しながら移転をせざるを得ないということになっていかざるを得ないと私は思いますよ。そういう点で新築の方がいいのは当然決まってると私は思います。
かつて市長を務められた山田節雄さんが市長の時代に、まさに今の中央図書館等図書館群や、公民館図書室との図書館ネットワークというものを構想されて、最初の施設として今の中央図書館をつくることを発表され、実際に作られました。そのときに、広島の図書館というものは実に贅沢、立派なものであるということがむしろ我々市民の誇りであり、10億20億かけても決して金の浪費ではないというふうに述べられたそうです。当時の10億20億ってのは大変大きなお金だったんでしょう。贅沢かどうかというのはともかく、広島市の知の拠点にふさわしい発展性のある図書館というものが、市民の誇りともなる。そのために必要なお金はかけようじゃないかということではないかと思うんです。
今回のことを考えると、そもそも中央図書館の立地場所について、市民にとっては突然駅前の商業ビルへの移転方針というものが示されて、たった4ヶ月で予算化される。こういう最初から市民の意見などを聞く気がないというふうに見える市の姿勢が厳しく指弾されてきたと思います。
それから、事業費が安い方がいいと、30億円ないしは13億円程度の差が問題になってきたと思いますけれども、前にも指摘しましたように、広島駅前の再整備というのはそれこそ突然事業費を2.3倍に増やして155億円から360億円に200億円以上も上積みをしました。高速5号線のトンネル工事では、とてもあり得ない理由であるにもかかわらず、ゼネコンの要求に応えて87億円も工事費を引き上げた上に、高速道路事業全体の事業費およそ350億円も上乗せをしました。これらの事業費の増やし方に比べて、広島市の中央図書館という重要な施設の事業費、この事業費の差というのが問題になるっていうのはそれこそ100年の計で構想するべきであるこの施設の重要性に鑑みますと、極めて不当な扱いではないかと私は思います。この事業費の問題について市はどのようにお考えでしょうか。
(生涯学習課長)
比較検討において、費用というところは重要な一つの部分でありますけども、今回の比較は先ほどからの繰り返しになりますけども、図書館整備方針の機能をより発揮できるかどうかという視点、それと広島市の施設の総合管理計画に沿った視点になるというところをメインで比較したものでございます。
より多くの方に使っていただくことで図書館の機能がより高めていけるという判断でエールエールA館にしたものですので、そういったことで決めたエールエールA館で図書館を運営することで、より広島市の図書サービスが発展できるというふうに考えております。
(中森辰一委員)
平和文化の発信ということは言われましたけれども、そもそもこの広島市の中央図書館というものの強み、所蔵している資料、さらに発展させていくという意味での魅力を高めていく、本来図書館はこうあるべきだ、こういうふうなものであるべきだという方向からの考え方、どういうふうにやっていくのかということはコンセプトの中では述べられていないと思うんですよ。そういう中で、結局、いかに利用者を増やすかが最大の機能を発揮していくことなんだというふうなことだけがずっと強調されてきたと思うんです。
いずれにしても、市議会として全会一致で可決した付帯決議を求めたということについては、有識者の理解、すなわち納得も利用者の納得も、議会私も含めて、納得を得ていないと私は考えます。
駅前ビルへの移転と現地で建て替えるということとの比較検討も、恣意的な解釈で根拠も曖昧なまま優劣の判断をされたんじゃないかと私は今でも思っています。
国際平和文化都市広島市の中央図書館の果たすべき機能、役割、それから考えて、利用者が増えることが最優先となっているという考え方にも私は同意できません。ゆえに、このエールエールA館に移転するという決定、今まだ「案が」ついてますけども、私はあくまでも反対したいと思います。