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第105号議案令和4年度広島市一般会計補正予算(第8号)
・広島サミット県民会議への負担金の追加措措置について
・市有施設における電気料金等の追加措置について
・利用料金の減収に伴う指定管理賞の追加措置について
・学校における感染症対策経費の追加措置について
第107号議案令和4年度広島市中央卸売市場事業特別会計補正予算(第1号)
・新中央市場の整備について
(中原ひろみ議員)
日本共産党広島市議会議員の中原ひろみです。
党市議団を代表して第105号議案令和4年度広島市一般会計補正予算(第8号)、第107号議案令和4年度広島市中央卸売市場事業特別会計補正予算(第1号)について質疑します。
最初に、第105号議案 令和4年度広島市一般会計補正予算(第8号)で提案された4つの事業について伺います。
まず、広島サミット県民会議に1億1310万円の負担金を追加措置することについてです。交通総量の抑制対策やセキュリティ対策の強化、電車・バス等へのラッピングをはじめ、海外メディア招聘、ジュニアサミットを開催するとしています。
①海外メディア招聘や、ジュニアサミット開催の目的は何ですか。
②招聘する国名と人数など、それぞれ具体的にどんな取り組みで平和を発信強化されるのかお聞きします。
(G7広島サミット推進担当局長)
海外メディア招へいについては、サミットの開催地として国内外の注目が集まる機会を捉え、発信力のある海外メディアを広島に招へいし、被爆の実相や核兵器の非人道性に加えて、広島の魅力について、取材機会を提供、報道してもらうことで、各国の一般市民の平和意識を醸成することやインバウンドの促進を図ることを目的とするものです。
招へいするメディアや人数については、外務省や関係機関などの意見も聞きながら、各国において発信力のあるメディアを選定していきたいと考えています。
次に、ジュニアサミットについては、若者が、国際的な諸課題について各国の同世代の若者とともに考え、議論することで、国際感覚とチャレンジ精神を涵養するなど、次代を担う若者を育成し、サミットの成果を未来につなげることを目的とするものです。
参加対象は、G7各国出身の高校生とし、平和を含む、国際社会の諸課題に関するテーマについて討議や関連施設の視察などを行い、その成果を発表してもらうこととしています。
(中原ひろみ議員)
G7サミットが被爆地で開かれるからには、食や神楽鑑賞でおもてなしというだけでなく、G7加盟国の首脳に平和公園を訪れ、原爆資料館の視察など被爆の実相に触れていただくとともに、直接に被爆者と懇談する場をもつべきと考えます。
市長は同様の要望を今年10月に広島サミット県民会議として林芳正外務大臣に要望されていますが、
③G7加盟国の首相らの原爆資料館視察や被爆者との懇談、平和のメッセージの発信などは実現の見通しがあるのですか。最終結論はいつ確定されるのか伺います。
被ばく地の自治体として、G7の各国首脳に核兵器の非人道性を理解頂く絶好の場とするために、
④外務省には繰り返し働きかけをしておられるのか、一回きりの申し入れなのかお聞きしておきます。
(G7広島サミット推進担当局長)
サミットの日程等については、日本政府で検討し、決定されるものであるため、その日程に平和記念資料館の視察や被爆者との対話などを組み込むことについて、本年10月に、日本政府に対して要望を行いましたが、その後11月にも、重ねて同様の要望を行っております。
その実現の見通しや確定時期について予断をもってお答えすることはできませんが、今後も、機会を捉え、実現に向けた働きかけを行っていきたいと考えています。
(中原ひろみ議員)
G7サミット加盟国はいずれもアメリカと軍事同盟を結び、核抑止力の立場に立つ国々です。そのような立場の指導者が集まるサミットの開催地を被爆地ヒロシマで開催するように市は国に要請されてきました。
⑤サミットが被爆地ヒロシマで実施されるにあたり、改めてその意義とともにどんな成果をあげようと考えられているのか伺っておきます。
(G7広島サミット推進担当局長)
これまでもご答弁したとおり、各国首脳が、被爆の実相に理解を深め、被爆者の平和への思いを共有していただくことに、極めて大きな意義があります。その成果として、核抑止に頼らない平和な世界の実現に向けた各国首脳の決意が世界に発信されることを期待していますが、首脳会議の日程は、国において決定されることから、その実現に向けて本市から国に対し、強く要望を行っているものです。
また、メディアを通して、被爆の実相を世界中に伝えるとともに、被爆の惨禍から復興を成し遂げた本市のまちの姿を「希望の象徴」としてアピールすることも重要です。このため、多くのメディア関係者が来広する広島サミットを絶好の機会と捉え、広島サミット県民会議において、海外メディア招聘など平和の発信に係る様々な取組を行い、多くの人々に平和こそが世界の成長と繁栄、幸福をもたらすことを再確認してもらいたいと考えています。
さらに、広島の食や伝統文化などの魅力を、サミットに合わせて来広する関係者に紹介するとともに、国内外に発信することで、サミット開催後の誘客促進という成果がもたらされるだけでなく、来広者の増加により、「迎える平和」のさらなる推進と多くの人々の平和意識の醸成につながることを期待しています。
(中原ひろみ議員)
中央大文学部の野宮大志郎教授は、G7サミットが被爆地ヒロシマで開催されることに関し、その意義を次のように中国新聞に寄稿されています。
教授は、先進7ケ国首脳会議は市民側の主張が先進国の論点を左右することもある場だと指摘され、「被爆の実相を知ってほしい」「被爆者の声を聴いてほしい」という地元広島の明確な主張と運動が、世界の運動に影響して核保有国の判断に影響を与える流れになる可能性があるというものです。
プーチン大統領が核兵器使用を示唆するなど緊張が広がる時、「核兵器が人類を絶滅する前に核兵器を廃絶する」ことこそが今、人類的課題です。
サミットを契機に、平和運動だけにとどまらず、環境問題など様々な市民団体が広島を訪れ、これまで以上に広島は国内外から注目を集めることになります。この機会を最大限に活用し、被爆者の悲願である「二度と核兵器を世界中のどこにも使わせてはならない」との核兵器廃絶への強い願いを、広島へ来訪された皆さんに訴え、世界に核兵器廃絶のうねりを再起動させる取り組みが必要ですが、
⑥市は、G7サミットを契機にどのように平和の発信を深化させようとお考えなのかお聞きします。
(G7広島サミット推進担当局長)
本市としては、各国の首脳はもちろんそれ以外の各国政府高官や国内外メディア関係者などサミットに合わせて来広する多くの人々に、被爆の実相に理解を深め、被爆者の平和への思いを共有していただくまたとない絶好の機会になると考えています。
このため、繰り返しになりますが、首脳の日程に、平和記念資料館の視察や被爆者との対話などのプログラムを盛り込むことが実現するよう国に要望するとともに、メディアを通して平和のメッセージを力強く発信し、核兵器のない平和な世界の実現に向けた機運を高めていきたいと考えています。
【再質問】
(中原ひろみ議員)
G7サミットの成功へということですけれども、いつ決まるのかも国の方針が決まらないと定まらないんでしょうが、被爆地の、G7サミット等を契機に核兵器廃絶を1ミリでも前に進めたいという思いは共通だろうと思います。被爆の実相をいかに伝えていくかというのが、この核廃絶に向けた大きな力になるんだと思います。
といいますのは、この6月には核兵器禁止条約の第1回締約国会議が開かれ、そのときにグテレス国連事務総長が、禁止条約の発効の原点はどこにあったかということで、その核兵器の非人道性にあるということを明確に語っていらっしゃいます。
それから、続く8月の第10回NPT再検討会議では、アルゼンチンの外交官が、30数年来外交官として務めてきたけれども、初めて被爆者の証言を聞いて、これまでの核兵器の見方がより一層変わったんだと。やはり廃絶するしかないんだという気持ちを固く持ったということも語ってらっしゃいます。このようなご意見を聞きますと、改めてこのG7の首脳の皆さんに、核兵器の非人道性に触れてもらいたいと私は強く思います。
そこで提案ですが、海外メディアを招聘されるということで、メディアはその発信力が大きな力ですけれども、G7の首脳が被爆の実相になかなか触れられないということになった場合に、メディアの皆さんにこそ被爆者の証言を直接聞いてもらったり、それから被爆者と懇談をしてもらったり、また広島駅の地下広場のガラスケースに被爆の実相を伝えることができるような、ここは被爆地広島だということがわかるような展示を、G7サミットが広島で開かれるということを契機にパネル展示なども少し考えてみたらどうかなと思います。サミットの会場に原爆展を掲示できないのかなと思ったりもします。
一議員の提案ではありますが、ぜひ何らかの形で、広島でやった意義が大きく発揮できるように検討できないか。
(G7広島サミット推進担当局長)
まず国におきましては、こちらの県民会議広島本市の立場としては被爆の実相に触れる機会を、各国首脳に提供していただくよう要望するということではありますけども、5月23日に広島サミットが決定した際に、岸田総理が広島ほど平和のコミットメントを表す適切な他にはないとおっしゃっています。国においても、我々の地元の、しっかりと検討した上で受け止めた上で決定をしていただけるものと期待しております。
それから、各国首脳に被爆の実相を伝えるということも非常にもちろん大事なんですが、私どもとしましては海外メディア、これは1000人単位数千人来られます。これまで私も平和に携わってきて難しいと感じてきましたのは、海外の市民の方は、一般の方に被爆の事実を伝えるということが非常に大きな課題だと認識しておりまして、海外メディアが広島サミットに合わせて来られるということですので、できるだけ先ほどの招聘プログラムもありますけども、広島駅というのは考えておりませんでしたけども、展示などいろんな形で、被爆の実相を伝える工夫はしていきたいと考えております。
(中原ひろみ議員)
次は、原油価格・物価高騰対策と指定管理料の追加措置についてです。
国は、エネルギー・食料品価格等の物価高騰を踏まえた対策を図るため、新型コロナウイルス感染症対策地方創生臨時交付金を増額する形で、『電気・ガス・食料品等価格高騰重点支援地方交付金』を新たに創設しました。
この度の補正では、この交付金等を使い、市有施設における電気料金などの追加措置と、省エネ機器導入支援事業が提案されています。
電気料、ガス料などの高騰で、公共施設の維持管理にも大きな影響が出ることはさけられず、市民サービスに支障をきたさないようにするために、必要な予算措置をすることは当然ですし、省エネの取り組みを推進させることも重要です。ですが、今求められているのは、物価高騰で苦しむ業者や市民に生きる希望を与える支援策です。電気料金等の高騰は、市有施設だけが影響を受けているのではありません。
一般家庭でも深刻です。一例を紹介すれば、昨年2月は417キロワット使用で1万65円だった電気料金が、今年の夏は、420キロワット使用で1万5544円となり、1年半の間に5000円を超える値上げとなっています。このように、光熱費の高騰は全ての家計と営業に大きな影響を与えており、支援が求められています。
三原市では、原油価格の高騰により直接的な影響を受けている中小事業者で、売り上げが3割減少した事業者に対し10万円の支援金支給が提案されています。三原市は、日ごろから地域の中小零細業者の経営実態や要求を掴む努力をされていると聞いています。
広島市は、交付金の活用にあたり、どんな支援策を打ち出すことが効果的なのか、
①市内の中小零細業者の経営実態や要望を掴む努力をされてきたのでしょうか。
(経済観光局長)
本市が国の交付金を効果的に活用して新型コロナウイルス感染症や物価高騰等に伴う事業者向け支援策を検討する際には、商工会議所、商工会などの経済団体や業界団体、商店街等を通じた会員企業への影響等の聞き取りや、必要に応じて、個別企業への直接の聞き取りにより、中小事業者の経営実態や要望の把握に努めています。
また、中小企業支援センターに寄せられた相談内容や経済団体等が会員企業を対象に実施している経営状況等についてのアンケート調査に寄せられている個別企業の声も参考にしています。
(中原ひろみ議員)
コロナ禍に追い打ちをかける物価高騰により「このままでは廃業するしかない」と苦しむ中小零細事業者が増えています。
②これらの事業者を直接に支援する必要性について市はどのような認識をお持ちですか。
(経済観光局長)
本市は、先ほど御答弁しました経済団体等への聞き取りの中で、飲食業やクリーニング業などの事業者組合である広島県生活衛生同業組合連合会から、市内の生活衛生関連事業者は、コロナ禍で長期間に渡り客離れが続き、多くの事業者が経営危機を迎えており、一日も早い顧客の呼び戻しや新規顧客の獲得を応援したいので本市にも早急に支援・協力をお願いしたいとの要望をいただきました。
本市はこれを受け、早期の支援を行う必要があると考え、本年度9月補正予算に所要経費を計上して議決をいただき、現在、同連合会がプレミアム付利用券の発行等に取り組んでいるところです。
今後とも、引き続き経済団体等への聞き取りにより、中小事業者の経営への影響やニーズの把握に努めるとともに、国・県・市の役割分担を踏まえつつ、国・県の支援策の動向や、交付金の活用可能性なども考慮しながら、その時点で最適な事業者向け支援策を検討してまいります。
【再質問】
(中原ひろみ議員)
私はこの12月議会にすごい期待したんです。コロナ禍も3年続く、そしてこの物価高騰のうち中小業者はどんなに苦しいだろうというのは誰がも思うわけです。
今市は商工会議所に聞き取ったり、アンケートもやった、要望があったところには支援をすると、こういうふうなことをおっしゃった。これはこれで重要なことですが、私は取り残している人たちがいるということを言いたい。
先般、小さなスナックを経営されてる皆さんからこんな声を聞きました。このままいくと流川の火が消える、G7で景気がいいようなことも言うが、自分たちは本当に経済を止めないため自粛要請もしていないんだけれども、お客さんは本当閑古鳥で、お客さんが来ない日もあると。そういう状況でも、今はもう支援金もないし、しかし、売り上げがどんなに落ち込んでも家賃だけは毎月毎月払わなきゃいけない。だから何とかこの家賃の半分でも支援していただくようなことができないだろうか、というまさにこの年が越せるかどうかという瀬戸際の思いをお聞きいたしました。
こういう小さなスナックの経営者なんかが、大変な状況でも乗り越えてお商売が続けられるような、そういう取り組みをぜひ広島市に要望したいと思いますし、改めてかゆいところに手が届く支援策を打ち出そうという気持ちがあるのかないのかということをもう一度聞きたい。
今のような支援策だけでは足りないという認識かどうか。
(企画総務局長)
物価高騰、あるいはコロナ禍において、事業者が大変苦労していると。今の支援がかゆいところに手が届く十分なものと思っているのかというお尋ねと認識いたしました。十分なものとは思っておりません。ですから先ほどもご答弁申し上げましたように、指定都市市長会や全国市長会に対して必要な財政措置を行うよう要望を行っているところでございます。
また十分に手が届いているのかということについても、手が届いてないということを申し上げましたけれども、物価高騰対策、コロナ禍については以前もご答弁させていただきましたが、一義的には国においてまずは対応していただくというのが基本であろうと思います。
その中で基礎自治体である我々が何ができるか、その実情に応じた支援を一生懸命考えていく、それが今回の補正予算の内容になっていると、そのように理解しております。
(中原ひろみ議員)
また、高騰する電気料金等の追加措置の財源のうち、上下水道施設は自己財源、本庁舎、区役所を始め19の公共施設は一般財源で措置します。
一方、指定管理者が管理する市有施設については、コロナ禍による利用者の減少のなかにあっても、適切な管理運営ができるようにと国の交付金で指定管理料を追加措置しています。
感染症で大きな影響を受けている各施設に必要な指定管理料を補填することは当然ですが、これらの施設は、その管理運営を指定管理者に委託しているだけで、本来、市の施設です。よって、本庁舎などの市有施設と同様に、一般財源で補填されるべきではないでしょうか。
③消費税の減税こそ物価引下げに最も効果的であるわけですが、国は消費税減税に踏み出そうとしていません。そうしたなか、コロナ禍や物価高で苦しむ市民生活を応援するには、これまで指定管理者に補填されてきた国の交付金は、まず 市民生活の支援に活用すべきではないかと考えます。市の見解をお尋ねします。コロナ禍も3年あまり続いていますが、
④この間、指定管理料の追加措置額として活用した交付金総額はいくらになるのかお聞きしておきます。
(企画総務局長)
指定管理者は、コロナ禍で厳しい環境に置かれている事業者であることから、事業者支援の観点により、これまでも、新型コロナウイルス感染症対応地方創生臨時交付金を充当して指定管理料の追加措置をしているものです。なお、本庁舎などの市有施設については、交付金を充当することができません。
また、指定管理料の追加措置を行った交付金の総額は、この度の補正予算を含め、34億8751万9千円です。
(中原ひろみ議員)
そもそも政府の物価高騰対策は、ガソリンや電気・ガスといった、大手石油元売りや電力・ガスの独占企業を救済する部分的な価格抑制策であり、大企業への補助金では中小零細業者をはじめ、物価高騰から暮らしを守るという点で全く不十分です。
⑤国に対し、暮らしの実態に見合う交付金の増額を求めるべきではありませんか。どうされるか伺います。
(企画総務局長)
本市ではこれまでも、原油価格・物価高騰対策について、本市の実情に応じた効果的な支援を行うため、国に対し、必要な財政措置を行うよう、指定都市市長会や全国市長会を通じて要望しているところであり、今後ともこうした機会を通じて国に要望していきたいと考えています。
(中原ひろみ議員)
補正予算の最後に学校における感染症対策経費の追加措置について伺います。
国の交付金4814万円を、学校における保健衛生用品や換気対策用備品の購入に要する経費の追加措置として計上しています。市内の全ての公立学校に配分すれば、
①一校ではおよそいくらの追加経費となりますか。
(教育長)
今回の補正予算につきましては、学校における換気対策用備品や保健衛生用品の購入に要する経費を追加措置するもので、補正額4814万円を市立学校の学校数213校で単純平均すると1校当たり約23万円ですが、実際の各学校への配分は、校種・規模に応じて行っており、最も少ない学校で14万円、最も多い学校で54万円となります。
(中原ひろみ議員)
②換気対策用備品とはどのようなものが対象ですか。
(教育長)
対象となる換気対策用備品は、教室内の換気を補助するサーキュレーターや高性能フィルター付き空気清浄機、室内の二酸化炭素濃度を測定し換気の状態を確認するCO2モニター、換気の際の室温低下を防ぐジェットヒーター等となっています。
(中原ひろみ議員)
11月30日に開催された「安心社会づくり対策特別委員会」において提出された「新型コロナウイルス感染症の感染状況及び取り組み」と題した資料では、本市において最初のクラスターが発生した令和2年4月以来、今年10月までの間で、一番多かったクラスター発生場所は学校で、214件と報告されています。
一年間に2回も学級閉鎖になった保護者からは、クラスターが心配で登校させることに不安があるが、家庭での学習には限界があるし、オンライン授業もうまくいかず、子どもを安心して登校させ授業をうけさせるために、空気清浄機を各クラスに整備してほしいとの声が寄せられています。
空気清浄機は交付金で購入可能な備品で、既にこれまでの交付金で購入している学校もありますが、保健室に1台のみと聞いています。
③現時点で空気清浄機の整備状況を教えてください。
(教育長)
学校用備品リストによれば、市立学校213校中、空気清浄機を保有している市立学校は63校、台数は178台です。
(中原ひろみ議員)
④仮に小・中学校の各クラスに整備した場合、空気清浄機の経費はどの程度、必要となりますか。
(教育長)
本年度、高性能フィルター付き空気清浄機を購入したいくつかの学校に実績を問い合わせたところ、1台当たり平均約7万円であり、これに市立小・中学校の学級数約3千6百学級を機械的に乗じると、総額で約2億5千万円となります。
(中原ひろみ議員)
市は、学校における感染防止対策として各クラスへの空気清浄機を整備するため、
⑤国に対し、各クラスに空気清浄機を整備できるような財政支援を求めるべきではありませんか。お考えをお聞きします。
(教育長)
国の通知によると、サーキュレーターや空気清浄機は、常時換気が困難な場合の補完的なものとされており、本市の学校では、これを踏まえ、窓開けによる常時換気を基本とし、学校配分予算の範囲内で、補完的に壁掛け扇風機やサーキュレーター、学校によっては空気清浄機を購入し、教室等の換気に努めているところです。
全クラスへの空気清浄機設置に係る国要望については、先程申し上げた国通知の趣旨を踏まえ、それに特化した要望を行うことは考えていませんが、新型コロナ感染症対策において重要となる換気対策の維持・充実に必要な財政措置については、引き続き、指定都市と共同して、国に求めていきたいと考えています。
【再質問】
(中原ひろみ議員)
空気清浄機に特化しての申し出はしないということでありましたけれども、これから段々寒くなって、窓はなかなか開けることはできないと思います。
保護者からこんな声が届きました。給食時間に窓を開けて給食を食べたのでは、すぐに温かい給食も冷めてしまって美味しくなくなるじゃないかと。だから、空気清浄機を導入してもらって、今黙食ですから、お友達と話ができません。だから黙食で温かい給食をさっと食べて、その後にマスクをしてしっかりお喋りをするような、そういう状況にするためには空気清浄機が欲しいっていう本当にささやかな願いだと思います。保護者の願いを受けとめるような懐の深さが必要ではないかと思うわけです。
今聞けば63校に178台ですから、1校に3台あるのか、その学校の整備の状況がわかりませんが、全クラスに整備した学校というのはあるんでしょうか。
改めて子どもの学び、健康を同時に維持するためには、先ほどいろんな機械の話もされ、どれを入れてどれを入れたらいけないということは私は言えませんが、保護者から願いの強い空気清浄機に特化してでも、全クラスに整備して、安心して学校に登校してくださいということが学校から発信できるような環境整備すべきだと思います。再度市の認識をお尋ねをします。
(教育長)
空気清浄機を全ての学級に整備している学校があるかということで、ちょっとわれわれも学校用備品リストを見て機械的に出したものを見るものですから正確なのかわかりません。極めて小規模な学校であればその可能性はあろうかと思います。
多くの場合は保健室が基本で、あとは一部特定の教室、あるいは職員室に置いておるというのが平均的なところであろうと思います。
そして先ほど申し上げましたように、全教室に置こうとすれば3600台、いるということになりますし、そういう中で国は、学校衛生管理マニュアル上、換気は気候上可能な限り、常時困難な場合はこまめに30分に1回程度を基本形にしておる現状の中で、全て国において財源措置をしていただくというのは非常に難しい状況にあると認識しております。
(中原ひろみ議員)
最後に第107号議案令和4年度広島市中央卸売市場事業特別会計補正予算(第1号)について伺います。
新中央市場には卸売り市場棟だけでなく、物販・飲食など、にぎわい施設を整備し、余剰地は民間活力を活用して物流施設を整備するとしています。
市場施設の整備について、民間のアイデアやノウハウの活用が期待できるデザインビルド方式(設計施工一括)で実施し、価格だけでなく技術力も評価する「総合評価落札方式」を採用して候補者を選定するとし、10年間で518億5900万円もの高額な債務負担行為の設定が提案されていますが、一体、どんな施設が整備されるのか具体的な絵図面もないのに、事業費の上限額だけ示されても、その妥当性を審議できません。
①どのようにして518億円もの限度額が決められたか、その考え方、積算根拠を教えてください。
(経済観光局長)
債務負担行為限度額518億5900万円は、令和5年度から令和14年度までの事業期間に要する設計費、解体費、各部門の建築・設備工事費及び工事監理費を合計したものです。
各部門あ建築・設備工事費については、現市場の整備費等を参考に、人件費や資材などのコスト上昇や品質管理に係る機能強化等に伴う経費増を考慮した上で、場内関係事業者とそれぞれの施設規模や施設・設備の仕様について協議し、合意した面積や仕様を基に算出しています。合意の中で、冷蔵設備等施設の一部を場内関係事業者の自主整備に切り替えた部分は除いています。
なお、建築・設備工事費には、現在地で営業継続しながら各部門の工事を順次行うことに伴い必要となる電気・給水設備の配管の切替工事や仮設建築物の設置も含めています。
(中原ひろみ議員)
②現在の中央市場の整備費をお聞きしておきます。
(経済観光局長)
現在の中央市場の昭和56年整備完了時の整備費は約200億円です。
(中原ひろみ議員)
また、新市場整備の事業者を選定するために契約締結等支援業務として840万円が補正計上され、令和5年度にも1230万円で契約締結等支援業務委託のための債務負担行為を設定するとしています。
③新市場の整備事業費以外に、事業者を選ぶために別枠で税金を使う契約締結支援業務の必要性はどこにあるのか伺います。
(経済観光局長)
本業務は、整備事業者の選定までの過程及び選定された事業者との契約締結までの過程において、応募予定者からの公募要項に関する質問への回答や提出される技術提案書の比較資料の作成、選定した事業者との契約書作成といった、本市が行う事務について、提出書類の技術的な内容のチェックや、検討用資料の作成、契約書など各種文書案の作成といった支援業務を行うものです。
これらの事務を行うには、建築、法務、金融等の高度な専門的知識が求められるため、これらの分野に精通した専門家の助言、支援を受けることが不可欠です。