議会での質問・答弁

2022年06月16日

2022年第5回 6月定例会 経済観光環境委員会 藤井とし子議員

・請願33号安芸区上瀬野地区医療廃棄物積替え保管施設の建設を計画している業者に医療廃棄物収集運搬業(積替えも含む)を許可しないことについて
・請願13号佐伯区八幡東四丁目(高井地区)の山林部における土砂堆積事業計画の中止について
・請願20号上安(弘億地区)土砂処分場建設計画の中止を求めることについて
付託案件外
1.中小業者への物価高騰対策について
2.上安産業廃棄物最終処分場と周辺盛り土について
3.(仮称)広島ウインドファーム事業について

・請願33号安芸区上瀬野地区医療廃棄物積替え保管施設の建設を計画している業者に医療廃棄物収集運搬業(積替えも含む)を許可しないことについて

(藤井とし子議員)
 請願33号について、新しいのが出されて、少し見せていただいて、少し話も聞いたりはしました。まだ申請されていないということで、計画自体がどういうのかわからないという状況なんですけども、申請されてからでは遅いということを知っていらっしゃるからこそ、住民の皆さんが今不安の声を上げていらっしゃるんだと思います。
 先ほど西佐古委員がずいぶん質問されましたように、住民の不安というのは、こういう問題こそ大きくなると思うんです。先ほどの話でもありましたように、住民への説明会などもよく他のケースで言っても、町内会長とか、そういったところにしか行かないとか、そういうケースが非常に多いわけです。
 まだ周辺の人も知らないということも聞いたりしておりますので、できればもっと知らせていくという意味では、市がもっと周辺のところにも行くべきじゃないかという話も、ぜひしていただきたいと思います。

・請願13号佐伯区八幡東四丁目(高井地区)の山林部における土砂堆積事業計画の中止について
・請願20号上安(弘億地区)土砂処分場建設計画の中止を求めることについて

(藤井とし子議員)
 続いて、他の請願についても発言をさせていただきたいと思います。13号と20号についてですけれども、これは前回もお尋ねしましたけれども、佐伯区の八幡東4丁目の山林部における土砂堆積事業計画の中止を求める請願と、20号は上安弘億地区土砂処分場建設計画の中止を求める請願この2つについて、計画と今の現状について報告をお願いします。

(森づくり担当課長)
 請願第13号につきましては、現在申請内容の審査を行っておりまして、その中で申請者に対し、申請内容の不備等に係る補正の指示などを行っているところでございます
 請願20号につきましては現在のところ、申請書は提出されておりません。

(藤井とし子議員)
 13号はすでに出されて、審査を行っているという段階ですね。この間のとりわけ住民が心配なのは、昨年7月の熱海市の盛土の崩落事件で、こういう災害について広島でも心配をされているわけですけれども、教訓については、私も2月議会でも質問いたしました。
 直接的には、この土地の管理責任者である地権者の責任が問われてくると思いますけれども、許可し、指導監督権を持つ行政の責任も同時に私は問われてきたと思っております。
 災害は未然に防げたのではないか、行政の対応によっては人災にせずに済んだのではないかと、この事件の教訓をしっかり行政、広島市としても生かしてていただきたいという思いで質問しております。
 この間国もやっと自治体からの声に応えて建設残土埋め立てに対する規制に動き出し、今年の5月に宅地造成等規制法の一部を改正する法案が衆議院で可決しました。
 今これが公布されるわけですけども、今後この法律のもとで行政も動いていくわけですけれども、この二つの請願が今後こうした新たな法規制、盛土規制法の対象になっていくのかどうか。今わかっていれば教えてください。

(森づくり担当課長)
 宅地造成等規制法の一部を改正する法律、これは正式名称宅地造成および特定盛土法規制法という法律名でございますが、この法律が都市整備局の所管でもございまして、また法律が施行前でもありますので、請願2件が該当するかについては不明でございます。

(藤井とし子議員)
 公布もまだ当分、ということですのではっきり今からしていくことだと思いますけれども、三つの特徴で言えば、都道府県知事の権限強化が行われるということがまず一点です。
 宅地、農地、土地の用途によらず、盛土により人家などに被害を及ぼしうると考えられる地域を規制区域とし、土砂土石の一時的な堆積も含め、規制区域内における盛土等は全て許可の対象とされるという。
 規制区域の地形や地質等に応じて災害防止のために必要な許可基準については、都道府県知事が自由に設定できるようになり、その許可基準に沿って安全対策が講じられる。
 これは全国一律の規制ができたということで、大きく前進しているわけですけれども、この中でも県がこれからどういう規制をするかというのも今からですし、具体的にはまだ不明な状況だと思うわけです。
 責任所在の明確なもう二つ目の要点としてあるんですけれども、工事に関与した時点の土地所有者等が将来に向け、安全な状態を維持する責務を有することが明文化されました。それから原因行為者つまり下請けで工事を行った業者に対しても是正措置を命ずることができるようになったと。
 三つ目は、罰則がより強化されたと。要点としてはこの三つであるんですけれども、やはり昨今の豪雨による盛土の崩壊などで被害を直接受けるのは周辺の住民であるわけで、災害時に命を守るために、住民による防災活動も今、活発になっています。
 こういった町内会や自主防災会への説明を事前に開くなど、合意が得られるよう、林地開発、許可なども当たっていただくよう、改めて要望しておきます。ぜひ市民の命を守る立場で、やっていただくよう、この件について要望して終わります。

1.中小業者への物価高騰対策について

(藤井とし子議員)
 今、長引くコロナとウクライナの危機、そして異常な円安などという中で、物価の高騰が今家計を直撃をしている状況の中で、どう支援策をするのかということが問われています。
 今回一般質問の答弁の中で企画総務局長から、以下のような答弁がありました。
 コロナ禍における世帯所得の減少や、経営危機等に直面する生活者や事業者に対する支援についても、基本的には国および県において講じられるべきものという考え方のもと、これまで、共助の精神に基づく地域での支え合い事業同士が連携した取り組みへの支援など、国や県の控除による下支えの補強補完に資するような対策を講じてきた。
 そしてこの度は、国が講じたこうしたコロナ禍における原油価格・物価高騰支援分に係る地方創生臨時交付金については、原油価格や物価高騰の影響を受けた生活者や事業者の負担を軽減する目的で創設されたもので、国の支援措置の上乗せ、横出しを含め、国の施策を補完する支援に応じた対策を講ずるべきで、現在検討しているところだと。
 私たちもこれまでもコロナ禍の中で、中小業者の皆さん、本当に景気が悪いことも踏まえて、非常に大変な状況の中でできるだけ即効果がある直接支援をと、私も求めてきましたけれども、今回、こうしたこれまでと違った、国がこのたびの交付金の目的を言われているわけですけれども、改めて確認をいたします。
 今回の臨時交付金は、これまでと目的は違うという認識でいいのか、また国の支援措置の上乗せ、横出しを含め、国の施策を補完する支援の実情に応じた方策つまり直接支援を入れて検討しているのかどうかということを、そういうふうに理解しているのかどうかお伺いいたします。

(経済企画課長)
 まず、今回の臨時交付金はこれまでと目的が違うという認識でいいのかどうかというところでございます。
 この度の国が講じたコロナ禍における原油価格・物価高騰対応分に係る地方創生臨時交付金は本会議で企画総務局長がご答弁しました通り、原油価格や物価高騰の影響を受けた生活者や事業者の負担を軽減する目的で創設されたものでございます。
 よってこの対応分は新たに、今申し上げた目的で設けられたものと認識しております。
 もう1点、直接支援を入れて検討していると理解していいかどうかというところでございます。こちらも本会議で経済観光局長がご答弁しました通り、この度の新型コロナウイルス感染症対応地方創生臨時交付金の原油価格・物価高騰対応分を活用した市内中小事業者への支援策について、現在検討を進めているところでありまして、この検討に当たりましては、昨今の原油価格や物価高騰による地元経済への影響や追加的な対策の必要性について地元経済団体や業界団体、金融機関等への聞き取りおよび意見交換を行っているところでございます。こうした状況ですので現時点で検討している具体的な支援策の内容についてはまだ申し上げることはできません。

(藤井とし子議員)
 ですから直接支援は検討していることもまだ言えないということでしょうか。

(経済企画課長)
 この度の新型コロナウイルス感染症対応地方創生臨時交付金の原油価格・物価高騰対応分につきましては、原油価格や物価高騰の影響を受けた生活者や事業者の負担を軽減する目的で創設されたもので、また国の事務連絡では、交付金による支援の効果が、生活者や事業者に直接及ぶ事業を交付対象とするとされておりますので、こうした目的や交付対象の基準に合致した支援策となるよう、現在幅広く検討しているところでございます。

(藤井とし子議員)
 直接支援とははっきり言われてないんですけど、検討されているということだと思いますが、実際には5月で中小業者を含めて事業復活支援金が終わるわけですよね。だから、これからどうするのかというのが非常に皆さんの中でも不安で物価高騰そのものに対する影響も非常にもう切羽詰まった状況ではないかなと思うんですが、ある事業者の声もちょっと紹介します。
 運搬用のトラックのガソリン代が上がったが、元請には請求できないと先行きの不安も語られております。また食堂をやっている方にも聞きましたけれども、コロナが長引き家飲みとか家で食事することが多くなったと。戻ったといっても7割程度も行かないと、食堂をなんとかこれまで維持してきたが、店を閉める決断を今迫られているという。そしてその方も75歳を過ぎて、もう年金だけでは生きていけないので仕事を探すけど年齢制限で引っかかり、もうどうしたらいいのかと。仕事もないと本当に途方に暮れられておられる方が増えています。
 こういう方が本当に多いのではないかと思います。零細業者がどういう状況にあるのかを、目と耳でしっかり確かめてほしいんです。経済団体からいろいろとお話を聞いてはいらっしゃると思うんですけども、やはり現地でこういう人たちの声までもしっかり、聞いて対応していただきたいということを求めておきます。
 三原市ではもっと早くからこういう人たちの声も聞いて、この6月議会にも具体的な独自の案を出されております。ちょっと紹介しますけども、三原市では人口もありますから、総額で3億8000万円のうちの臨時交付金のうち、その2分の1にあたる1億8000万円を中小事業者支援にした提案が出されました。国の事業復活支援金の受給者又は今年4月から6月までの間のいずれかの売り上げが過去3年間における、同じ月と売上と比較して30%減少している事業者を対象に、全て10万円の上乗せ支給をするということが、すでに出されて決まりました。
 他には、子育て支援金には2億円。生活困窮者支援には7000万円など、すでに決めた自治体もあるわけです。ですから電気代や燃料代、あらゆるものの物価が高騰している中で、なかなか価格に転嫁できない中小業者の置かれている状況、本当に深刻だと思います。早急な手当が必要とです。
 私たちは事業者の支援、これは当然やられるものでしっかり使っていただきたいんですけども、やはり事業者の側から見たら景気が良くなることを本当に望んでおられるわけです。最も効果的なのは、私たちは消費税の減税だと国会でも主張していますが、消費税を5%に引き下げる法案も、野党4党で提出をしております。
 総務省の家計調査をもとに物価高騰の生活への影響を見ると、所得が低い層ほど、家計の負担率が大きくて、消費税の負担が重くなっています。年収200万円以下の物価高騰の影響は4.3%増など、そして消費税と物価の高騰が家計を直撃しているわけです。コロナ直前に消費税が10%に引き上げられて、コロナ不況が続いている中での物価高騰ですから、いかに大変なのかは、皆さんも想像できるのではないかと思います。
 世界の89カ国が消費税の引き下げに踏み切っています。日本政府はまだそれもやるとは言っておりませんので、ぜひ国会でもそうですが、市も消費税減税を国にしっかり求めるべきだと思います。
 これまでの臨時交付金がどれだけ残っているのかと財政局に確認をしましたら、まだ臨時交付金自体が25億円残っていると聞きました。
 ですから今回の新たな臨時交付金を合わせたら56億円になります。これは速やかに事業者、困っている方、低所得者、あらゆる層が影響を受けているので漏れなくしっかりと早急に決めていただきたい。
 国の支援金の31億円は、もう配分をどうするかということはすでに決まっているんでしょうか。

(経済企画課長)
 コロナ禍における原油価格・物価高騰対応分にかかる地方創生臨時交付金を活用した対策については、現在全庁的に検討を進めているところです。こうした状況ですので、交付金を活用する事業の取りまとめを行っている政策企画課からは、主としてそこの31億円をどのように活用するかまだ決まっていないというふうに聞いております。

(藤井とし子議員)
 本当に遅いなと。わかっているうちにやっていただきたいなということですけども、大体いつごろを目標に検討しているのかという点ではいかがでしょうか?

(経済企画課長)
 先ほどご答弁申し上げておりますが、国の新型コロナウイルス感染症対応地方創生臨時交付金を、原油価格・物価高騰対応分を活用して新たな支援策等については、どういったものが必要になるのか。地元経済団体や業界団体金融機関等という意見交換を行っているところでございます。
 意見交換を行った団体からは、業種によって、物価高騰の影響の出方に違いがあるというようなこともあるようなので、それに応じて支援策を工夫するということも一案ではないかといった趣旨のご意見もいただいています。
 こういったご意見や、国や県の支援策の動向も踏まえながら、検討を進めまして適切なタイミングで、必要な支援策を打ち出してまいりたいと考えております。

(藤井とし子議員)
 具体的にいつ頃かというのはまだ言える段階じゃないということでしょうか。とにかく素早く対応していただきたい。1日も早く、困っている人たちに直接支援が届くよう早急に決めていただくよう求めてこの件は終わります。

2.上安産業廃棄物最終処分場と周辺盛り土について

(藤井とし子議員)
 上安産業廃棄物最終処分場と周辺盛り土について、先般からたびたび質問しておりますので、ちょっと継続的な内容になりますけれども、この間市からも働きかけていただいて、地元の方と私も参加して、現地の処分場の中を、視察見学させていただきました。
 前事業者よりは、わりと丁寧な対応だったかなと思っております。そこでこの問題については、既に質問してますので改めて詳しくは言いませんけれども、平成28年に前事業者によって処分場の敷地の一部を拡張した部分が、保安林を違法に埋め立てられているのではないかという住民の指摘に対して、前事業者が、法務局へ届けられていた書類を確認した結果、この間提出された処分場の現況地盤の、この面積が全て間違いだったことを事業者が認めたわけです。
 しかし市は、現況地番図というのはあくまでも参考資料であるので、処分場の拡張申請の審査には直接関係はないので、令和2年度の新しい拡張申請時の許可は妥当だったというふうに市は主張されてきました。 私たちは納得できないので再調査を求めてきましたけれども、市は独自に調査するとは言われておりません。しかし変更したものが正しいと認めるということは、市が間違ったものに基づいて審査してきたという事実は変えられないわけです。その責任は今もあいまいなままだと思います。
 この件について市も県も独自に調査をしない。けれども新事業者の環境ジャパンエクイスに調査するよう求めたと報告を受けております。
 では環境ジャパンエクイスから何か報告を受けていらっしゃるのか。受けているのでいるのであればその内容はどういったものなのか教えていただきたいと思います。

(産業廃棄物指導課長)
 埋立量の増量に伴い、平成28年に本市が許可した最終処分場の区域内には保安林はないものと認識していますが、地元住民の方々が疑問に思っておられることについては、本市から土地所有者である事業者に伝えるとともに、事業者自らの責任において地元住民に説明を行うよう話しているものです。こうした中事業者からは、現在確認作業のための準備を行っている段階であると聞いております。

(藤井とし子議員)
 事業者の確認段階だということで動いてはいると取っても良いかと思います。県も国も、地番が保安林かどうか、これが私も県にも国の方にも確認をしたんですけれども、ここが保安林かどうかというのは地番名だけで判断をすると、実際に計ったり隣接地を調査するわけではないということですので、市がそういう判断をされていることと同様の答えでした。法務局に出された地番の面積が実際に正しいかどうかという調査はどこもされていないということがよりはっきりしたわけです。
 だから私たちが主張するのは、同じ地番の面積が突然9倍や10倍になったりしても問題視せず、あくまでも地番が保安林かどうか解除されている地番なのか、その名前だけで判断をしているんです。
 しかしやっぱり地番の面積が実際大きく変われば、当然隣接する地権者の土地の境界が変わってくるわけです。隣接地の地権者にとっては自分の土地が侵奪されているかどうかもはっきりしないわけです。だから地元の方もずっとおかしいと主張されているんです。
 私はあくまでもこの調査を経過も含めてしっかりと、調査していただきたいということを再度ここで求めておきます。
 地番の面積が正しいかどうかの確認を許可権者、つまり市が調査する必要があると住民の方が主張されるのは当然だと思うんですけど、この点についてどう考えてるのか再確認いたします。

(産業廃棄物指導課長)
 本年3月の予算特別委員会におきまして、藤井議員に対して市長がご答弁申し上げました通り、本市は、法令により与えられている権限の範囲内においてのみ、市民の権利や義務に係る調整を行うことができますが、委員がおっしゃっておられる土地所有者間の財産権に係ることにつきましては、法令により本市に与えられている権限がないことから、その調査や調整を行うことはできません。とはいえ、地元住民の方が疑問に思っておられることは本市も聞き及んでいることから、本市としても、その旨を土地所有者である事業者に伝えるとともに、事業者自らの責任において、地元住民に説明を行うよう話をしているところでございます。

(藤井とし子議員)
 法的にこう言われるとそういうことになるのかなとは思うんですけれども、やはりただ地番名だけで判断をしていたら、そういうことがわからなくなるんではないかということを私は言ってるわけです。今後同じようなことが起きないようにするためにも、そこはやっぱり明らかにしていただきたいです。
 そこで周辺盛り土部分についても、ちょっと2点ほどお聞きいたします。結局法務局で確認をしたときに、その盛り土部分が、今の地権者がはっきりしたわけですよね。誰が管理責任になるのか。だからこの地権者にいろいろ問題があれば改善を求めていくべきだと思うんです。
 周辺盛り土部分について、県が排水施設などこの間も改善を求めてきていますけれども、実際に対応されたのか、したのであればどういった対応をされたのかお聞きいたします。

(森づくり担当課長)
 広島県に問い合わせしましたところ、広島県が事業者に対して排水施設の改善に関する指導を行っておりますが、現在までに事業者は対応していないとのことでございました。

(藤井とし子議員)
 市が直接できないところなので県に問い合わせられたということなんですけども、もう一つお聞きしたいんですけども、盛り土の状況について調査するために、新事業者はボーリング調査も検討するというふうに聞いていますけれども、そういう検討結果はどうであったのかはわかりますでしょうか。

(森づくり担当課長)
 ボーリング調査の件につきまして事業者に確認しましたところ、ボーリング調査の実施について検討中であるとのことでございました。

(藤井とし子議員)
 検討中であるということですので、まだということをですね。上安処分場の問題は、谷の上部に危険なものが20数年前に作られて、それが非常に危険な状態だということを地元の人が発見して、今いろいろ声を上げているわけです。谷の下流に住む人たちが、常に不安な状況に置かれていて、何とかしてほしいと言われているわけです。安全対策も、地権者がこうしてはっきりしている以上、県と一緒に連携してこれからも指導にあたっていただきたいことを要望して終わります。

3.(仮称)広島ウインドファーム事業について

(藤井とし子議員)
 最後に三つ目は、(仮称)広島西ウインドファーム事業について、数点伺います。これは土砂災害危険地帯の開発を許可しないでくださいということで今回市議会にも要望書が出されました。私も見せていただきましたけれども、昨年6月に私も質問いたしました。エネルギー資源問題、気候変動対策に向けて、脱炭素、CO2の取り組みはとても必要な課題です。
 しかし、自然を破壊し、災害等のリスクを増大するような設備の建設は本末転倒だという立場で質問してきました。とりわけ計画予定地である佐伯区湯来地域については、1,000m級の急峻な山の尾根伝いに巨大な風車を何本も建設整備する巨大な計画です。土石流被害の原因になりかねないということも、これまでも議会で指摘し、認めるべきではないということを言ってきたわけです。
 このたび、中国山地の風力発電建設を悲憤する会並びに湯来町の自然と命を守る会から要望書が再度この事業に対して、土砂災害危険地帯の開発許可をしないでくださいという内容で出されたので改めて質問いたします。 この事業の環境アセスは、アセスは現在どういった段階にあるのかお答えください。

(環境保全課長)
 (仮称)広島西ウィンドファーム事業につきましては、環境影響評価を行う方法を記した環境影響評価方法書手続きが終了したところであり、現在、方法書に基づいて現地での環境調査が実施されている段階となっております。

(藤井とし子議員)
 方法書がやっと審査が進んでいるということですけれども、要望書の中にもありますように、一部紹介しますけれども、経産省の審査をするところがあるんですが、2021年度の第22回環境審査の顧問の会の風力部会というところでいろいろ審査をされていて、その中で広島西ウィンドファーム環境影響評価方法書補足説明資料の一部から、住民が問題をいくつか指摘していることを、顧問会の中でも話があったわけです。
 特に山林の造成量、これは膨大なものになるはずで、そういう事業を計画する場内で切り盛りして、バランスできるとは思われない、あまりにもたくさんの土石、残土が出るだろうということで、大量の残土の場外処分が予想されると。
 今回残土処分の土砂運搬などによる、環境影響評価アセスの埒外にできるとは思えないと述べられています。だから現時点でも残土量の見積もりを質問し、ここで事業者は最大規模で工事を行った場合の残土量については、数百立方メートルというふうに回答したんだそうです。直ちにそれはおかしいんじゃないかと言ったときに、実は数百万立方メートルだと訂正したわけです。事業者がいかに残土を軽く見ているのかが明白だということが指摘されています。
 この間事業者は様々な住民説明会を行ってきましたが、住民の中から事業者に質問しても、まだどこに風車を建てるかもわからない。建設残土もどういうふうに処分されるかもわからない。この状況で事業ありきで手続きが進んでいくことに大変不安を感じておられるわけです。
 こうした環境アセスの図書を含めて、これまでの事業者のアセスの手続きの進め方は甚だ問題があり、住民は理解できず不信感が高まっています。昨年2月の方法書の説明会で、複数の住民から意見交換会を開くよう要望が出ましたけれども放置されたままだそうです。また、住民から土砂災害に関する質問や危機の訴えが多数上がったにもかかわらず、事業者は環境アセスで、災害や地震は扱っていないとの一点張りだったということです。確かに環境アセスそのものは災害への影響については全く関知してない、これが本当に大きな問題なんですけれども、これを事業者が堂々と言うこと自体、全く無責任と言わざるを得ません。
 そこで、今後のアセスの手続きはどうなっていくのか、また市民や広島市がこの事業計画に再度意見を言えるのかどうか、お答えください。

(環境保全課長)
 今後事業者は、現在行っている環境調査の結果をもとに、施設の位置や規模等を定め、事業の実施による環境影響の予測等を行った後、次の段階である環境影響評価準備書手続きを開始することになります。
 この準備書手続きにおきましても、市民は事業者に対して直接意見を述べることができることになっております。
 また、この手続きの中で、本市は県知事から意見を求められますので、引き続き住民等からの意見も踏まえ、本事業に係る安全性を確保した上で、事業の特性や地域特性に応じた適切な環境保全措置が検討され、事業の実施に伴う環境影響が可能な限り回避、低減されたものとものとなるよう求めていきたいというふうに考えております。

(藤井とし子議員)
 方法書の段階でも、県知事の意見を災害を含めて挙げていただいておりますので、続いて住民の意見も聞きながら、次の準備書面の段階に入ったときにはしっかりと行っていただきたいと思います。
 熱海の盛り土崩落事件を受けて、国会でも盛り土規制法案が可決成立公布されております。法の施行が公布の日から1年を超えない範囲と聞いています。今後これまで以上に林地での開発も災害等への影響に対する規制強化がされていきます。こうしたことも踏まえて、今後の手続きにおいて、環境アセスの方法書以上に具体的な計画、明示される準備段階においては、しっかり災害防止の点も留意して県に意見を上げていただくよう強く要望しておきます。以上で終わります。

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