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日本共産党の藤井敏子です。党市議団を代表して意見書案第21号、安倍晋三元内閣総理大臣の国葬中止を求める意見書案について、賛成の立場で討論を行います。
岸田内閣による安倍晋三元首相の「国葬」実施の決定に対して、反対の世論が急速に増えてきています。
そもそも、吉田茂元首相を除いて、歴代の首相の死去に際して「国葬」は行われておらず、なぜ安倍元首相のみを特別扱いするのか、政府・岸田首相は在任期間が長いというだけで、国民が納得できる合理的理由を示すことができていません。
これは、憲法14条が規定する法の下の平等の原則と相いれません。
また、岸田首相は8月10日の会見で、「国葬」は「故人に対する敬意と弔意を国全体としてあらわす儀式」であると述べられました。わが国は国民主権の国であり、ここで述べられた「国全体」とは「国民全体」ということになり、首相の発言は、「国葬」は「故人に対する敬意と弔意を国民全体としてあらわす儀式」であるということになります。
これは、憲法19条「思想及び良心の自由」に反する「弔意の強制」となることは明らかです。
さらに、会場である武道館に国会議員、地方自治体の首長など6000人もの参列者を集め、「国葬」として大々的に儀式を行うこと自体が、日本社会に同調を迫り、安倍氏への「弔意」を事実上強制する重大な危険があります。
現行の憲法に反するため、「国葬」実施の根拠法はなく、政府が根拠としている内閣府設置法は、内閣府の所掌事務の範囲を明確にする組織規範にすぎないものであり、「国葬」実施の根拠法にはなりません。つまり、安倍元首相の「国葬」を行うことは、法律の根拠がないだけでなく、国会にも諮ることなく決めたことは憲法に二重にも三重にも反するもので、国民主権という憲法の大原則と民主主義を踏みにじる暴挙です。
しかも、今回の事件で明らかになったように、安倍元首相は人の弱みに付け込む霊感商法や法外な献金を要求するなど多くの被害者を出している反社会的団体である旧統一教会の広告塔となって被害を拡大させてきた人であり、国会議員の中でも最も深い関係があったと指摘されています。ところが、自民党は安倍氏と旧統一教会の関係を調査もせず「国葬」を強行することは、参列することも同様に、旧統一教会との関係を断つどころかむしろ当団体を是認することになり、到底国民の理解は得られません。
昨日、市長が公費で安倍元首相の国葬に参列することが発表されましたが、公費で参列するということは、市民を代表して参列するということです。しかし、いまや様々な世論調査で、「国葬」に反対する世論が過半数となり、賛成の世論は少数派となっています。「国葬中止」が多数派の市民世論を無視して、市民を代表することは重大な矛盾です。
私たちはさる9月8日に市長が国葬に参列しないよう求めることなどの申し入れを行っていましたが、改めて、市長に対して、日本共産党市議団として抗議するものです。
以上、申しあげた理由により、意見書案第21号、安倍晋三元内閣総理大臣の「国葬」中止を求める意見書案に賛成いたします。
意見書案第21号
安倍晋三元内閣総理大臣の国葬中止を求める意見書案
政府は、安倍晋三元内閣総理大臣の国葬を行うことを閣議決定しました。突然の銃撃で殺害されるという出来事に驚がくするとともに、そのような暴挙を許すことはできません。また、亡くなられた故人に対しては、深い哀悼の意を表します。
しかし、国葬を閣議決定したことに対して、内閣が国葬を決定する権限を有しているのかという疑問の声が上がるとともに、国民に意見を聴くこともなく決定したことに不信感が高まっています。
歴史的には、1947年に国葬令は失効しています。今回、政府は内閣府設置法を根拠に国葬を決定したと説明していますが、この内閣府設置法では、儀式に関する事務は内閣府が所掌すると書いてあるだけで、国葬を決定する根拠にはなりません。また、国が国葬に関わる費用16億6,000万円を税金で支出することに対しても疑問の声が上がっています。
現在、国葬に対する世論は、反対が賛成を大きく上回り、反対の意見が多いことも否定できない事実です。
さらに国葬に伴って、国民に弔意の表明を求めることは、国民の内心の自由に反することです。
よって、政府におかれては、安倍晋三元内閣総理大臣の国葬を中止されるよう強く要請します。
以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出いたします。
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