議会での質問・答弁

2020年07月28日

2020年7月28日 建設委員会 中森辰一議員

(中森辰一議員) 
 今、説明があった中にもあるんですけれども、高速5号線の工事について、8月に取り掛かると思われる部分について、ちょっとこのタイミングしかないと思いましたので、緊急質問という形でやらせていただきますので、御協力をよろしくお願いいたします。
 高速5号線のシールドマシンによる掘削工事が、いろいろ大きなトラブルもありつつも、着々と進められております。
 これから、住民の皆さんが地盤沈下を心配しておられる牛田東の住宅地の直下の掘削に入っていきますけれども、その掘削の在り方について高速道路公社がこれまでの説明を変えたということで、住民の不安が大きくなっております。この不安に応えていくということが必要なわけですけれども、まず、住宅地直下の掘削に入るのはいつ頃からになるんですか、お答えください。

(高速道路整備担当課長) 
 昨日時点で、シールドマシンは二葉の里側坑口から384メートル地点、牛田地区の住宅地直下まで残り約200メートルの所を掘削しています。
 広島高速道路公社では、住宅地直下の掘進計画について、これまでの掘進実績を踏まえて現在検討を進めているところであり、住宅地直下をいつ掘削するかについては確定していません。
 今後、学識経験者等で構成するトンネル施工管理委員会の審議を踏まえ、掘進計画を確定した後、地元説明会で説明を行った上で牛田東地区の掘削に着手することとしています。

(中森辰一議員) 
 これまでずっとカーブを掘削しておりましたので、一日当たりの掘進速度が非常に遅かったんですけども、これから直線部分ということでスピードアップが図られるということになると思います。できるだけ早く住宅地直下に入る時期を知らしていくことが必要ではないかと思います。
 それから、これまでこの住宅地直下の300メートルの間は、切刃の水抜きを要するカッター交換はしないというふうにしてきたわけですが、最近になってカッター交換を行う趣旨の説明が行われたということで、反発の声、不安の声があるわけですが、この300メートルの間に何回ぐらいカッター交換を要するというふうに考えているんでしょうか。

(高速道路整備担当課長) 
 公社では、牛田東地区の住宅直下においてカッター交換を極力回避する計画としていますが、カッター交換が必要となることも想定されることから、現在、シールドマシンの掘進方法について検討を進めているところです。今後、トンネル施工管理委員会において審議していただいた上で、地元説明会において説明する予定としています。

(中森辰一議員) 
 ちょっと曖昧な答弁だったと思うんですけども、カッター交換をしますとどうしても泥水を抜かないといけない、そのために地盤沈下のおそれを招くというふうなことで、公社は従前は、カッター交換は地盤沈下の可能性があるということで、今できるだけというふうなことで言いましたけども、住宅地直下では行わないというふうな説明をしていたと思うんです。どうしてこのカッター交換が必要になったんでしょうか、改めて説明してください。

(高速道路整備担当課長) 
 先ほど答弁いたしましたとおり、公社では、牛田東地区の住宅直下においてカッター交換を極力回避する計画とし、その旨を住民の皆様にも説明してまいりました。
 一方で、これまでの掘進実績を踏まえると、牛田東地区の住宅地直下においてカッター交換が必要となることも想定されることから、現在、掘進方法について検討を進めているところです。

(中森辰一議員) 
 検討を進めているということなんですが、仮にカッター交換が必要になるとした場合に、泥水を抜いても地下水が流失しない対策をこれから検討していくというふうなことを説明されたそうなんですけども、そういう対策っていうのもまだ検討段階ということなんでしょうか、あるいは検討が大体進んでいるのか、結論が出たのか、お答えください。

(高速道路整備担当課長) 
 先ほど答弁したことと同じになりますが、これまでの掘進実績を踏まえ、牛田東地区の住宅直下においてカッター交換が必要となることも想定されることから、現在、掘進方法について検討を進めているところです。
 住宅直下でカッター交換を行う必要が生じた場合には、その対策も含め、地元説明会で説明することになると考えております。

(中森辰一議員) 
 もともとは、もっとカッター交換をしないで済むような計画だったんだろうと思うんです。ところが、大きなトラブルの問題も含めて、かなり頻繁にカッター交換をするようになったのではないかと思います。
 その点で、当初計画しておったような、あるいは地質の見込みであるとか、カッターの強度であるとか、もしかしたら今やっている大林組のシールドマシンで岩盤を掘っていく技術が十分なのかどうか、そういうふうなことも指摘をされているわけですけれども、その点の一つとして、住民団体の中に実際にこのシールドマシンを使って岩盤を掘削して仕事をしていた、監督をしていた専門家の方がいらっしゃって、いろいろと問題点の指摘をしておられますけども、この方から、ディスクカッターの性能が設計どおりではないんじゃないか、こういうふうな指摘があるんですけども、これはどうなんでしょうか。

(高速道路整備担当課長) 
 トンネル施工管理委員会において、カッターの材質やマシンの性能などを含め検証し、問題はなかったとの審議結果をいただいております。

(中森辰一議員) 
 それは恐らく技術的な、専門的なやり取りをまた別途させていただくことになるんだろうと思いますが、それから、牛田東一丁目の住宅団地の事前調査、まだ全部行われているわけじゃないというふうに聞いているわけですが、この住宅地直下の掘削に入る前にそういうことをきちんとやっておく必要があるんだというふうに思うんです。
 以前、高速1号線のトンネルの問題の時に、あれは振動が問題になって、いろいろ地盤沈下を起こして、周辺の住宅に大変な被害があったということがあるんですけれども、今回はシールドマシンを使っているということですから、地盤沈下のおそれと言う点では、やっぱり水がどういうふうになっていくのかということが問題になってくるんだろうと思います。
 その点では、高速1号線の時とは違った考え方で、影響が及ぶ可能性がある範囲はきちんと住宅の事前調査をやっておく必要があるんじゃないかと思うんです。工事が始まる前と工事が終わった後、もし異変が起きとったらそれは工事の影響ではないのかというか、そういうことが出てくる可能性があるわけですから、それをきちんと検証できるような調査をやっぱりやっておく必要があると思いますが、その点で、住民の方から牛田東一丁目それから牛田南二丁目も含めてやってもらいたいという声があるんですけど、これはどうなんでしょうか。

(高速道路整備担当課長) 
 公社では、高速5号線トンネル工事に係る家屋調査対象範囲については、住民生活の安全と安心の確保の観点から、通常設定される範囲よりも十分に広い範囲で調査を行っています。
 具体的には、一般的にトンネル掘削の影響範囲はトンネルの両側面から上方45度の範囲内とされていますが、万が一にも備えるため、トンネル掘削の影響により地下水位が低下した場合も想定した上で家屋調査範囲を設定しており、公社としてはこの範囲を超えて調査を実施する必要ないと考えています。

(中森辰一議員) 
 必要はないというふうに公社が断言しておるようですけれども、やっぱり住民の不安にきちっと応えるという立場で、十分に住民の方が納得するような形でやっておく必要があると思いますから、これはまた再検討を求めておきたいと思います。
 具体的な質問はここまでですけども、資料提供をお願いしたいということで、3点。
 一つは、これまでのカッター交換の実績、トンネルを掘り始めてからこれまでに何回カッター交換をしたのか、それは従前の計画とどの程度違っているのか、そういったようなものを出していただきたい。
 それから、ディスクカッターに使っているティムケン社のベアリングがありますけれども、その型式番号を教えてもらいたい。これがちゃんともともとの設計どおり、あるいは今のディスクカッターにきちんとマッチしたものになっているのかどうか疑問があるという声が出ておりますから、それも教えていただきたい。
 それから、二葉山の東側の仏舎利塔付近とか、尾長山に分布すると言われておりますが、酸性の火成岩脈、非常に目が細かくて非常に硬い岩盤なんだそうですけれども、ここもボーリング調査をして、どういうふうな硬さであるかとか、物理的な性質についてちゃんと調査をしていると思いますけども、その調査結果についての資料を提供いただきたいと思いますが、それは提供いただけるんでしょうか。

(高速道路整備担当課長) 
 まず、これまでのカッター交換の実績についてですが、現在、公社において整理をしており、今後、公表する予定となっております。
 次に、ティムケン社のベアリングの型式番号についてですが、ベアリングの形式番号はメーカーの企業情報に当たるため提供できないと公社から聞いています。
 次に、二葉山東側の仏舎利塔付近や尾長山に分布する酸性火成岩脈の物性についての検査データについてですが、平成24年4月に開催した第7回高速5号線トンネル安全検討委員会における追加地質調査結果として、個別データを公社のホームページに掲載しております。

(中森辰一議員) 
 このベアリングの型式番号、これは企業の情報だというふうに言われるんですけども、別に型式番号自体が企業の秘匿情報じゃないと思います。そのベアリングがどういう性質、どういう大きさで、どういう強度を持っていて、どういうものにマッチしているのか、そういう情報になるんだと思います。
 これがティムケン社の企業情報だというふうなことで、公社がこれを拒否するっていうのはなかなか納得できんというふうに思います。ちゃんとあなた方の責任でティムケン社に聞いて、この型式番号をちゃんと聞き取ってお知らせいただきたい。
 この点は改めてお願いをしておきますから、後でまたお答えください。