議会での質問・答弁

2022年01月12日

2022年第1回 1月臨時会 議案討論 中森辰一議員

 日本共産党市議団を代表して討論を行います。
本臨時市議会に上程された諸議案の内、第294号議案、令和3年度広島市一般会計補正予算(第11号)について、意見を付して賛成とします。

 以下、2点、意見を述べます。
 今回の補正予算は、住民税非課税世帯等に対する臨時特別給付金事業に係るもので総額157億円余りです。国が決めた給付金であり、全額国庫負担で、対象世帯数はおよそ15万世帯となっています。新型コロナウイルスの感染拡大の中で、生活困難に陥った市民の生活を少しでも支えようと考えられたものであると受け止めており、このように現金給付を行うことには賛成です。

 ただし、この給付金は世帯構成にかかわらず1世帯10万円となっており、単身世帯も10人の世帯も一律10万円ですから、世帯員の数が多いところと少ないところで不公平な給付の仕方になっています。つまり、生活困窮世帯の生活の実情を反映するものではなく、生活支援制度としては粗雑なものになっていると言わざるを得ません。少なくとも困窮する世帯の状況に応じた制度であるべきであり、この点は今後、市民生活の実態をよく承知しているべき地方行政として、国に対してモノを言っておく必要があり、この点の対応を要請しておきます。

 もう一つは、市民税非課税という給付対象の所得基準が極めて低いということです。
 市民税の均等割りが課されない所得の世帯ということですが、現役世代の給与所得者の場合、単身で100万円、2人世帯で151万円、3人世帯で205万円、4人世帯で256万円までの世帯です。これを私がモデルで計算した生活保護基準と比較すると、広島市の場合の生活保護基準より、単身世帯で38万円余り、大人2人世帯で55万円余り、子ども1人の3人世帯で42万円余り、子ども2人の4人世帯で107万円余りも低い水準です。
 つまり、国が決めた最低生活の基準より相当に低いのが市民税非課税という所得水準です。市民税非課税の所得基準が低すぎるのが問題で国が是正するべきですが、今回の所得基準では、生活保護水準以下の暮らしを強いられている世帯を救うことができません。

 今回の給付制度は必要なことだと思いますので賛成しますが、国民、市民の生活の実態に沿った支援制度であるべきだと考えます。市としては、そうした世帯の実態をよく見た独自の支援制度をつくられることを求めておきます。
 以上の意見を付して賛成とします。