議会での質問・答弁

2020年03月17日

2020年第1回 2月定例会・予算特別委員会 総務関係 近松さと子議員

1、ジェンダー平等について
2、市政におけるジェンダーギャップ解消について
3、ハラスメント対策について
4、性的マイノリティへの権利擁護を

1、ジェンダー平等について

(近松さと子議員)
 おはようございます。今日のトップバッターで質問を行わせていただきます日本共産党の近松里子です。どうぞよろしくお願いいたします。
 今日は個人の尊厳とジェンダー平等の社会を目指してという大きなテーマで質問をさせていただきます。
 私が今回ジェンダー問題というのを取り上げさせていただこうと思ったのは、自分自身の体験があったからです。今から30年前、私も結婚の決意を致しまして、そのときに姓をどうするかというようなことを相手のパートナーと話し合ったわけです。そのときに、男女平等だからやはり平等に決めようということで考えたのですが、その方法はどんなに考えてもじゃんけんしかなかったわけです。それで、じゃあ、じゃんけんで名前を決めようということを二人の間では決めたんですが、そこで、二人の両親がそろったところで、姓はじゃんけんで決めようと思いますということを報告しましたところ、それまで祝福してくれていた相手の両親の顔がにわかにかき曇り、そして、お母さんは涙を流して、もう彼の姓になってくださいと懇願をされたわけです。私はそのときに首を縦にはすぐには振らなかったもんですから、お祝いのたる酒を持って訪ねて来られたんですけど、たる酒を持って帰ってしまわれました。それで、その後、話し合って、やっぱり両親に祝福してもらわないと始まらないということで、私も姓を変えるということを、自分の信念を曲げまして、折れてそういうことになったわけです。今、それから30年、いまだに世界で唯一同じ姓を強制しているのが日本です。そのために95%以上が男性の姓に変更しています。もちろん喜んで同じ姓になる人もいるでしょうが、私のように違和感を感じた女性も少なくないんじゃないでしょうか。
 24年前には国の法制審議会が別姓も選択できるようにと答申を行ったにもかかわらず、一度も国会で審議されていないことから、現在広島でも、恩地いづみさんという方が原告になって選択的な夫婦別姓を求める裁判が行われています。先日恩地さんのお話を聞く機会がありました。そのお話を聞きまして、やはりこれは女性だけの問題じゃないんだなということを改めて思いました。例えばそれぞれ子供を連れて再婚しようというカップルがいます。すると、どちらかの片方の子供は姓を変えなくてはなりません。どうして自分だけ姓を変えなくてはならないのと子供に言われ、そして、だから籍を入れられない、そんなカップルも現実にいます。私は全ての人に結婚の自由を保障したい、そういう思いから、ジェンダーの視点で世の中を変えていけばみんなが幸せになるんじゃないかなと思っています。
 前置きが長くなりましたが、質問に入りたいと思います。
 ジェンダー平等とは何かということをちょっとお聞きしたいと思うんですが、今、策定中の基本構想・基本計画の中にも、国連のSDGs──持続可能な開発目標というのを盛り込まれています。皆さん、市長をはじめSDGsのバッジをつけてらっしゃる方、たくさん見かけるようになりました。2020年には、今年からは、小学校の学習指導要領にもこのSDGsが入る、子供たちも学ぶようです。私も孫たちに聞かれて困らないように勉強したいと思っています。
 2015年の国連総会で193か国全ての国によって全会一致で採択されて、2030年までに持続可能な開発目標の達成を目指すとしています。紛争や戦争、温暖化、貧富の格差など地球規模の課題に対してみんなで危機感を共有して、誰も取り残さないという言葉を合い言葉に、地球に住む全ての人が一丸となって取り組もうというものです。そして、その17の目標のうち、5番目の目標がジェンダー平等です。本市はそもそもこのジェンダー平等というのはどういうもんだと考えてらっしゃるでしょうか。

(男女共同参画課長)
 ジェンダー平等とは、性別による差別や役割の分担の固定といったものがなく、性別にかかわらず平等に機会が与えられるような状態であると認識しております。

(近松さと子議員)
 ジェンダー平等とは、女らしく男らしくという社会的に文化的に作られた性差による差別のない社会を目指そうというふうによく言われております。最近、私も勉強して知ったんですが、ジェンダーというのはもともと外国語の名詞にある女性名詞、男性名詞という名詞の区分だそうです。同じ月という名詞も、フランス語ではLuneで女性名詞ですが、ドイツ語ではMonatで男性名詞というように、国が違えば異なり、固定的なものではないということです。
 このジェンダーとは、先ほども言いましたように社会的・文化的に作られた性差、生物学的な性別に対して社会的・文化的な性差を指します。ですから、例えば私たちの社会や生活の中に、責任ある役職は男性がなるべきという役割分担や、さらには女のくせにとか、男だから泣くなという行動規範というのが根強くあるわけですが、男だって泣いてもいいし、誰もが自分らしく生きることができる、そういう社会、そういうことを目指すということじゃないかと思ってます。
 こうした固定した考えというのは、私自身にもやっぱりしみついています。私たちの選挙でも、さすがにウグイス嬢という言葉は使わないんですが、アナウンサーと言ってるんですけれども、選挙の責任者は男性、女性は裏方、こういうような役割分担、無意識のうちに根強くあります。
 そこで、日本共産党のことをちょっと紹介したいと思うんですが、今年の1月に党大会を開きまして、個人の尊厳とジェンダー平等を目指すと綱領にも明記したところです。ですから、最近NHKの日曜討論に私どもの田村智子副委員長がよく出てくると思うんですけど、政策委員長というのに初めて女性としてなりまして、自分自身も、組織も、それから社会も変えようと今、決意をしているところです。
 今回お聞きしますジェンダー平等、SDGs──持続可能な開発目標の17のうちの5番目の目標なんですが、全ての目標にこのジェンダーの視点を据えることが強調されています。その点についてはどのように認識されているでしょうか。

(男女共同参画課長)
 SDGs達成に向けた我が国の指針である国のSDGs推進本部のSDGs実施指針において、「ジェンダー平等の実現及びジェンダーの視点の主流化は、分野横断的な価値としてSDGsの全てのゴールの実現に不可欠なものであり、あらゆる取組において常にそれらの視点を確保し施策に反映することが必要である」と位置づけられており、本市においても性別にかかわらず平等に機会が与えられるという、こういった考えを念頭に置きながらSDGsの目標達成に向けた取組を進めていく必要があると考えております。

(近松さと子議員)
 国連でも、もともとはジェンダー平等というのは環境や貧困、開発といった問題の一つとして位置づけられてきたようです。しかし、1995年に北京で開催された世界女性会議で、ジェンダー平等というのはそういうあれこれの一つではなく、サブメニューではなくてメインストリームである、そういうふうにもう25年前から主流化しようということが確認されてきました。
 そういう中で、日本の立ち位置というのも確認してみたいと思うんですが、2019年、スイスのシンクタンクである世界経済フォーラムが発表しましたジェンダー・ギャップ、不平等指数、ジェンダー平等の通信簿と言えるもんだったと思うんですけども、これでは、日本は153か国中史上最低の121位と順位を下げてしまいました。政治、経済、教育、健康、この4分野の中での男女格差を示すものですが、特に政治と経済の分野での成績が悪いようです。G7では断トツで最下位となりまして、105位の中国や106位の韓国よりも下となりました。
 まずは、この日本の男女平等度についてどのように認識してらっしゃるか、お聞かせください。

(男女共同参画課長)
 先ほど委員から御説明がございましたとおり、ジェンダー・ギャップ指数は、2019年度のデータでは日本は対象となった153か国中121位と、主要7か国中最低との結果でございます。これは政治分野、経済分野での女性の参画の遅れが影響している、こういったものと考えております。
 特に経済の分野では、管理職についている男女の人数の差というものが平均よりも低いということや、政治の分野では国会議員の男女比、女性閣僚の比率、こういった項目で世界平均を下回っていることが大きく影響しているものと考えております。

(近松さと子議員)
 本当に、今言われたとおりだと思うんです。どうしてこんなにジェンダー後進国になってしまったのか、やっぱり考えていかないといけないと思うんです。
 確かに少しずつはよくなってきました。女性職員による議会でのお茶出しも広島市はなくなりました、埼玉県議会ではついこの前までそういうことが行われていたということですが。それから、女性管理職も少しずつは増えています。でも、他の国はもっとスピード感を持って前に進めてきたようです。2017年の数字ですが、日本の国会議員の女性の議員の比率は9.9%に対して、世界は女性議員の比率を高める法律を作って、平均24.9%へ25年間で倍増されたといいます。例えばフランスでは、国も自治体も政党を選ぶ選挙制度は比例代表選挙というような形で日本とは違うんですけれども、女性の比率が低いと政党助成金を減額されるというようなペナルティーも科せられるようです。日本はようやく2018年に日本版のパリテ法というのができましたが、罰則制度はなくて、なかなか結果を見てもはかばかしくありません。
 そこで、8月6日、平和記念式典に着物で参列をしてくださっています国連軍縮担当の上級代表で、事務総長に次ぐナンバー2の中満泉さん、3月8日が国際女性デーなもんですからね、それにちなんでインタビューで答えています。世界からジェンダー後進国の日本を見て、やはり目標だけ、制度設計が中途半端だというふうに言われています。罰則がなかったり、努力目標だけで義務づけではなかったり、そういうところがやっぱり問題だ、そういうことを改めて、全てのシステムを総動員して説明責任をつけて実施していくようになればいや応なく変わっていくという、そんな指摘をされています。ジェンダー平等についても、広島市が男女共同参画課だけの仕事として考えずに、どの部署でもその部署に応じたジェンダー平等を進める予算や事業を組まれるとか、そしてそれがその部署の評価にもつながるし、人事評価にもつながる、こういう仕組みになるということがやっぱり今の世界の流れじゃないかなというふうに思いました。
 さて、女性差別撤廃条約は、女性の地位が低い理由として育児や家事が女性の仕事という固定した考えが性差別の元凶だとして、男女ともに自分の個性に応じて伸びやかに人生を生きることを条約の中心理念にしました。日本では男性は責任ある仕事、女性は補助的役割と社会に浸透してきた常識を問い直す必要があると思うんですけど、どのようにお考えでしょうか。

(男女共同参画課長)
 男は仕事、女は家庭といった性別によって役割を固定する考え方、いわゆる固定的な性別役割分担意識というものは長い年月をかけて形成されてきたものであり、男女共同参画社会の形成を阻害する大きな要因となっているものと考えております。

(近松さと子議員)
 広島市も男女共同参画基本計画を作成するのに当たって、市民にアンケートもとられています。この中でも性別による役割分担意識というのが根強いということが示されているんですが、これをどのように変えていこうとされてるのか、お聞かせください。

(男女共同参画課長)
 委員御指摘の市民アンケートは、平成30年度に実施した市民意識調査と思われますが、この調査では、女性の72.2%、男性の64%がこうした固定的な性別役割分担意識に同感しないと回答しております。過去の調査結果、平成26年度でいいますと女性が62.3%、男性が53.3%であったということで、こうした過去の調査と比較すると、少しずつこうした意識は解消されてきているものと認識しております。
 しかしながら、依然として約3割の方が固定的な性別役割分担意識を持っているということから、今後もそうした方々に男女共同参画の考え方を根づかせるために、各年代別の広報・啓発活動の充実などに取り組む必要があると考えております。

(近松さと子議員)
 続いて、また、中満さんのインタビューの記事を紹介したいと思うんですけど、世界から日本を見て、日本社会には物すごい刷り込みがある。男性はこうであり女性はこうであるというジェンダーロール、男女の役割分担について常時刷り込まれているということが述べられていまして、でも、これは世界から見たら実に異常なことで、異常だということすら気がついていないほど日常的に刷り込まれていると、そういうところから変えていかないといけないんだろうと思うというふうなことが言われています。

2、市政におけるジェンダーギャップ解消について

(近松さと子議員)
 そうした中で、続いて、市の行政の中でのジェンダーギャップについてちょっとお聞かせいただきたいと思うんです。
 これも広島にゆかりのある方の言葉をちょっと紹介したいと思うんですけど、カナダ在住の被爆者のサーロー節子さん、「光に向かって這っていけ」という著作があるんですが、その中ではジェンダー平等について語った部分があります。国際会議の出席者を選ぶ際にも、ジェンダー的なバランスを考えることは今や世界の常識だし、男性ばかりの会議はそれ自体が問題視され、会議の結論の信憑性すら問われかねないのが現実だと述べています。
 また、「女性のいない民主主義」という本が今話題なんですけど、それを書いた政治学者の前田健太郎さんは、政治の分野に女性が少ないことに対して、それはもう民主主義国を標榜するのがはばかられるほどの現状ですと述べており、もう世界の常識というのはそこまで来てるんだなと私自身も驚かされました。
 ジェンダー平等を進めようとする国際平和文化都市を標榜する広島市が、政策や意思決定の場へ女性の登用を進める、思い切って模範を示すべきだと思うんですけど、どのようにお考えでしょうか。

(男女共同参画課長)
 政策・意思決定の場への女性の参画拡大が進むことは、多様な人材の能力の活用、新たな視点や発想の取り入れ等につながり、社会の多様性と活力をもたらすという観点や男女間の実質的な機会の平等を担保する観点から、大変重要であると考えております。

(近松さと子議員)
 そうした中で、男女共同参画基本計画に掲げた市の各種審議会の女性委員の割合、その目標と実績についてどのようになっているでしょうか。

(男女共同参画課長)
 本市では、第2次広島市男女共同参画基本計画において、審議会における委員数の割合が、男女いずれも40%以上の審議会を増やすことを目標として掲げております。
 男女いずれも40%以上の審議会の割合については、平成31年4月1日時点の目標79.3%に対して、実績は32.4%となっております。

(近松さと子議員)
 目標が達成できない理由はどこにあるとお考えですか。

(男女共同参画課長)
 審議会の委員を選任する分野の中には、女性の登用が進んでいないような分野もあることや、充て職によって人選の制約があることなどが女性委員の選任が進まない要因であると考えております。

(近松さと子議員)
 それでは、市の中での幹部職員への女性の登用について聞きたいと思うんですけど、行政職で採用した職員のうち、女性の割合はどのようになっていますか。

(人事課長)
 平成30年度に採用いたしました職員に占める女性職員の割合でございますが、42.6%となっております。

(近松さと子議員)
 それでは、行政職の課長職以上の女性職員の割合について、同じく男女共同参画基本計画には目標も定めてあると思うんですが、目標と実績はどうなっているでしょうか。

(人事課長)
 第2次広島市男女共同参画基本計画に掲げております管理職に占める女性職員の割合につきましては、平成31年4月1日時点の目標である14.1%に対しまして、実績が12.5%となってございます。

(近松さと子議員)
 それでは、目標が達成できない理由、女性が管理職を目指す上で障害になっている理由は何だと考えていらっしゃいますか。

(人事課長)
 女性職員の中には、育児等により長期間職場を離れたり、配慮を必要とする期間が生じることにより、その間のキャリアの不足が管理職になる際の障害になるのではないかと考えておられる女性職員が多いといった意見がございまして、やはり育児とキャリア形成、この両立が難しいことが理由の一つではないかというふうに考えてございます。

(近松さと子議員)
 平成27年の市が行った職員アンケートでは、女性職員の98%が女性が管理職につくことを肯定的に考えていますが、50%が管理職になりたくないと答えています。その理由を聞いたところ、やはり仕事と家庭の両立が難しいということの回答が一番で3割に上っていました。男性からはなかなか家庭との両立が難しいという意見というのは本当に少数派です。やはり超過勤務の週平均目標が13.8%だけども、平成30年度は15.4%、または男性の育児休暇の取得も13%の目標に対して8%しかないという、そういう働き方の問題、長時間労働、やはり管理職になろうと思えばこれを当然やらないといけないという、そういうことが仕事と家庭の両立を難しくし、管理職になりたくないというふうな答えにつながってるんじゃないか、そういうふうに思うんです。
 公務員の仕事は、これまで育児休暇など整っているので女性にとっては働きやすい仕事とされてきましたが、しかし、そういうような働き方で、働き方をとるか家庭をとるか、幹部になるのを、管理職をとるか家庭をとるかと責められるという状況にあるんじゃないでしょうか。長時間労働をなくして、男性職員の命と健康を守ることだけではなくて、女性の活躍にもこういう問題、直結してると思います。
 では、もう一点、非正規職員に女性が多い理由はなぜだと考えてらっしゃいますか。

(人事課長)
 本市の臨時・非常勤職員の採用に当たりましては、特に性別による差は設けてはございません。ただ、結果といたしましては、臨時・非常勤職員のその多くが女性職員であるという状況でございます。
 これは事務補助職である臨時職員でありますとか、短時間勤務である非常勤職員といった働き方を希望される方に女性が多いということではないかというふうに考えてございます。

(近松さと子議員)
 ジャーナリストの竹信三恵子さんは、女性の仕事は夫の稼ぎの補助だから安くていいとする性差別的な発想があるんじゃないかと批判をしています。小泉構造改革以降、自治体財政削減の中で、性差別的な発想を利用して自治体も非正規化を進めてきたと言えるんじゃないでしょうか。今、こうしたことが独り親や女性の深刻な貧困を生んでいます。非正規職員の処遇と賃金を改善することは、これはもう男女平等に決定的なことだと思います。ジェンダー平等のこれは大きな課題であると思います。ぜひそのことを指摘したいと思います。
 最後に、NHKのハートネットという番組で見たアイスランドのことについてちょっと紹介したいと思うんですが、ジェンダー平等ランキング10年連続1位です。女性の8割が働いて、男性の7割が育児休業制度を利用しているといいます。女性の3割はパートタイムだけれども、同一労働同一賃金で、時間が違うだけで格差はなく、パートタイムでも、管理職にも役員にもなれるといいます。また、アイスランドでは、育児休業制度は給与が保障されているから男性もちゅうちょなく取得するといいます。それでも、以前は男性優位社会だったというんですが、やはり女性が声を上げて、もうストライキなんかも辞さず、大きな声を出して運動をする中で、1980年、女性の大統領が誕生し、リーマンショックのときには女性だけの投資会社が堅実な経営で生き残り、注目を集めたといいます。2010年にクオータ制度が始まって、政治家や企業の役員の40%を女性が占める法律ができて、実現をしてきたということです。ジェンダー平等のランキングが高い国が、残業もしないのに経済でも国民一人当たりのGDPも日本よりも高い。女性や家族の幸せと経済発展は両立するということじゃないでしょうか。ジェンダー平等の視点からやっぱり社会の在り方を変えていかなくちゃいけないと思います。
 ジェンダーについては以上にしたいと思います。

3、ハラスメント対策について

(近松さと子議員)
 それでは、続きまして、ハラスメントをなくすためにということでお聞きしたいと思います。
 女性も、どんな性の人も安心して働ける社会を作ることが真のジェンダー平等だと思います。2018年には財務省の官僚によるセクハラ、元記者による性暴力などが大きな問題になりまして、泣き寝入りをしていた性暴力やセクハラの被害者がMeTooと声を上げて、黙って見て見ぬふりをするのはやめようと、今フラワーデモというのも全国で取り組まれています。
 県内の労働組合の女性部などが実行委員会を作って、ハラスメントについて女性労働者にアンケートをとりましたが、800通返った中で、その中には自治体職員だと答えた回答もあったといいます。それによると、35.8%が職場の上司などからハラスメントを受けた経験があると答えています。それなのに、しかも相談先というのが友人、知人というのが最も多く、2番目には誰にも相談できず耐えたというふうに答えているんです。ILOもハラスメントの条約を採択し、今動いています。日本も昨年はパワハラ防止を目的とした法改正も行われましたが、残念ながら防止措置をとることとされて、禁止や罰則というのは経営者団体の反対で盛り込まれておりません。これもG7唯一ハラスメント禁止規定を持たない国だと言われています。
 本市では、ハラスメントをなくすためにどのようなことに取り組んでいるんでしょうか。

(服務担当課長)
 市長事務部局におきましては、平成23年3月に広島市ハラスメント対策基本方針を策定し、ハラスメント対策の取組を行っております。具体的な取組としましては、全職員を対象とした公務員倫理研修や新規採用職員研修、それから新任課長級研修などの階層別研修におきましてハラスメントについて意識啓発や注意喚起を図るとともに、各局・区等に原則として男性職員・女性職員1名ずつのハラスメント相談員を配置するなどの相談体制を整備しているところです。

(近松さと子議員)
 基本方針では、ハラスメントの対象は市職員だけでなく、出入りの生命保険の勧誘員なども対象だと聞きました。女性の被害が多いのはセクハラなんですが、どのようなことがセクハラになるのか、ちょっと教えてください。

(服務担当課長)
 広島市ハラスメント対策基本方針におきましては、セクシュアルハラスメントの形態を三つに分類しております。一つ目は、職場における上下関係などの優越的立場を利用して性的な要求を行うなどの対価型セクシュアルハラスメントです。二つ目は、性的な言動により他の者が仕事をしにくいと感じたり、職場にいることを苦痛に感じたりするなどの職場環境を悪化させる環境型セクシュアルハラスメントです。三つ目は、性に関する固定観念や役割意識に基づく言動により他の者を不快にさせるジェンダーハラスメントです。

(近松さと子議員)
 ジェンダーハラスメントの中には、性的マイノリティーへの配慮もあるといいます。性的マイノリティーへのからかい等をすることも駄目だとありました。私も、性的マイノリティーにとってレズやホモ、おかま、ニューハーフなどの言葉は不快で使ってほしくないということを学びました。こういうこともなくすべきだと要望しておきたいと思います。
 それでは、ちょっと数などもお聞きするようにしてたんですが、もう時間がないので、それはまた文書で教えてください。
 ハラスメントはやはり人格と尊厳を傷つけるというふうに基本方針では書かれています。これがやっぱり人権侵害だということをぜひ明確にしていただきたいと思います。

4、性的マイノリティへの権利擁護を

(近松さと子議員)
 それでは、最後に、性的マイノリティーの人への権利を守るために差別をなくしていくための取組についてちょっとお聞きします。
 女性や男性だけでなくLGBTなど、性別にかかわらず全ての人々が能力を発揮できる社会にしよう、それが豊かな社会の実現につながるというのが今の世界の到達点ではないかと思うんですが、先日、私もLGBTについて学ぶ講座があって、自らトランスジェンダーであるという方のお話を聞きましたが、特に印象に残っているのは、性は男か女かではなく、レインボーカラーのように多様だということです。ソーシャルネットワークシステムの代表的なツールであるフェイスブック、このアメリカのフェイスブックに登録するときには、チェックする性別の欄は50種類以上あるというんで、聞いてびっくりしました。今年から教育委員会が高校入試の入学願書に性別を記載する欄を廃止すると報じたんですが、広島市も各種申請書の性別記載をなくしていくように、そういうことを進めていらっしゃるということなので、ちょっと時間がないんでごめんなさい、答弁は求めません。
 それで、最後にお聞きしたいのは、今、籍を入れずに法律によらない婚姻関係を事実婚というんですが、事実婚の職員に対しては、籍を入れて法律婚の職員と同等の結婚祝い金や結婚休暇が広く認められていると聞いています。去年新聞で、同性のパートナーと暮らす東京都の職員が、都知事に事実婚を認めているこうした休暇や福利厚生制度を利用できるようにしてほしいと措置請求というのをされたという記事を見ました。世田谷区に住んで、パートナーシップ宣誓制度を利用されているということなんです。
 本市は、来年度早い時期にパートナーシップ制度の創設を宣言されたわけですが、この同性カップルの市職員にも事実婚と同様に結婚休暇や祝い金などの制度を認めたらどうかと思うんですが、御意見をお聞かせしていただきたいと思います。

(福利課長)
 福利厚生事業といたしまして、一般財団法人広島市職員互助会におきまして結婚祝い金などを給付しておりますが、事実婚の場合でも法律婚と同様に給付を行っております。
 委員御提案の同性カップルの市の職員にも同等にしてはどうかということに関しましては、本市のパートナーシップ宣言制度が具体的にどのような制度になるのか、また、既に同様の制度を導入しております他都市の状況を踏まえまして、一般財団法人広島市職員互助会におきまして実施の可否を検討することとなります。

(給与課長)
 結婚休暇についてです。本市の結婚休暇は、事実上の婚姻、いわゆる内縁の場合も対象としております。
 同性カップルへの適用については、本市におけるパートナーシップ宣誓制度の具体の制度設計に併せて、国や既に制度を導入している他都市の状況に留意しながら検討を行っていきます。

(近松さと子議員)
 胸につけていらっしゃるSDGsのバッジにふさわしい取組を、ぜひ国際平和文化都市として行っていただきたいと思います。以上です。

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