議会での質問・答弁

2021年10月20日

2020年度決算特別委員会 全体会議 討論 きせ康平議員

日本共産党のきせ康平です。党市議団を代表して討論を行います。

反対する議案は、
決算第1号 令和2年度広島市一般会計歳入歳出決算
決算第9号 令和2年度広島市後期高齢者医療事業特別会計歳入歳出決算
決算第10号 令和2年度広島市介護保険事業特別会計歳入歳出決算
決算第11号 令和2年度広島市国民健康保険事業特別会計歳入歳出決算
決算第12号 令和2年度広島市競輪事業特別会計歳入歳出決算
決算第16号 令和2年度広島市開発事業特別会計歳入歳出決算
 それ以外の決算と議案は賛成します。

 それでは、一括して反対する理由を述べます。
 新型コロナの感染拡大に直撃された2020年の国内総生産GDPは記録的な落ち込みとなり、リーマン・ショック直後の09年以来のマイナス成長となりました。10~12月期は前期に続きプラスとはなったものの、戦後最大の落ち込みとなった4~6月期の打撃から抜け出せず、日本経済の深刻な現状を浮き彫りにしました。
 広島市でも、新型コロナウイルスの影響で減収や廃業に追い込まれている中小業者も少なくありませんでしたが、市は、これまで公助は国と県の責任だと、自助と共助を強調されるばかりで、市としての公助の責任を果たそうとしていませんでした。国や県の施策がとても十分とは言えない中で、市民に一番身近な市が、国や県の施策の足りないところを少しでも補完すること、市民の命を守るために、実態に即した独自の直接支援など、積極的に取り組むことが当然のことだと思います。
 19年に大問題となった高速5号線二葉山トンネル工事費375億円の増額に続き、20年は広島駅南口広場の再整備事業を2.3倍の360億円にまで膨らませました。コロナ禍の下で、開発は立ち止まってでも公助の力を発揮すべきではなかったでしょうか。
 これまで党市議団が求めてきたように、子ども・子育て支援事業により、浮いた約32億円はどのようになっているのでしょうか。
 20年度からの財政運営方針では、歳出削減のとりくみとして、所得の低い家庭に給食費や学習教材費を補助してきた就学援助制度の「適正化」が盛り込まれました。更に、長年誇ってきた無料の放課後児童クラブも24年度から有料化する方針も明らかとなりました。
 子どもの貧困の解消が何よりも優先する政治課題になっているときにそれに逆行するような見直し案など言語同断です。
 32億円は適正に使うといいますが、子どもたちの支援は縮小されるばかりです。
 大型開発優先で、災害とも呼べるコロナ禍の中、適切に公助が行われないことは問題だと指摘いたします。

 次に、後期高齢者医療特別会計は、昨年12月、75歳以上の後期高齢者医療制度の窓口負担の1割から2割への引き上げなど、高齢者に痛みを強いる中身が閣議決定され、今年6月に国会で2割への引き上げ法が成立しました。
 このまま突き進めば高齢者の健康と命を脅かすことになりかねません。「後期医療」制度を廃止し元の老人保健制度に戻し、際限ない保険料アップの仕組みなどをなくすように国に求めるべきです。

 介護保険特別会計は、20年度末、介護サービス利用料の一割負担の世帯に設けられてきた年間負担上限額44万円が廃止されました。また、施設入所者の食費・居住費の負担も増えます。住民税非課税世帯で本人の年収が120万円を超える場合、自己負担が2万2千円増え、食費・居住費・サービス利用料・保険料を合わせると月に8万2千円の負担となり年金収入のほとんどを施設利用費に充てることになります。このような負担増は、高齢者にも支える現役世代にも痛みをおしつけるものです。
 国に対し、障害者が65歳になった途端に、介護保険サービスに強制的に移行させられ、低所得障害者の利用料が発生する、障がい者総合支援法の介護保険優先原則を廃止するよう強く求めていただくよう要望しておきます。
 国民健康保険特別会計は、保険料軽減のため行ってきた一般会計からの法定外繰り入れを、国の要求に従い県単位化後の6年間で廃止しようとしていることは問題です。また、決算では、一般会計の繰入金を法定外も含めて6億円も余らせました。県単位化前に行っていたように収納率の見込みを引き下げて、一般会計からの法定外繰り入れを充てて保険料を抑える努力をするべきです。
 競輪事業特別会計については、公営ギャンブルはもはや必要ないとの立場ですから、賛成できません。開発事業特別会計についても利益が出れば、市民のくらしや福祉を守るために使うことをもとめます。
 以上のことを申し述べて討論を終わります。