議会での質問・答弁

2021年09月22日

2021年第3回 9月定例会 議案質疑 藤井とし子議員

第92号議案 令和3年度広島市一般会計補正予算(第6号)
1.困難を抱えた女性のためのつながりサポート事業について

2.アフターコロナを見据えた中小企業等の活性化支援について

第93号議案 令和3年度広島市競輸事業特別会計補正予算(第1号)

第96号議案 旧広島市民球場跡地整備事業基金条例の一部を改正する条例
第101号議案 公の施設の指定管理者の指定について
第104号議案 財産の取得について(旧広島市民球場跡地整備等事業で整備される施設)

第112号議案 令和3年度広島市一般会計補正予算(第7号)
1.安佐南区の広島湯来線の道路の復旧工事について

 


第92号議案 令和3年度広島市一般会計補正予算(第6号)
1.困難を抱えた女性のためのつながりサポート事業について

(藤井とし子議員)
 お疲れ様です。日本共産党の藤井敏子です。日本共産党の市議団を代表して議案の質疑を行います。
 この事業は新型コロナウイルス感染症の影響による収入減少や孤立などの困難や課題を抱えた女性を対象に緊急支援する予算です。
 すでに生理用品の無償提供は、ゆいぽーとなどの相談窓口を設け、希望する相談者に企業から寄付された生理用品を提供してきた事業を国の地域女性活躍推進交付金を活用して新たに取り組もうとするものです。
 これまでの実施でどれだけの相談件数があって生理用品の提供数はどれだけか。今回の予算で、どれぐらいの相談者や利用者を見込んでいるか。

(市民局長)
 今年6月8日から8月31日まで、広島市男女共同参画推進センター(ゆいぽ一と)において、既存の「女性のためのなんでも相談」事業を拡充し、生理用品をきっかけとする困りごと等の相談を受け付けました。
 約3か月の実施期間において、相談があった件数及び生理用品の提供数は36件でした。
 これから実施しようとするサポート事業は、困りごど等を抱えながら今まで相談ができなかった方などが相談しやすくなるよう、無料電話相談の開設や居場所づくりなどによる支援、相談員の人材育成などに取り組むものであり、生理用品の提供だけを目的とするものではありませんが、困難等を抱える女性から一人でも多く相談等を受け、支援につなげていきたいと考えています。

(藤井とし子議員)
 「生理の貧困問題に取り組む運動は一時的に経済的に困難な女性への支援にとどまらず、これまで公に語ること自体がタブー視されてきた「女性の性にかかわる健康と権利の尊重を求める運動として大きな意義を持つものです。
 女性であるが故に生理による経済的負担が重いという事実が未だに十分認識されていないということ自体がジェンダー平等社会の実現を目指すうえで問題だと思うがそういった認識はあるか。

(市民局長)
 女性は、妊娠、出産などのライフサイクルを通じて男性とは異なる健康上の問題に直面します。こうした問題に配慮し、第3次広島市男女共同参画基本計画において、生涯にわたり身体的、精神的、社会的に良好な状態を享受することができる「性と生殖に関する健康と権利」の浸透を基本施策に掲げ、誰もが安心して暮らせる社会の実現を目指すこととしています。

(藤井とし子議員)
 多くの自治体で貧困問題と同時に、社会の基本的なジェンダー平等社会の視点に立って、女性支援が進んでいます。女性支援として学校や公共施設のトイレに生理用品を常備する自治体が増えています。東京都は9月から、神奈川県は10月から全都立、県立学校のトイレに生理用品を常備することを決めました。女性が心身ともに元気であること、生理用品で困らないようにすることは社会の責任です。窓口にきた相談者に限るのではなく、もっと広く必要な人に対応できるよう今後、すべての学校などの公共施設のトイレへの生理用品の常備へと拡大していくべきだと思うがどう考えているのかお聞きします。

(市民局長)
 議員御提案の学校などの公共施設への生理用品の常備については、今後の事業の成果を踏まえつつ、関係する部署とも連携し、必要性などについて検討を行うことになると考えています。

【再質問】
(藤井とし子議員)
 生理の貧困への取り組みは世界の国々で進んでいます。イングランドでは2020年1月から教育機関での生理用品の無料配布に始まり、11月にはスコットランドで生理用品無料化を義務付ける法案が制定されるなど、フランス、韓国、ニュージーランドにまで広がっています。日本では任意団体「#みんなの生理が」3月4日に発表した、生理の貧困の実態調査によると、金銭的な理由で生理用品の入手に苦労したことがある若者が約5人に1人の割合で存在することが明らかになり、政府は閣議で生理用品のサポートを決定したという経過があります。
 広島市は、相談に来た人に支援するのではあまりに狭すぎるのではないかと思います。私は特に小学校から大学など学校について急ぐべきだと思うのですが、神奈川県では6月から8月にかけて県立学校12校で生理用品を配備するモデル事業を実施しています。夏休みの期間を除き1日平均で高校が10個程度、特別支援学校は2個程度の利用があったということです。また、生徒1813人が回答したアンケートでは約80%が生理用品が手元にないことで困った経験があると回答したと言います。
 ジェンダー平等を大きな柱とすれば、SDGsを掲げる広島市ならこうしたことも参考にして、この事業を大きく発展させていく方向性が必要ではないかと思います。他の部局と連携して検討していきたいとの事でしたが、この部局はどこですか。先ほど学生の実態も紹介しましたが、学校のトイレの生理用品の常備の検討を急ぐべきではないでしょうか。このことについて再度お聞きいたします。

(市民局長)
 生理用品の提供についての御質問をいただきました。生理用品の提供について事業をスタートした当初は、問い合わせや相談も多数寄せられましたが、時期が7月8月になるにつれ、その相談件数が減少したという実態がございます。
 ただ我々としては、だからといって困難を抱える女性の状況が好転したということを決して考えているものではございません。ですから、このサポート事業につきましても今年度補助事業ですけれども、これからも引き続き継続した取り組みが必要だと考えております。先程質問がありました公共施設等のトイレへの常備につきましては、とりわけ学校ということですので、教育委員会ともしっかり情報共有しながらその必要性について検討してもらいたいと思っています。

(藤井とし子議員)
 先ほど学生の実態も紹介しましたが、学校のトイレの生理用品の常備の検討は、本当に今の状況で急ぐべきではないか。このことについて再度お聞きいたします。
 文教委員会で近松議員も質問した際に、モデル事業の実施を見てからということも答弁されています。これはいかがでしょうか。

(教育長)
 現在学校では、生理用品に関して養護教員等が保健室で生徒の相談・求めに応じて渡しています。その際に、環境とすれば当然保健室には、カーテンで仕切ったプライベート空間であるとか、場合によってはちゃんと一対一の時間を設定してということをやっております。
 そういう中でそうした相談というのは現状においてはほとんどないと聞いております。しかしながらやっぱり自ら申し出ることに抵抗感を持つ生徒児童もいるという可能性もありますので、今藤井議員がおっしゃったように事業の成果を見ながらということで、実はその時の思いとすれば、ゆいぽーとで相談事業といったことがありましたので、そのあたりの情報も見ながら考えて以前申し上げたと思います。
 先ほど市民局長が申し上げた通り、3か月で36件ということで、数字としてはすべての学校に配備する状況まではいかないかという状況です。
 とは言いながらもこの9月補正で今回上げておりますのが、これも最初に局長答弁がありました通り、困りごとを抱えながら今まで相談出来なかった方がより相談しやすくなるよう、無料電話とかそういうものをやろうということにしてますので、そのあたりの情報も取りながら関係部局としっかり連携して取り組んでいきたいと思っております。
 合わせてこの件に関して、とりわけ我々の所管のメインになる小中学校ということで申しますと、大学生であれば親元から離れて、経済的支援を受けながらも例えば一人で生活している、そういうなかで生活必需品、野菜でも米でも生理用品でもいいですがいただくというのは非常に直接支援になって助かるということですけども、私は小中学校、特に親元から経済的な保護のもとで、日用品も基本的には親御さんが揃えるという中で、もし生理用品に困っているという状況があれば、これは単にその品がないということではなくて、もっと大きな家庭の課題があると思っております。
 できればそういうサインに気づくという場というのがすごく大事だと思っています。そういうサインに気づいた上で、スクールソーシャルワーカーと連携をして家庭とコンタクトをとって、いろんな行政のサービスにつなげていけるようなことができればと思っております。そういった方向についてもあわせてしっかりやっていきたいと思います。

(藤井とし子議員)
 困っている子どもは当然ですけども、やはりジェンダー平等という視点からも、学校でも考えてほしいということを申し上げて終わります。

2.アフターコロナを見据えた中小企業等の活性化支援について

(藤井とし子議員)
 補正予算の12億円のうち6億7千万円が中小企業の金融対策であとの5億5千万円を広島市販路拡大等チャレンジ応援実行委員会への支援で販売促進や販路拡大に取り組む市内中小企業者等で事業計画が適正と認められたものに応援金を支給する広島市販路拡大等チャレンジ応援実行委員会に対し、その取り組みに要する経費を補助しようとするものです。
 中小事業者の多くは1年以上続くコロナの影響で何とかつぶされないように必死で維持するために頑張っています。ほとんどの事業者はコロナの収束が見通せず、とてもアフターコロナを考える状況ではないと思います。
 市はこれまで国県市の役割分担として、共助の精神を強調され市の独自の支援は困っている事業者への直接支援はせず、各団体が入る実行委員会を支援する形をとってきました。今回も同様の考え方で行われるものですが、そこで伺います。
 一年以上続くコロナの外出自粛やコロナの緊急事態宣言の度重なる延長で市内中小零細事業者がどういう経営状況だと認識しているのか。

(経済観光局長)
 本市では、経済団体や業界団体、商店街、金融機関、観光関連事業者等への聞き取り調査などにより実態把握を行っており、現状でも、飲食業や観光・宿泊業を中心に新型コロナウイルス感染症の影響は幅広い業種に及び、感染症の収束が見通せない中、廃業を余儀なくされる店があるなどの声を聞いており、市内中小零細事業者は、厳しい経営状況が続いていると認識しています。

(藤井とし子議員)
 尾道市では、5月から6月と8月から9月の緊急事態宣言で飲食店などの売り上げが激減し、国、県の支援金では補えないとみて中小法人に月20万円を上乗せする支援策を決め、9月の補正予算に盛り込んだ。広島市は国による月次支援金と県の頑張る中小事業者月次支援金で十分支援が足りていると判断しているのか。

(経済観光局長)
 国の「月次支援金」と県の「頑張る中小事業者月次支援金」は、国及び県が打ち出した新型コロナ感染拡大防止対策によって引き起こされた事業者の困窮の状態を緩和又は解消するための直接的な支援の一環として行われているものと理解していますが、これらの支援金では支援が十分でないとする中小事業者があることは想定され、そうした事業者への支援として、更に上乗せ支給を計画している自治体があることは承知しています。
 一方で、地域共生社会の実現を目指す本市としては、国や県が行う事業者への直接的な支援策といった「公助」を補完・補強するため、コロナ禍後も見据えて、地域での支え合いや、事業者同士が連携した「共助」による取組を支援することに注力しているところです。
 この一環として、中小事業者の団体やグループが、感染拡大の防止を図りながら事業を維持するために行う取組への補助事業「広島は決して折れない!一丸の矢プロジェクト」を7月下旬から募集開始しています。また、この9月補正予算で、議員から御紹介されました中小企業者等の新たな販売促進・販路拡大の取組を共助の精神で支援する広島市販路拡大等チャレンジ応援実行委貝の補助を提案しており、こうした取組により、国や県の支援策では十分でないとする事業者を含め、幅広くしっかりと支援を行っていきたいと考えています。

(藤井とし子議員)
 市は融資以外で、これまでの共助の支援を行ってきたが、一体どれくらいの事業者を支援できたのか。また、金額はいくらか実績を事業ごとにお答えください。

(経済観光局長)
 本市では、新型コロナウイルス感染症に係る経済対策のうち、共助の取組への支援として、昨年度以来、五つの事業を実施しています。
 一つ目として、感染拡大防止や苦境打破に取り組む事業者を支援する者への補助事業、いわゆる「広島は決して屈しない!プロジェクト」において、194件の団体等を対象に約9億8千万円の補助金を交付し、結果、延べ約2万7千店舗等の支援につなげました。
 二つ目として、家賃負担軽減を行うテナントオーナーへの補助事業において、2,036オーナーを対象に約11億2千万円の補助金を交付し、結果、6,292店舗のテナントの支援につなげました。
 三つ目として、飲食店への応援金支給等の取組を行う広島市飲食店応援実行委員会への補助事業において、同実行委員会が6,316店舗に対し、約9億5千万円の応援金を支給しました。
 四つ目として、中小観光関連事業者への応援金支給等の取組を行う広島市観光関連事業者応援実行委員会への補助事業において、同実行委員会が971事業者に対し、約2億9千万円の応援金を支給しました。
 五つ目は、先ほど述べた「広島は決して折れない!一丸の矢プロジェクト」ですが、9月17日時点では、21の団体等の申請を受理し、その参加店舗数は903、申請額は約1億1千万円となっています。

(藤井とし子議員)
 今回の予算では販売促進や販路拡大など新たな事業を展開しようとする
事業者を対象とするものです。この事業でどれだけの事業者が支援できると見込んでいるか。

(経済観光局長)
 このたびの販売促進・販路拡大に取り組む市内中小企業者等への応援金は、広島商工会議所などの経済3団体で構成する広島市販路拡大等チャレンジ応援実行委員会を通じて支給されるものですが、当実行委員会からは、これまでの中小企業者等からの相談や要望の状況などを踏まえ、当該応援金の支給件数は500事業者を見込んでいると聞いています。

(藤井とし子議員)
 融資について、この緊急事態宣言で、まだあと何年で収まるかわからな
状況の中で、今後も事業を継続していくことが困難な事業者は増えると見込まれます。実質無利子・無担保融資を延長・再開するべきと考えますが、市はどう対応するのかお答えください。

(経済観光局長)
 新型コロナウイルス感染症の影響の長期化により、市内の中小企業者等においては、幅広い業種で非常に厳しい経営環境が続いていることを踏まえ、本市はこれまでも、指定都市市長会と連携し、国に対してコロナ禍における中小企業者等への資金繰り支援の更なる拡充について要望を行ってきたところです。
 具体的には、本年5月に民間金融機関による実質無利子・無担保融資の再度の実施や返済期間の長期化等を、直近では7月にこれらに加えて無利子期間の延長を要望したところです。
 今後とも、引き続き、国の支援策の動向や、本市の中小企業者等の経営状況や資金繰りの実情を把握しつつ、必要に応じて国に要望を行っていきたいと考えています。

【再質問】
(藤井とし子議員)
 続いてアフターコロナについての事業者支援について伺います。コロナ後を見据えての今回の販売促進や販路拡大するために新しい取り組みをする事業者を支援するということで、融資も含めて比較的元気で体力ある事業者を支援する対象になっているのかなという風な感想を持ちます。
 さっきも言いましたけれども、今困っている多くの事業者は何とか国や県の支援金を受けながら頑張って維持することをやっています。こうして長年事業を続けてきて地域を支えてきた本当に小さな中小零細業者からの視点とはとても思えません。
 また、県の支援が受けられる減収3割まで行かなくても1割2割減収が1年以上も続いている事業者も深刻な影響を受けています。国や県だけの支援ではとても足りないというのが実態です。
 もう一つは、尾道市や三原市などのような国の制度の上乗せ支援や、消費税を始め支払う税金や国保などの社会保険料なども大きな負担になっております。こうしたことを踏まえても、応援金や支援金は非課税にしてほしいという声も聞いております。経済局だけでなく、事業者に関係する他の部局と連携して、中小業者が何に困っているのかをよく把握して、コロナの影響を受け困っている中小零細事業者に必要な直接支援とともに、税や社会保険料も含めた総合的な支援に広げる考えが必要ではないかと思いますが、これにもう一度お答えください。

(経済観光局長)
 いくつかポイントがあったかと思いますけれども、地域をこれまで長年支えている中小零細事業者の視点に立った措置ではないのではないのかということですけども、私どもはいろいろな業界団体や商店街、金融機関等と折に触れて状況把握のための聞き取り調査を行っております。
 とくに商店街等におかれては中小零細の個店が集まられた団体ですから、そういった中小零細の個店の声も直接間接に聞き取りをさせていただく中で、終息が見えない、コロナの影響が長期化している中で、困窮に陥っている、あるいは廃業を余儀なくされているお店もあるといった声を聞いております。
 そういった方々への支援にもなるようなスキームで今回も計画立案をさせていただいているというつもりでございます。
 二つ目のポイントの経済観光局だけではなく庁内のいろんな複数の部署で、困っている市民や事業者への支援策を検討、総合的に立案すべきではないかというお尋ねだったと思います。
 そういったことにも関連しますが、細かい事業者からの聞き取りで得られた声の中で、例えば税とか国保料の負担とか言った声がありましたら関連する部署に情報共有をして、検討依頼するといったような、情報共有と連携ということは、今までもやってきているつもりですが、今後も力を入れてやっていきたいと考えております。

第93号議案 令和3年度広島市競輪事業特別会計補正予算(第1号)

(藤井とし子議員)
 広島競輪場の再整備に係る債務負担行為を設定しようとする議案です。競輪事業が本市の財政に一層貢献できるように施設の再整備を含めた包括委託を実施するという理由です。
 再整備によって、自転車を活用したスポーツや文化の振興に資するとは具体的にどういったスポーツや文化か。年間利用者数を、どれだけと見込んでいるのか。

(経済観光局長)
 自転車を活用したスポーツや文化の振興に資する具体的な取組については、豊富なアイデアやノウハウを持つ民間事業者から提案を求めることになりますが、スポーツに関しては、トラック競技のほか、例えばアーバンスポーツとして若者を中心に人気が高いBMX競技などを想定しており、これに加えて、スケートボードやボルダリングなどを付帯的に実施することも考えられます。また、文化については、自転車安全教室や自転車を活用した健康教室の開催などを想定しています。
 次に、年間利用者数については、民間事業者の提案内容によるため、具体的に見込みを立ててはいませんが、例えば、BMX走行コースの先行事例の武雄競輪場では、コロナ禍前の平成30年度に約1万7千人の利用があったと聞いており、また、本市競輪場では、バンク走行会やサイクルパークにおけるBMX体験会、キックバイク大会などを実施しており、平成30年度は約1万5千人の利用がありました。
 こうした状況を踏まえると、民間事業者の豊富なノウハウを活用した再整備と運営が期待できる複合的な施設においては、それらを上回る利用者数が見込めるものと考えています。

(藤井とし子議員)
 計画では競輪場の近くに新たな自転車を活用したスポーツ施設を整備するようになっています。これは未成年者を早くからギャンブルに近づけることになると思うが、青少年の健全育成の観点から議論されたのかどうか。

(経済観光局長)
 広島競輪場を自転車を活用した多様なスポーツやレジャーのニーズに対応する複合的な施設として再整備し、若者を含め、多くの市民に利用されることを目指していく中で、競輪事業を継続して実施するに当たっては、未成年の車券購入の防止を含めたギャンブル依存症対策は必要不可欠なものであると認識しています。
 このため、再整備を含めた包括委託を検討するに当たり、市内部及び本市附属機関である広島市競輪運営委員会での議論を経て、事業者の公募に際しては、若者を含むあらゆる人を対象とした、具体的かつ実効性のあるギャンブル依存症対策の提案を求め、提案内容を審査・評価した上で事業者を選定することとしています。
 また、選定後は、市も一緒になって、(公社)全国競輪施行者協議会や(公財)JKA等の関係機関とも連携しながら、ギャンブル依存症対策を着実に実行していくこととしています。

(藤井とし子議員)
 今後、広島市の直営ではなく民間事業者に競輪開催業務を包括委託するもので、委託期間は令和4から37年と34年間も長期にわたって1民間事業者に委託することになっています。なぜ34年か。その妥当性はどこにあるのか。
 また、年間の競輪開催業務の委託料はいくらで施設使用料はいくらか。市はいくらの収益を得るのか。

(経済観光局長)
 事業期間については、長期的な事業運営を担保することで、民間事業者による優良な投資を誘導するとの考え方の下、設計、既存施設の解体及び再整備の期間は、他都市の事例を参考に4年間と想定し、再整備後の施設での運営期間については、現在の競輪開催形態を継続することを前提として、再整備に要する費用を回収するための年数を試算したところ30年程度が必要となったため、合計で34年間を限度としたものです。
 なお、他都市においても、包括委託事業期間を同じ34年間とした事例があります。
 次に、競輪開催業務の委託料については、三つの段階に分けて考えており、まず、既存施設での業務期間は、1年度当たり4億1百万円を上限として民間事業者から提案を求め、次に、既存施設の解体及び再整備期間中は、他の競輪場を借り上げて競輪を開催するための経費の増加分を考慮して、本市と民間事業者が協議の上定めることとしています。
 そして、再整備後の施設での業務期間においては、民間事業者の業務への取組意欲向上のためのインセンティブとするため、民間事業者から毎年度の車券売上実績に対する割合として提案してもらうことから、委託料の額は毎年度その実績に連動して変動することになります。
 次に、施設使用料については、競輪場施設の再整備に投資する金額や回収に要ずる年数を踏まえて民間事業者が毎年度の金額を提案することになり、提案額はそれぞれ異なるものとなるため、予め金額を申し上げることはできません。
 最後に、本市の収益については、基本的には毎年度車券売上等の歳入から競輪開催業務委託料、施設使用料や車券払戻金等の歳出を差し引いた金額が収益となりますが、民間事業者から本市に対して、現行と同額の年間2億4千1百万円以上の収益保証額の提案を求めることとしてぃるため、提案された販益保証額を最低限とする収益を得ることになります。

(藤井とし子議員)
 広島市は今後34年間も公営ギャンブルを続けることを市民に相談もなく決めていいのか。10年後に市が方針を変えたらどうなるのか。

(経済観光局長)
 競輪事業については、平成24年度以降、事業の廃止を含めたあり万等について、外部の有識者で構成する広島市競輪運営委員会等において議論を重ね、同委員会から平成26年6月にいただいた答申に基づいて、本市は、平成27年度から民間への包括委託に切り替えました。そして、その成果を踏まえて平成30年5月にいただいた二度目の答申に基づき、同年9月に、「競輪場を市民のスポーツやレジャー等の多様なニーズをも満たす充実した施設へと転換・存続させ、競輪事業は本市財政に一層貢献するものへと変革する」という方針を発表しました。
 本年6月には、経済観光環境委員会において、事業期間を最長34年間とする再整備を含めた包括委託の公募概要について報告し、このたび、市議会に本事業の実施に必要となる債務負担行為の設定に係る議案を提出し、御審議をお願いしていろところです。
 本件は、こうした議論や検討のプロセスを経て進めてきたものです。
 再整備を含めた包括委託によって市民の多様なスポーツやレジャーへのニーズに対応していくこと、また同時に、事業期間中は本市に収益が得られ、本市財政に一層貢献していくものであることから、市民に御理解いただけるものと考えています。
 また、10年後に本市が方針を変えたらというお尋ねについては、今申し上げたように、事業期間中は本市財政に一層貢献していくものであることから、10年後に方針を変える必要性が生じることは想定していません。

(藤井とし子議員)
 時代遅れな公営ギャンブルはやめてロードレース競技などのようにプロスポーツとして発展させていくように考えていくべきではないか。

(経済観光局長)
 競輪は、自転車競技法においては、地方財政の健全化に資することを目的の一つとされています。また、平成30年5月の広島市競輪運営委員会の答申においては、複合的な施設への再整備事業全体が民間に委ねられる新たな包括委託方式の導入を検討し、競輪事業が存続されることを期待したいとされています。
 こうしたことを踏まえ、再整備を含めた包括委託によって、最長で34年間は、本市にとって継続して収益が得られることが可能と考えることから、競輪事業を継続していきたいと考えています。
 なお、民間事業者からは、市民サービスの向上に向けた競輪場の有効利用策の提案も求めることとしており、バンクをロードレースやトラック競技などの練習や試合に利用してもらうことが想定されます。こうした取組や、例えばBMX競技などが実施できる新たな施設の整備を通じて、様々な自転車競技のプロスポーツへの発展や、アマチュアスポーツの振興にも貢献していけるものと考えています。

【再質問】
(藤井とし子議員)
 次に競輪事業についてですけれども、青少年の健全育成についての議論がよくわからない答弁でした。いわゆるパチンコ店などは青少年への影響を考えて、学校のすぐ近くは風営法によって出来なくなっています。これは青少年への影響を考えてのことです。競輪場に子どもたちが利用できる施設をつけて、ギャンブル性が見えなくなるようにしようとするのは少し違うのではないかと思います。
 ギャンブル依存症の人は、厚労省の発表によると500万人を超えています。ギャンブルは違法という法の基本原則があるのに、世界有数のギャンブル国でありギャンブル依存症の患者数が世界でも突出して多いこの日本。いつまでも広島市が行なっていいのかということが問題だと思います。今のコロナ禍でも競輪の収益は上がっているそうです。ネットでの車券購入が多いためです。ネットはクレジットカードと同じで現金を介さないぶん掛け金が増加しても抵抗を感じにくいと、専門家も依存症が増えていくのではと警鐘を鳴らしております。
 最後に聞きますけれども、こういう状況にあっても今後34年間ギャンブルを続ける必要性について再度お聞きいたします。

(経済観光局長)
 我が国はギャンブル依存症が多い、それから競輪事業は近年インターネットでの販売が伸びているということ、それは事実でございまして、そういった中でまた若い人たちのアクセスもより簡単になってくる、増えていくだろうということは我々も想定はしております。
 未成年者の競輪事業での車券販売は、自転車競技法でも禁止されております。法令違反になりますので、そこはしっかりとブロックするように今までも行っております。今後の新たな包括委託が始まってもそれをやっていきたい。
 その上で、あらゆる人を対象にしたギャンブル依存症対策というのも不可欠です。それは新しいスポーツレジャーの多様なニーズに対応するための、新たな複合的な施設整備によって競輪事業の影を薄くするとかいうことではなくて、本市が69年間続けてきた競輪事業は、自転車競技法で地方財政の健全化を図るというのが目的の一つとして法律で掲げられたもので、それに則って本市は69年間続けてきました。
 それを今後も存続していくかどうかという検討の中で、一つには継続して市の財政にとっての貢献ができるのか。もう一つが、ますます高まっている市民の多様なスポーツレジャー対するニーズに的確に応えて、市民サービスを向上させていくと、市民生活を豊かにしていくと。
 そういう二つの目的を同時に実現ができるのかという視点で、これまでの運営委員会の答申を踏まえつつ、またこれまで2回の包括委託をしておりますけども、そうしたの実績や他都市の成功事例も踏まえつつ、34年間の新たな包括委託であれば、二つの目的を同時に追求できる、実現が可能であると我々は判断しました。
 それを進めていくために必要な債務負担行為の設定を設定を今議会でご提案してご審議をお願いしているということでございます。

(藤井とし子議員)
 競輪そのものが違法な賭博、ギャンブルですので、これを思い切ってやめて、健全なスポーツという方面でやっていくという方法もあるのではということをちょっと申し添えておきます。

第96号議案 旧広島市民球場跡地整備事業基金条例の一部改正について
第101号議案 公の施設の指定管理者の指定について
第104号議案 財産の取得について(旧広島市民球場跡地整備等事業で整備される施設)

(藤井とし子議員)
 以上の3つの議案は 旧広島市民球場跡地イベント広場の設置・管理・運営をパークPFIで実施し、施設の管理を指定管理者NEW HIROSHIMAGATEPARKに令和4年から23年度までの19年間、限度額8億8千350万円で行わせるものです。また指定管理に要する費用の財源の一部に跡地整備事業の基金を活用するために条例を一部改正しようというものです。
 パークPFI制度とはどういったものなのか。
 今回、球場跡地でパークPFIを活用することにしたのはなぜか。

(都市整備局長)
 Park-PFI制度とは、都市公園に民間の優良な投資を誘導し、公園管理者の財政負担を軽減しつつ、都市公園の質の向上、公園利用者の利便の向上を図る新たな整備・管理手法です。
 具体的には、飲食店、売店等の公園利用者の利便の向上に資する収益施設の設置と、当該施設から生ずる収益を活用してその周辺の園路、広場等の一般の公園利用者が利用できる特定公園施設の整備・改修等を一体的に行うもので、その民間事業者を公募により選定するものです。
 旧広島市民球場跡地については、令和2年3月に策定した「中央公園の今後の活用に係る基本方針」において、「民間活力の活用を前提として、一定規模の屋根を備えたイベント広場を早期に整備する」としています。このため、本事業では、Park-PFI制度を活用することとしたものです。
 なお、これにより、全体事業費の1割に当たる約1億3,000万円の財政負担の軽減が図られることになります。

(藤井とし子議員)
 パークPFIは設計から整備まで業者に丸投げとなっていますが、市民からの意見は聞かないのか。

(都市整備局長)
 旧広島市民球場跡地の活用については、平成23年10月から平成25年2月にかけて開催した、市民の各界各層から成る「旧広島市民球楊跡地委員会」における議論を踏まえて、平成25年3月に「旧市民球場跡地の活用方策」を、また、平成27年1月にその具体的なイメージを示した「旧市民球楊跡地の空間づくりのイメージ」を策定・公表しています。
 さらに、こうしたこれまでの検討の成果を踏まえつつ、令和2年3月には「中央公園の今後の活用に係る基本方針」を策定しており、その際には、公開の有識者会議で議論を深めて案を作成し、その案に対する市民意見募集において、19名の方から延べ40件の御意見をいただき取りまとめています。
 このように広く市民の意見を聴きながら策定した方向性に基づき、現在は、具体的に事業を推進していく段階です。この度の事業者の提案内容については、市のホームページや広報紙などで広く市民の皆様へお知らせしているところであり、引き続き、市民の皆様に本事業への理解を深めていただけるように努めてまいります。

(藤井とし子議員)
 なぜ指定管理期間を19年間にしているのか。

(都市整備局長)
 本事業においては、長期的な事業運営を担保することで、民間事業者による優良な投資を積極的に誘導することができるよう、Park-PFIを活用した飲食物販施設等の収益施設の設置計画(公募設置等計画)の有効期間を、Park-PFIの最長期間である20年間としています。
 また、民間のノウハウを最大限に発揮し、飲食物販施設等の収益施設と一体となったイベント広場の運営を行うことができるよう、整備後のイベント広場の指定管理期間を、収益施設の設置計画の有効期間から、イベント広場の工事期間である約1年間を差し引いた約19年間としたものです。

(藤井とし子議員)
 整備費はいくらで、その額が妥当だという根拠は示せるのか。基金からはいくら活用されるのか。

(都市整備局長)
 本事業で整備するイベント広場等の特定公園施設の整備費は12億9,800万円で、そのうち本市負担額は11億6,820万円、残る1億2,980万円が事業者の負担となっています。
 整備費の妥当性については、この度の、特定公園施設の取得議案の前提となる建設・譲渡契約に係る仮契約を締結するに当たり、詳細な積算内訳書を提出させており、本市において、その内訳書の数量や単価、仕様等を精査し、要求水準や計画内容等に照らして妥当であることを確認しています。
 また、基金の活用については、本市負担額11億6,820万円の2分の1の5億8,410万円に基金を充当し、残りは国庫補助金を充当することとしています。

【再質問】
(藤井とし子議員)
 最後のひとつですけども旧球場跡地広場整備について伺います。公募に対して一社だけで、これも競争性もなくその条件が妥当なのかも分かりません。また市民の知らないところで決まってしまった感がどうしてもあります。これまでも都市活性化特別委員会でも議論されてきたこともありますけれども、全ての議員が説明を受けたわけでもないし、意見を言える場はなかったです。決まったけれども市民はもっと分からないというのが実態ではないでしょうか。
 このパークPFI制度は、そのものが議会の承認や市民の意見も聞くことになっていない制度です。とりわけ一社だけの応募で決定され、市民から見たら、事業者にすべて丸投げでいいのだろうかという懸念を持っても当然です。
 コロナも数年続くという専門家もいます。果たして1000人以上のイベントを年90日以上も想定した計画が見込み通り行くのかどうかも不明です。
 お聞きします。今回19年間という長期にわたる民設民営の指定管理を認めようとすることですが、こうした状況が続き、思うような収益が上げられなければ事業の撤退もあり得るのではと思いますが、そういった場合はどうなるのかお聞きいたします。

(都市整備局長)
 旧広島市民球場跡地の部分に関しまして、指定管理期間が19年と長いので、その間に事業者が撤退するようなことはないのか、そういう恐れがあるのではないか、そういった場合はどうするのかという質問だったと理解しています。
 枠組みをまず最初に申し上げますと、19年間とした理由は、先ほど申し上げたとおり、民間事業者による優良な投資を積極的に誘導しようということで、事業期間をしっかりと取ったという形になっております。
 本市と事業者とのリスク分担としましては、需要が変動した場合、その利用料金収入の減少がした場合は、原則として事業者側の方でリスクを負担するという形になってございます。
 例えば新型コロナウィルスのような事前に予測不可能な、不可抗力により自然災害的なもので大幅に利用料金の収入が減少した場合どうするかということについては、別途協議をしましょうという形で決めてございます。
 仮に途中で事業者が撤退をしたいということになった場合には、基本的には収益施設、喫茶店ですとかにつきましては、本市との協議の上、承認を得た上で別の事業者に承継させるとか、あるいは事業者の負担で施設を撤去して元に戻していただくという形になっております。
 特定公園施設の部分については、新たに指定管理者を公募するなどの方策を考えていくことになるかと思います。別途協議をするという形になるかと思います。

(藤井とし子議員)
 19年間ということで、どんな条件になるかわからないけれどもその都度考えるという答弁でしたが、儲けが出せなくなれば撤退するのが民間企業です。
 結局市が最終的に責任を取ることになる制度だと思うんですけれども、今PFI方式はもうやめる自治体も増えていると聞いております。
 議会の承認も必要なく、市民の意見も聞くようになっていない制度を利用して都市公園の整備から管理と運営まで任せ続けてよいのかが問われております。
 是非今後も市民の意見をもっと取り入れるようにするなど、慎重にするよう申し上げて終わります。

第112号議案 令和3年度広島市一般会計補正予算(第7号)
1.安佐南区の広島湯来線の道路の復旧工事について

(藤井とし子議員)
 安佐南区の広島湯来線の道路橋りょう施設の災害復旧工事について伺います。  
 県道71号線広島湯来線は湯来と戸山を結ぶ生活道路であると同時に、恵下埋めて処分場建設工事進入路であり、処分場稼働後にはごみ運搬車両の搬入路になるところです。
 今回の8月の大雨災害で道路面ごと斜面が崩壊し、現在車での通行ができなくなっています。私も地質の専門家の方と一緒に現地を見てきましたが、現場は、一番上のヘアピンカーブの路面ごと崩れ落ち、その下のヘアピンカーブまで崩壊した大量の土砂や木が堆積し通行できない状態です。また、この道路は恵下埋め立て地からの浸出水の戸山側の下水道に流すための放流管が埋められており、その埋められていた放流管はむき出しとなり、木が倒れた衝撃を受け、管の一部の接合部分が折れてしまい大きな穴が開いているのが確認できました。
 谷埋め盛り土だったところに、道路の上側の谷や道路から大量の雨が集中し、パイピング現象を起こして、盛り土だった道路ごと崩落したと思われます。災害前も道路のひび割れがひどかったという証言もあります。道路の舗装の厚さはよかったのか。放流管を埋めた舗装部分と道路の継ぎ目に隙間ができている部分も一部に見受けられました。放流管を埋めたことが崩壊の原因であったのではと指摘もあります。なぜ崩落したのか詳しい検証が必要と思います。
 この道路はいつごろ、どこが整備したのか。当時、重量級のトラックが頻繁に通行することを想定していたのでしょうか。

(道路交通局長)
 今回、被災した主要地方道広島湯来線は、昭和40年代後半から50年代前半にかけて広島県が道路改良事業を行い、昭和55年の政令指定都市への移行に伴い広島市が引き継いだ道路です。
 当時の工事関係資料が確認できないことから、大型車が頻繁に通行することを想定していたかどうかは分かりませんが、大型車の通行を規制しなければならないような道路ではありません。

(藤井とし子議員)
 昨今の異常な降雨量は今後もありうるという想定のもとに、道路崩壊の原因調査とともに、今後の復旧工事についてどうされるのかお答えくだい。

(道路交通局長)
 現在、被災に至った原因を把握するため、地盤工学の専門家などの協力を得て現地調査等を行っているところであり、再度被害が発生しないよう、どのような復伯方法が適しているか検討しているところです。
 広島湯来線は、安佐南区の戸山地区と佐伯区湯来町の水内地区を連絡する重要な路線であるとともに、今回被災した道路は、天皇原トンネルが完成するまでは、恵下埋立地への搬入路として利用する予定であるため、埋立地を所管する環境局とも連携して対応を進め、できる限り早期に復旧したいと考えています。

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