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日本共産党の藤井敏子です。日本共産党市議団を代表して討論を行います。反対する議案は、
第1号議案 令和3年度広島市一般会計予算、
第1号議案 令和3年度広島市一般会計予算に対する修正案
第9号議案 令和3年度広島市後期高齢者医療事業特別会計予算
第10号議案 令和3年度広島市介護保険事業特別会計予算
第12号議案 令和3年度広島市競輪事業特別会計予算
第16号議案 令和3年度広島市開発事業特別会計予算
第25号議案 広島市個人番号の利用に関する条例の一部改正について
第27号議案 広島市衛生関係手数料条例の一部改正について
第31号議案 広島市工業技術センター条例の一部改正について
第32号議案 広島市漁船巻揚施設条例の一部改正について
第42号議案 広島市介護保険条例の一部改正について
第53号議案 広島市と三次市との連携中枢都市圏形成に係る連携協約の締結に関する協議について
第54号議案及び第55号議案 広島市と連携市町との連携中枢都市圏形成に係る連携協約の変更の協議について(廿日市市と山口県周防大島町)
第57号議案 広島高速道路公社定款の変更に係る同意について
第58号議案 包括外部監査契約の締結について
以上の議案は反対です。
意見を付して賛成する議案は、
第37号議案 広島市こども医療費補助条例の一部改正について
その他の議案は賛成です。
はじめに、第1号議案令和3年度広島市一般会計予算及び第1号議案に対する修正案について反対の理由を述べます。
新年度予算は児童館の遊戯室のエアコン整備や精神障害者の通院医療費補助が拡大されるなど評価すべき事業も含まれておりますが大型開発事業優先で市民の命と暮らしを守る予算になっていないことが問題です。
まず第1に、コロナ対策関連費が不十分です。この1年間、コロナ禍ではっきりしたのは広島市の感染病床の不足や保健所の職員不足です。今後も予断を許さない状況が続きます。医療や保健所体制とPCR検査体制のさらなる拡充強化とともに医療介護保育士などのケア労働者の処遇の改善も必要です。
また、コロナの影響で減収や廃業に追い込まれている中小業者に対しての支援金や協力金は国県頼みです。市の独自支援策は共助を条件としているため、必要な人への支援が行き届いていない問題もこれまで何度も指摘してきましたが、コロナ対策関連費はとても十分とは言えません。共助にこだわらず、必要なところへの支援を強化すべきです。
第2に、4年間で財政が110億円足りなくなるというのに就学援助の認定基準の引き下げや、放課後児童クラブの有料化など市民に負担を押し付けようとしています。その一方で大型開発事業は聖域だといわんばかりに高速5号線整備に続き広島駅南口広場再整備事業など次々スタートさせることです。
特に問題として指摘したいのが、広島駅南口再整備事業です。当初の提案は総事業費155億円だったのを今議会直前に、世界に誇れる玄関口にするためにと次々事業費を追加し、2.3倍の360億円にまで膨らませ、しかも議会での十分な審議の場も保障せず、市の負担を実質100億円も増加させています。こうしたやり方は到底、認められません。
新年度の借金の返済額である公債費は991億円と膨らんでおり、ますます公債費が増え続け財政を一層、硬直化させ、将来世代に負担を押し付ける無責任な予算と言わざるを得ません。今やるべきことは子育て支援の削減ではなく大型開発事業の見直しです。よって反対します。
なお、第1号議案 広島市一般会計の修正案については、商工会議所ビルの移転にかかわるものです。長年の課題が実現するものであり、修正案には反対です。
第9号議案 令和3年度広島市後期高齢者医療事業特別会計予算
第10号議案 令和3年度広島市介護保険事業特別会計予算
第42号議案 広島市介護保険条例の一部改正について
以上の3議案は高齢者の医療介護にかかわる議案です。
高齢者の二人に一人が年金だけで暮らしています。頼みの年金額は新年度から0.1%の引き下げが確定しています。その上、令和2年度に引き上げられた後期高齢者医療保険料に続き介護保険料の引き上げは、一層高齢者の暮らしを圧迫することになります。国は今国会で、75歳以上の窓口負担の2倍化も狙われており、とても安心して老後を迎えられる状況にありません。これ以上の保険料や利用料、窓口負担の引き上げには反対します。市として国に対し、介護保険会計と後期高齢医療保険会計に対する国の負担割合を引き上げるよう求めるべきです。
第12号議案 令和3年広島市競輪事業特別会計予算です。
ギャンブル依存症の市民を増やすことにつながりかねない事業は雇用に配慮しながら早期に撤退すべきです。
第16号議案 令和3年度広島市開発事業特別会計予算について
大規模開発事業推進のために実施されているものであり反対です。
第25号議案 広島市個人番号の利用に関する条例の一部を改正する条例
この条例は、重度精神障碍者通院医療補助を始めるにあたって、その事務について市が事務処理に必要な個人情報を利用することができる範囲に加えるために必要な規則を定めるものです。また、すでにある医療給付関係情報、児童福祉法による措置に関する情報、障碍者関係情報、生活保護関係情報、地方税関係情報、障害者自立支援給付関係情報、子どもの医療費の補助に関する情報や、ひとり親家庭に係る補助に関する情報など市がすでに管理している特定個人情報、つまりマイナンバーの活用の範囲を新たに増やすものです。
マイナンバーの活用については、国が国民の個人情報の管理の一元化を目指しマイナンバーカードの普及に取り組んでいます。いずれ個人の預金口座にまで紐づけすることを狙っています。しかしどんなに情報漏洩を防ぐシステムを作ったとしても流出しないという保証はありません。本市においても個人情報保護の立場から、個人番号の活用の拡大はやめるべきです。
第27号議案 広島市衛生関係手数料条例の一部改正する条例
第31号議案 広島市工業技術センター条例の一部改正する条例
第32号議案 広島市漁船巻揚施設条例の一部改正する条例
以上3つの議案を一括して反対の理由を述べます。
どれも市民の営業にかかわる手数料を引き上げるもので、とりわけコロナの影響を大きく受けている業者にとって、負担増になる手数料の引き上げには賛成できません。
第53号議案 広島市と三次市との連携中枢都市圏形成に係る連携協約の締結に関する協議について
第54号議案と第55号議案
以上の3つの議案は、連携中枢都市圏形成に係る連携協約を新たに三次市と締結することと、すでに連携都市である廿日市市と山口県大島郡周防大島町との連携協約を変更するものです。
広域都市圏の将来像では、中枢都市である広島市に連携する周辺自治体の行政サービスの補完まで認めています。本来、こうしたことは、県が担うべき役割です。中枢都市が肩代わりしていけば、周辺自治体の自立性が損なわれ、県の役割も縮小し、地域の衰退を加速させていきかねません。自治体同士の連携を否定するものではありませんが、県をなくし、地域を消滅させる道州制の布石となる連携には反対です。
第57号議案 広島高速道路公社定款の変更に係る同意について
高速5号線二葉山トンネル工事は当初から地元住民や地質学者が地盤沈下の恐れがあると反対の声があがっていたにもかかわらず強引に工事着工してきたものです。より安全なシールド工法に変更するからと事業費を大きく膨らませてきた経過があります。
ところがそのシールド工法でも予測以上に岩盤が固く複雑で、何度も工事が中断し、掘削マシンの刃の交換がたびたび必要になり、さらなる事業費追加が予想されています。今後、掘削工事が住宅団地直下に差し掛かかります。今後も予想される頻繁な刃の交換による工事中断は地下水位を低下させ地盤沈下の原因となり、住民の暮らしを一層、脅かすものになっています。
今後、工事費もどこまで膨らむかわからないこんな無謀な工事は直ちに中止すべきです。
第58号議案 包括外部監査契約の締結について
この議案は公認会計士である中川和之氏と令和3年度も継続して包括外部監査契約を締結しようとするものです。
令和2年度の包括外部監査の報告の中で、赤字になるからこそ自治体が運営している社会福祉施設について、コスト論だけで廃止をという暴論を展開するような人物は地方自治体の監査人としてふさわしくありません。
次に、意見を付して賛成の議案は
第37号議案 広島市こども医療費補助条例の一部を改正についてです。
こどもの医療費補助については令和4年1月から通院補助を現行小学校3年までを小学校6年までに拡大しようとするものです。こどもの医療費補助は子育て支援の大きな柱です。この度、やっと通院が小学校6年までに拡大されましたが、他の自治体はすでに中学校卒業までが当然となり、同じ政令市の新潟市ではコロナ禍でもあり、新年度から中学校3年生から高校3年生までに拡大しています。本市でもあと5億円で中学校卒業までに拡大することができます。さらなる年齢の拡大とともに窓口負担の一層の軽減を求めます。
その他の議案は賛成です。以上討論を終わります。