サイト内検索
サイト内検索
1.第3次広島市男女共同参画基本計画について
2.アステールプラザのトイレ洋式化について
(近松さと子議員)
よろしくお願いいたします。最初に、2月の総括質問で取り上げました、男女共同参画基本計画について引き続きお聞きしたいと思います。
総括質問で紹介しました、東京オリンピック・パラリンピック組織委員会の森喜朗前会長の発言に対し「黙っていてはいけない」と多くの人が声をあげ、ジェンダー平等を前に進めるべきという機運が今大変高まっていると思います。日本は、特に女性の国会議員や女性の幹部が少ないために、政治や経済分野で女性の参画というのが大変遅れております。
世界では、国連から50/50 (フィフティ・フィフティ)というのが呼びかけられています。日本政府は、2020年に女性の登用を30%にするという目標を掲げてきましたが、昨年2020年代の早い時期にと実質的に10年後退させてしまいました。本当に残念です。本市でも、新たに第三次男女共同参画基本計画が作成され、女性の意思決定の場への参画については旗を振っていらっしゃる立場だと思うんですけれども、今広島市自身が女性職員の幹部の登用についてどのように取り組んでいこうとされているのかをお聞きしたいと思います。
第二次男女共同参画基本計画については、指標の多くが未達成でした。これは中国新聞にも大きく取り上げられておりましたが、達成できなかったことを含めて、どのように評価をされているんでしょうかお聞かせください。
(男女共同参画課長)
第二次広島市男女共同参画基本計画におきましては、33項目の指標を設定しておりますが、平成31年度実績におきましては、最終目標値を達成できている指標が5項目にとどまっております。個々の指標をみますと、平成28年度の第二次基本計画見直し時の数値は、前年度との比較によっては上回っている傾向にはありますが、設定した年次目標及び最終年度の目標の達成が困難なものが多い状況となっております。その要因と致しましては、社会全体において固定的な性別役割分担意識が根強く存在していること、またあらゆる分野において女性の参画機会の拡大が発展途上であることなどが考えられます。
(近松さと子議員)
そういう中で具体的に市民アンケートを取っていらっしゃるのを見ましたら、男は仕事・女は家庭という固定的な性別役割分担意識に同感しないという市民の割合が、女性が72%、男性が64%とと前回の調査から比べて10%も増えておりました。これについては嬉しい兆しだと思うんです。
確かに高齢世代の方は逆だったりするいう傾向はありますが、そういう固定的な性別役割分担意識に同感しないという市民意識が増えているというのは、本当に望ましいことではないかと思います。
そうしますと、なおさらこうした市民意識の変化に対して、政治や経済の分野の遅れというのは私たち議会もそうですし、企業ですとか団体など組織の取り組みの遅れに原因があると言わざるを得ません。第二次基本計画では、幹部職員への女性職員の登用について16%の目標に対して13.6%にとどまっています。これについてはどのように評価されていますか。
(人事課長)
令和2年4月時点における本市の管理職に占める女性の割合は13.6%となっておりまして、これは第二次広島市男女共同参画基本計画の年次目標である15.1%を下回っている状況でございます。
令和3年4月時点における割合につきましては、本年4月の定期人事異動により、女性管理職の昇任者が確定することをもって算出できますことから、現時点ではお答えできませんけれども、ここ数年毎年1ポイント程度増加しているという状況からすれば、最終目標である16%以上ということの達成は困難な状況であると考えております。
一方で、管理職に占める女性の割合でございますけれども、これがその計画策定前でございます平成27年4月時点で10.3%に対して、令和2年4月時点で13.6%となっておりまして、この5年間で着実に増加しているような状況でございます。
また、その課長級への昇任前の職位でございます課長補佐級や係長級を含めた役付職員に占める女性の割合も、平成27年4月時点の22.3%に対して28.8%となっており、次世代の育成も着実に進んでいるような状況でございます。
さらに、この5年間で消防職で初めて女性職員が管理職になるといったこともあり、職域の拡大も進んでいるとい状況でございます。
(近松さと子議員)
目標は達成することは困難であるけれども、少しずつでも前進をさせてきたという評価をされているようです。
それでは、第二次基本計画での16%とという女性幹部職員の登用の目標というのはどのような考えで設定されたんでしょうか。
(人事課長)
計画策定前である平成27年4月時点の管理職の割合が10.3%という数字をもとに、計画期間5年間における管理職の退職者数、それから課長補佐級の職員数、在級年数こういったものから、職種ごとに昇任する人数を推計し、目標として定めたものですが、具体的には退職者と同じ人数が昇任するものとして、職種ごとに昇任基準を満たす課長級職員の中から、課長級へ昇任する者の割合が男女ともに同じになるものとして推計をしたところです。
(近松さと子議員)
第三次の基本計画には、幹部職員への女性の登用の目標をどう設定されるつもりなんでしょうか。
(人事課長)
男女共同参画基本計画の管理職に占める女性の割合という目標につきましては、いわゆる女性活躍推進法に基づく本市の特定事業主行動計画である、広島市女性職員活躍推進プランで定める目標と同じ数値としております。このプランにつきましても、現行の計画期間が今年度末で終了することになっておりまして、現在次期計画を策定しているところでございます。
次期計画における目標については、現時点でお示しできる段階ではございませんけれども、先ほどご答弁いたしました目標設定の考え方を基本としつつ、令和7年度までの目標を定めた次期計画を年度内には策定するということにしております。
(近松さと子議員)
日本の女性は未だに家庭を持つかキャリアを追求するのか、どちらか選択を迫られていると言われております。
その状況を変えるには、一つは仕事と子育ての両立をできる条件づくりが欠かせないと思うんですけれども、どのように取り組もうとされているんでしょうか。
(人事課長)
本市の女性職員の方からも、育児等により長期間職場を離れたり、配慮を必要とする期間が生じることによって、その間のキャリア不足が管理職になる際の障害になるのではないかと考えられる方が多いといったご意見もございまして、女性職員が管理職になる上での障害を解消するためには、育児とキャリア形成の両立支援に取り組んでいるところでございます。
具体的な取り組みを申し上げますと、女性職員が中堅職員期に子育てなどで職務経験が制約されるということも考慮いたしまして、若いうちから幅広い職務経験を積んで将来のキャリアデザインがしやすくなるように、企画管理部門に計画的に配置するということであったり、中央省庁や自治体学校といった派遣研修の機会の充実を図っております。
また、育児休業から復帰する前の職員を対象とした育児休業復帰前講座において、本市の現況でありますとか、育児支援制度も説明するとともに、先輩職員からの経験談を聞く機会を設けて、職場復帰への不安の解消を図っております。
さらには、今後管理職への昇任時期を迎える課長補佐級の女性職員を対象に、同様の境遇を経験してきたロールモデルとなる先輩職員との交流の場を設けて、女性職員のキャリア形成の支援を図っております。
今後もこうした取り組みを推進していくとともに、職員一人ひとりが充実した家庭生活を送れるように、超過勤務の縮減あるいは休暇取得の促進に取り組みまして、すべての職員がその能力を十分に発揮して生き生きと活躍できる職場環境の整備に努めていきたいと考えております。
(近松さと子議員)
昨年中国新聞で女性活躍の特集がありましたが、出産したら仕事は二軍落ちで、家ではワンオペという働く女性の声を紹介していました。
残念ながら男性が長時間労働を担い、家庭責任を一人で背負うという日本の働く女性の姿がそこにあるわけです。
一つお聞きしたいのは、育休を取ったり、子育てでさまざまな配慮をしていただくとキャリアが遅れる、という二軍落ちといわれる女性の声がありましたが、そのギャップを埋める人材育成の責任は、雇用者である市にあると考えていらっしゃいますでしょうか。
(人事課長)
職員の採用から登用に至るあらゆる段階において、育成をしていくことが女性活躍推進法に基づく特定事業主行動計画の策定趣旨でございますので、こういった計画の中でしっかりと取り組みを定めていきたいと考えています。
(近松さと子議員)
今日は本当は男性の育児休暇のことも取り上げたかったんです。これはジェンダー平等世界ランキング1位のアイスランドの駐日大使へのインタビュー記事なんですけれども、男性を含めた育児休業制度ができ、8割が利用している中で、育児は女性の役割という無意識の偏見が取り除かれたと紹介をされております。
女性が自らの力を存分に発揮できる社会は、男性も家庭責任が果たせる、人間らしい働き方ができる社会だと思います。女性の参画によって得られる多様性は、必ず組織の活性化にも繋がると思いますので、しっかり取り組んでいただきたいと思います。
(近松さと子議員)
最後に、アステールプラザの女性用トイレについてお聞きしたいと思います。アステールプラザは大ホールと中ホールがあります。女性用トイレは全部で45室。洋式が20室、和式が25室です。私も年に何度か利用しますが、ホールで演劇や音楽を鑑賞をした際、休憩時間に多くの女性がトイレを利用します。しかし和式トイレは敬遠されて洋式トイレに集中するため、女性用トイレの前は大渋滞を起こしているんです。どのように対応されているのかお聞きします。
(文化振興課長)
催事の際に、男性用に比べ女性用が混雑するという状況があることから、男性用の一部を一時的に女性用として利用するなどの工夫により、混雑緩和に努めています。
(近松さと子議員)
男性用のトイレを利用しなくてはいけないというのは、女性としては本当に情けないという思いがするんです。非常時なら仕方がないと思うんですけれども、平常時に、せっかく文化に親しむためにホールを利用して、音楽を聴いたり演劇を見たりして気持ちが豊かになっている時に、トイレの洋式化が進んでないために男性用トイレに行かなくてはいけないというのは、国際平和文化都市の文化水準としてふさわしいのかなと思うんですけど、どう思われるでしょうか。
(文化振興課長)
洋式のトイレを増やすことができれば良いのですが、トイレの配置を変えずに数を増やすということで、苦肉の策ではありますが男性用トイレを一時的に女性の方に回したり、半券を持っていただいて、ロビーのトイレも使用していただくというような工夫をしております。
(近松さと子議員)
とにかく洋式のトイレが少ないという状況が問題なんだと思うんです。市民は今どこの家でも洋式のトイレが当たり前ですし、ましてや高齢の方だったら膝が悪いとか腰が痛いとかそういう理由で和式は敬遠されるんです。
文化に親しむ市民のために、市の責任でホールのトイレの洋式化をぜひ進めていただきたいと思います。