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海徳裕志議員(+3人共通の提案理由)
今田良治議員
谷口修議員
決議案第36号、海徳裕志議員に対する辞職勧告決議案について、提案者を代表して趣旨説明を行います。
まず、案文を朗読します。
(案文朗読)
今議会でも、3人の本市議会議員に対して、辞職勧告決議案を提出することに致しました。今回は、前回、9月定例市議会での辞職勧告決議の対象としなかった議員のうち、河井被告夫妻の裁判での証言で検察から問われて買収の金を受け取ったことを認められた議員、及び、9月定例市議会で対象とする予定でしたが、理由があって9月定例市議会全体を欠席されたため、弁明の機会を保障することができないと考え、対象から外した議員を対象としました。理由についてですが、3人の方に共通することから申し上げます。まず、前回申し上げた3点が重要です。
第一は、選挙での金にまつわる疑惑が繰り返されることが有権者の政治不信を招いてきたこと、公職選挙法では選挙買収と被買収だけでなく、どのような名目によるものでも議員や候補者には寄付が禁止され、罰則が定められていること、今回の問題では選挙を前にした時期に河井夫妻による現金の配布が行われたのであり、そのような行為を厳しく退けることが行われたのかどうかが問われていたということです。
第二は、河井夫妻から提供された現金を受領したのか、あるいは明確に拒否されたのかどうかが評価の分かれ目であること、これに関わったいずれの議員も、河井被告側の明確な違法行為を、検察などに通報することなく見逃してこられたことは、法に基づいて行政を監視する立場の議員として問題があったということです。さらに、議員の活動は市民の厳粛な信託によって行われるものであり、市民の市議会に対する信頼を維持することは我々市議会議員に課せられた重要な責務であり、議員の資格にかかわる事柄で疑惑を持たれた議員は、市民に対して十分な釈明ができ、疑惑を晴らすことができなければ、自ら責任をとって辞職するべきであること、これは刑事責任が明確になるかどうかとは別次元の責任であることです。
第三は、疑惑を指摘された政治家が40人いて、そのなかで広島市議会議員が3分の1を占めていることは、広島市議会にとって極めて不名誉な事態であることです。
また、前回9月定例市議会最終日の9月25日に今回の疑惑を抱えた議員も賛成して、疑惑のある議員一人一人に対して、広島市議会において事実関係を説明することを求める決議が採択されました。
それに先立つ7月18日には、「議員は公人であり、有権者への説明責任がある。今こそ、自らの政治生命を懸けての十分な説明を行うべきだ」との認識を明らかにし、「公人として市民への説明責任があることを強く認識し行動することにより、市民からの信頼回復に向けて全力を尽くすことを表明する」との決意を述べた決議を、疑惑のある議員を含めた全会一致で議決しました。
それにも拘らず、疑惑を抱えた議員の誰一人として、いまだに議会において自ら説明を行った、あるいはその予定が明らかになっている議員がいないというのは、一体どういうことでしょうか。市民、有権者の不信感は高まるばかりです。
また、検察によって起訴されていないから辞職しない、あるいは辞職する必要はないといった発言が、繰り返し聞こえてきています。前回辞職勧告の対象とした議員も今回辞職勧告の対象とした議員も、それぞれが明確に金を受け取ったことを認めておられます。検察が起訴しなくても、その受け取った金は違法な金です。法の裁きは免れても、違法な金を受け取った事実から逃れることはできません。
当選祝いや陣中見舞いとして受け取ったと言われる方もありました。しかし、安佐南区選出の河井案里被告が、以前から選挙区以外の議員にそのような名目の金を持って来たことはありえないことでしょうから、およそ3か月後の選挙での協力を目当てにしたものとしか考えられないことです。河井克行被告にしても、自分の選挙区内でさえ、そのような名目の金を持って来たことはなかったとの証言がありました。昨年の参議院選挙を前に初めてまとまった金を持って来たわけですから、妻である案里被告の選挙目当てであったことは誰でも考えうることです。
前回、9月定例市議会で辞職勧告決議案を提出した際、討論に立たれた議員が、検察が起訴していないのに、なぜ議会で辞職勧告を出すのか、日本は法治国家であるのに、これでは人民裁判ではないか、と批判されました。
よくお考えいただきたいのですが、日本では、法に基づいて、今回は公職選挙法ですが、法に違反していたとして罰則を適用するかどうかを判断するのは裁判所であるということです。しかし、検察が起訴しなければ、裁判所が法違反だと認定することはできません。
ここで考えることは、検察は明確な法違反に対して、必ず起訴するとは限らないということです。検察が起訴しないことに対して、検察審査会に起訴を求める提起が行われて起訴になった例はあります。また、今回の買収事件で、3回に渡って200万円もの金を受け取ったこと、その金の買収の意図を認識していたことを認めた議員でさえ起訴されていないという事実に対して、起訴すべきだという怒りの世論が報道されています。
起訴されないことをもって、被買収という公職選挙法違反を行っていないことにはならないと市民のみなさんもよくわかっておられるのです。
前回も申し上げましたが、当時の安芸太田町長さんを筆頭に8名の地方政治家が、すでに辞職されています。その中の一人、北広島町前議長だった宮本裕之さんは「政治的、道義的責任を取り、町民に対して、けじめをつけた」と語られたそうです。辞職された元議員は「辞めていくのは田舎の議員ばかり。なんで河井夫妻や県議、広島市議は辞めんのか。正直者がばかを見とる」と言われたそうです。
正直者がばかを見たんだよ、ということでいいんでしょうか。広島市議会議員は、市民に対して、けじめをつけなくていいのでしょうか。「けじめをつけ、出直すのが常識だ」という有権者、市民の声にどう向き合うのか。金を受け取ったと認めた議員を含めて、我々広島市議会議員に問われていることだと考えます。
そのような考えのもと、今回も辞職勧告決議案を提案いたしました。
なお、9月定例市議会で辞職勧告決議を提案した伊藤昭善議員が、12月8日の河井克行被告の公判で証言され、その中で、2回に渡って50万円を受け取られたことに加えて、「まさか、表面化するとは考えていなかった」「発覚するとは考えていなかった」と述べておられます。また、河井克行被告の衆議院選挙でも金を受け取っていたことを明らかにされました。違法だと十分認識されたうえで、買収金を受け取っておられるわけで、この行動は、明らかに議員の職務と両立しないものと考えます。伊藤議員に対する決議案は否決されましたが、あえて、指摘しておきます。
海徳裕志議員についてですが、本日は欠席と伺いましたが、事前に、弁明をされるか伺ったところ、決議案提出の判断は、任せるとの返事でありましたし、公判で現金の受領とその違法性の認識を明確に認めておられるので、提出することとしました。
海徳議員は、河井被告夫妻の公判にそれぞれ出廷され検察側の証人として証言をされました。その中で、2回に渡って計50万円の現金を受け取られたこと、その現金の趣旨が河井案里被告の参議院選挙での応援であることを認識しておられたことを明らかにされました。また、そのような違法行為を批判しないまでも、違法行為には加担できないと、直ちに返還の措置を取られなかったことを悔やんでおられることも述べられました。
そのような行動が、違法行為であり、本来司法で処断されるべきものであることは、決議案で述べている通りです。これは、議員の立場と両立できないことであり、海徳議員は一旦辞職されるべきであると考え、本決議案を提案いたしました。
ご賛同をお願いして、趣旨説明を終わります。
決議案第37号、今田良治議員に対する辞職勧告決議案について、趣旨説明を行います。まず、案文を朗読します。(案文朗読)
本決議案の提案理由についてですが、
今田良治議員は、河井克行被告の公判に検察側の証人として出廷され、ご自分が関わった現金の授受やその際の議員と被告双方の発言について証言されました。その中で、河井克行被告から2回に渡って計50万円の現金を受領されたこと、現金の趣旨が河井案里被告の参議院選挙での支援の要請であり、違法なものであることを認識しておられたことを明らかにされました。
また、現金を返還する意思はあったものの、返還されないままになっていたことも明らかにされました。さらに、50万円もの現金を選挙区内の団体に寄付されたことを証言されましたが、これは、公職選挙法が禁じる寄付行為に当たります。こうした事実が議員の立場と両立できないものであることは、決議案で述べているとおりです。
今田議員は、支援者や後援会の方々に申し訳ないと、公判で述べておられますが、投票された大勢の有権者が、今田議員の行動を注視しておられると思います。議員の立場と両立できない違法行為があった以上、一旦辞職されるべきだと考え、本決議案を提案いたしました。
ご賛同をお願いして趣旨説明といたします。
決議案第38号、谷口修議員に対する辞職勧告決議案について、提案者を代表して趣旨説明を行います。まず、案文を朗読します。(案文朗読)
本決議案の提案理由について申し上げます。
まず、谷口修議員は、7月の臨時議会において私どもが決議案を提出することを明らかにした日の翌日、私どもの会派控室に来られ、谷口議員に対する辞職勧告決議案を提出することを報道機関に明らかにしたことに対し、抗議をされました。
その際に、谷口議員は、河井克行被告が持ってきた金の趣旨について認識の違いがあるといったこと、ご自分が受け取るいわれのない金であること、そのため、その金をすぐに返却することはしなかったが保管しておられて、検察の聴取を受けた際に、その金を検察に提出されたとの趣旨のことを述べられました。また、ご自分が河井案里被告の選挙の応援をされたことはないことも強調されました。その時の、谷口議員のご主張は、そのまま承ったところですが、それでも、あえて辞職勧告決議を提出することにしました。
議員や公職の候補者は、公職選挙法において、本人が冠婚葬祭に直接出席する場合の祝儀や香典を除いてどのような名目によるものでも、一切の寄付行為が禁止されており、そもそも議員や候補者が、選挙区内の特定の個人のところに数十万円もの金を持ってくること自体が、異常で重大な問題です。
公職選挙法第221条第1項の買収などについての規定では、違法とする金銭の授受の時期は書いてありません。すでに河井案里被告は参議院選挙で広島選挙区への立候補を表明しており、二人しか当選できない選挙で、溝手氏を含め、自民党の候補が二人とも当選するのは、極めて厳しいであろうことは、私ども、自民党でないものを含めて選挙に関心のある人なら誰でも知っていることでした。その候補者や候補者の夫が、選挙を前にした時期に、特定の個人に数十万円という金を渡そうとすること自体、選挙のため以外に考えようがありません。その金をいったんは受け取られたこと、少なくとも直ちに返還の措置を取られなかったこと、問題の参議院選挙が終わった後も返還が行われず、検察の聴取を受けるまでそのままになっていたことは、買収の意図を持っていた河井被告の側にとっては、受け取ってもらえたということになるでしょう。
すでに、河井買収事件の公判で、検察側が、被買収者の一人として谷口議員の名前を挙げ認定し、昨日の公判で読み上げられた谷口議員の調書の中で、議員ご自身が、金の趣旨について買収の意図を認識されていたことが明らかにされています。
さらに、あえて、他の疑惑のある議員も含めて申し上げれば、このような、数十万円もの現金の提供という、公職選挙法に違反する悪質で重大な違法行為が行われたことについて、警察への通報を行わなかったことは、悪質・重大な違法行為を容認したことになります。氷代、モチ代など、どのような名目であるかに拘わらず、政治家同士の金のやりとりが日ごろからあって、こうした点での規範意識がなくなっていて、市民の常識からかけはなれているのではないでしょうか。この問題が明らかになったのは、法を守れと訴えた市民の検察への告発があったからです。本議会でも、規範意識の問題や道徳ということが議論されてきましたが、肝心の議員が規範意識に欠けていたということでしょう。これも議員の資格を問われることです。このことは、他の方々を含め、この事件に関わった議員すべてに言えることです。
以上の理由により、谷口修議員に対して、一旦は辞職されることを求めるべきと考えましたので、辞職勧告決議案を提案いたしました。
ご賛同をお願いして提案説明といたします。
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