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(藤井とし子議員)
第80号議案 令和2年度広島市一般会計補正予算(第5号)について意見を付して賛成の討論を行います。その他の議案は賛成です。
今回の補正予算は、新型コロナウイルス感染症緊急対策の第3弾として、国の第2次補正予算の確定に伴う臨時交付金65億円と一部奇付金を財源としたものです。感染症対策と感拡大防止策などコロナで減収などの影響を受けた事業者への直接支援が13事業含まれました。その他、活動再開支援策あわせて全28事業です。
以下2つの点について意見を述べます。
はじめに、観光業の回復と経済活動の両立を目指すとして、3つの事業がかかげられその1つが、プレミアム付宿泊券です。国のGOTOキャンペーンに先立って打ち出された市内への宿泊を促進し観光業界を支援する目的の事業です。プレミアム宿泊券の1回目は2億1500万円、今回はさらに3億円を追加するもので、発売範囲も県内と中国地域から四国地方まで拡大しようとするものです。2つ目は来訪者の滞在期間の延長を図り、観光消費を促すための体験型観光プログラム割引クーポンの発行3100万円です。3つめは感染症の影響により、修学旅行等の旅行費用の増加に苦慮している学校に対し、旅行費用を補助することで、本市への修学旅行を誘致推進するための予算2億4900万円。総額5億8千万円と経済活動の活性化を図るための予算です。
しかし、新型コロナの感染は完全に収束しておらず、7月に入って東京では連日3桁、昨日17日に東京で293名、全国では595人の新たな感染者が確認されています。広島市もこの間、連日感染者が確認され、感染病床はすでに逼迫直前です。今後も、東京からの感染拡大の影響は避けられません。
とくに、プレミアム付宿泊券は、新型コロナウイルスが人の移動が増えれば増えるほど拡大していく点から考えても、範囲が限定されているとはいえ、人の移動を促進するためのものであり、3億円も追加するのは大変疑問です。感染状況が悪化すれば、受け入れる宿泊業者も不安ばかりで安全な旅行の提供はできません。予約を受けてもキャンセルになることも予想されます。
行政が税金を使ってまで進めなくても、安全対策と医療体制が確立できれば、旅行に行きたい人は行くでしょう。
今行政に求められていることは、医療体制の拡充と症状がなくても必要な人のPCR検査がいつでも受けられる条件整備です。同時に、急がれるのは新型コロナの減収で困難を抱える観光業者や交通事業者への直接支援です。まず、こうしたことを最優先に取り組んでください。
国に対しては看護師や職員の賞与が払えないほど落ち込んでいる医療機関への減収補填、PCR検査の拡大とともに持続化給付金の2回目の実施を強く求めていただくよう要望しておきます。
2点目は学校の再開についてです。これまでの補正で非常勤講師50人、スクール・サポート・スタッフ278人を配置する予算が可決されてきました。これに加え、今回の補正では、326人の学習指導員が配置されることになっています。
多忙化を極める学校現場にとって、様々な支援をする人員の加配は待たれていることではありますが、当面の「助っ人」ではなく、「新しい生活様式」のもとで「3密」を解消できる20人学級への教育環境こそ求められています。
子どもにマスクの着用、手洗い、おしやべり禁止などの感染防止対策を指導するだけでは、公教育としての責任をはたすことにはなりません。
子どもの健康を守るためには、身体的距離を最低限1mから2m離す教育環境にすべきです。そのための教師の大幅増員とともに、施設整備の財源を国に求めるよう要望しておきます。
以上で討論を終わります。
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