議会での質問・答弁

2017年10月11日

2016年度決算特別委員会 総括質疑 藤井とし子議員

◆藤井 委員         藤井敏子です。日本共産党市議団を代表して総括質疑を行います。
 私は,二つのテーマで発通を出しておりますので,その順でいきたいと思います。
 まず初めに,市民の貧困化にどう対応してきたのかという,ちょっと漠然とした内容なんですけども,まず初めにですけれども,28年度の今,決算報告がありましたけれども,28年度の実質収支24億円の黒字,単年度収支も2年連続の黒字となっていると。目標も達成し,市債残高の抑制についても計画の目標を達成しているという報告がされました。
 そして,監査意見書では,市税,保育料,住宅使用料,国民健康保険料の収納率は前年度と比較すると全てで向上していると。公平性の観点から,引き続き収納率の向上に努められたいと,そういう意見書が報告されたわけですけれども,非常に市のほうとしては,いろんな再開発も進み,非常にまちづくりも進んでいるわけですけれども,一方,市民の暮らしというものがどうなのかという点で少し質問していきたいと思っております。収納率向上も必要ですけれども,市民の暮らしを無視したものであってはならないという思いで質問していきたいと思います。
 それで,市民の暮らしを見てみますと,今,格差と貧困の拡大,これはもう大変な社会問題になっているわけですが,子供の貧困が6人に1人と言われます。それは,子育て世代の貧困のあらわれだとも言えると思いますが,この間,安倍政権になってからも,この5年間で労働者の実質賃金は年額で約10万円も減り,家計消費は実質15カ月連続で対前年度比でマイナスとなっているということが,今,そういう調査もあります。また,国民の所得が全体として低下する中で,中間層の疲弊が深刻になっていると。こういう報告もあります。また,貯蓄ゼロの世帯は30.9%,1997年から2015年の間に3倍に急増しているという報告もあるわけです。
 こうした中で,広島市民も例外ではないと思うんですけれども,こうした経済的な格差と貧困が拡大しているという認識があるのかどうか,まず最初にお伺いします。

◎児高 健康福祉企画課長   経済的格差につきましては,所得の格差を示す指標としましてジニ係数がございます。広島市のデータではなく,全国のデータになりますが,このジニ係数を見ますと,平成17年と平成26年の10年間で,当初所得は0.5263から0.5704と格差が大きくなっていますが,社会保障や税による再分配後の所得では,0.3873から0.3759となっておりまして,格差はほぼ横ばいに抑えられております。
 貧困につきましては,これも全国データになりますが,相対的貧困率は平成18年から平成27年の10年間で15.7%から15.6%となっておりまして,ほぼ横ばいとなっております。
 また,本市におきましては,市内の有効求人倍率が,平成19年から平成28年までで1.09倍から1.98倍へ上昇し,雇用状況が改善しているほか,県内の最低賃金額が,平成20年度から平成29年度までで683円から818円へ増額されているところでございます。
 このような中で,本市の生活保護の被保護率は,平成19年度から平成25年度までは増加しておりましたが,平成26年度以降は減少に転じております。
 格差や貧困の問題につきましては,社会保障,雇用,教育などにより総合的に対応していくことが重要であり,これまでも生活困窮者自立支援や生活保護の就労支援,臨時福祉給付金の支給などに取り組んできておりますが,今後も必要な支援を推進してまいりたいと考えております。

◆藤井 委員         格差はあるけど,いろいろな分野で埋めてやってきているというようなお話だったと思うんです。ことしの国税局の調査では,低所得者がふえているという点では,正規雇用もふえているけど,非正規雇用もそれ以上にふえている。女性の雇用もふえているいうこともありますね。賃金は男性の半分という女性の雇用はふえている。あとは低所得者が確実にふえているということが言えると思うんですが,実質賃金を引き下げているという,こういう中で,やっぱりいかに格差を是正していくかという,そういう市の取り組み姿勢は,私,引き続きそれはしっかりとやってもらいたいと思うんですけれども,その中で28年度の国保料,後期高齢者医療保険料,介護保険料など,こういった保険料,市民の負担なんですけども,この収入未済件数,28年度の額と,あとその未収になった理由をそれぞれ教えていただければと思います。

◎沖村 保険年金課長     国民健康保険料の平成28年度の収入未済は3万3014世帯で,その金額は59億3988万2659円となっております。それと,収入未済となった主な原因でございますが,納期の失念等によるものが収入未済額全体の43.0%,失業中や無職といった納付資金不足を理由とするものが14.2%,休業や倒産などの業績不振等によるものが7.1%などとなっております。

◎南部 福祉医療担当課長   後期高齢者医療保険料の平成28年度の収入未済ですが,これは3,201人で,収入未済額は1億2230万2026円となっております。収入未済となっております主な原因は,納期の失念等によるものが全体の41.7%を占めておりまして,病気や生活困窮などにより納付できないものが13.8%となっております。

◎八木 介護保険課長     介護保険料の平成28年度におけます収入未済でございますけれども,延べ人数につきましては1万4150人,収入未済額につきましては4億7397万2531円となっております。収入未済となっております主な理由といたしましては,納期の失念によるものが全体の約35%を占めておりまして,病気や無職,生活困窮などにより納付できないものが約15%となっております。

◆藤井 委員         納期忘れが大体4割ぐらいあるということで,あと生活困窮,事業不振等が2割から3割。その他もあるということで前もって聞いたんですけども,それは折衝中ということで,理由がまだよく決めれないというお話だったと思うんです。
 その中には,生活困窮も含まれているということですので,実際には3割から4割は生活困窮,事業不振ということで払えないという方がふえているというふうに思うんですけれども,こうした市民の暮らしが悪化している中で,やっぱり市民の暮らし,市として守るべき社会保障に関する施策をもっと拡充して,所得の低い市民の負担はできるだけ減らしていくという,こういう努力が要ると思うんですが,具体的に介護保険,国保についてちょっと聞いていきたいと思います。
 介護保険料,これは制度が始まった時点と現在と,どれぐらいふえたのか教えてください。

◎八木 介護保険課長     平成12年度の介護保険制度開始時と比べまして,平成28年度の介護保険給付費は約2.9倍の810億円に膨らんでおります。その一方で,65歳以上の第1号被保険者の介護保険料の基準額は,制度開始当初の月額3,004円から現行の月額5,868円へと約1.95倍,2,864円増加しております。なお,介護保険料は,被保険者の所得段階によって金額が異なりますけれども,現行の保険料におきましては,消費税率を8%に引き上げた財源を活用いたしまして,生活保護受給者等が対象となる所得段階が第1段階の方に対し,基準額に対する割合を0.5から0.45に引き下げる負担軽減のほうを行っております。

◆藤井 委員         所得が同じなんだけれども,当初と,始まった平成12年度から28年度でいえば約1.9,約2倍なんですけども,これ年間にしたら3万6048円で,28年度は7万416円ということで,3万4368円ふえていることになりますよね。
 それともう一つ,国保料について聞いていきたいんですけども,国保料については,それぞれの世帯の構成上によっては全然変わってくるので,ちょっとモデル世帯で教えていただきたいんですが,例えば給与収入360万円で40歳以上65歳未満の夫婦と子供1人,こういった3人家族の場合,24年度というか,5年前と今の28年度のそれぞれ保険料は幾らになっているのか教えてください。

◎沖村 保険年金課長     世帯の給与収入360万円の40歳以上65歳未満の夫婦2人と子供1人の3人世帯のケースということでございますけども,平成24年度の国民健康保険料は約29万3000円,平成28年度は約35万4000円となっております。なお,平成24年度から28年度にかけまして,1人当たり医療費の伸びがプラス7.8%である中で,1人当たりの保険料は同程度,マイナス1.2%の伸びに抑えておるところでございます。

◆藤井 委員         ですから,29万3000円が35万4000円にふえる(藤井委員,ディスプレーに資料を表示する)。同じ所得で,家族であっても,ですね。それで,所得が変わらないのに年間でいえば6万1000円増加し,収入の約1割の国保料を払うという。これは本当に厳しい数字だと思うんですけれども,ここにもちょっとモデル世帯の今のをちょっと入れてみたんですが,非常に,所得税もあります。住民税もあります。国民年金は39万240円,それを合わせても93万1240円という,360万の収入のうちそれだけいろんな税や年金,保険料を出して暮らしていく。こういう世帯を具体的に基礎控除後の可処分所得からそういうのを引いていくと,月々8万9064円,12で割ったら8万9064円ぐらいで家族3人が暮らしていかないといけないという,こういう事態になるわけですけれども,これはまさに生活保護世帯を下回っていると思うんですけれども,生活保護でいえば1人世帯7万ちょっとですかね。それで言えば本当に厳しい生活になると思うんですが,これ質問にはしませんけども,という中で,国保についてちょっと具体的にもう少し詳しくちょっと聞いていきたいんですが,この親子3人,これで教育費も払わなければならないし,文化的な活動もできないんじゃないかと。私はそれをすごく,非常に厳しい生活になるというのをわかっていただけると思うんですけれども,今のように介護保険料が約2倍,国保料は1.2倍にふえて,収入が減っているのに保険料負担がふえている。国民年金保険料は10年間でこの間2万円も引き上げられ,特に深刻なのは国保料の問題です。高過ぎて払えない国保料,この引き下げをしてほしいというのは市民の本当に切実な願いなわけなんですけども,全国的な調査でも,国保世帯の所得は,90年代では平均270万,そして2015年には139万円という。国保に加入する人たちの所得が低い,所得が低い人たちが入っているのが,今,国保といってもいいんではないかと思うんです。
 それで,実際に収入のところでちょっと,これで28年度でこういうのをつくってみたんですけども,国保世帯総数が15万4685世帯で,そのうち収入が200万円未満の世帯が73.5%です。200万から300万世帯が約1万5796で12.8%,300から500が8.2%,あとは500万から上っていうのが5.5%,そして1000万円以上が1.8という,こういう構成なんですけれども,ですから圧倒的に年収300万未満の人が8割を超えているというのが,今,国保の実態ですけれども,これはこれで間違いないでしょうか。

◎沖村 保険年金課長     これ,収入というか,所得ベースということで,そういうことになろうかと思います。

◆藤井 委員         ということで,ここの世帯がどういう状態になっているのかいうのをちょっと私も見ていきたいんですけども,非常にこの間,滞納がふえて,その滞納に対するペナルティーというか,収納率を上げるために今やっていらっしゃるのが,差し押さえ件数が非常にふえているこの問題なんですけども,これもちょっと,ここで28年度までの報告があったのをまとめてみました。これでいきますと,平成25年には差し押さえ件数が総数で952だったのが,今度26年には1,311,平成27年には2,272件になり,平成28年度はまたもっとふえて2,466件とふえているわけですけども,このふえ方。ですから,ほとんど生活困窮の方が非常に滞納されている中で,これだけ差し押さえを行っているということで,非常に私もこの数字を見てびっくりしたわけなんです。できるだけ差し押さえはしないほうにというふうに,先ほど誰か委員の方も言われていましたけれども,こういう件数が年々ふえている。この事態についてなんですけども,国保料が高過ぎるという認識があるのかどうか教えてください。

◎沖村 保険年金課長     国民健康保険についてでございますけども,被保険者に占める高齢者や低所得者の割合が高く,また高齢化の進展等により1人当たりの医療費が年々増加傾向にあり,他の医療保険制度と比較して被保険者の負担は重くなっているということは認識いたしております。

◆藤井 委員         そうなんですね。重くなっているということで,ここ,差し押さえのちょっと詳しく説明していなかったんですけども,この青が預貯金の差し押さえ,その上が給与,年金を差し押さえた件数,その次466,これが生命保険,一番上がその他なんですけども,給与,年金を差し押さえてどうやって,ある程度残して差し押さえるって聞いたんですけども,実際その市民から見たら,給与がもう差し押さえられるいうたら,もう本当に生活っていうのは大変なことになると思うんです。また,生命保険でも,万が一のためにとっているものを差し押さえていくわけですから,こういったものをどんどんふやしていくということは,本当にやるべきことなのかなというふうに私は大変疑問に思うわけなんですけども,国保料が上がらないようにどういう努力をされてきたのか,教えてください。

◎沖村 保険年金課長     まず,国におきましてでございますけども,平成26年度に低所得者に対する保険料軽減措置の対象が拡大されておりまして,平成29年度まで4年連続で一層の拡大が図られておるところでございます。また,平成27年度には,低所得者が多い自治体への財政支援が全国で約1700億円拡充されまして,さらにそれに加えて,平成30年度から全国で約1700億円の追加拡充が行われることとされております。これによりまして,低所得者を含め保険料の伸びの抑制が図られるものと考えております。
 本市におきましても,倒産,解雇等により離職された方への保険料の軽減や,失業等により所得が減少し,保険料の納付が困難となった方への保険料の減免を行うとともに,医療機関の重複・頻回受診者を対象とする訪問指導,後発医薬品の差額通知,糖尿病性腎症重症化予防事業などにより医療費の適正化を図るほか,口座振替の促進等による保険料収納率向上に努めるなど,国保料の上昇抑制に努めてまいりました。
 今後とも,負担の公平化や制度の安定化等を図るため,必要に応じ国に対して財政支援の充実を要望するなど,被保険者の保険料負担が過度なものとならないよう取り組んでまいります。

◆藤井 委員         先ほどいろんな減免でされるということで,2割法定減免,5割,7割減免がされてきたことで救われる世帯もありますけれども,先ほど具体的な例に挙げました年収360万の世帯は,そういう減免の対象になるのかどうか,ちょっと確認。

◎沖村 保険年金課長     先ほどのモデルの360万のケースでございますけども,こちらにつきましては,法定軽減の対象にはなりません。

◆藤井 委員         ですので,いろんな減免制度を進めるいうのを大いにぜひやっていただきたいと思います。この360万で生活保護世帯を下回るような暮らしをしないといけないという,そういうところもしっかりやらないと,結局高過ぎる保険料を抱えて,払えずに滞納せざるを得なくなるという,そういう悪循環が断ち切れなくなるということを私は言いたいわけです。だから,市民から見たら,医療費全体が上がるから仕方がない,保険料を上げざるを得ないんだという,そういう仕組み自体がそうなんですけども,市民から見たら,勝手にこう,あなたは幾らですよとされるわけですよね。あなたはことしはこれだけ払ってくださいって。それが実際には払えなくても,これ払ってください。それを滞納したら徹底的に収納など取り立てをすると。ここを私はぜひ制度的な改善をするべきだと思うんですけれども,もっと市民の暮らしの実態に配慮した制度にするべきだと思うんですけれども,聞いてもいいですかね。どうでしょうか。

◎川添 健康福祉局長     国民健康保険につきましては,先ほど御答弁申し上げましたように,構造上,高齢者の方,それから職をお持ちでない方といったいわゆる低所得の方が多く加入されておられます。それに対しまして医療費がどんどん年々高くなっていくという構造上の問題を持っております。ということで,我々としましては,これは一広島市の制度ではございませんので,国に対しまして,いわゆる医療保険の被用者保険との一本化による負担の軽減,あるいは安定した医療の提供体制といったものを整備するように要望しているところでございます。

◆藤井 委員         国にしっかりと対応してもらうことを要望するとあわせて,市独自でも,均等割とか世帯割とか,そういう保険料のつくり方,算定の仕方自体も見直してもらいたいということを要望をしておきます。
 それで,もう一つ,滞納整理のことで,質問がちょっとごっちゃになって済みません。
 市税の滞納件数と差し押さえ件数,そうですね,聞くのを,ここでもう私が出してしまいましたね。これ。今,滞納の問題で,私,ここを今指摘しました。聞かずに自分でもう説明しましたけども,滞納が非常に多くなっていて,その中身も,預貯金,給与,生命保険,その他などが入っているわけですけども,本庁に今,収納対策部を設けて,滞納整理業務を集中させてこられました。これいつから始められたのか,また市民から相談しにくい場所になったのではないかというふうに思うんですけれども,それについてどうでしょうか。

◎森田 徴収第一課長     平成25年7月に,市税等の滞納整理事務につきまして,各区収納課と財政局税務部特別滞納整理課を集約し,収納対策部を設置いたしました。
 納付相談につきましては,収納対策部設置以前から,その大半が電話によるものであり,現在も電話による相談でおおむね対応ができているものと考えております。
 なお,直接お越しいただいての面談のほか,病気などの事情により収納対策部までお越しいただくことが難しい場合は,職員が御自宅に出向いております。

◆藤井 委員         この間,よく,そういう意味じゃ,収納率が上がってきて,差し押さえもどんどんやってきているという,その効果で収納率が上がっているというふうな面があると思うんですけども,この間いろんな私も相談を受けながらおるんですけども,なかなか本庁まで相談に行けないと。仕事休んで行かないといけないとか,相談に行ったら,行った人がマンションを売って払えとか,借りてきて一斉返済をしろと言われたとか,1年以内に完済しなければ差し押さえるなどとおどかされると。無理な返済計画を一方的に提起されるなど,こういう事態を言われる例があるんですけども,こういう事実は把握されているのでしょうか。

◎森田 徴収第一課長     滞納者の方は,さまざまな事情をお持ちの方でございますので,そういった事情を収納対策部のほうではお伺いしながら,納付相談を行っておるところでございます。

◆藤井 委員         私もいろんな相談も聞くんですけども,差し押さえるよっていうその言葉自体がもう,市民にとっては非常に恐ろしいというか,おどしに聞こえて,とても市民の立場に立ったようなやり方ではないなというふうに思うんですけれども,やっぱり市民の声をよく聞いて生活を支援する立場で丁寧な対応をできる仕組みが要るのではないかと思うんですけれども,それはどうでしょうか。

◎森田 徴収第一課長     納付義務者の方から納付が困難であるなどの相談があった場合には,生活の実態を踏まえた対応をしております。具体的には,地方税法第15条によりまして,災害や疾病などの重大な事情が生じた場合,最大2年の徴収猶予が認められていることを考慮いたしまして,この法定要件に満たない場合でも,生活の窮迫等,真にやむを得ない状況にある場合においては1年以内,担保の提供があれば2年以内での分割納付を認める取り扱いとしております。したがいまして,2年以内に完納できない納付義務者の方については,納期内納付者の方との公平性を確保するために,差し押さえ等の滞納処分を行うこととなりますが,財産調査や生活実態等を十分調査した上で,滞納処分により生活が著しく窮迫されるおそれがあると認められるときなどには,滞納処分の執行を停止することとしております。
 また,納付の相談の際に,生活困窮の問題を抱えた方などには,広島市くらしサポートセンター等の相談先を御案内しております。

◆藤井 委員         相談に行けば,いろいろとお話をして対応されているというふうなことだと思うんですけども,とにかく市民から見たら,なかなか相談に行きにくいというのはあると思うんです。ちょうど昨日,きのうですけども,直接相談がありまして,それがちょうど差し押さえ調書が突然届いて,もうどうしたらいいかいうんで非常に困ったいう方の話を聞いたんですが,この方はずっと延滞も入っていて,大体延滞料と合わせたら400万近く滞納で,金額としては本税は264万8000円ですけれども,それを差し押さえしますよと。これは売掛金を差し押さえと。ただ,この人は土木の仕事で従業員を雇っていらっしゃる。これを売掛金,10月までに払わないと差し押さえますよという相談なんですよね。これをそのまま受け取って,じゃ,これ差し押さえられたら従業員の給料も払えないし,もう来月からどうやるのか,もう廃業しないといけないのかいうぐらい死活問題,そういうこのお知らせが届いたということで相談です。よくよく聞いたら,5月,9月とか,この間6万円ずつ払ってきて,電話でずっと交渉をされていたんですね。それで突然こういうのが来たから一言も何もなしにこれが送りつけられて,かなり憤慨をされていたわけです。
 先ほども,電話相談で大体対応できるって言われましたけれども,電話でなくてやっぱり,直接やっぱり丁寧に,会って,こういうものを,相談に乗るというのが,私は必要ではないかと思うんです。先ほど,職員の方も病気になるとか,メンタルもなるとかいうふうに言われますけど,やはりこの相談者との信頼関係を持って滞納の分納計画なんかに乗れる仕組みがやっぱり要るんではないかと思うんですが,やはり全て本庁ではなくて,身近な区役所で一旦納付相談ができるようにすれば,滞納額が多額になる前に対応できると思うんですけれども,そういったことはどうでしょうか。

◎森田 徴収第一課長     収納対策部は,職員ごとの業務処理量の平準化を図るとともに,市長権限のもとで迅速,的確に処理をする体制を確保することや,複数の区で市税等を滞納している納付義務者に対して,各区が重複して折衝を行うことなく,収納対策部での一元的な対応を可能にすることなどを目的として設置されたものでございます。平成25年7月の設置後は,各徴収金の収納率も上昇し,その効果があらわれていることに加え,先ほど申し上げましたけど,納付相談が必要なときは電話による相談が可能であり,また直接お越しいただいての面談のほか,病気などの事情で収納対策部までお越しいただくことが難しい場合は,職員が出向いていくなどの体制をとっておりまして,この体制を維持することにより,適切に納付相談に対応していきたいと考えております。

◆藤井 委員         効率的にはいいかもしれないんですけども,市民の立場からしたら,もっと身近で,いろんな生活相談含めて納付相談もできるようにするべき,したほうがいいのではないかというのが私の要望であります。詳しく,また国保については分科会でやっていくことになるかと思います。
 また,低所得者にとっては,国保,介護,これはまさに命を守る大変な制度です。国保料も払うのも大変だけども,医療費の一部負担を払うのさえもっと大変なんですよね。そういう意味じゃ,低所得者に配慮したこの制度自体は,そういうきちっとした対応で配慮して,収納,そして滞納などについても分納相談など丁寧にやっていただきたいということを申し上げます。
 国保料についても,やっぱり世帯割とか,ああいうところの子供がいる世帯には,非常に世帯割,均等割というのでふえる仕組みになっています。そういうのも改善をぜひしていただきたいということを申し上げておきます。
 次に,事務・事業の見直し対象事業について幾つか質問いたします。
 今,市民の暮らしが大変だというふうなことを指摘してきました。いろいろ市も財政上いろいろあるからいうことで,事務・事業の見直しをされてきているわけですけども,この見直しはいつからどういった目的でされているのか教えてください。

◎中村 財政課長       事務・事業見直しについては,従来からさまざまな形で実施しておりますが,現在進めている取り組みは,平成23年度から実施しているものです。この取り組みは,全ての事務・事業について,事業目的に照らした事業の妥当性・必要性,事業手法の有効性・効率性,事業に対する市の関与のあり方などの観点から検証を行いまして,必要な見直しを行うことで,市民の行政ニーズに的確に対応し,より効率的・効果的な事務・事業の執行を確保するために実施しているものです。

◆藤井 委員         では,事業などもそうですけども,削減が主な狙いではないんでしょうか。そうでもない。

◎中村 財政課長       繰り返しになりますが,必要な見直しを行うことで,市民の行政ニーズに的確に対応し,より効率的・効果的な事務・事業の執行を確保するために実施しているものでございます。

◆藤井 委員         あくまでも削減のための見直しではないということで主張されていると思っていいかと思いますが,この間,見直しの対象となった事業は幾つあって,そのうち高齢者,子育て,障害者や教育関連の事業は幾つありますか。

◎中村 財政課長       平成24年度以降の当初予算に反映した事務・事業見直しは,計133件です。そのうち高齢者,子育て,障害者や教育関連の見直しは25件となっております。

◆藤井 委員         いろいろあるんですけども,こういう福祉的な,子育て,教育,非常に市民にとっても身近な大切な事業なども見直してこられたわけですけども,その一つに,26年度に障害児通園施設食費負担助成を新たに通園するものから廃止されていますが,廃止前の25年度の助成対象者数と,その決定額は幾らですか。

◎大上 障害自立支援課長   平成25年度に事務・事業の見直しを行った障害児通園施設の利用に係る保護者負担に対する助成には,障害児の通園施設の利用者負担に対する利用者負担助成と,食事の食材費等の実費負担に対する食費負担助成の二つがあります。そのうち利用者負担助成については,その対象が未就学の障害児の通園サービスを提供している施設のうち,旧児童福祉法規定施設の行うサービスに限定されていた不均衡を是正するため,平成26年10月から助成対象を全ての未就学の障害児の通園サービスに拡大いたしております。食費負担助成については,国の障害福祉サービス等の利用者負担の考え方において,食事の食材費等に係る食費は実費負担が基本原則とされている中で,低所得者に対しては減額措置が講じられています。国においては,食費負担の軽減対象となる低所得階層を,市民税所得割2万円未満の世帯から段階的に拡大し,現在は両親と障害児の3人世帯の場合,年収約890万円の世帯までが対象となっています。これに伴い,激変緩和措置として実施してきた本市の単市上乗せ措置の役割が薄れてきたことを踏まえ,本市独自の食費負担助成は,既に支給決定を受けている方については卒園時まで現行どおり助成するという経過措置を設けた上で,平成26年度に新たに通園するものから廃止いたしました。
 委員お尋ねのこの見直し前の平成25年度の食費負担助成の対象者数は,月平均約80人,決算額は146万3640円でございます。

◆藤井 委員         いろいろこの経過も話していただいたんですけども,要するに,80人受けていた146万円が削減になったということだと思うんですけども,こういう障害児の子供たちを抱えて働きながらしている方もいらっしゃると思うんですけども,そういうところも削減してきたというのは,これは事実だと思うんです。収入が890万以上だからという,それ以内は助成はしているからという,そういう理由も上げられますけども,子育て支援という視点からいっても,こういうところを削減するというのは,親の立場からもこれはもとに戻してほしいという声があります。
 28年度中に検討をしていて,29年度に予算に反映されたものはどういったものがありますか。

◎中村 財政課長       平成28年度におきましては,高齢者公共交通機関利用助成,ぽい捨て防止指導員による巡回パトロールの実施,放課後児童クラブ事業の3件の事務・事業見直しについて検討を行いまして,昨年11月,市議会に対して中間報告をさせていただきました。そのうち平成29年度当初予算に反映したものは,高齢者公共交通機関利用助成,ぽい捨て防止指導員による巡回パトロールの実施の2件であり,放課後児童クラブ事業は引き続き検討を行うこととしております。

◆藤井 委員         今,放課後のところを検討しているということだと思うんですが,高齢者公共交通機関利用助成制度は残してほしい,もとに戻してほしいというのが非常にたくさん私たちも聞いています。高齢者の福祉,子育て支援策をこういう対象にして削減するのは,私たちは反対をしているわけなんですけども,少子高齢化の中で子育て支援策の拡充が求められています。今後の事務・事業の見直しに関して,高齢者や子育て関連の予算削減のための見直しはやめるべきだと思いますが,どうでしょうか。

◎中村 財政課長       先ほど答弁いたしましたとおり,現在取り組んでいる事務・事業見直しは,全ての事務・事業について徹底した検証を行うことを通じて,市民の行政ニーズに的確に対応し,より効率的・効果的な事務・事業の執行を確保しようとするものでございます。委員御指摘の子育て支援策に限らず,各種施策の拡充にはその裏づけとなる財源が不可欠でありまして,事務・事業の見直しによる財源の捻出は必要と考えています。その見直しに当たっては,受益者負担の観点や自助,共助,公助のバランスも考慮しながら検討を進め,市民全体の福祉の増進を図っていきたいと考えております。

◆藤井 委員         そこが私は冷たいなというふうに思うわけです。いろいろ理由をつけながら,そういう分野を削減,結果的に削減をすることになってくるわけなんで,そこは本当に市民に温かい市政という目線で考えていただきたい。
 最後に,その一つだけ。特に子ども・子育て支援法に基づき,今,広島市子ども・子育て支援事業の計画が平成31年度まで策定されております。今後,放課後児童クラブの負担増や有料化の検討なども今されているというわけですけれども,これ一つだけとっても,市が進める全ての子供対象の子供・子育て支援を進めるということに対して負担をふやしていくというのは,こういう計画の中で負担を削減するという中身になっているのに,こういう趣旨に逆行するのではないかと思うんですが,いかがでしょうか。

◎松尾 放課後対策課長    広島市子ども・子育て支援事業計画の中に子育て家庭の経済的負担の軽減に取り組むという項目がございますので,放課後児童クラブ事業の事務・事業見直しがこの計画の趣旨に逆行するのではないかという質問でございました。
 平成27年3月に策定いたしました広島市子ども・子育て支援事業計画の趣旨は,全ての子供や子育て家庭を対象として,切れ目のない支援,多様で良質な子供・子育て支援,地域コミュニティーの中での子育て支援などを重点として,子供・子育て支援施策を推進していくことであると認識しております。こうした趣旨を踏まえまして,放課後児童クラブ事業については平成32年度からの基準条例の本則適用に向け,引き続き量的拡大を図るとともに,多様な就労形態に対応した市民ニーズなどに応えるため,今後サービス内容の一層の向上,すなわち子育て支援施策の充実を図っていきたいというふうに考えております。
 先ほど財政課長の答弁でも触れられましたけれども,サービス内容の一層の向上を図るためには,その安定的,持続的な運営を可能とするための財源確保が必要となります。そのため,自助,共助,公助のバランスを踏まえるとともに,利用するものと利用しないものとの負担の公平性の観点から,その負担のあり方を検討しているところでございます。こうした検討を行うことは,本市として子育て家庭の経済的負担の軽減に取り組むことと相反するものではなく,広島市子ども・子育て支援事業計画の趣旨に沿ったものであるというふうに考えております。

◆藤井 委員         市民のサービス向上言われますけども,利用者,保護者の声に基づいてやっていただきたいいうことを要望して終わります。