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日本共産党市議団を代表して、今議会に提案された議案に対して討論を行います。
まず、反対する議案は、第10号議案 一般職の職員の給与に関する条例などの一部を改正する条例、第14号議案 広島市競輪条例の一部を改正する条例、第19語議案 広島熊野道路の事業内容の変更にかかる同意についての3つの議案です。
意見を付して賛成するのは、第6号議案 令和元年度広島市一般会計補正予算、第15号議案 広島市子ども・子育て支援法に基づく科料に関する条例の一部改正について 第17号議案 広島市立学校条例及び広島市阿戸認定こども園条例の一部改正についてです。残りは賛成です。
反対する議案についてその理由をのべます。
第10号議案の条例改正は、国の法改正を受けて、非正規職員の任用根拠を厳格化し、約13600人の臨時・非常勤職員のうち1万人を新設した会計年度任用職員へ移行させ、処遇改善を行うというものです。本来、非正規職員の処遇改善としてもとめられるのは、本格的恒常的業務を担う非正規職員の正規化や均等待遇をはかることですが、同一労働同一賃金をもとめる均等待遇の流れからも女性が活躍できる社会の実現をめざす上でもこうした願いにこたえる制度にはなっていません。
第一に、会計年度任用職員は、一年間を期限とする会計年度単位です。毎年更新されるといっても、いつでも雇い止めが可能な有期雇用の非正規職員であることに変わりありません。正規と非正規職員の待遇格差は厳然と残されたまま一方で、正規職員並みに義務や処罰などが厳しく適用されることになります。
また、会計年度任用職員のフルタイムとパートタイムの新たな待遇格差が生まれました。会計年度任用職員職員への移行により、臨時職員の待遇が底上げされる点は評価できるものですが、放課後児童クラブ指導員や保育士・調理員などといった嘱託職員については、わずかな改善にとどまり、フルタイム職員にもうけられた退職手当もありません。均等待遇を求める立場からすれば「十分な」処遇改善であったと胸を張って答弁されることに違和感を覚えます。
第二に、正規職員と同じ勤務時間であるフルタイム職員の導入により、任期の定めのない常勤職員を中心とした公務運営の原則が掘りくずされることです。実際、来年度の実施に向けて、保育士では、これまで正規職員が担うとされてきたクラス担任にフルタイム職員を入れる計画が進められて、正規職員が削減されようとしています。業務の内容や責任の程度で区別するといいますが、保育の実態からすれば、正規から非正規への「置き換え」であり非正規職員の処遇改善には全くつながりません。
今回の法改正で、国は財政上の理由をもちだしてはならないとしていますが、それならば、国は人件費削減路線を中止し、非正規職員の処遇改善を進める十分な財源を早く自治体に示すべきということをもとめておきます。
次に、第14号議案の競輪場は、命名権を設け民間に売却しようというものですが、私たちは、公営ギャンブル自体に反対です。そもそも、本市の財政に売り上げを繰り入れるという公営ギャンブルの当初の目的は終了しました。収益を上げようとすればするほど、ギャンブル性の高い事業をすすめ、ギャンブル依存症患者を生み出すことにつながるので、事業の廃止をもとめます。
また、第19号議案は、広島熊野道路の通行料金の値上げをするという事業計画の変更です。消費税増税に合わせて、利用者に転嫁することであり同意できません。
次に、第6号議案・第15号議案・第17号議案の3つの議案に、意見を付します。
本議会の冒頭、松井市長は、3期目の市政運営に情熱を持って取り組むと所信表明しましたが、その中身が問題です。「広島を大改造する」といって、さらに大型公共事業に拍車をかけようとしています。国道2号線バイパス高架延伸、広島駅南口広場開発、アストラムラインの延伸、八丁堀・紙屋町の再開発やMICEの推進と次から次へと大型事業を推進することが、中枢都市としての役割だと強弁しました。しかし、人口減少時代を迎え、老朽化したインフラや公共施設の更新も必要というときに、市の財政を考えれば、身の丈を超えて、大風呂敷を広げられる状況でしょうか。
また、大型公共事業の財源の確保のためにくらしや福祉の予算を削減するのかとの私たちの指摘に対して、大型公共事業の財源の多くは、国費と市債の発行によって賄われることになっていることから、財源の確保のためにくらしや福祉の事業費の削減することはないといわれました。しかし、新年度予算の歳出をみれば、市債の返済に充てる公債費は800億円を超え、くらしや子育ての事業を拡充する予算の大きな障害になっています。市当局も過去、集中的かつ大量に発行してきた市債を着実に返済しながら事業を進めざるを得ないということを述べられているではありませんか。
更に言えば、大型公共事業は、将来の税源を生み出す都市の活性化につながるとしていますが、国の税制ともあいまって市税収入が増えているとはいい難い状況であるということを再度指摘しておきます。
今議会では、大型公共事業の推進に情熱を傾ける姿勢を強める一方で、昨年7月豪雨災害の被災者支援の継続を求める声に背を向けました。被災からまだ1年しかたっていないにもかかわらず、仮住居の提供を自宅再建のめどがついた被災者に限定しました。さらに、被災者の医療費窓口減免も1年で打ち切るとされました。8・20豪雨災害から1年半の後に発表された健康調査では、健康面や心理面で不安を抱える人が被災していない人に比べて多いという結果が出ているにもかかわらず、8・20災害の時と同じ対応だと一顧だにしません。被災者支援こそ、住民福祉の増進を目的とする市の最優先にすべき仕事ではありませんか。
次に、今回、幼児教育・保育無償化に関わる議案が補正予算と合わせて3つ出されました。政府が決めた「無償化」には、待機児問題を脇に置いて、保護者の経済的負担を軽減するということを名目に、政府が「劣悪で排除すべき」とした政府の指導監督基準に合致しない、保育士もいないかもしれない認可外保育施設まで、給付の対象にしていることです。
認可外保育施設は認可保育所に比べて、死亡事故が26倍も高いことが明らかにされていて、しかも、政府でさえ排除すべき施設としているものまで、税金による給付の対象にするのは、小さな子供たちに命の不公平を持ち込むものです。私たちは、広島市行政として、政府の指導監督基準に合致することを給付の条件とする、独自の条例を早急に制定することを求めます。
今回、新たに国により幼児教育と保育の無償化の財源が増やされたことで、広島市が単独で保育料軽減に充てていた財源のうち32億円の支出が必要なくなります。この財源を使って、実費徴収として有料化となった給食副食費を無償化するとともに保育士の処遇改善の拡充など待機児解消や子ども医療費助成の拡充などの子ども施策に充てるべきと求めておきます。
最後に、公費留学制度については、平和行政に一部のエリート職員を育成するというものです。高度な専門性や見識を備えた職員を育成することは必要ですが、そもそも平和行政は、市長の政治姿勢に左右します。核抑止力にもとづく核の傘にしがみつく日本政府へ遠慮してモノが言えず、被爆者を失望させる姿勢では、職員がどんな高度な知識を身に着けたとしてもその職責を果たせるのかはなはだ疑問です。以上の理由で、第6号議案の修正案に賛成します。
以上で討論を終わります。
日本共産党近松さと子です。
日本共産党市議団は、諮問第1号 軌道の道路上敷設(ふせつ)に関する意見について反対です。
市の財政が厳しい中で巨額の税金を使ってまで広島駅南口再開発事業を急ぐことに反対です。それを前提にした諮問なので支障なしと回答することに反対します。
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