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◆村上 委員
防災まちづくり事業について今日はお聞きをいたします。8.20の土石流災害から3年が経過したわけですけれども、その災害を経験した市民はいつどこで災害が起こってもおかしくない。わが身にいつ、自分たちの地域でという。そういう風に防災意識が高まってきているという風に思うんですけれども。そういう中で、広島市としても市民の災害対応能力向上や地域の災害の危険性を認識することなど、地域力を高めていくことで取り組みを強化されているわけなんですけれども、まず初めにわが町防災マップの作製についてお聞きをするんですけれども。現在マップということで言えば、洪水マップ・土砂災害マップとあるわけなんですけれども、わがまち防災マップはどういう違いがあるのでしょうか。
◎災害予防課長
洪水ハザードマップ・土砂災害マップにつきましては、法令等に基づき行政が主体となって小学校区単位で作成し、洪水想定区域などの災害リスクの情報を掲載しているものでございます。一方、わがまち防災マップにつきましては、地域が主体となって町内会単位で作成し、行政が提供する洪水想定・浸水想定区域などの災害リスクに加えまして、地域で確認したきめ細かい地域独自の危険情報等も掲載しております。このため、わがまち防災マップは住民目線で大変見やすく使いやすいものとなってございます。
◆村上 委員
地域が主体となって町内会単位で作成をするもので、本当に自分たちの身近な目線でのマップということなんですけれども、では具体的にどういう風に、どのような手順で作成をされているのでしょうか。
◎災害予防課長
わが町防災マップの作製にあたりましては、まずは地域で区役所や消防署とご相談いただきながらマップを作成する区域や作成方法、今後の進め方など話し合って決めていただきます。実際に作成地区が決まりますと本市が派遣するアドバイザーの指導の基、地域の方が図上訓練では地図上に防災上の問題点などを洗い出し、また、まち歩きでは地域の危険個所などを確認していただき、土砂災害などの災害リスクのほか、地域独自の危険箇所、避難経路や避難場所などを盛り込んだ地図を作成し、この地図を本市で印刷し地域の方々に配布しているものでございます。
◆村上 委員
じゃあそうやって作成されたマップはその後どういう活用方法を考えてらっしゃるのでしょうか。
◎災害予防課長
わが町防災マップにより、まず家庭におきましてはいざという時の避難場所や避難経路、危険個所などを確認していただくなど、災害時の重要な情報源として活用していただくほか、地域で行う避難訓練の際には、実際にこのマップを活用して、避難計画を立てていただきたいという風に考えております。
◆村上 委員
このマップなんですけれども、平成32年度までにすべての地区でマップを作成するという風に聞いているんですけれども、本会議の武田議員の答弁でもあったように市内には1900の地区があって、昨年度までに280地区が作成されていて、今年度半期で278地区が着工しているということですけれども、こういう現状で今後3年間で残り1200余りの地区で作成が可能なのでしょうか。
◎災害予防課長
広島県による土砂災害警戒区域等の指定の予定の時期を踏まえまして、平成27年度から平成32年度までの6年間で市内全ての自主防災組織、約1900ございますが、こちらの地区で作成する計画としております。この計画の中で、今後3年間で各年度概ね400地区の作成目標が達成できるように努力してまいります。
◆村上 委員
年間400地区を達成できるようにということなんですけど、今年度の予定が約400なので、このペースで行けば達成すると思うんですけれども、ただ私が心配しているのが、27年度から始まったこの取り組みで倍々で取り組みが進んでいるんですよね、これはおそらく災害を体験した地域、とりわけそういう地域が防災意識が高い地域で、マップ作りが進んでいるのではないかと思うんですけれども、そういう点ではこれからの3年間というのはいろいろ地区にも温度差がある中で、今言われた400地区を目指しての1902ということは難しいのではないかと思います。そういう意味では今まで以上に担当の方が力を発揮しなくてはならないという風に思うんですけれども、この点はどのようにお考えでしょうか。
◎危機管理室参与
先ほどの災害予防課長の説明通りですね、平成32年度までに全地区のわが町防災マップの作製を目標に取り組んでおりまして、徐々に各地区での作成が進んでいるところでございます。これまでの約2年間で、各地区のマップの完成品であるとか、作成の進め方などの実例や、経験を蓄積してまいりました。これから作成する地域の方にはこれらの情報を合わせて、マップ作製のメリットなどを十分に理解していただいて、県に説明をして、作成を加速していきたいと考えております。なお、作成に当たっては、本市が要請した防災士の方々に、地域の防災リーダーとしてご活躍いただきながら、危機管理室、区役所、消防署連携を密にして地域の実態に応じて対応を図ってまいりたいと思っております。
◆村上 委員
言われたように、すでに作っているところの実践といいますか、状況を広く知らせたりしながら、刺激を与えて1900の全地区がマップ作りを到達するようにという風に思います。
先ほどの答弁で言われました、防災士についてなんですけれども。この防災まちづくり事業のもう一つの柱である防災士についてお聞きをします。先ず防災士とはどのような人なのでしょうか。
◎災害予防課長
防災士とは、特定非営利活動法人日本防災士機構が認証する民間資格でございます。自助・共助・協働を原則として、社会の様々な場で減災と社会を防災向上の為の活躍が期待され、且つ、そのために防災に関する十分な知識・意識・技能を有するものとして認められた方を言います。
◆村上 委員
そういう人を広島市はこれから養成していこうということなんですけれども、資格を取得するにはどうしたらよろしいのでしょうか。
◎災害予防課長
本市が養成いたします防災士は、自主防災組織の会長の方から推薦された方に、本市が開催します2日間の研修講座を受講し、試験に合格していただくことにより、資格を取得することができます。
◆村上 委員
2日間の研修・講座を受けるということなんですけれども、今広島市が養成した防災士は何人いて、今後どういう目的・目標で養成されていくのでしょうか。
◎災害予防課長
本市の防災士養成につきましては、平成27年度から始めておりまして、現在146人おります。当面、平成32年度までに約1900の市内の自主防災組織の半数である、950人を目標に養成していきたいと考えております。
◆村上 委員
平成32年度までには950人ということなんですけれども、これは先ほどの1900地区があると言われたんですけれども、将来的には全地区を目標にされているという風に思っていいのでしょうか。
◎災害予防課長
最終的には、市内全自主防災組織ごとに1人ずつ養成したいと考えております。
◆村上 委員
資格を得た防災士は地域とどのように関わっていかれるのでしょうか。
◎災害予防課長
本市では地域の自主防災組織の会長をサポートする次世代の防災活動の担い手として防災士を養成しておりまして、資格取得後は防災訓練や研修会等の企画実施などの地域の防災活動に取り組んでいただきます。
◆村上 委員
地域の防災活動の上で大変重要な役割を果たす方だという風に思うんですけれども、資格を取ってそれでおしまいということではいけないと思うので、防災士のスキルアップや、養成した後の防災士同士の交流などが必要だという風に考えるんですけれども、何かお考えがあるのでしょうか。
◎災害予防課長
養成しました防災士の方が、地域の活動に取り組んでいただくためには、防災士の方のスキルアップや防災士同士の交流が必要であると考えております。このため防災士の資格取得者を対象に地域での防災活動に必要な知識やスキルの習得、また、防災士の方の情報交換の場とするフォローアップ研修を年2回実施しております。また、本年度から防災士がお互いに連絡を取り合え、交流ができるように防災士の名簿を作成し、その名簿を防災士同士で共有する取り組みも行っているところでございます。
◆村上 委員
防災士の資格を得るには自主防災会の会長さんの推薦がまずいるんだという風に言われましたけれども、そういう推薦を受けて、志をもって資格を取得されるという風に思うので、今後その方たちが中心になって地域の防災活動がより活発にできるということはとても望ましいという風に思うんですけれども、そういう点で私もある防災士さんからお話を聞いたときに、『いろいろな人と交流がしたい。別の地域の様子も聞きたい。』と言われていました。確かにそうだという風に思います。そういう交流の機会を作ることで、また自信や意欲にも繋がっていくという風に思うので、是非、実際の現場、防災士さんの声を聴きながらこういった取り組みも進めていっていただきたいと思います。
最後に防災訓練の実施についてなんですけれども、私たちは年に1回小学校区単位で持ち回りされている防災訓練に来賓として呼ばれて出席をしているんですけれども、この訓練は比較的大掛かりな訓練で、区役所と消防署と一体になって、マニュアルに沿ってやっていくというもので、それはそれで必要なこと、大切なことだと思うんですけれども、もっと小さい規模で、地域の実状を踏まえた防災訓練が必要ではないかと常図思っているところなんですけれども、具体的な事例があれば教えてください。
◎災害予防課長
地域によりましては想定される災害に違いがあることや、発災自壊も昼間に限らないことなどから、地域ではそれぞれ実状に応じたより実践的な防災訓練を実施されておられます。そこでいくつか実例をご紹介しますと、土砂災害を想定した避難訓練としては安佐北区の大林学区や、佐伯区の河内学区。洪水災害を想定した避難訓練としましては、安佐南区の祇園学区。津波被害を想定した避難訓練としては南区の宇品東学区。こういった地域に応じた災害リスクを想定した訓練のほか、佐伯区の彩が丘学区や、安佐南区梅林学区の八敷地区では夜間に訓練を実施されております。このほか、避難場所での要配慮者避難スペースの設置や、避難所での受付時間の短縮を図るための避難カードを事前に配布したり、外国人の避難のためのトイレなどへの多言語表示シートの活用などの工夫を凝らしている事例もございます。
◆村上 委員
土砂災害とか洪水とか津波とか、その災害の種別ごとに所単位で訓練がされていると。しかも、日中ではなくて夜間の時間帯もやられているということで、そういうことが必要だと思うんですね。それがやはり小さい単位だから、町内会だとかそういう単位だからこそできるのであって、一番わが身を守ろうとしたら、やはり住んでいる地域の自分の家の近くですら、そういうことをどんどん行われていくことを望んでいるんですけれども、そういう意味では先ほど先に答弁していただいたわが町防災マップは自分たちで、自分たちの地域のことについてマップを作って、それを今度は訓練に生かしていくとか、そういう活用ができるということで、より本当に身近なことになってくるという風に思うんです。私は今回この質問を取り上げようと思ったのが、実は私の住んでいる町内でもごく最近マップを作ったんですね。しれも、地域の人たちと一緒に消防署からの職員さんと一緒に歩いてチェックをしました。そしたらいろいろな発見もありました。消防車が入るのが困難な消防困難区域でもありますので、どこに消火栓があるのかというチェックもしながらマップを作り、これを回覧で回しました。普段、回覧は各1枚づつお取りくださいという回覧だと結構残っている場合があります。どなたか取っていらっしゃらないなというのがあるんですけれども、流石にマップはきれいに無くなっていました。その後、作製したマップをもとに学習会したんですね。その時には参加者の皆さんはちゃんとそのマップを持ってこられていました。そして次はうちの町内では何かなという課題を考えたときに、やはりうちの地域の災害で何が一番心配かといえば、土砂災害なんですけれども。先ずは土砂災害を想定した避難訓練をこの町内で行う。その時には避難するのに支援がいる方は誰が対応をするかとか、そういうところも含めて、そういう訓練ができたらいいなという風に思っているんです。それがまた、本当に1900それぞれの地区で、それぞれに合った訓練が繰り返し行われることによって、防災減災に強いまちづくりになるのではないかなという風に思っています。そういう意味では、今のマップができているという400の中に入っている地域ですけれども、まだ平成32年度までの取り組みを今言われたんですけれども、その後もまだ課題が残ると思いますので、引き続き地域の現状を踏まえながら、防災減災に強いまちづくりになるように取り組んでいただきたいと思います。