議会での質問・答弁

2016年02月25日

2016年第1回 2月定例会・予算特別委員会 2015年度関係議案に対する討論 中森辰一議員

2016年第1回 2月定例会・予算特別委員会 議員の発言へ

 

【発言内容】

≪反対の議案≫

1、第125号議案、第135号議案、第136号議案

2、第132号議案、第133号議案、第139号議案

3、第140号議案

4、第141号議案

5、第144号議案、第147号議案

≪意見を付して賛成の議案≫

1、第129号議案

≪賛成の議案≫

1、第125号の修正案、その他の議案


西区選出の中森辰一です。日本共産党市会議員団を代表して、上程された議案に対する討論を行います。
 上程された補正予算10議案と条例案など13議案、計23議案のうち、反対の議案は10の議案で、第125号、132、133、135、136、139、140、141、144、147号議案です。意見を付して賛成の議案は129号議案で、これを合わせて13の議案は賛成です。
 また、135号と136号にかかわる125号議案の修正案が出されましたが、この修正案には賛成です。

反対の議案

第125号議案、一般会計補正予算案、第135号議案、第136号議案

 まず、反対の議案について順次理由を述べます。
 第125号議案、一般会計補正予算案、第135号議案、第136号議案について、一括して理由を述べます。135号議案と136号議案は、市議会議員と特別職の職員の期末手当を0.1か月分引き上げようというものです。また、125号議案にはこれらにかかわる予算が含まれています。
 これは、一般職員の期末手当が0.1か月分引き上げられることに合わせて、同率で引き上げようというものになっています。一般職員は公務労働者として、社会経済情勢の中で引き上げが必要とされたことで改善されるものですが、議員や特別職は一般職員と同列に扱うわけにはいきません。
 あえて強調するまでもなく市の財政状況は厳しく歳入不足にいかに対応するかと市民にも負担を求めるような状況の中で、あえて議員や特別職の給与を引き上げることは市民の理解を得られません。以上の理由で、第125号議案、第135号議案、136号議案に反対し、合わせて、これを削除しようという第125号議案の修正案には賛成します。
 その上で第125号議案に掲げられたいくつかの項目について、意見を述べておきます。
まず、入札不調で遅れている小中学校の校舎耐震化などは、今年度の予算で必ず完了できるよう着実な取り組みを求めます。
 次に、子宮頸がんワクチンの定期接種以前に、広島市で行われた任意接種による重篤な副反応被害者への補償は当然のものです。問題は、他に補償すべき被害者がいないのかどうかを市として責任をもって調べ救いあげるようにする取り組みが必要だということと、子宮頸がんの危険を避ける最大の取り組みである子宮頸がん検診の受診率が低いということです。受診率について、高い目標を決めて着実な改善が図られるよう求めておきます。
 次に、民間保育園の公定価格の引き上げは、すでに年度当初から実施済みのものを、この時期に補正として計上したものです。
 この引き上げは「質の改善」分だとされていますが、基本的に保育士の処遇改善につながっていなければならないものです。しかし、この引き上げ部分の意味・内容が十分民間保育園側に説明されず、保育園側はこの扱いに戸惑っていたようです。故に、この引き上げ分がしっかりと処遇改善につながっているのか、基本給引き上げになっているのかどうかわかりません。広島市行政としては、この点を調査し、必要なら基本給引き上げにつながるような取り組みをされるよう求めておきます。
 一方、全産業平均との比較で月に10万円ほども低いと言われる民間保育士の給与格差は依然として大きく、抜本的に保育士の処遇改善ができるような、思い切った公定価格引き上げを国に求めていただきたいし、市の努力も求めておきます。
 125号議案には、マイナンバーにかかわる補正予算も含まれており、危険な制度にまた巨額の予算を注ぎこむものですが、140号議案のところで改めて意見を述べます。


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>第132号議案、第133号議案、第139号議案

 次に、第132号議案、開発事業特別会計補正予算は、若草町地区市街地再開発事業で貸し付けたお金が繰り上げ返済されたものを、半分は市債の繰り上げ返済に充て、半分は本会計の基金に繰り入れるものです。せっかくの20億円もの資金を、大型開発事業の元手の一部となる開発事業基金に繰り入れることは、不要不急の大型開発事業の準備であり反対です。
 また、第133号議案、下水道事業会計補正予算は、下水道施設の一部を指定管理者に管理させようとするものですが、指定管理制度は、一番の目的であった経費削減が限界であり、必要性がない指定管理制度はやめるべきだという立場から反対です。
 第139号議案は、国の政策により企業が本社機能を移転・拡充する際にそのための投資に対して減税しようとするものの一環です。それに合わせて地方が競争で減税措置をとるのはいかがなものでしょうか。企業は、利益を追求するための活動方針に沿って本社機能の移転・拡充を行うわけで、3年間固定資産税を減税するから移転したりするわけではありません。
 一部企業に対する優遇税制の最たるものが国の研究開発減税ですが、2014年度の研究開発減税額は6746億円もあり、その9割が300兆円以上も内部留保をため込んでいる大企業で、トヨタ一社だけで1084億円も減税されました。研究開発は企業の利益の源泉であり、そんな大企業に減税する必要などありません。これと同様の発想です。
 大きな利益を上げている企業だからこそ一層の利益を上げるために本社機能を拡充したり、一部を他に移そうかということになります。企業が必要と判断すればそんなインセンティブはなくても、移転もしようし拡充もするでしょう。いろいろな理屈をつけて大もうけしている企業ほど減税枠を広げようという政府の優遇措置の一環であり、そのようなものに地方が踊らされて貴重な税源を減らす必要はないと考えます。その程度のインセンティブで来るような企業が、広島市を大事に思い定着してくれるのでしょうか。はなはだ疑問です。


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第140号議案

 第140号議案は、マイナンバー制度に関わり、個人番号カードを持った人がコンビニでも印鑑証明をとることができるようにしようというものです。マイナンバー制度では大量の個人情報が行政だけでなく膨大な数の民間企業でも扱えるようにしようとしており、コンビニで各種証明書をとれるようにすることもその一つです。今後、銀行などの企業や団体にも広げていこうというのが政府の目論見です。行政機関だけでなく、全国のコンビニを含めて、膨大な数の民間企業や団体がオンラインでつながるわけです。
 行政の内部だけでも危険性があるのに、民間企業まで扱う範囲を広げれば広げるほど情報漏えいの危険性が高まることになり、今回の条例改定は情報漏えいの危険性を一層広げるものと言うほかありません。
 コンビニを使うのが便利だという考えばかりが広がれば、個人カードの紛失など一層の危険があります。個人の重大な不利益がある危険性を知らせるべきです。
 マイナンバーは、市民にも地方行政にも重大な情報漏えいの不安と負担をかけるもの。その範囲をさらに広げようという議案には反対です。


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第141号議案

 第141号議案の焦点は、指定都市高速道路5号線の工事費を80億円増やすところにあります。これまでもトンネルの工事方法を変えたために110億円も増やしましたが、さらに増額することになります。トンネル工事は掘ってみなければわからないことが多く、広島市での工事でもたびたび工事費の増額変更をしてきました。工事費がどこまで膨れ上がるかわからず、必要性のない5号線工事は中止の決断をするべきです。


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第144号議案、第147号議案

 第144号議案は、戸山農業集落排水施設を指定管理者に管理指定しようとする議案ですが、第133号議案と同じ理由で、反対です。
 第147号議案は、湯来町恵下地区にごみ埋め立て場を建設する工事請負契約を締結しようとするものです。
 地元の恵下地区の方々、浸出水の放流ルートとなり、ゴミ処分場関係の大型車両が毎日多数通過するルートとなる戸山地区の方々を含む市民の方たちが、計画の見直しを求める請願を提出しておられます。現計画のままでは、豊かな自然環境と住民の生活環境に深刻な影響を及ぼす可能性があり、それに対して、具体的な改善提案がいくつも地元などからなされています。そうしたことに真摯に答え、地元の合意を得る努力の余地が、まだあると考えます。そうした余地を残したままの工事契約の議案は見切り発車だと言わねばなりません。
 これに関して出された新たな請願は、処分場建設に反対ではありません。施設が環境に悪影響を与えないよう、住民の生活環境に悪影響を及ぼさないよう、最大限の安全を考えた計画に見直すよう求めています。ゴミ処分場は、施設がつくられる地元やごみの搬送ルートとなる住民だけの問題ではなく市民全体の問題で、市民全体の声を聞く必要があります。
 さらに、未だ全用地面積の1割余りも用地取得できていない段階で、工事請負契約を行うことも問題です。現段階での工事発注には賛成できません。


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意見を付して賛成の議案

第129号議案 

 次に、意見を付して賛成の第129号議案、国民健康保険事業特別会計補正予算について意見を述べます。
 年々保険料が引き上げられてきていますが、被保険者市民の所得は増えるどころか、実質減少しており、保険料の引き上げは市民生活を苦しめています。そのことは、どのような市の取り組みによっても、収納率が87%前後のまま改善がないことに表れています。国保料は、誰でも払えるものにできるような仕組みが必要です。
 さしあたって来年度、政府が実施する市町村国保への財政支援は、全額保険料引き下げに活用されるよう求めておきます。
以上、討論といたします

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2016年第1回 2月定例会・予算特別委員会 議員の発言へ