サイト内検索
サイト内検索
【発言項目】
8、再質問
(中森辰一議員)
まず、核兵器廃絶の課題について伺います。
今年10月、国連では核兵器禁止条約の交渉開始に向けた議論が本格化します。5月の第2回会合には市長も出席され、発言された、ジュネーブでの「多国間核軍縮交渉の前進に関する公開作業部会」が、国連総会に対し、「2017年に核兵器禁止条約の交渉開始を勧告する報告」を採択したことを受けてのものです。
採択の際は、193の国連加盟国うち、107か国が支持しました。こうした核兵器廃絶に向けた画期的な前進を作り出したのは、核兵器の非人道性、残虐性を訴え続けてきた被爆者のみなさんをはじめとする世界の反核平和の運動、市民社会の運動の力です。メキシコ代表は「この20年間で最も重要な核軍縮への貢献」だと称えています。まさに、核兵器のない世界の実現に近づく歴史的な成果ですが、直接働きかけを行われた市長として、この報告をどのように受け止められたか伺います。
(市長)
中森議員からのご質問にお答えします。「核兵器廃絶に向けて」のうち、「多国間核軍縮交渉の前進に関する公開作業部会で採択された報告に対する受け止め」についてのご質問がございました。
この作業部会は、各国政府の法的措置の議論がどこまで前進するかという極めて重要な会合であり、私も5月会合に出席し、核保有国、非核保有国が対立構造ではなく、相互理解と多様性を尊重する中で議論し、核兵器廃絶を明確に決意する環境を創出するべきだと訴えたところです。
2月、5月、8月の3階の議論を取りまとめた今回の報告書の採択により、核兵器禁止条約制定に向け、現在開催されている国連総会で議論が本格化することが見込まれ、大きく歩を進めることになればと期待しています。
平和首長会議では、これまでの作業部会において公開書簡を公式文書として出席者に配布するなどの取組をしてきましたが、引き続き、共同する幅広い市民社会の声として核保有国や核の傘の下にある国を含むすべての国が核兵器禁止条約について建設的な議論に参加するよう求めていきたいと思います。
その他のご質問については、関係局長から答弁いたします。
(中森辰一議員)
今や、核兵器廃絶は世界の大きな流れとなっており、この勧告を国連総会が実現させなければなりません。
しかし、国連総会では、新たな核兵器禁止条約を求める諸国と、これを阻もうとする核兵器保有国や核の傘に依存する諸国との間で厳しい対立が予想されます。さきごろ、アジア諸国の35か国から87の政党が参加したアジア政党国際会議がマレーシアで開催され、最終日に採択されたクアラルンプール宣言には、「核兵器禁止条約のすみやかな交渉開始を呼びかける」との文章が入ることになっていました。ところが、中国共産党が、宣言起草委員会の場では最終的に賛成したにもかかわらず、採決の直前になって、この文章を強硬に削除させてしまいました。会議の民主的運営を踏みにじってまで、自国の主張を通してしまったわけです。
このように、核保有国が核兵器に固執する態度をむき出しにするのは、核兵器廃絶を求める世界の大多数の世論に追い詰められてのことだと考えます。こうした状況の中で、当然に日本政府の対応も問われます。ところが、唯一の被爆国である日本は、核兵器は国の安全保障に役立つとの立場で、国連作業部会でも、核兵器保有国が会議をボイコットする中で、核保有国の代弁者となって、核兵器廃絶を遠い将来に先送りする段階論の立場に立つ議論を行い、一貫して核兵器禁止条約交渉開始を妨害する側に立ちました。
また、今年8月6日の慰霊式で安倍首相は「広島および長崎で起こった悲惨な経験を二度とくり返させてはならない」と挨拶したにもかかわらず、その後、オバマ米大統領が検討している核兵器の先制不使用宣言に対し「抑止力を弱める」として反対する意向をアメリカ政府側に伝えたことがアメリカのワシントン・ポストの報道により明らかとなりました。世界が注目する場で述べたことと、実際の行動が正反対の“二枚舌”を使い被爆地の願いに背を向ける安倍政権に、被爆地として厳しく抗議すべきではないでしょうか。市長のお考えを伺います。
今や、被爆国である日本政府が核保有国とともに『核兵器のない世界』へのもっとも大きな障害となっています。核兵器廃絶を訴えながら、一方で核抑止力に依存する立場をとる日本政府を市長はどう評価しておられるのでしょうか。答弁を求めます。
(市民局長)
本市は、日本政府に対し、長崎市とともに、先月、米国の核兵器の先制不使用など核政策の見直しの実現を後押しすることを求める書簡を、また今月には、第71回国連総会において、核兵器の法的禁止の2017年中の交渉開始に賛同が得られるよう、核保有国と非核保有国の双方に協力を得ながら、これまで以上に力強いリーダーシップを発揮することを求める書簡を提出したところです。
本市としては、日本政府にはあくまで、「核兵器のない世界」ノ実現という目標に向けて、本市や平和首長会議と考えを共有した上で、核保有国と非核保有国の橋渡し役として、引き続き積極的な外交努力を続けていただきたいと考えています。
(中森辰一議員)
被爆者の呼びかけにより、核兵器を禁止し廃絶する条約を結ぶことをすべての国に求める「ヒロシマ・ナガサキの被爆者が訴える核兵器廃絶国際署名」が、今年4月から世界的規模でスタートしました。世界で数億の署名数をめざしています。この被爆者たちの最後ともいえる運動を成功させることが求められます。被爆地の自治体として、この国際署名を率先して進め、我が国政府の姿勢も変えていくことが必要だと考えますが、広島市としては、どのように取り組まれるお考えでしょうか。答弁を求めます。
(市民局長)
平成28年4月より、日本原水爆被害者団体協議会が主体となって新たに買いしだれた「広島・長崎の被爆者が訴える核兵器廃絶国際署名」の趣意書によると、この署名は、速やかな核兵器廃絶を願い、核兵器を禁止し廃絶する条約を結ぶことをすべての国に求めることを目的としています。
一方、広島市長が会長を務める平和首長会議では、「核兵器禁止条約」の早期実現に向け、平成22年から交渉開始を求める市民署名活動に取り組んでおり、これまで242万筆を超える署名を集めています。
両社の署名は、最終的に同じ目的を掲げたものであるため、協力していきたいと考えており、現在、その内容について、平和首長会議の関係団体や日本原水爆被害者団体協議会と協議を行っているところです。
(中森辰一議員)
次に、77名もの犠牲者を出した8月20日の広島の豪雨災害から丸2年たちました。改めて犠牲になられた方々に心より哀悼の意を表します。
被災後2年たった今でも、「自宅再建をあきらめ、家賃の支払いが新たに始まった。年金生活者には大きな負担だ」「災害が怖くて自宅を再建する気にならない。早く売却したいが売れない」「新たな住宅ローンを抱えた」など被災された方々から様々な不安の声が聴かれます。
復興の基本は被災者が安心して暮らせる地域と以前の暮らしを1日も早く取り戻すこと。広島の豪雨災害後、2次避難所は仮設住宅ではなく公営住宅と借り上げ住宅で対応してきました。被災者にとっては最終的な終の棲家としての住宅の確保とコミュニティの再建が一番の課題です。
そこで伺いします。
被災から2年たって、被災者の生活再建がどこまで進んでいるのか、どういった困難を抱えているのか、市の行政として把握する必要があると思います。
被災した世帯は4,380世帯、10,688人、床上浸水1,084棟、床下浸水3,080棟、全壊179棟、半壊217棟ですが、そのうち自宅を再建できた世帯は何世帯で、どのような形で再建を果たされたのか、再建できていない世帯は何世帯で、なぜ再建できていないのか、把握しておられる内容を教えてください。
(健康福祉局長)
持ち家で半壊以上の被害を受けた世帯の住宅再建の状況について、義援金の配分状況に基づいて申し上げますと、9月21日時点で316世帯のうち約64%の202世帯が住宅を再建されています。その内訳は、約41%の131世帯が被災地域内において、約23%の71世帯が被災地域外において、それぞれ住宅を再建されています。
持ち家の住宅を再建されていない理由としては、砂防堰堤の整備が完了していない地域があることや、砂防堰堤の整備が完了した地域でも官僚から間がないことから、住宅を再建することを検討中である被災者がおられること、また、住宅を再建されず、借家による生活再建を行われた被災者がおられるなど、様々な事情があると考えられます。
(中森辰一議員)
生活再建支援の一つとして、第4次義援金が、床上浸水したところと一部損壊したところに配分されることになり今年4月から開始されましたが、第2次配分を申請したうち、第4次配分の対象に類似した申請者およそ900件に比べて、第4次配分の申請件数が極めて少ないと聞いていますが、第4次配分について、どのように周知されたのでしょうか。
きちんと知らされないので、対象者であるのに義援金を受けられない世帯があってはなりません。改めて、対象世帯全員に対して周知徹底するべきだと思いますが、どうされるか伺います。また、領収書が必要かどうかについて行き違いもあったようですが、なくてもいいことも知らせる必要があると考えますが、どうされるか、答弁を求めます。
(企画総務局長)
8・20豪雨災害の義援金の第4次配分については、被災世帯に広く周知を図るため、町内会・自治会を通じて、義援金の配分対象や受付の要領等をお知らせするチラシにより、被災世帯への周知を行うとともに、市民と市政や本市ホームページなどでも周知を図り、さらに、報道機関への情報提供も行っております。
したがって、被災世帯への周知は相当図られていると考えていますが、4月の受付開始から半年を経過することから、さらなる広報を行うこととしています。
また、義援金の申請書には、再建費用を支払ったことが確認できる書類として、括弧書きで「領収書の写し」と記載し、添付をお願いしていますが、実際の取り扱いでは、他の方法であっても申請を受理しています。
こうした点については、企画総務局総務課もしくは区役所区政調整課において義援金受付の相談に応じる際、丁寧に説明させていただいています。
(中森辰一議員)
次に、子どもの医療費補助制度について伺います。
広島市では、子ども医療費の補助制度について、条例改正を行い、来年1月から対象年齢を引き上げ、入院は中学3年生まで、通院は小学3年生まで広げます。他方で、新たな所得制限を設け、それを超えると一部負担が最高で月に4倍ないしは6倍に引き上げられました。これに対して、多くの市民から批判の声が上がっています。
厚生労働省が、昨年4月時点で全国がどういう状況かを調査したものがありますが、これを見ますと、全国1741市区町村のうち、入院の対象が中学3年生まであるのは85.5%で、広島市はやっと、この水準に追いつきました。しかし、広島市のように通院が小学3年生までしかないのは18.4%で、広島市はなお、圧倒的少数派に留まっています。
さらに、所得制限がない市町村は80.5%であり、これまた、広島市は圧倒的少数派です。自己負担がない市町村も59.2%、約6割の市町村の制度で自己負担がなく、広島市はここでも全国の流れから大きく立ち遅れています。ましてや、所得制限の中に新たな所得制限を設けるのは広島市以外にはありません。
全国のすべての市町村が子どもの医療費補助制度を実施しており、その必要性は全国民の世論になっています。つまり、これを実施することには全国民の合意があると考えられます。故に、子どもの医療費負担をなくすというのは国が実施すべき課題です。
しかし、それにもかかわらず、国は未だに実施していません。国民的な合意があるわけですから、国が実施するように全国の自治体が声を上げなければなりません。
同時に、国が実施していない以上、子どもたちの命と健康を守るために必要であり住民との合意があるこの制度を、全国の自治体がそれぞれの住民の要求と合意にもとづいて、より高い水準の制度を実施することが必要です。
なぜなら、この制度は、次代を担うすべての子どもたちの命を守り、健やかな成長を保障するためにもっとも重要な施策のひとつであり、この制度を筆頭とするいわゆる子育て支援制度が十分に力を発揮するかどうかは、今後の自治体の地域、あるいは日本社会全体の存続に関わるものだからです。私たちの社会にとって、この制度の重要性は、他のあれこれの施策よりも、より高いものとならざるを得ません。
現在の広島市の制度は、対象年齢が全国で最低となっているだけではありません。所得制限があるという点でも全国の最低クラスの一つであり、その上さらに一部負担があることで全国の最低クラスの一つなのです。昨年の6月定例市議会の一般質問で、私は対象年齢だけを取り上げて、広島市の制度は全国の市町村の中でも、政令市の中でも、広島県内でも最低、または最低クラスの制度だと指摘しましたが、実は、その他にも2つの最低があったわけです。
来年1月から、入院は中学卒業まで、通院は小学3年生まで拡げることになっています。これ自体は大いに評価するものです。
ところが、肝心の、医療の入り口である通院で3歳分年齢引き上げをやるのと引き換えに、新たな所得制限を設け、一部負担を大幅に引き上げてしまったことは、取り立てて高い所得でもない子育て世帯の間に分断を持ち込み、制度としては大きく後退したと言わざるを得ません。対象年齢以外の所得制限と一部負担という二つの最低が残ったままなのに、最低の中にさらに全国に例のない二重の所得制限という最悪の制度を導入してしまいました。
かつて鳥取県では、道路や橋はいつでもできるが、成長する子どもたちへの施策は待ったなしだと、子どもたちの施策を優先しました。行き場がない子どもたちの居場所をつくる自立援助ホームの設置でも広島よりはるかに先行して進められていました。広島市では、採算性がなく必要性も乏しいと繰り返し批判してきた高速道路5号線や広島駅周辺開発に巨額の税金を投入していますが、それに比べると、待ったなしの子ども施策の優先順位が低いと言わざるを得ません。
広島市は、私たちが、他の自治体の水準より低いと批判すると、「自治体がその内容を競うべきではない」と反論してこられましたが、この言い分は、広島市のこの制度への優先順位が低いことへの言い訳に過ぎません。
全国に例がない二重の所得制限は、全国に対して恥ずかしい制度だと言わねばなりません。私たちは、このような考え方が全国に波及するのではないかと心配しています。
新しい制度のスタートは来年の1月からですから、まだ修正するのに遅くはありません。この所得制限の中の所得制限規定を削除する条例改正を行うべきです。私が申し上げたことに対しての市長の見解と、二重の所得制限規定の削除について、どうされるか答弁を求めます。
(健康福祉局長)
子どもの医療費補助制度については、本来、国が整備すべきものであり、自治体間で内容を競い、これを評価すべきものではないと考えます。したがって、国に制度の創設を要望していますが、国にその動きがないことから、本市において、厳しい財政状況の中でも、子どもの医療支援を優先して充実させる必要があると考え、対象年齢を大幅に拡大しました。
その際、経済的な理由によって必要な医療が受けられないことがないよう、低所得層の受診抑止に配慮した上で、全体とし公平感が感じられるようにしつつ、世代を超え、社会全体で負担を分かち合うようにするため、受益層の中でも一定の所得のある層に対し、所得に応じた最低限の負担を求めることとしました。
本年3月に可決いただいたこの制度改正について、「引き続き更なる充実に向けて取り組むことを求める」旨の付帯決議を踏まえ、来年1月から制度を円滑に施行したうえで、その後に施行実態等の調査を行い、関係者の意見もうかがいながら、他都市の状況、本市の子育て施策や財政状況等もみて、本制度の更なる充実に向けて検討していきたいと考えています。
(中森辰一議員)
次は、保育園の待機児の問題です。まず、2つの事例を紹介します。
2人の子どもの母親のAさんは、第1子が9か月の時、保育園の入所を申し込みましたが、入所の緊急度が低いという理由で「保留」扱いになりました。その後、第2子を妊娠したため一旦入所をあきらめることにしました。そして、第2子出産後直ぐに保育園探しを再開しましたが、今年4月に入所できたのは第2子だけで、上の子はまたも「保留」。兄弟2人一緒に入れるところはどこもなく、別々の保育園でもいいからと必死に探しましたが、自転車で通える範囲内では0歳児の下の子だけだったのです。Aさんは再び2歳児の長男を連れて求職活動と保育所探しに走り回りました。
同じように第2子を出産したBさんは、上の子と同じ保育園には入れないと言われ、育児休暇の延長も検討しました。しかし、無給になることと、上の子が保育園を退園になるのではと考え、上の子と同じ保育園に入所希望を出しつつ2か所の保育園の送迎を頑張りました。
こうした事例をはじめ、希望する保育園に入れなかった、広島市が「入所待ち児童数」としている実際の待機児童数は、今年4月1日時点で587人にもなり、この9月1日時点では882人に急速に増えています。年度末には1,000人を超えることでしょう。
広島市においては、「待機児童ゼロ」を目指して定員増を図ってきたところではありますが、この現状をどのように受け止めておられるでしょうか。答弁を求めます。
何度も言ってきましたが、たとえ年度初めに待機児童数がゼロになっても、年度の途中で待機児童が何百人もいたのでは、本当の待機児童ゼロとは言えません。ところが、これだけたくさんの待機児童がいるのに、来年度以降の定員増の計画は示されていません。どうされるお考えか、答弁を求めます。
(こども未来局長)
本年4月1日において、就労などに寄り保育の必要性があるにもかかわらず、保育園に入園できない児童が587人となっていることについては、保育需要の高まりが地区ごとにむらがあるにもかかわらず、それへの対応が十分にできていない状況にあるためと考えております。
そのため、本市としては、まずは国が定義する待機児童の解消に向けて取り組んでいくこととし、地区ごとの保育需要について、社会・経済状況による潜在的な需要の喚起をより精緻に反映させたうえで、受け入れ枠を十分に確保できるようにしていきたいと考えています。
なお、本年4月に生じた待機児童を緊急に解消するための方策として、本年度当初から予定している幼稚園の認定子ども塩化や小規模保育事業所の新設に加え、季節保育園の増築・分煙、認可外保育施設の認可開港や、追加公募による小規模保育事業所の新設を含め、平成29年4月までに約660人の受入枠確保に取り組むこととしています。
(中森辰一議員)
前述のAさんは、保育サービスアドバイザーから認可外保育園や小規模保育園等の施設を紹介されましたが、住所と電話番号が書かれたものを渡されただけで、周辺の環境や園の様子などわかりません。逆に「あなたが行ってみて教えてください。」と言われたそうです。何のためのアドバイザーなのかと不信感をもったということでした。これでは情報提供とは言えません。こうしたこともきちんと把握してアドバイスしようとすれば、アドバイザーを増やすことが必要なのではないでしょうか。増員を含め保育サービスアドバイザーのあり方についてお考えを伺っておきます。
(こども未来局長)
今回の議員のご指摘については、全区14人の保育サービスアドバイザーに確認したところ、いずれも資料の提供だけで、相談を済ませている認識はないとのことでした。
しかしながら、必要な情報提供がなかったとの受け止めをされた保護者がいるということについては、しっかりと受け止め、今後そのような受け止めをされるようなことのないよう必要な改善を図ってまいります。
なお、今後の在り方に関しては、入園状況を踏まえながら、保育サービスアドバイザーの質の維持・向上をするために必要な増員等を検討していきたいと考えています。
(中森辰一議員)
子どもの保育園を選ぶとき、「空いているならどこでもいい」いうわけにはいきません。新制度になっていろんな種類の施設が増えても、それぞれが定員いっぱいにならない施設があることは保護者のニーズに合っていないということではないでしょうか。やはり、認可保育園をしっかり増やして対応する以外にはないと考えますが、市長のお考えを伺います。答弁を求めます。
(こども未来局長)
小規模保育事業及び地域枠を有する事業所内保育事業については、定員が不足する地域において、認可保育園の分煙整備、幼稚園の認定子ども塩化を図る中でさらに地域の事情に配慮した対応をするために実施してきているものです。9月時点で、これらの事業の実施状況は、17施設、247人の定員に対して、229人が入園し、充足率は9割程度となっており、保護者のニーズにおおむね沿っているものと考えています。
こうしたことから、待機児童の解消に当たっては、保育需要の地域偏在などを考慮しながら、多様な手法により必要となる受入枠を確実に確保していきたいと考えています。
(中森辰一議員)
次は、就学援助についてです。
厚生労働省の発表によると、我が国は、子どもの貧困率が16.3%と経済的に豊かな先進20か国のうち4番目に高い貧困大国です。政府も、「子どもの貧困対策の推進に関する法律」を制定し、さらに「子供の貧困対策に関する大綱」を策定しました。子どもの貧困対策は国をあげての緊急課題です。
こうした中で、一定の所得以下の小中学生の世帯に給食費や学用品費を支給する就学援助は、義務教育だけというものではありますが、お金の心配なく学ぶことを保障する制度です。本市でも、就学援助の利用が年々増加し広島市立の小中学校では児童生徒の3割を超えています。
今、この就学援助の制度のうち、新入学時に必要となる、学用品や制服などを購入するための「新入学準備金」について、金額が実態に見合っていないということと、支給時期が、遅すぎるということが問題になっています。広島市では、「新入学準備金」の支給が、入学後の5月ごろになり、入学時に間に合いません。
「新入学準備金」の額は、小学校で20,470円、中学校23,550円ですが、実際の入学時にはどれくらいのお金がいるか、この4月に小学校に入学した子どもの保護者に聞きますと、基準服、体操服、給食着、クレヨン、算数セット、ピアニカ、上履きとおよそ35,000円、これにランドセルが4万円程度はするので7万円を超える費用がかかります。中学校に入学した子どもの保護者に聞くと、「10万円を超えた。制服が夏服も冬服もいる。中のポロシャツも校章が入っているのでどれでもいいというわけにはいかないし、洗い替えも必要。運動部に入る子はさらに大きく増える。」ということでした。全国では、制服をそろえるために闇金に手を出したり、入学式に欠席する児童生徒がいるということが報道されています。広島市教育委員会として、こうした状況をどのようにお考えでしょうか。現行の支給金額との関係でお答えください。
(教育長)
本市の就学援助は、全ての児童生徒が教育の機会均等の精神に基づき、義務教育を円滑に受けることができるよう配慮すべきという考えのもと、国が示した基準通り支給しており、適切な額であると考えています。
(中森辰一議員)
また、教育委員会として、こんなにお金がかかることを容認しているのであれば、実際に必要な金額に即した「新入学準備金」に大幅に引き上げるべきではないでしょうか。2万円そこそこでいいはずだと言うなら、少なくとも学用品は学校側で提供するなど、必要な措置をとるべきではないでしょうか。答弁を求めます。
(教育長)
ただいま申し上げましたように、本市の就学援助は、国の基準に基づき支給しており、支給額の引き上げは考えておりません。
しかしながら、学用品のうちでも、国語辞典のように児童生徒が共用できるものは学校が購入する、鍵盤ハーモニカの本体は学校が購入して吹き口のみを保護者に購入してもらうなど、保護者の経済負担が大きくならないよう配慮した取り組みを行っています。
(中森辰一議員)
「新入学準備金」の支給時期が遅れるという問題に対して、支給時期を入学前に改善する自治体が生まれています。福岡市では、小中学校に入学前の保護者に1月中に就学援助の申請をするように求め、支給決定したら3月中旬に保護者の口座に振り込むことにしています。新潟市でも今年からこれまでの8月を3月支給へ改善したということです。
文科省も、こうした早期の支給について、「援助を必要とする時期に速やかに支給できるよう十分配慮するように」という通知を出しました。
本市でも、援助が必要な時期に合わせて、「新入学準備金」の支給時期を入学前に改善していただきたいのですが、どうされるか答弁を求めます。
(教育長)
先程馬庭議員にご答弁した通り、就学援助費の支給時期の見直しについては、保護者の実情に配慮しながら、検討していきたいと考えております。
(中森辰一議員)
次に、国民健康保険制度について伺います。
再来年、2018年から国保の都道府県単位化が行われます。都道府県単位化といっても、都道府県が担うのは国保の全体の運営でしかなく、「資格管理」「保険給付」「保健事業」等、医療保険としての実質部分はすべて市町村が担うことになっています。法律では、保険を実施する保険者は「都道府県と市町村」となっています。
国民健康保険の特徴は、75歳以上が加入する後期高齢者医療制度と他の被用者保険に加入できないすべての人が加入しているところにあります。その中でも特に、近年、失業者や非正規労働者の比率が高くなり、また、74歳までの年金受給者の保険となっています。つまり、全国民の中でも低所得の世帯の比率が大変高いのが特徴です。
同時に、その性格として、国民健康保険法第1条に明示されているとおり、すべての国民に医療を保障する社会保障制度の重要な一翼を担っており、国民の命と健康を守るために、国民健康保険は極めて大きな役割を果たしています。
以上について、まず市長のご認識を伺っておきます。
(健康福祉局長)
国民健康保険は、他の医療保険制度に加入していない全ての方を加入対象とする医療保険制度であり、国民の生命・健康を守るため、国民皆保険の基礎として重要な役割を果たしているものと認識しています。
(中森辰一議員)
国民健康保険には構造的な問題として、常態化している法定外繰り入れや赤字決算の問題が全国的に指摘されています。その原因は、国保加入者が支払う保険料の負担が限界を超えているということです。
広島市では2年前に、国保の県単位化を前提に、保険料算定方式を変更したために、低中所得世帯の保険料が大幅に上がり、そのうち特に所得の低い層について4年間の激変緩和措置を実施中で、今年度はその3年目です。その激変緩和措置がないものとした本来の保険料を所得段階と家族構成で4つのモデルを設定し、年間保険料と収入に対する保険料の負担率を計算してみました。
① 給与収入200万円の2人世帯の国民健康保険料は、208,260円で、負担率は10.4%、
② 給与収入300万円の4人世帯の保険料は、346,206円で、負担率は11.5%、
③ 給与収入400万円の4人世帯の保険料は、475,886円で、負担率は11.9%、
④ 年金収入200万円の65歳の2人世帯の保険料は、97,002円で、負担率は 4.9%、となりました。
収入が少なく、生活がぎりぎりの世帯に対して、現役世代の保険料負担率は11%前後にもなっています。年金世帯でも約5%の負担です。ちなみに、4人家族のモデルの場合の生活保護基準がいくらになるかを計算すると、安倍政権が切り下げた生活保護基準ですが、1年間の保護費で約290万円になりました。保護費が切り下げられる前は300万円を超えていました。
4人の家族が生活しなければならないのに生活保護基準程度の収入しかない。そういう家族から11%もの所得を奪ってしまう。生活保護を受給していれば必要ない負担であり、低所得者に極めて過酷な制度になっています。実際は、この上に同じぐらいの国民年金保険料がかぶさります。国が国民に保障した最低限の生活費を国保だけで約35万円も切り下げてしまう制度でいいのでしょうか。
さらに、同じモデルで年間収入が350万円に50万円増えるだけで負担率は14.2%と3ポイントも跳ね上がり、年間収入400万円より負担率が高くなる逆転現象もあります。こんな制度が公正な制度と言えるのでしょうか。
市長は、広島市民の国保料の負担率の実態について、どのように認識しておられるでしょうか。答弁を求めます。
(健康福祉局長)
国民健康保険は、被保険者に占める高齢者や低所得者の割合が高く、財政基盤が脆弱であるという構造的な問題を抱えています。
また、高齢化や医療の高度化等に寄り医療費が増加し、他の医療保険制度と比較して、保険料負担が重い状況となっており、今後とも、低所得者の保険料軽減措置を講ずるとともに、医療費の適正化や保険料の収納率向上等の取組をしていく必要があると認識しています。
(中森辰一議員)
広島県が国保を運営することになると、県が各市町の標準保険料率を示すとされていますが、これはあくまで参考にするものであって、実際に保険料率を決めるのは市町ということになっています。つまり、一定の裁量が市町にはあるということです。県は、広島市の医療給付費の状況に見合った負担金を求めてきますが、医療給付費は今後も増え続けるでしょう。そうすると、今後も保険料は引き上げられ、ますます限界を超えた保険料になりますが、いくら限界を超えていても保険料をどんどん引き上げていくお考えなのかどうか、答弁を求めます。
(健康福祉局長)
国民健康保険の都道府県単位化は、県と市町が連携・協力して、安定的な財政運営や効果的・効率的な事業運営を行うことなどにより、制度の安定化を図ることを目的としています。
国保の都道府県単位化後も、医療費は伸びていくと見込まれますが、県と市町が共同して医療費の適正化や保険料の収納率向上などに取り組むことにより、今まで以上に効果的・効率的に事業を実施できるものと考えています。
国保の都道府県単位化後の保険料の算定方法等については、現在、県と市町で協議・検討を行っているところですが、先ほど述べた医療費の適正化や保険料の収納率向上などの取組の結果が保険料水準に反映されていくものと考えられることから、県と市町が共同して取り組みを強化していきたいと考えています。
また、負担の公平化や制度の安定化党を図るため、必要に応じて、国に対してさらなる財政支援の充実等を要望するなど、被保険者の保険料負担が過度なものとならないよう取り組んでまいります。
(中森辰一議員)
現状の国保料は、所得に比べてあまりにも高額であり、被保険者市民の暮らしを脅かしています。だからこそ保険料が払えない滞納問題が深刻で、市の担当者がいくら滞納克服で知恵を絞ろうが、この問題の抜本的な改善は実現できていません。
抜本的な改善方策として、収入が低いほど、自分の収入を保険料に回す余裕はないわけですから、所得が低いほど国民健康保険料の負担率を低く抑える必要があります。そうした考え方で、所得段階ごとに負担率をより低く抑える制度をつくるべきだと考えますが、市の見解をお示しください。また、そうした制度を独自に検討することは考えられないのでしょうか、あわせて答弁を求めます。
(健康福祉局長)
国民健康保険の保険料設定の在り方については、ナショナルミニマムの観点から、まずは、制度設計を行う国において検討すべき問題であり、本市で独自に検討を行うことにはなじまないものと考えています。
なお、国において、平成26年度に低所得者に対する保険料軽減措置の対象が拡大され、平成27年度、平成28年度にも一層の拡充が図られています。
また、平成27年度には、低所得者が多い自治体への財政支援が拡充されたことにより、低所得者を含め、保険料の伸びの抑制が図られています。
(中森辰一議員)
最後に、介護保険について伺います。
広島市では、来年度から、介護保険を利用してこられた方たちのうち、要支援の方のホームヘルプサービスとデイサービスが保険からはずされ、「新総合事業」と言われる広島市の独自事業に切り換えられます。これまでの2つのサービスは、それぞれ、現行と同じサービス、資格のある専門職がそろっていなくてもいい形のサービス、ボランティアによるサービスの3つの形のサービスになると考えられています。
政府の考えは、介護サービスの担い手を資格のある専門職から地域のボランティアに切り換えていくことによって、公的介護のしくみを安上がりの仕組みに変え、介護保険に費やす政府の支出を削り込んでいこうというものです。社会保障制度というものは行政による支援の提供が基本になくてはなりません。私たち国民は、本来、そのために税金を支払っています。ところが、数年前からにわかに「自助・共助・公助」だと言いはじめ、やたらと自分のことは自分でやりなさいと強調し、できなければ自分たちで助け合いなさいと突き放し、どうしようもない時に税金で助けるんだと言っています。
政府はかなり以前から施設から在宅へと言い続けてきました。特養ホームの待機者がどんどん増えても、それに見合った数の施設をつくらなかったために、待機者が増え続けてきました。
私たちも住み慣れた地域で、知り合いに囲まれて老後を過ごせるようにすることは必要なことだと考えます。しかし、在宅で支援をして人間らしい暮らしを支えることは、特養ホームで介護をするよりもはるかに手間がかかり、費用も大幅に増えます。ところが政府は在宅での介護を優先することで安く上げたいと考えています。
つまり、政府が進める施設から在宅へというのは、施設に入るな、ということと同時に在宅介護であっても安く上げるために、あなた方、地域に住む者同士で何とかしなさいということです。それを政策として具体化したのが、特養ホームの対象者を要介護3以上に狭めたことであり、今回のように在宅サービスを介護保険から外してしまうというやり方です。
広島では来年度からということで、まだ要支援の方の「新総合事業」が始まってもいない、その結果がどうなるかの検証もなしに、政府では、保険はずしの対象をさらに要介護1・2にまで広げて、福祉用具の利用は全額自己負担にしようという議論を始めました。
これは、支援の必要な高齢者の実態に沿った介護サービスを提供するというのではなくて、保険はずし先にありきで、とにかく政府の支出を減らすことを優先するやり方です。
介護保険創設を主導した厚生労働省の元幹部は、こうした事態をみて「国家的詐欺」だと憤っておられると伝えられています。来年度からの「総合事業」がどうなるか見通せない中で、「国家的詐欺」を働こうとしている政府に対して、市民の介護に責任を負うべき市長として、反対の声を上げていただきたい。答弁を求めます。
(健康福祉局長)
現在、国において閣議決定された「経済財政運営と改革の基本方針2015」を受けて、厚生労働省の社会保障審議会において時期介護保険制度改革に向けての検討が行われていると承知しています。
本市としては、今後、議論されると見込まれる具体的な見直し内容等を含めて、審議会の動向を注視するとともに、介護保険制度の運用実態を踏まえつつ、高齢者に必要なサービスを財政面も含めて継続できるよう、必要に応じて他の政令指定都市等と連携して国に要望を行ってまいります。
(中森辰一議員)
広島市は、市民生活に責任を負う最も身近な行政として、支援がなければ人間としての暮らしを維持できない高齢者に、必要な支援を着実に実施しなければなりませんが、政府が進める政策の方向で、将来にわたってそれが可能なのか、市長のお考えをお聞かせください。
(健康福祉局長)
本市としては、後期高齢者の急増が見込まれる中、まずは、元気な高齢者が、住み慣れた地域において、引き続き元気に生活していただけるよう、健康づくりや介護予防に取り組める環境を整備するとともに、高齢者を見守り、支えあえる地域づくりを進めることが必要であると考えています。
国が掲げる「地域包括ケアシステム」の構築についても、このような考え方に立って進めているものです。
今後も、高齢者が安心して生活を継続することができる体制づくりを進めるという観点から、必要に応じ他の政令指定都市等と連携し、国に要望を行ってまいります。
(中森辰一議員)
子どもの医療費補助制度について
この問題について6月議会でも議論いたしまして、他の議員の方から議案を出す前に医療現場の意見を聞いたかどうか問われたことに対して医師会の幹部に説明をしたという答弁が厚生委員会でありました。
しかし肝心の小児科医会で出かけていって意見を聞くことはしていなかったことがわかりました。
広島市の医療政策などについて、常にそれぞれの医師会などに協力を仰いで決めてきたと思います。
ところがこの問題で一番意見を持っておられた小児科医師との意見交換をしないまま議会に議案として提出したわけです。
その中に院内処方と院外処方の違いというそれぞれの小児科医の経営にかかわる問題があることを認識していたのに全く説明しないままでした。
この問題は審議を求めた議会に対しても報告説明はされておりません。これも問題だと思います。
そのことを指摘されたのちの6月末になって小児科医会の代表も含めて意見交換会が行われましてそこでかなり厳しい意見が出されました。
従来から意見を出してきたのに事前の相談がなかったと厳しく指摘をされて強い反発の意見が繰り返されたと聞いております。
またその後、これは制度の改悪だと自分のところは賛成は0だと、こんなことでは舟入の夜間救急の協力はできないと、極めて厳しい意見が出されていると聞いております。
広島市の小児医療のために一生懸命取り組んでこられたところに、何の相談もなくて後ろ向きの制度変更を決めてしまったと、もっとこうした方々を大事にしていく必要があるのではないかと思います。
局長はその場におられたと思いますけどこうしたことについて今後どうされるのか聞いておきたいと思います。答弁お願いします。
全国では所得制限がないのが8割で、政令市でも半数以上が所得制限がありません。
その理由は子育て支援策に所得制限はなじまないと、少子化対策だから、あるいは子どもを応援するものだからというものでありました。これが一般的な考え方だと思います。
広島市の考え方は、そういう点では特殊な考え方だと思います。
国がやるべきだということを言ってらっしゃいます。私たちもそう思いますけども、しかしそれをただ何十回言っただけでは、これにペナルティを課そうとしているのが今の政府の姿勢ですから、これはなかなか簡単には変わらない。
そういう中で、やはり全国の地方自治体で大変な中でもより充実した制度を利用してこれが世論だと示すことが必要だと思う。
財政規模の大きい大都市としてこの点でも、やはりほかの市町村に判を示すということも大事なことではないかと思います。
小児科医会をはじめ、医師会からも早急な見直しが求められらのではないかと思います。
優先順位をもっと上にもってきて早急に見直しをしていただきたいと、先ほど申しました通りまだ間があるわけです。
12月議会もあるわけですから、是非この点をお願いしたいと思うのですがもう一度答弁をいただけないでしょうか。
(健康福祉局長)
子ども医療費の関係のご質問にお答えを申し上げます。
医師会への説明、意見交換の関係でございますが、これはこれまでご説明、ご答弁しておりますように昨年度行い、小児科医会という形ではご説明はしておりませんけれども小児科の医師会に所属の幹部のお医師様に説明をし意見を伺ってきております。
それと6月の意見交換会に確かに私も出席させていただきまして説明させていただきました。色々な意見をいただきております。
院内院外処方につきましては、私どもとしましては承知しておったわけですけども、これは医役分業を進める観点から適切であって、その額も適切で許容の範囲だということで大きな問題ではないということで説明をさせていただいておるところでございます。
今後この子ども医療費の制度施工にあたりまして、医師会との意見交換をさせていただきながらより円滑に施工できるよう進めていきたいと思います。
それと所得制限をなくすべきではないかというお話でございますけども、これは今回私ども子ども医療費の拡充を行うということで議会の承認をいただいたわけですけども、これは厳しい財政状況あるいは他の施策とのバランス、そして納税者の方々の公平性の納得感、そういったもろもろの制約のある中で、やはり子供の医療支援は優先して充実させるべきだという考え方に立ってこういう制度設計にさせていただきました。
逆に申し上げますと、そういった制約状況のなかでできるギリギリの選択といいますか、施策の組み立てをしたつもりであります。
そうしたことで来年4月からは現在承認をいただいている体制条件に基づいて施工させていただきたい考えておりますが、その後施工実態等見たうえで、先ほども申し上げましたが他都市の状況、本市の子育て施策、あるいは財政状況を見ながら、制度の充実に向けて検討させていただきたいと考えております。
(中森辰一議員)
就学援助の問題ですけれども、国が決めた額なんですがこの2万円程度という額はいつ決まったのでしょうか。
現実には先ほど説明したようにかなり実態とはかけ離れているわけですよ、その実態を真摯に認めることが必要ではないかという風に思うわけです。
特に中学校は非常にたくさんお金がかかるということがあります。
先ほど議論があった基準服、これは保護者や学校側が決めているということなんですけども、しかし、そういう自主的なというか、現場の方で決められることがあっても、それが結果的に世帯によっては大きな負担になって、なかなかそれが負担しきれないという実態もあるわけですからそこをきちんと見なければいけないという風に思います。
この2万円程度が前提だと、これでいいんだということであれば、やはりこれに合わせて学校側でこれに近づくような最大限の努力をするべきではないかと、具体的にはこれまで何度も提案してきたところではありますけども、そうしないとこの実態は解消しなしと思うのです。
あるいは広島市が独自に上乗せをするようなことも実態に合わせて考えていく、そういうことが必要ではないかと考えるのですが、この点も含めて再度答弁を求めます。
支給時期の問題ですけども、検討したいとおっしゃいましたが子どもは1年1年成長していくわけですよ、1年遅れると間に合わない子供が1年分出てくるわけです。ですからこれは急がなければなりません。
検討しようとお考えであればですね、これは来年度の入学に間に合うような検討を是非していただきたいと思います。
それから小学校も中学校も含めてですねこれはやっていただきたいのですが、その点について教育委員会の姿勢を聞かしていただきたいと思います。
(教育長)
就学援助にかかわるご質問でありますけれども、先ほどご答弁いたしましたように、学用品のうちでも国語辞典とか事典類を学校が共用できるように購入するとか、あるいは鍵盤ハーモニカ自体を学校の方で購入して低下な吹き口のみを保護者が購入できるようにする。
こういった保護者負担が多くならないような配慮、取り組みがされております。
それと例えば制服については保護者が主体的に選定していくとおっしゃいましたけれども、保護者の主体的な取り組みとして、PTAのバザーとかこういうところで不要となった基準服を集めて再利用するとか低価格で販売するといった保護者の主体的な経済的な負担を軽減するという取り組みもされているところであります。
それから支給時期の見直しについてでありますが、これは時期を早めるに伴いまして、例えば支給システムの改修などの解決すべき課題がございますので来年からすぐにとの見直しについては困難だと考えております。
今後、こうした課題を十分に踏まえて保護者の実情に配慮したものになりますように検討する必要があると考えております。
(中森辰一議員)
支給時期の問題はよそでやっているところがあるわけですから是非よく学んでいただきたいと思います。
お金がかかる話ではないわけですよ、予算がかかる話ではないわけです。
事務のあり方の問題なわけですので支給是非取り組んでいただきたいと思います。
(中森辰一議員)
国民健康保険の問題ですが、現状が私が先ほど申し上げたものであります。
いろいろやったとおしゃいましたけれどもその結果がこの11%を超えるような負担率になっているわけです。
国保料の負担は4人家族のモデルで計算してみますと、年収600万円程度から負担率が下がり始めてきます。
800万円程度を超えますと、急速に負担率が下がっていきます。年収1,600万円、この負担率は300万円の負担率の半分です。これは保険料の額に上限があるからであります。
生活の困難なところに大きな負担を押し付けておきながら、高額所得者の保険料負担は軽くしているわけです。
これを制度として、あるいは国も地方の行政も容認しているのであれば生活基準以下の生活を強いるような保険料はやはり見直しをしないと極めて不公正な制度だと、行政だということになりませんかね。
私たちがかねてから求めているような、生活保護基準を目安とする減免制度、一回ではなく恒常的に適応される制度がどうしても必要だというふうに思うのです。
今まで以上に保険料が上がるのであればこれはどうしても検討いただきたいと、広島市は毎年毎年、今年は違いましたけれども、基本的には医療費が上がるに合わせて保険料もずっと上げ続けてきたわけです。
今後も上げっていくのではないかと私たちは考えています。
そうであれば、私が今言った制度はどうしても検討いただきたいと思います。
高額所得者の負担が軽いという問題はどうお考えか、それから恒常的に適応される減免制度問題について再度答弁お願いします。
(健康福祉局長)
国民健康保険料でございますが、確かに上限額が設定していることからそれを超える負担を求めないということで、確かに所得の高い層が負担が低くなっているというアンバランスな状態があるということは事実であると考えております。
ただ、低所得者の対策としましてはこれまでも行ってきましたようにできる限りの軽減措置を実施しておりますし、今後も国にそういった要請をさせていただきたいと思っております。
こういったものの制度改革、制度の負担率の改正につきましては、やはりこれは先ほどもご答弁申し上げましたが国が本来制度設定をして考えるべきなものでして、おそらくこれは、いち国民健康保険だけの問題だけではなくて他の被業者保険の関係もでてまいりますので、そういったところも含めて、国において検討し実施されるべきものであると考えております。
(中森辰一議員)
いろいろ言われても現に今低い所得の所で11%を超える負担率になっているわけですよ。ここを何とかしてもらいたいと申し上げているわけで、これは引き続き追及していきたいと思います。
(中森辰一議員)
それと、介護保険サービスの問題ですけれども、新総合事業が始まっていないなかでの次の段階の見直しの論議。先ほどもおっしゃいましたが、これはただ介護保険部会で議論されているわけではないんです。
もう政府の方針では今年中に結論を得て来年の通常国会にも法案を出そうという段取りも出てきているわけですから、地方の行政としてはそういうわけにはいかんよということを早く言わないといけないと思います。
この点はもう一度ご答弁をお願いします。
(健康福祉局長)
国の厚生労働省での審議でございますけれども、確かに私共が伺っているスケジュールは、今議員がおっしゃったスケジュールであると承知しております。
ただ、実際に議論されている中身は具体的にどういうものなのかというところはちゃんと見極めたうえで、もし要望が必要であればそこは関係の整理市政都市と協同、連携して運営要望を行っていきたいと考えております。
(中森辰一議員)
それからもうひとつ、保育園のことですけれども、いろいろおっしゃいましたが来年度予算の中で新しく認可保育園をつくろうという風な考えがおありなのかどうか、すみませんがもう一度ご答弁お願いします。
(子ども未来局長)
来年度予算で認可保育園をつくるかどうかのご質問ですが、先ほどご答弁しましたように、今地区ごとの保育需要について、需要の喚起をより精緻に反映したうえで作業を進めております。
その結果次第ですし、やれる業者がいくらいるかということの調査もしてまいるつもりでございますので、現時点でははっきりとつくるということは申し上げられません。