議会での質問・答弁

2017年02月13日

2017年第1回 2月定例会・予算特別委員会 質疑 中原ひろみ議員

2017年第1回 2月定例会・予算特別委員会 議員の発言へ

【発言内容】

1、平成28年度包括外部監査結果報告について


平成28年度包括外部監査結果報告に対する質疑

日本共産党市会議員の中原ひろみです。

日本共産党市議団を代表して平成28年度 包括外部監査結果報告について質疑します。

今年度の包括外部監査の対象は、未収金と貸付金の管理及び回収に係る事務として、滞納整理事務、国民健康保険料現年分の徴収事務、広島市母子及び父子並びに寡婦福祉資金貸付の3事業と、産業の創造と振興、中小企業の活性化と商店街の振興等に係る事務の執行についてとして、広島市中小企業融資制度及び広島県信用保証協会に対する損失補償制度、広島市中小企業協同組合融資制度及び広島市中小企業協同組合に対する損失補償制度、商店街活性化事業費補助の3事業、合わせて6つの事務が監査対象となっています。

包括外部監査の結果、未収金及び貸付金の管理と回収に係る事務については25項目、産業の創造と振興、中小企業の活性化と商店街の振興等に係る事務については11項目にわたり指摘事項や意見が述べられています。

まず、包括外部監査の全体について伺います。

今回の包括外部監査の結果報告は2つの区分に分けられています。一つは法令、条例、規則、要綱及び要領、規則などの明文に抵触し、その違法性の程度が高いと認められる場合、もしくは不当な場合とした「指摘事項」、いま一つは「指摘事項」には該当しないが問題点があるとして監査意見が述べられています。違法性が高いと指摘された事務が13項目、問題点があるとされせた事務は23項目となっています。

伺います。各種法令等を遵守して公正な業務を行うべき自治体において、13もの事務で違法性が高いと指摘されたことについて市はどのように受け止めておられるのか、その原因はどこにあるとお考えなのか伺います。

次に、未収金及び貸付金の管理及び回収に係る事務の執行に関してお聞きします。

監査人は、広島市母子及び父子並びに寡婦福祉資金貸付事務において8つの事項で違法性が高いとしています。具体的には、貸付の相談・指導段階で作成すべき償還額計算表が作成されていない。連帯借主となる子及び連帯保証人に対する面接が徹底されていない。過去一年以上にわたる分割納付の状況確認がされていない。口座振替ができない場合の申立書の提出がされていない。「債務承認書」を提出させる償還指導が行われていないなどの指摘です。また、財政部収納対策部の監査意見においては、各担当者が相当数の納税折衝の案件を担当していることが、分割納付や滞納処分の適正な執行を困難にさせ、結果として不能欠損処分になる可能性があり妥当でないと指摘しています。お聞きします。

広島市母子及び父子並びに寡婦福祉資金貸付事務取扱要領や納税折衝マニュアルなどに遵守した事務ができていない背景の一つとして、職員の多忙化があるのではありませんか。

指摘された要綱などのマニュアル違反を改善するためには、現場の業務量の実態調査を行い、職員の増員が必要だと考えますがいかがですか。

母子及び父子並びに寡婦福祉資金貸付事務と滞納整理事務に係る職員数と担当職員一人当たり一ケ月の最高残業時間、滞納整理事務における担当職員一人当たりの平均 納税折衝件数も聞いておきます。

また包括外部監査人は、福祉情報システムは償還方法の変更ができないため、母子福祉資金貸付を受けた市民からの「繰り上げ償還」の申し出を断っている事例が多数あると指摘し、償還方法の変更の事務を福祉情報システムに反映できるように改修し、繰り上げ償還を求める市民の経済的不利益をなくすよう求めています。

繰り上げ償還は未収金を確実に回収する重要なシステムです。なぜ、これまで改善されてこなかったのか。出来ない理由が何かあるのでしょうか。今後、広島市は監査意見を踏まえ、福祉情報システムの見直しをされるお考えがあるのか伺います。

最後に修学資金の貸し付けに事務についてお聞きします。

監査意見では都道府県等における貸付審査に一定の期間を要するため、大学への進学にあたり必要となる入学金や授業料が納付期限に間に合わず、ひとり親家庭などが民間の金融機関から資金を借り入れるなど資金繰りに苦慮していると指摘しています。この指摘は平成27年6月29日に厚生労働省雇用均等・児童家庭局家庭福祉課からも事務連絡として出されています。

が、貸付の申請には在学証明書が必要です。しかし、提出すべき在学証明書は入学金・授業料を大学に振り込まないと発行されません。3月末を入学金や授業料の納付期限にしている大学もあり、制度と実態が合っていないことが一人親世帯などを資金繰りで苦労させている要因になっています。

家庭の経済的な理由によらず、子どもたちの学びを保障するために創設された貸付け制度が有効なものとなるよう監査人と厚生労働省の通達を踏まえ、願書を提出する段階から事前審査を受け付けるなど円滑な貸付が実施できるように早期に改善すべきと考えますがいかがですか。

TOPへ

平成28年度包括外部監査結果(平成29年2月3日公表:広島市)

2017年第1回 2月定例会・予算特別委員会 議員の発言へ