政策と活動

2020年06月29日

新型コロナウイルス感染拡大への対応についての要望書

市議団は29日、7月の追加の補正予算を前に、新型コロナウイルス感染拡大への対応について市長あてに申し入れをしました。財政局長が対応しました。7回目の申し入れです。


広島市長 松井一實 様
日本共産党広島市会議員団

新型コロナウイルス感染拡大への対応についての要望書

 新型コロナウイルス感染対策と暮らし・営業を守ることに向け、ご尽力されていることに敬意を表します。新型コロナの感染はひとまず落ち着きましたが、なお感染拡大を警戒しつつ、市民生活も営業も様々な制約を受けざるをえない状況にあります。そうした中、国ではコロナ対応の第二次補正予算が成立し、それを受けて本市でも新たな補正予算の策定が行われつつあるものと思います。
 これまで、この問題で様々な要望を行ってきましたが、改めて現状を踏まえて要望をさせていただくことにしました。以下、要望を連ねておりますので、ご検討の上予算に反映させてくださるよう要請します。

① 医療体制について、市が責任を負っているのは市立病院ですが、民間病院と同様、受診抑制などで収入が減っています。4月・5月で3億円程度の減収になっていると聞いています。市立病院は市民にとって、命を守るための拠点です。政府は減収補填をする気がありませんが、独立採算に移行させたのは市の意思です。コロナ問題で経営が後退し人件費にしわ寄せすることがあってはなりません。今後も含めてコロナ問題での減収については、運営交付金を増やして補填すること。
② 多くの事業者が持続化給付金などで息をつきましたが、国の制度は前年より50%以上減収という高いハードルがあります。県の協力金も県が決めた期日の線引きがあり、いずれからも外れている事業者がまだたくさん残されています。これらの事業者に、支援がなくてもいいわけではありません。
  利幅の薄い業態であれば、2割の減収でも経営危機に陥りますし、3割減、4割減が続いているところもあります。そういうところも経営危機になっています。そこを理解した支援制度が必要です。国、県の制度の狭間で何の支援もなく廃業の危機にさらされている事業者への支援はまさに市の役割であり、それを実施することで、広島市がやってくれた、がんばろうと活気づくことにもなります。現状では、広島市は困っているときに何もしてくれないという状況になっています。
  尾道市では、前年よりの減収割合が20%以上50%未満という国の支援を受けられない事業者に対して定額の給付金を出すことにしています。こうした取り組みを広島市でもぜひ実施すること。
③ 感染拡大の第1波は収束して、現状で融資を受けて一息ついているところでも、売り上げが回復しているわけではありません。秋口とも言われる感染拡大の第2波による自粛で再び大幅な減収になると、融資の返済ができずに倒れる事業者が出ることが考えられます。そういうところをどう支援するか、第2波に備えて施策を検討すること。
④ 国民健康保険での傷病手当の対象を広げてきましたが、自営業者本人は除外されたままになっています。持続化給付金など事業の継続のための給付があることを自営業者本人を対象から外す理由にしている向きもありますが、働いている事業者本人が感染して働けなくなった時の支援措置は別の問題です。
  これは、実際には適用件数は少ないと考えられますが、新型コロナ感染拡大という予想を超えた事態のなかで、自営業者本人が感染して事業に関われない事態になったときの安心を提供するというものです。家族まで認めてきて、自営業者本人だけ対象外とする理由はないので、自営業者本人も対象にすること。
⑤ 長期の外出自粛要請で、高齢者の引きこもりや社会的な孤立・分断が問題になっています。特に一人暮らしの高齢者の認知症の進行などもあるようです。実態を把握し、定期・非定期の訪問を密にして、支援を強めること。
⑥ いきいきポイント事業に参加できない事態が続き、その状態が回復しているわけではありません。公共交通費補助制度の代替だというなら、コロナの問題にかかわって、いきいきポイント事業対象者に交通費を一律助成すること。
⑦ 高齢者いきいきサロンの運営に当たって、感染防止のための消毒薬やマスクなどの資材の確保を支援すること。
⑧ 障がい者の作業所などで、外出自粛や感染を忌避して来所者が大幅に減少するなどで、減収を余儀なくされた実態を調査し、事業所の従事者に十分な給与の支払いができるなどの事業所の維持に必要な支援を、市として実施すること。
⑨ 市立学校での「密」を避ける体制にするために、第一歩として、中学2・3年生の1クラスの人数を35人以下にすること。そのため103人の教員の増員を行うこと。
また、小学1年生から中学1年生のクラスは30人以下とすること。そのため411人の教員を増員すること。
⑩ 放課後児童クラブでは、熱中症と「三密」を避けるため、窓やドアを開けたままエアコンを使用することになっていて、電気代が例年以上に高くなります。保護者が負担している電気代について、有料化とは切り離して市が負担すること。
⑪ 放課後児童クラブの指導員全員に定期的なPCR検査を行うこと。
⑫ 公立保育園・私立保育園ともに、感染防止のための消毒を行っていますが、物理的にかなりの負担となっているため、保育士等を増やせるように支援すること。
⑬ 私立保育園でICT化への補助が行われていますが、過去に助成を受けた園でも、この度の新型コロナウイルス感染防止対策として、改めてICT化のための助成をすること。
⑭ 認可外保育園が新型コロナウイルスの影響で経営難となっているため、経済的支援を行うこと。
⑮ 感染を避けるために、通所サービスの代わりに、利用者自宅への訪問サービスを行った場合、人的・時間的効率が悪いため経営上は減収になっています。通所サービスの代替として訪問サービスを行った場合、基本報酬のみでなく相当の加算がなされるように補填措置を行うこと。
⑯ この間のコロナ問題で活用できる諸制度を、事例に対するQ&Aの形でまとめて各事業所に配布すること。