2002年予算特別委員会 文教関係 
暴走族条例に関連して
(1)高校中退者の現状について
(2)青少年の非行率・全国ワースト1位、2位について
(3)「授業がよくわかる」生徒は30人に1人について
(4)学習指導要領、20人学級について
2002年3月5日(火)予算特別委員会 文教関係
石川武彦議員の質問と市の答弁(要旨)


(1)暴走族条例に関連し高校中退者の現状について

【石川議員】 暴走族条例について。今回の条例は中学生や高校生も場合によっては実刑がされるということになる。しかも集会を開いていたら、中止命令が出されて聞かなければ逮捕ということもある。全国でははじめてだ。これに関連して質問する。
@県立高校や市立高校で生徒の20%以上が退学をする、また、半分以上の生徒が中退するという例が報道されているが、このような状況をどのように把握されているのか
A入学時の生徒の半分以上が退学しているような学校がいくつあるのか。また、2割以上の生徒が退学している学校がどのくらいあるのか。

【指導課長】 高等学校の中途退学の状況は、平成11年度の高等学校で232名、3・1%。。全国平均は2・4%。平成12年度は173名、2・3%。全国平均は2・5%。県の方は、3・7%。

【石川議員】 県の平均は3・7%だが、半分以上退学してしまった学校がある。それは何校か。2割から3割退学してしまったという学校もいくつかある。私の手元の数字では、県立高校で、2割以上の生徒が退学した学校が25校。半分以上退学したのは3校。新年度の県の予算で、教育困難校、いわゆる問題を抱えている高校に対して対策をたてる予算は、たった5校分だ。残りの20校余りの学校は、来年も同じような状態を続けることになる。先生の加配をするとかいろんな手当をするのは5校しかない。半分以上退学している学校、2割以上退学している県立高校、市立高校を教えてほしい。

【指導課長】 県立高校については把握していない。

(2)「青少年の非行率は全国ワースト1位、2位」などについて
【石川議員】 確かに市立高校は、県立高校ほど悪い状況ではない。ただ、広島市内は市立高校と私立があるから、県立とあわせるとこの数字は大変な数字になる。県警がこの数年間、中高校生を含む少年の暴力・非行を取り締まっているが、どう数字になっているか。あわせて、高校卒の子どもたちの就職・進学の率はどうか。就職もせず、進学もしない子どもがどのくらいいるのか。

【青少年育成部・相談指導担当課長】  まず、広島県の少年(10〜19歳)非行の実態。警察本部によると青少年補導件数は、平成9年が6164人、平成10年が6471人、平成11年が5647人、平成12年が5203人、平成13年が4574人です。これを10歳から19歳の少年1000人あたりの人数にすると、平成9年が16.7人、18・8人、16・8人、15.2人、13・9人。全国のワースト順位は平、成9年は2位、平成10年は3位、平成11年は5位、平成12年は3位、平成13年については未発表。

【石川議員】 全国ワースト2とか3とかで、大変な順位だ。そのうち15歳から19歳の高校生を中心にみると、刑法犯で補導されたのは1000人あたり、平成9年度が24%でワースト1位。平成10年度が25・7%でワースト2位。平成11年度が22・7%で2位。平成12年度が20・7%でワースト1位。高校生から上をとると広島はうれうべき状態だ。取り締まりもさることながら、なぜこういう子どもができたのかという問題に目をすえないと大変だ。中退・不登校が多いが、確かに家庭、地域、友人や若い人が希望が持てないとかさまざまある。

(3)「授業がよくわかる」生徒は高校で30人に1人などについて
【石川議員】 しかしここでは、教育に関して何が問題なのかというのを掘り下げるべきだろう。なぜ学校に行かないか。勉強が少しでもわかれば勉強が面白くてたまらないはずなのに、それがそうならずに学校がきらい、勉強がきらいというのが増えている。そこに今の教育が抱えている一番の問題がある。
 家庭や友人や社会の問題はあるが、学校に限って考えたらそういう実態があるということだ。どれくらい子どもたちが勉強が分からない状況か調べたら驚く。文部省の「学校教育に関する意識調査」によると、「授業がよくわかる」と答えた子どもは、小学校で4人に1人、25%。中学校で21人に1人、5%。高校で「よくわかる」と答えたのは、何と30人に1人。それから、89年9月に文部省が外郭団体に依頼した「国民の健康・スポーツによる調査」によると、「子どもたちが何に不安を感じてますか」の問いに、「授業がわからないことが不安の原因だ」と答えている子は、小学6年生で48%、中3生で62・5%、高3生で65・2%、半分以上が分からないといって、それを心の不安に思っている。「進路・進学の不安」が大きいと答えているのは、中3生ですでに68%、7割近い子どもが「進路・進学」で不安を抱いている。高校3年生は実に77%。この二つがずば抜けて大きい。子どもの気持ちをどこまで暗くしているかわからない。
 94年から95年にかけての国立教育研究所の調査で、中学生で理科が嫌いと答えているのは、21カ国中、日本はトップ。数学が嫌いというのは39カ国のうち2番目。アジア諸国なども含めて。非常に高度な教育をしているはずなんだが、世界のトップクラスの理科や数学嫌いの子どもが発生しているのが実態。私は、確かに現場のみなさんや学校の先生が努力しているのも分かるが、なぜこんなことが起こるのか。真剣に考えてみる必要がある。文部省がどういうおうと、広島市や市長が、広島市の子どもに責任をもつということを考えてほしい。長い間、文部省の教育に基づいてやってきたが結果はこれだ。冷厳な事実としてつかみなおす必要がある。

(4)学習指導要領、週五日制問題、20人学級実現について
【石川議員】今度、学習指導要領が新しく変わるが、これまでよりも、授業時間が小学校の6年間で1000時間減る。これまでの3941が2941に減る。国語、社会、算数、理科の4科目で1000時間減る。確かに、覚える内容は減らしてあるが、そんなに減らすことは不可能だ。1000時間減らして、週休2日になって、週5日制になっていままでの状態が続くならば、中途退学とか不登校とかさらにひどい矛盾をはらんでいく可能性もある。市長が、選挙のときに20人学級の公約をされた。20人学級が簡単にできるとは思わないが、探求するなら中間ステップをおいて35人はいつ、30人はいつ、20人はいつという段階があると思う。市長は思いを率直に語ってほしい。
 仙台市は、新年度予算で、県とは別に小学校1,2年生に対して30人学級をすることにして予算をつけた。職員の数を増やすことは困難だが、非常勤講師やそういう人を増やすということでは広島と似ているが、これは市単独だ。宮城県がやらないなら単独でやろうというわけだ。だから、市長や市がやる気になれば可能。これに対して文部省や県は特別文句を言っていない。20人学級を将来展望して、市独自で考える必要があるのではないか。去年、本年度予算として少人数学級予算として約6000万円を計上した。ところが県のはばたきプランとぶつかって、市がやろうと思ったら県がやったということで、6000万円はういた。このお金はどうなっているのか。これは流すのか、少人数学級にまわすのか。
 それと20人学級の前に30人などのプランがいると言ったが、広島市で抱えている小さいけれども大きい問題で、「1人でも障害児学級新設」を実現してもらわなければならない。しかも、今年1人で小学校に入る子どもで問題になりそうな子どもは1人が2人。この2人の対策さえない。あきらめてくれ、遠くの学校へ行ってくれという実態だ。こういうことがやってできるのではないですかさっきの6000万円をつかってでも。なぜ、こういうできることをやらないのだろうか。
 
【教職員課長】 仙台市について単独でやっているということですが、非常勤講師を採用して、学年として非常勤講師をつけて非常勤のままで、担任として教えるということがある。習熟度別によって少人数学級ということがある。

【石川議員】 なぜ市単独でできないかときているんだが。

【教職員課長】 県の状況をみて、県と協議しつつやりたい。「障害児学級を1人でも」ということだが、基本的には学級編成の権限は県教育委員会にあり、私どもは、県の方へもお伝えし、要望してきたところだ。

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