2001年12月定例会 上下水道委員会 

十二月市議会(上下水道委員会)12月14日
石川武彦議員の質問  

未給水解消・防災対策に一般会計の繰り入れを増やせ
水道料9・6%値上げ強行(2002年度から)
市民の負担は毎年20億円
値上げ反対は日本共産党だけ

(石川議員)今回の値上げは、大口の利用者の使用水量減少と、一般家庭の節水による約80億円の減収を補うためのもの。百貨店、商店街も不景気と大型店進出のため売り上げ減.市経済局の全商店街アンケートでも理由は同じ。これは消費税5%以来ずっと続いている。そこへ今回の水道料9・6%の値上げ、つまり水道料は消費税5%値上げが二重にかかったようなものだ。鷹野橋商店街でも馴染みの店が閉店し、空き店舗のまま。この傾向はまだ続く。水道料値上げだ。そこで二点質問する。

一市民と事業所の負担増は、総額79億円、4年間平均で年20億円。この経済的影響を調べているか。また、平成13年度の家庭用と事業用の使用水量の割合、料金収入の割合はどうなっているか。
(水道局答弁) 値上げの影響は調べていない。比率は水量で、家事用73%、業務用27%。金収入では12年度で55%と45%の比率で、今後家事用が増加する予測。

年金生活者、低所得者は2人世帯で年間約2400円、4人世帯で6000円の値上げ    
商店はもっと打撃 経済局などで融資制度の準備も必要

(石川議員)年金生活者、低所得者も二人世帯で年間平均約2400円、四人世帯で6000円値上げ。商店はもっと打撃を受ける。経済局等で融資制度を準備する必要がある。10%近い値上げが商品に転嫁され、転嫁できない小さい商店では利益減になる。水道局関係部局の協議もなく水道料金値上げが出されることは疑問だ。未給水地域への給水は約40億円で2400世帯へ給水が可能になるとの本会議答弁があった。今後、28年で100%給水を計画しているが、この四年間計画終了後、あと何億円事業費が必要で何世帯に給水可能か答えてほしい。
(水道局答弁) 平成18年度以降の未給水世帯数は約2900。この事業費は28年度までの約11年間で約112億7000万円の見込み。

(石川議員)未給水対策として今回39億円プラス今後112億7000万円で合計約150億円。それで5300世帯に給水。家が建ったとして約6000世帯に150億円注ぎ込んで水道管の延長をする。農村部で井戸もあり、仮に一世帯の水道料金年間2万5000円として、150億円の償還に100年以上かかることになる。それは全部今の利用者が負担。給水の必要は当然だが、なぜここまで企業会計内部だけでみる必要があるのか。農村部に市道を建設するとき。利用者が少ないから税金は使わない、道路使用料でつくるなどということはない。どんなころでも税金で整備している。道路以上に毎日の生活を支える水道をなぜ全部水道会計でみなければいけないのか。一般会計投入が道路にはあって水道にはないのは筋が通らない。法律でそうなっていないというが問題だらけだ。節水すれば料金が上がり、あと1〜2割り節水がすすめば家計は破綻する。一般会計の支援なしに成り立たない。
(水道局答弁)水道事業は必要な経費を原則として水道料金により賄う、独立採算で経営することとされている。国により一般会計繰り出し基準が定められており、それによって執行している。未給水地区解消の多額な費用は、国へ補助金を要望するも措置されず、今後引き続き要望する。

「節水を奨励しつつ水道料収入は減る」

(石川議員)未給水地区は完全に赤字線。だが必ず保障すべき線だ。水道局は市長と相談して市の応援を仰ぐべきだ。ここに住んでいる人たちをほっとけない。だが今、水を飲んでいる人たちから徴収するには額が大きすぎる。節水を奨励しつつ水道収入は減るという、いままでにない事が起こりつつある。その中で必要な管を延長するならば市長に相談すべきだ。それもせず提案するのはおかしい。これを市長はご存知か。
(水道局長答弁) 市長にはここまでの数字は示していない。国に補助金を要請しているし、一般会計繰り出し基準変更の可能性もある。

(石川議員) あまり期待を持たせないように。よくなった試しがない。国に要望するとして、市長と相談の上、提案し直してほしい。次に、災害対策について聞く。40億円計上しているが、緑井浄水場と高陽浄水場をパイプでつなぎ断水を防ぐ等、重要な対策だが神戸の大震災以前は計画に無かったもので、かっての常識を超えた出費だ。同じ防災対策でも土木を例にすると、崖崩れ危険箇所の下に5戸、10戸家があれば当然、公の費用で応援して崖をなおす。同様にライフライン防衛の費用は完全に防災対策予算で計上すべきだ。丸々水道局負担は疑問だ。
(水道局建設部長) 24時間安全な水を供給し、お客様に迷惑を掛けないことが水道事業の使命。つまりお客様に迷惑を掛けない施設をつくることが一つの使命。お金は掛かるが断水するよりは費用を負担してほしい。

(石川議員)断水対策は当然だ。災害対策はもっと市がやっていいのではないか。もっと協議すべきだ。断水対策といってもこれは大型の防災対策。浄水場を繋ぐのは以前は予想しなかった対策だが、今は全市民の命にかかわる市の防災上の問題だから市として応援してほしいというのは当然だ。
(水道局答弁) 上水道安全対策事業費補助として、12年度まで一般会計から繰り入れている。13年度以降の継続を協議中で、補助を頂ける見通し。

公衆浴場組合から値上げ据え置きの陳情書も

(石川議員)補助をもらう前提でこれだけの値上げになっているのではないか。
(水道局答弁) 今回の財政計画には折り込んでいない。13年度について協議中で目処がついている状況。14年度の協議はまだやっていない。

(石川議員)平成12、13年度の補助はいくらか。
(水道局答弁) 13年度で5800万円の予定。12年度で約2億円。貯水槽は消防局の以来で水道局が施工し、財源は市の一般会計。

(石川議員)市の補助がまだまだ少ない。巨額の費用を要する防災対策であり市長と十分協議してほしい。次に、公衆浴場組合から水道料金据え置きの陳情書が出ている。今回、5・23%引き上げだが、だが、値上げは死活問題だ。内部で検討したか。
(水道局答弁)公衆衛生に寄与していることから全国的に他の用途より安く設定しており広島も同様。今回も業務用の5分の1に設定した。

(石川議員)浴場組合はどういっているか。
(水道局答弁) 聞いていない。

(石川議員)公衆浴場は地域に必要不可欠な事業で,お年寄りに安く開放刷るなど福祉施設代わりもしている。そういう努力をしている所へは御礼を出してもいいくらいだ。もっと考えてあげる必要がある。次に、福祉料金制度の問題。どうせ拡大するのに「他の(下水道料金並)料金を見て検討」ともったいぶって小出しにするな。下水道並にはする。それ以上はまた考えると明言してほしい。
(水道局答弁) 14年度当初予算に反映するものなので今やる、やらないというと議会軽視になる。

(石川議員)言い方がある。やりたいと思って検討中と言えばよい。「均衡を失するから実施したいと思い検討中。おって議会に提案したい」。これでよい。いままで何度も指摘してきた。
(水道局答弁) 現在、予算査定中である。

(石川議員)人件費の問題について聞く。経費節減で水道局職員20人を減らすというのは正規職員か。今、何人いるのか。
(水道局人事課長) 現在、664人。

(石川議員)この20人は現場の人だと思うが、現場に近い人は664人のうちおそらく3分の2。ライフラインをつくったり、保守点検をしたりする市民生活に大きな影響を与える仕事の場合、簡単に減らしてはいけない。余剰人員がいるとは思えない。一度、事故があれば人件費節減分を上回る費用がかかる。労組と協議し必要な人員を削らないようにしもらいたい。
(人事課長) 組織改正で2課5係減らす。4年間で20人削減する。組合と交渉し理解を得たうえで実施したい。 

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