2001年12月定例会 文教委員会 

 
11月22日の文教関係決算審査での
 
石川武彦議員の質問
  ↓下へ @市独自の奨学金制度と同和奨学金廃止に伴い、
       一般施策として奨学金制度をつくる 
  ↓下へ A一人でも障害児学級を
  ↓下へ B中学校のデリバリー給食の改善


決算 文教・分科会  石川議員が質問

@市独自の奨学金制度つくれないのは、広島、仙台、福岡だけ

石川
不況が長期化するなかで、高校、大学の市独自の奨学金をつくってほしいとの要求が出ている。政令市のなかで独自の制度がないのは広島、仙台、福岡だけだと聞いているがその通りか。
答弁
その通り。

石川
来年から同和行政が廃止され、一般行政施策に移行する。同和奨学金は無くなるが、一般の誰でも利用できる奨学金制度になるはずだが、文部省はどう言っているのか。
答弁
一般施策に移行する方針と聞いている。但し、その場合は県が窓口になる。

石川
県は、一般施策として実施する方針か。
答弁
あまり乗り気ではないと聞いている。

石川
現在、市で同和奨学金(貸付)は何人に何万円出しているか。
答弁
同和奨学金の状況
H12年度の貸付
   高校 154人  5,767万円
   大学  65人  6,734万円
これまでの累計
   高校 972人
   大学 447人
   貸付総額  約20億円になっている。

石川
文部省がどれくらいの予算を組むかは今から決まるらしいが、文部省が予算を出して実施するというのに県がことわるとしたら言語道断だ。県に奨学金制度をつくるよう要求すべきだ。
答弁
努力したい。

石川
同時に、市独自の奨学金を他都市にならって検討すべきではないか。川崎市は毎年450人枠で月1万円(4月は1万6000円)を支給している。返す必要がない奨学金だ。せめて、この程度のものは広島市も考えてよいのではないか。

市独自の高校奨学金
対象生徒数(人)/H13年度予算(万円)

札幌 支給制。
国公立、私立の大、高、専の生徒。
月5000円〜9000円。入学支度金あり。
278/1,791

千葉 支給制
月10,000円
38/459

川崎 支給制
市高 月10,000円
450/5,557

横浜 支給制
高は月11,000円/大は月37,000円。
入学支度金は7万円(要返還)。
450/5,940

名古屋 貸与
公立高月11,000円。私立高月18,000円。
80/1,476

京都 支給制
公私高月9500円。
1,860/2億1,437

大阪 支給制
公私高月10,900円
3,094/4億0,469

神戸 支給(生保に準ずる家庭) 貸付(一時的経済困難)
公私高月14,000円
3,993/4億4,998

北九州 貸付 大月51,000円(215人) 公高月18,000円 私高30,000(65人) 280 4億2,551

広島 仙台 福岡 制度なし

■H12年度 市立高校7588人のうち
中途退学  170人  2.2% 50人に1人
授業料減免 823人 10.8% 10人に1人
授業料滞納 238人  3.2% 30人に1人


A一人でも障害児学級を
 やってないのは全国で3県(広島、徳島、茨木) 政令市では広島だけ
 「障害児が一人でも、障害児学級をつくってほしい」は、障害児をもつ親の切実な声です。

石川
昨年度、自分の学区に障害児学級がないため隣接の学校に通学せざるを得なかった子どもは何人か。
答弁
昨年度実績は、小学生23人、中学生14人、計37人が他の学区に通っている。

石川
健常児は皆、自分の学区内の学校へ行っているのに「一人では障害児学級をつくらない」方針のため、37人の障害児が他学区へ通学している。こんな状態は政令市では広島だけで、県では広島、徳島、茨木の3県たけではないのか。
答弁
その通りだ。

石川
2年前、教員配置基準を定めた「標準法」4条が改正され、障害児学級設置も弾力的に行えることになった。それを受けて県も方針を変えたはずだが、内容を述べてほしい。
答弁
法改正により、県は昨年から、@中山間地域の学校は通学の困難性を考慮し、1人でも障害児学級をつくる。A小学校で障害児学級に行っている児童が進学するときは、教育の継続性を考慮し、中学校にも障害児学級を設けることになった。それにより、広島市内でも2つの中学校に新設された。

石川
@の「通学の困難性」は都市部も交通事故の不安がある。Aの「教育の継続性」というのなら、どの障害児に対してもその学区内で障害児教育を受け入れてこそ継続性といえるのではないか。37人の障害児が遠くに通学させられているのは教育の平等の原則に反する。一人でも障害児学級設置を要求するとともに、県がやらない場合でも、来年4月からは市独自に実施することを強く要望する。


B問題あり  中学校のデリバリー給食
 約40%の生徒が食べていない?  −「教育の一環」という位置付けをー

石川
民間委託によるデリバリー急速は2000年度(H12)で27校が実施。昨年度7校実施で、現在8校が未実施。ところが喫食率は、自校調理方式校が100%なのにデリバリーは53%と非常に低くなっている。それも学校によってはばらばらで10%の学校さえある。
デリバリー給食は昨年まで27校だが喫側率の実態を報告してほしい。
答弁
10%きざみで述べると次の通り。
 喫食率 校数 喫食率 校数 喫食率 校数
 10%台 1 40%台 5 70%台 3
 20%台 1 50%台 4 80%台 3
 30%台 3 60%台 6 90%台 1
 12年度末 合計 27校 平均 57.1%

石川
27校中 50%未満が10校もある。全生徒中43%が食べていない。これでは「教育の一環」としての給食の意義は無くなっている。先生が「食」について教育するといってもやりようがない。低い原因は何か。
答弁
いそいで原因調査をし、対策を検討する。

石川
生徒からは「ご飯がべとつく」とか、男子からは「ご飯が少ない」、女子からは「多すぎる」などいろんな意見があるようだが、一方試食会に出た保護者のアンケートでは「思ったより良い」「子どもはいやだと言っていたが、試食してみるとよく努力された良い食事だ」などの声が多い。わたしはデリバリーでなく、自校調理がベストだと思うが、たとえデリバリーであっても、家庭弁当にまさるものではければならないと思う。喫食率がこんなにも低いのは放っておけない。生徒の意見を聞いて改善するべきだし、学校としてもきちんとした取り組みが必要だ。問題は、「食」の教育にとって給食を大事な活動として位置付けなければ、改善されないと思う。「教育の一環」の位置付けにふさわしい給食内容の改善と喫食率向上に努力してほしい。

★給食問題では他の委員も、
 給食の一食の単位
  自校調理  342円
  デリバリー 227円
という数字を示し、デリバリーは一食当たり100円以上安い。もっと市が補助して給食内容を改善せよ、と要望しました。


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