2002年12月議会 厚生委員会/中原ひろみ議員 12月16日(月)
「新年度からケースワーカー増員」
村上議員(質疑) 中原議員(委員会)の要望を受け市が約束


ケースワーカー 最高1人で112世帯。持ち帰り残業も
中原議員の追及に、市が厳しい実態認める
生活保護世帯の増加に伴う追加額  12億7000万円 (7783世帯→8327世帯)
 
 国の基準では、ケースワーカー1人あたりの担当世帯数は80世帯。しかし、広島市ではケースワーカー一人が担当している世帯数が最高で112世帯(東区)にもなっています。 これでは、窓口での親切な対応は困難です。
 現場では「過密労働のため持ち帰り残業をしている」との声もあり、中原議員は、サービス残業の実態調査をし、早期にケースワーカーの増員を求めました。
 市は、福祉事務所長会議を開き、各区の職員の実態の聞き取り調査したことを報告、厳しい実態を認め、個人に負担がかからないように組織的に、ペアで係りをあげて仕事にあたるように指導したと報告。年度途中の増員は職員に余裕がないため困難だが、新年度に増員することを約束しました。
 保守系議員からも、担当世帯数が増えると、保護世帯の自立を援助するケースワーカー本来の仕事ができず、生保基準に適合しているかどうかだけを計算する単なる「計算ワーカー」になってしまうとの意見も出されました。

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福祉施策の水準について市が説明
中原議員 「福祉・保健分野へ予算の重点配分を」

 広島市の福祉施策の水準について市長が、「政令市の中で高齢者施策はかなり充実、子育て支援と低所得者向け施策はほぼ中位、障害者施策や健康づくりは今後、充実が必要」との見解(一般質問への答弁)を示したかことから中原議員は、その根拠を質問しました。

市の説明
◆市長が「充実している」とした高齢者施策は、介護保険の「居宅サービスの利用状況」「低所得者対策」「在宅介護支援センターの活用状況」など。
◆市長が「中位」とした子育て支援は、保育園の待機児童の割合・保育料の水準・児童館の整備状況などから、また、低所得者向けの施策は生活保護受給者に対する援護見舞金の支給状況で判断。
◆市長が「充実が必要」とした障害者施策は、身体障害者施設の整備状況、居宅サービスの実施状況の遅れ、健康づくり施策は、各種健診や、予防接種の受診率が低いと認識していること。来年度から障害者の措置制度が支援費になるにあたり、サービス基盤の一掃の整備に努める。また、元気じゃけん広島の策定に沿った施策を実施したい。

民生費をせめて政令市平均に
 中原議員は、福祉施策の一つ一つを比べれば政令市の中で上位になる制度があることは否定しないが、市民一人当たりの民生費が、政令市平均より約2万円も低い実態を再度指摘。遅れている福祉・保健分野への予算の重点配分を求めました。
 さらに、市は「健康づくり」を充実させたいといいつつも、健全化計画を達成するために社会局関係では、135事業を廃止、縮小してきたことを指摘。

「赤ちゃんの9か月健診」復活を
 廃止された事業のなかには、赤ちゃんの9ケ月健診、結核予防健康診断があり、縮小された事業の中には、一般健康診断、C型肝炎ウイルス検査などがあります。
 中原議員は、広島市が実施している4ケ月と1歳半の赤ちゃんの健診では、1年2ケ月もの間があり、この期間の赤ちゃんの発達は運動面でも言葉でもその発達は目覚しい時期であり、子供の健全育成だけでなく、若い母親の子育への不安を解消するためにも、新年度予算では削られた施策の復活を求めました。

(市の答弁)
◆C型ウィルスを縮小した理由として、国が対象者を「40歳以上の希望者全員」から「40歳以上70歳までの5歳刻み」に変更したことから、国の基準にあわせて市も平成10年から12年度の3年間のみ対象者を少なくした。
◆9ヶ月健診は、疾病の早期発見と健全育成を目的に、昭和56年度から平成10年度まで実施したが、医学の進歩によって疾病の早期発見、少子化・核家族化で子育てに不安を持つ家庭が増加した。
 健診の内容を見直し、平成11年度から母親同士の交流や子供へのかかわり方など、子育て支援に重点をおいた親子ふれあい教室を実施している。今後とも、母子保健事業を通じて、子育ての充実強化を図る。

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後発薬品への切りかえを!
医療費抑制の効果バツグン!
150品目で、1億6000万円(市民病院の場合)


 病院全体では4577品目の薬が使用されており、その4%にあたる178品目に後発薬品が使用されています。4病院の内訳は、市民病院が1622品目中、78品目。安佐市民病院が1292品目中、66品目。舟入病院では、1051品目中、3品目。安芸市民病院では、612品目中、31品目となっています。
 後発薬品の使用が一番進んでいる市民病院では、今後、内部薬で74品目の後発品への移行が検討されています。検討中の74品目全てを後発薬品に変えた場合、既存の後発薬品とあわせた医療費抑制の効果額は1億6000万円になるとの試算を示しました。
 中原議員は薬事委員会で審議し、後発薬品の情報を積極的に医師に知らせ、できるだけ後発薬品を使うように再度求めました。

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改悪された児童扶養手当 市は独自の支援策を

 国は、今年の8月の改悪に続いて来年の4月からさらに児童扶養手当の改悪を強行採決しました。
 昨年度の広島市の児童手当の受給世帯数と金額は、7000世帯、1回あたり約1億1100万円。今年8月1日からの改正(支給対象収入額が年間204万円から130万円に引き下げ)で、約7500人、金額は1億1500万円となっています。
 昨年と比べると、離婚などで児童扶養手当の支給家庭が500世帯増え、総額としては400万円増えていますが、一世帯当たりの手当て平均額を計算すると、一回の支給で約1万円程度少なくなっています。
 国全体では約33万世帯が減額、不支給になり、300億円以上の財源を浮かせています。母子家庭の母親の9割が働いていますが、平均収入は209万円という低さ。

 中原議員は、子供がいるというだけで就職が不利になり、低賃金のパートでは、働いても働いても自立できない母子家庭の実態を告発。自分も母子家庭で育ち、18歳まで児童扶養手当を受給していた世帯の一人として、母子家庭の命綱になっている手当て削減に抗議するとともに、市が、独自の支援策を講じるよう要求しました。

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障害者支援費について
市 「現在のサービス提供量は確保する」と約束

 障害者支援費制度の利用申請の申し込み者数は、12月13日の時点で1113人。指定事業者の申請状況は、ホームヘルプサービス事業者は10社です。市は、既存が7事業者、新規が3社だが、委託している他の事業については今後、申請の考えがあることを事業主に確認しており、現在のサービス提供料は確保できると答弁しました。

障害の種類でサービスに差をつけず、公平なサービスを
 中原議員は、市が実施しているガイドヘルパー事業で、障害の種類でヘルパー派遣時間に差があることは、差別ではないかと指摘し、(視覚障害者は80時間、知的障害者は24時間)支援費の移行に伴い格差を無くすように要求しました。
 市は、利用者のニーズに応じて今後検討したいと答弁しました。

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