2002年12月定例会 議案に対する質疑
村上あつ子議員 12月12日(木)
公務員給与引き下げによる消費の落ち込み
約294億円(広島県労連試算)
第110号議案・一般職の給与に関する条例の一部改正について


 本議案は、人事院勧告でマイナス1.81%の給与改定がおこなわれるというものです。
長引く不況で民間給与が下がっているから、公務員給与も下げるというものですが、公務員給与の引き下げは、民間給与の賃下げ、購買力の低下、中小企業の経営不振という悪循環を加速させ、さらに地域経済を冷え込ませてしまうおそれがあります。
 村上議員は、広島県労連がおこなった「広島県内のマイナス人勧の及ぼす影響調査」での試算では、県内の公務員・準公務員、約18万4000人の賃金と年金のカット分で、消費の落ち込み額は293億7000万円にものぼっていることをとりあげ、市はこのような地域経済への影響をふまえているのかと追及しました。
 市は、「今回の改定による職員給与の削減額は年間約21億7千万円だが、これによる本市経済への影響は試算していない」と答えました。

国の悪政のもとでも市は保育所・障害者施設を守るべき
 村上議員は、「保育所や障害者施設などに対する措置費の中の人件費についてもマイナスとなるのか。もし、国が4月にさかのぼって措置費の返還を求める方針を出せば、今でさえ公私間格差がはげしく、低賃金でがんばっている福祉施設で働く人たちにとっては大打撃となる」と指摘し、「国がそのような方針を出しても、市が何も手立てしないでは、あまりに冷たすぎはしないか」と市の姿勢をただしました。
 市は、今回の人事院勧告に伴う保育所運営費および障害者施設措置費に関する国からの通知はまだ出ていないとのべ、今後、国の動向をふまえて対応するという答弁にとどまりました。

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年々増えるケースワーカーの担当世帯数
せめて国の標準並にケースワーカーの配置を
第106号議案・一般会計補正予算について


 長引く不況のもと、商売をやめざるをえない、体を壊し働けないなど、生活保護に頼るしかない人が急増しており、この一般会計補正予算でも生活保護受給世帯が去年より544世帯増加していることによる増額補正があります。
 村上議員は、「これまでも、1人のケースワーカーが100世帯以上抱えて、月1回の家庭訪問もできないような状況を解消するために、せめてケースワーカーを国の示す標準並み(ケースワーカー1人あたりの担当世帯数80世帯)に配置するよう求めてきた。今回の増額補正の544世帯分だけでも7人のケースワーカーの増員が必要だ」と指摘したうえで、市の姿勢をただしました。
 市は、国の標準数を基本としているが、今後とも被保護世帯の動向をふまえ、ケースワーカーの確保に努めるとのべました。

年々増える!
広島市のケースワーカー1人あたりの担当世帯数
1999年度 85.0世帯
2000年度 88.2世帯
2001年度 94.5世帯
2002年度 101.2世帯

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高値落札の傾向が改められれば
財源の確保につながる
第119号、第120号議案・契約の締結について


 第119号は中環境事業所新築工事(請負金額5億925万円)、第120号議案は若草住宅1ブロック2期新築工事(請負金額16億8000万円)の契約締結に関する議案です。
村上議員は、入札制度を改善し、高値落札の傾向が改められれば財源の確保にもつながると指摘。
 村上議員は、「大手ゼネコンが6〜7割を占めている共同企業体の出資比率をせめて大手5割、地元企業5割にすれば、地元の業者の仕事が増える」とのべたうえで、この2件の契約の入札参加数、落札率、共同企業体出資比率について質問しました。

第119号議案 中環境事業所新築工事
入札方式:2社で構成する共同企業体による条件付き一般競争入札
入札参加数:8共同企業体
落札率:97.7%
出資割合:葛、立 55%、松本建設 45%

第120号議案 若草住宅1ブロック2期新築工事
入札方式:3社で構成する共同企業体による条件付き一般競争入札
入札参加数:8共同企業体
落札率:98.0%
出資割合:叶シ松建設 60%、錦建設 20%、鞄興 20%

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