2001年度決算特別委員会 分科会 建設関係 11月20日(水)
中森辰一議員
資金調達困難「最初からわかっていた」
貨物ヤード跡地 球場構想

市民が納得できる活用方策を
 現在議論されている貨物ヤード跡地球場建設構想は、「用地の再取得ができない」「民間企業に建設補助金を出す手段がない」などの問題で行き詰まりの状態にあります。
 中森議員は、これに対する市の見解をただしましたが、市は「指摘された問題の解決に向けて、必死で取り組んでいる」と述べるにとどまりました。
 同議員は、「これら資金調達などの問題は、最初からわかっていたのではないか」と追及。市は、「今の制度では、民間に貸すための用地再取得を起債(借金)ではできないことは当初から承知していたが、その上で国の理解を得たいと考えていた」と答えました。

年間500億円見込みの「併設商業施設」が地域経済に影響も
 また、チームエンティアム(球場構想を提案している民間事業体)の計画では、球場に併設される商業施設の年間売上見込みが500億円にも達します。さらに、すぐ近くにあるキリンビール工場跡地への大規模商業施設建設もすすんでおり、これら大規模商業施設が地域経済に与える影響は計り知れないものがあります。
 財政的にみても、市長が「さらに新しい大型事業をやるのは困難」とのべているように、こういう巨大事業には手をつけられないのが現状です。
 同議員は、「土地利息の支払いという問題もあるが、やはり、広範な市民の意見を聞きながら、市民全体が納得できる活用方策を検討しなおす必要がある」と強く求めました。

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出島コンテナふ頭
巨額の税金使っても建設費の利息も得られない


ムダな開発は即刻中止を
 県は先頃、県内の港湾使用料を引き下げ、さらに来春開港予定の出島コンテナ埠頭の使用料については二重に引き下げると発表。これにより、出島コンテナ埠頭の利用料は開設後5年間、今よりも半分以下になります。
 中森議員は、この利用料引き下げにより、当初計画していた出島コンテナ埠頭の使用料収入や事業採算性に影響がでるはずだと指摘。市は、「最初の5年間は、年間収入が1億8千万円から8千800万円に、年間黒字は6千万円から800万円に縮小する見込み」と、収入面でも採算面でも大幅縮小になると答えました。
 同議員は、「市負担分だけでも200億円という巨額の税金をつぎ込んだ商業施設であるにもかかわらず、建設費の利息も得られないようでは大問題」と述べ、「くり返し指摘してきた建設の必要性に大きな疑問符がつくことを、この時期になって認めたということだ」と厳しく批判しました。
 さらに、今回の利用料引き下げが期限終了後も船主側の要求で、なし崩しに引き下げたままとならないよう要望したうえで、建設した施設を最大限活用し、これ以上の無駄な開発は即刻中止すべきだと強く求めました。

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段原西部区画整理事業
幹線道路をつくり土地評価額を引き上げておいて
住民の負担増「いくらかわからない」


住民の納得できる方策の研究を
 中森議員は、坪100万円の清算金を発表して以降の審議会の内容を確認し、地区内の市の所有土地の活用方法と、土地評価額について質問しました。
 市は、「従前の土地が計12694u、換地が計5665uで、これらは、東部地区の仮設住宅の用地としての活用を考えている。実際の土地評価額は不明だが、換地計画上の評価額は約13億3千万円余り」と答えました。

土地評価額が上がり固定資産税も高く
 換地先に住むことになる住民は土地評価額が大幅に上がり、それに応じた高い固定資産税を払うことになります。
 同議員は、固定資産税が、従前に比べてどのくらい増えたのかと聞きましたが、市は、「公共事業に着手した昭和58年以前の資料がないので、区画整理前後の固定資産税がどれだけ増えたかは比較できない」と納得できない答弁でした。

市は「できるだけ早い時期に解決したい」と言うが・・・
 現在、市が住民に説明した清算金額と、実際の金額との差が埋まることがないままこう着状態が続いていることについて、市は、「できるだけ早い時期に解決に向けての方向性を固め、審議会をはじめ、関係権利者に説明をしたい」と述べました。
 市は、道路の用地取得費を負担することなく幹線道路をつくり、人工的に土地評価額を引き上げることによって税収を増やしています。
 同議員は、本来、幹線道路をつくるには巨額の税金が必要であったわけで、固定資産税の増収の問題も含めて、市民が納得できる方策を研究するよう要望しました。

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国施工道路整備事業負担金の見直しを

 道路整備費がほぼ半減しているなか、国施工道路整備事業負担金だけは、毎年100億円前後で推移し、「聖域」となっています。中森議員は、「厳しい財政状況から聖域扱いすべきでない」と、国に見直しを要請することを求めました。

<国施工道路整備事業負担金の財源>
 改築・修繕などは約40%の起債(借金)、電線共同溝は75%の起債でその他は市の一般財源から支出されます。国の二次補正(途中の補正予算)の場合は100%起債です。

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道路の安全確保 補修予算確保とパトロール強化を

 市の道路管理瑕疵(かし)による損害賠償請求件数は、他の政令市と比べかなり多くなっています。中森議員は、市民の生命にも関わることから、補修予算の確保とパトロール体制の強化を求めました。

<現在のパトロール体制>
  平日午前9時〜午後4時 市内を4台(2人乗車)の車で巡回
  夜間・休日は随時緊急パトロール
<昨年度1年間に道路パトロールで発見された問題箇所>
  約4300件
<市民からの通報によるもの>
  約3万件
<市の道路管理瑕疵(かし)による損害賠償請求件数>
  1999年30件  2000年36件  2001年32件

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ガードレール設置と大型車通行規制を
太田川堤防道路 乗用車転落死亡事故


 太田川堤防道路での乗用車転落死亡事故が相次いでいます。この道路は片側1車線で道幅も狭く、ガードレールがない(一部を除く)にもかかわらず、バイク、自転車のすぐ脇を大型車が通る危険な道路となっています。
 中森議員は、大型車の通行規制とガードレールの設置を要望しました。市は、「ガードレール設置については国と協議中」と答えました。

相次ぐ堤防道路からの乗用車転落死亡事故
 太田川の旭橋−庚午橋間のほぼ同じ場所で2件の死亡事故が発生(9月16日と11月1日)。いずれも早朝におきています。過去5年間では同様の事故は発生していません。

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市営住宅 相変わらず高い応募倍率
空家を効率よく回転させるために補修費の増額を


 市営住宅は、定期募集311戸に対し、応募倍率が21・2倍と高く、以前は応募すればすぐ入居できた常時公募もなかなか入れません。
 中森議員は、空家を効率よく回転させていくために補修費の増額を求めました。また、戸数確保のために、これまでも繰り返し要望してきた「民間住宅の借り上げ方式」の検討を再度求めました。

<市営住宅空家戸数>
  平成13年4月現在 475戸
  平成14年4月現在 695戸
   年間の募集戸数は455戸(うち新規建設分は48戸)
<この5年間の市営住宅補修費>
  9年度 15億2500万円
  10年度 17億2600万円
  11年度 20億1500万円
  12年度 17億2600万円
  13年度 15億5700万円
  *11年度をピークに補修予算は縮小傾向にあります。

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