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2016年6月16日 本会議 議案討論 近松さと子議員 |
第84号議案 広島市市営住宅等条例の一部を改正する条例 第85号議案 地方独立行政法人広島市立病院機構中期計画の変更にかかる認可について 第88号議案 契約の締結について 第90号議案 専決処分の承認について |
日本共産党近松里子です。市会議員団を代表して平成28年度第2回広島市議会定例会に提出された議案に対する討論を行います。 反対する議案は、第84号議案 第85号議案、第88号議案、第90号議案の4つです。第81号議案平成28年度広島市一般会計補正予算とその他残りの議案は賛成です。 反対する理由を以下述べます。 まず、第84号議案 広島市市営住宅等条例の一部を改正する条例についてです。 これは、西白島の市有地とその上に建つ西白島市営店舗、UR住宅を隣接する民間業者に売却する計画によるものです。市営店舗使用者が、店舗の用途廃止と民間業者への譲渡に対して同意し、西白島市営店舗の用途廃止の議案が提案されました。 この間、民間業者への売却を前提にその業者が立ち退き交渉にあたりました。健康上の理由もあり、同意されましたが、自分が契約をしているのは市だ、なぜ、民間業者が同意書に判をつけと迫るのか」「市は無責任だ」と異議を唱えてこられました。 そもそも、行政財産である市営店舗を売却することはできません。用途廃止をして普通財産に変えてはじめて売却の対象になるものです。ところが、すでに、市は民間業者に仮とはいえ土地建物売払決定通知をだしています。その上に、店舗使用者に行政財産の用途廃止についての同意をえるための交渉を民間業者に委ねました。行政財産や普通財産の扱いをさだめた地方行政法上問題です。 このような行政財産の売却をかってにすすめ、その民間業者に地上げをさせる市営店舗の用途廃止の条例改正は、認められません。 なお、売却予定の市有地の上に立つ UR住宅には、5月20日時点で93戸のうち34戸の退去先が決まっていません。市は、5月に38戸の基町市営住宅の募集を行いました。UR入居者も申し込んでほしいといいますが、優先ではなく、あくまでくじびきによる抽選です。 退去の期限は、今年の12月とされて残すところ半年に迫り、一人暮らしで高齢の入居者がとり残され、途方に暮れています。市もUR機構と一緒になって、最後の一人まで親身になって転居先を確保することを強くもとめます。 次に、第85号議案、地方独立法人広島市立病院機構中期計画の変更に係る認可についてです。紹介状なしで市立病院を受診した際の加算料金を大幅に値上げする変更が提案されています。 この4月から紹介状を持たず、市立病院を受診した場合に、患者負担が初診時3倍以上の5400円、再診時はあらたに2700円と大幅に増やそうというものです。安易な受診を抑えて大病院が重症患者の治療に専念できるようにするためとか診療所との役割分担を図ることが目的だといわれています。 これまでも、大病院を受診した紹介状のない患者は、加算料金を支払っていました。県内では、2600円から5000円の加算料を設定していましたが、市立病院は、初診時1610円、再診時ゼロという低い金額でした。 そういう中で、現在、市立病院を受診した初診患者のうち、紹介状を持たない人は、10〜16%にすぎません。市も認めているように、すでに、「市立病院は紹介状がなければ、かかれない」ということが浸透しているということではないでしょうか。病院間の役割分担は、社会的な啓発によって、市民に理解を求めて対応するべきです。 こういう中で、心配されるのは、いくつも病院を回らないと診断がつかない難病患者さんのことです。原因がわからず、何か所も大病院をまわってきた体験を重ねてきた難病の患者団体からは、「経済的負担をさらに重くし、患者の受診機会を奪うもの」との声が出されています。今回の大幅な加算料金の追加負担は、病気の早期発見・治療を妨げることになります。誰でもどこでも医療機関にかかれるという患者のフリーアクセス権を侵害するといわざるを得ません。よって、反対します。 次に第88号議案 契約の締結についてです。 今回、工事契約を進めようとしている温品二葉の里線矢賀高架橋の新設工事は、広島高速道路公社がすすめる高速5号線の関連公共工事です。実際は、高速5号線の道路の一部ですが、総額1124億円の事業費のうち、市が公共事業部分として175億円をだし、100%税金で建設するものです。高速道路の建設費は、通行料金収入であてられますが、建設費に見合う通行量が見込めないために、公共が丸抱えで肩代わりをします。 高速5号線事業は、住民が反対し、必要性も採算性もない無駄な公共事業の典型です。この事業の関連する工事の契約は、とうてい容認できません。 次に、第90号議案先決処分の承認についてです。 広島市の市税条例の一部を改正して、国がすすめる地方創生応援税制、いわゆる企業版ふるさと納税の創設をおこなったものです。 これは、広島市に立地している企業が、他都市の地方創生事業に共感して寄付金を出したら、広島市の市税が減額になるという仕組みです。他都市への寄付金による損金算入と税額控除は、企業が立地している広島市においてなされるので、本市の税収が減ることになります。 そもそも、企業は、立地している自治体に税金を払うのが原則です。そこで公共サービスを通して便益を受けているのですから当然です。このあたらしい税制は、地方税の応益課税の原則に反し、税制の基本をゆがめる点が大きな問題です。 また、個人版のふるさと納税には、返礼品があります。同じように、企業版でも自治体からの見返りをもとめ、自治体と企業の癒着を招いてしまうのではないかという懸念も指摘されています。さらに、寄付の対象となる「地方創生事業」は、国が指定するとしています。自治体の事業が国の特定政策への誘導に利用されるという点でも問題であり、よって承認できません。 最後に、補正予算の平和記念資料館再整備事業について一言申し上げます。本館下の発掘調査の費用は、全額国費で賄われてきましたが、急きょ中央や西側部分も調査を行うことになり、一般財源を充てるというものです。これまで通り、国費を充てるよう国に働きかけることをもとめておきます。 以上で討論を終わります。 上にもどる |
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