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2016年12月9日 本会議 一般質問 藤井とし子議員 |
1、平和都市ひろしまの役割について @核兵器廃絶に向けて A米軍岩国基地の再編強化について 2、伊方原発再稼働について 3、介護保険総合事業について 4、高齢者公共交通機関利用助成制度について 5、ボランティア活動等ポイント制導入について 6、学校給食について @学校給食費の助成について A中学校のデリバリー給食について 7、二葉山トンネルの安全性について 再質問 |
●平和都市ひろしまの役割について ・核兵器廃絶に向けて (藤井とし子議員) 核兵器廃絶と恒久平和の実現に取り組むことは平和都市ひろしまの使命です。核兵器廃絶について、国際情勢が画期的な動きになっています。 今年の10月27日、国連の第一委員会で、核兵器禁止条約の締結交渉を来年開始する決議案が賛成123か国という圧倒的多数で採択され、核兵器禁止条約の交渉が、国連で開始されることが確実となりました。ところが極めて残念なことに、我が国政府はアメリカ政府の意を受けて決議案に反対の態度をとりました。これは、日本と広島・長崎の被爆者をはじめとする方々の、長年にわたる核兵器廃絶の運動と、その結果としての世界の世論を、被爆国政府として裏切るものです。安倍政権と、とりわけ被爆地広島選出の岸田外務大臣の責任は重大であると言わねばなりません。 核兵器禁止条約に、仮に、核兵器保有国が参加しなかったとしても、国連加盟国の多数が参加して条約が締結されれば、核兵器は人類史上初めて違法な兵器となります。核兵器はもっとも残虐で非人道的な兵器ですが、これまで「違法」ではありませんでした。そのために、持っても違法ではなく、アメリカのように、いざとなれば先に使うぞと脅しても違法ではないと言える兵器となっています。ヒロシマは、核兵器は「絶対悪」だと非難してきましたが、核兵器禁止条約の発効によって、名実ともに「絶対悪」となり、持つこと自体が違法になります。核兵器保有国が当面、核兵器禁止条約に参加しなければ法的拘束は受けなくても、政治的、道義的拘束を受けます。世界は、核兵器廃絶に向けて新しい段階に入ることになります。 いま、その実現に向けて、「ヒロシマ・ナガサキの被爆者が訴える核兵器廃絶国際署名」が取り組まれています。この署名を、来年の国連に提出し、条約交渉を、大きな世論で後押ししようという取り組みです。広島市長が会長である平和首長会議で、採択された文書の中に、この被爆者署名に賛同・協力することが含まれています。 いま進もうとしている、核兵器廃絶に向けた画期的な流れを力強く、後押しするために、被爆都市ひろしまの使命として、この署名が大きく成功するよう、広島市の力が求められています。広島市議会では超党派の核兵器廃絶議員連盟ができました。核兵器廃絶は広島市民の願いであり、あれこれの政治的思想は関係ないと考えます。広島市民あげて取り組むものとして、市長が音頭を取られて、この署名に力を入れるべきと考えます。どのように協力していくのか。市長の決意を伺います。 (市民局長) 「ヒロシマ・ナガサキの被爆者が訴える核兵器廃絶国際署名(ヒバクシャ国際署名)」については、本年11月7日・8日に千葉県佐倉市で開催した第6回平和首長会議国内加盟都市会議総会において、賛同・協力するという決議を行いました。協力内容としては、平和首長会議で平成22年から取り組んでいる「核兵器禁止条約」の交渉開始等を求める市民署名活動で集めた署名とヒバクシャ国際署名を共に、国連に提出することとしています。 本市としても、現在、ヒバクシャ国際署名の事務局である日本原水爆被害者団体協議会などと協議を行っているところです。具体的には、アピールポスターやパンフレット、ウェブサイトへ市長の賛同メッセージ等を掲載するなど、同署名を広くPRする方向で準備を進めています。 上にもどる ・米軍岩国基地の再編強化について (藤井とし子議員) もう一つの問題は、この広島市から約40キロ、岩国米軍基地の再編強化の動きが強まっていることです。 2017年に在日米軍の再編で、岩国基地に神奈川県厚木基地から米軍の戦闘機FA−18スーパーホーネットなど空母艦載機部隊59機が移駐してくることになっています。また、それとは別に最新鋭のステルス戦闘機F−35B16機と、海軍用のオスプレの配備も予定されています。すでに一昨年までに、普天間飛行場から空中給油機KC−130が15機移駐しており、岩国基地は、全体で約130機が配備され、加えて米兵とその家族1万人を受け入れるアジア最大級の出撃基地にされようとしています。米軍の戦闘機F−35Bは垂直離着陸が可能で、佐世保を母港とする強襲揚陸艦に搭載することができます。海兵隊そのものが他国への侵入を任務とする軍隊であり、艦載機部隊が所属する空母打撃群にしろ、強襲揚陸艦部隊にしろ、いずれもアジア諸国や中東諸国に出かけて行って戦争を遂行する部隊です。決して日本の国土を守るための軍隊ではなく、むしろ岩国基地の強化はアジア地域の緊張を高めるだけです。つい一昨日も高知県沖への米軍FA-18戦闘機の墜落事故が起きました。こうした墜落の危険や犯罪の増加など市民の安全がますます脅かされます。 被爆地であり平和都市であるヒロシマのすぐ近くの岩国基地の大規模な再編強化がなされることに、強い関心を持たないわけにはいきません。そこに所属する軍用機が他国で戦争を遂行する訓練のために広島市上空を通ることも容認できないと考えます。 岩国基地のジェット戦闘機などは、岩国基地を離陸後、広島市や県西部地区を通過して県北地域や島根県南部地域で超低空飛行訓練を繰り返し、地元住民に深刻な被害を及ぼし続けています。 今年6月の衆議院外交防衛委員会では、昨年3月に広島県内で超低空飛行訓練をして重大な被害を及ぼした岩国基地所属の米軍機FA−18について、これは証拠写真もありますが、政府は、ついに米軍機だと認めることができませんでした。それは、米軍当局が米軍機ではないと否定したからです。米軍が白だと言ったら、本当は黒であっても我が国政府は白だと言わざるを得ない。我が国政府が、いかにアメリカ政府に従属した立場になっているか、象徴する出来事でした。 F−35BもFA−18も核爆弾が搭載可能であり、将来、核攻撃の任務を負うことも否定できません。広島のまじかに、外国との戦争を任務とするアジア最大級の基地ができることを平和都市ひろしまが容認していいのか問われます。恒久平和を掲げる広島市長として、岩国基地の再編強化について、抗議と反対の声を上げていただきたいと考えます。お答えください。 (市民局長) 本市としては、我が国と米国の安全保障上の問題は、基本的には、国家間の問題として、国民世論を踏まえ、国政の場で議論されるべきものと考えていますが、今後、岩国基地の増強に伴い、米軍機による騒音問題や事件・事故の発生など、市民生活に影響を及ぼすような事態が想定されれば、市民の安全・安心を守る立場から、国に対し適切な対応を求めたいと考えています。 上にもどる ●伊方原発再稼働について (藤井とし子議員) 2013年9月から2015年8月までの約2年間「稼働原発ゼロ」の体験を通じて、日本社会は原発なしでもやっていけることが国民的認識となっているにもかかわらず、安倍政権は、原発を「重要なベースロード電源」として、将来にわたって推進することを決め、原発再稼働への暴走を続けています。川内原発に続いて,再稼働した高浜原発が裁判所の決定で停止したにもかかわらず、8月に伊方原発3号機の再稼働を強行しました。原子力規制委員会は「世界で最も厳しい基準」で合格したものを再稼働するとしていますが、これこそ最悪の「安全神話」の復活です。東日本大震災では、福島第1原発の4基が地震と津波で破壊されました。地震から、原発事故を防ぐまともな基準はありません。世界有数の火山と地震大国である日本で原発を稼働すれば、大きな事故が起きかねないことは十分予測できることです。 伊方原発については、9月に日本地質学会で広島大学大学院理学研究科・地球惑星システム学科の早坂康隆氏は伊方原発から600mの位置に活断層があるとの学術的知見を初めて発表されました。4月以来の熊本や大分を中心とした連続的な地震で、「南海トラフ」の活動が活発化する恐れもあるなか、伊方原発の真下に活断層があるという専門家の調査は、伊方原発が最悪の事態を生む危険性を告発しています。 しかも伊方原発はウランを燃料にする通常の原発と異なり、使用済み核燃料から取り出したプルトニウムをウランと混ぜて燃やすMOX燃料を使用するプルサーマルの原発です。プルトニウムはコントロール困難であるとともに過酷事故の際、ウランの約1万倍の中性子を放出する猛毒であり、西日本全体が核汚染される危険が指摘されています。使用済みMOX燃料の処理方法は何一つ決まっておらず、それを増やし続けるのは無責任というほかありません。巨大地震がくれば、瀬戸内海が死の海になりかねません。放射性物質の拡散により原発から約100kmにある広島市も飯館村のようなホットスポットになる可能性もあり、広島市民への被害も想定しておくことが必要です。改めてお聞きします。 伊方原発の再稼働により市民への危険性が高まると考えますが、万が一、伊方原発で事故が発生した場合の被害想定とその対応、及び避難計画を策定しておくべきではありませんか。答弁求めます。 (危機管理担当局長) 原発事故の対策については、防災基本計画及び原子力災害対策指針に基づき、事故発生時に影響の及ぶ可能性がある原子力災害対策重点区域含む自治体が情報の収集や伝達、避難などの対策を地域防災計画で定めるよう、原子力災害対策特別措置法及び災害対策基本法で規定されています。 この原子力災害対策重点区域は、福島第一原子力発電所の事故やIAEA(国際原子力機関)の国際基準を踏まえ、原子力規制委員会が平成24年10月に策定した原子力災害対策指針で、原子力施設からおおむね30キロメートルを目安に設定することになっています。 本市は、伊方原子力発電所から約100キロメートル離れており、原子力災害対策重点区域に該当しないことから、これらの対策について定める必要はないものと考えています。 (藤井とし子議員) 11月22日に発生した福島県沖地震では福島原子力発電所に貯蔵されている使用済み核燃料の冷却装置が停止するなどの事態も発生しました。福島第1原発事故から6年近くが経過しましたが、8万6千人が、いまも、県外で避難生活を続けています。凍土壁は凍らず、放射能汚染水は増加し続け、とけ落ちた核燃料の状態さえわからず「収束」とはほど遠い状態です。福島原発事故は、原発が未完成の技術であること、事故が起きればコントロールできない異質の危険があることを証明しました。それだけでなく、政府が高速増殖炉「もんじゅ」の廃炉に追い込まれていることに示されているように、使用済み核燃料の処理方針も破たんしています。原発を再稼働すれば、計算上わずか6年で、全ての原発の使用済み核燃料の貯蔵プールは満杯となりあふれ出します。「核のゴミ」の処理方法もないのに原発を再稼働する路線は破たんしています。事故の後始末の費用、廃炉の費用、「核のゴミ」の対策の費用など国民に巨大な経済負担を、累積的、半永久的に強要し、子々孫々に押し付けるものです。 このような状況を踏まえ、改めて市長の原発再稼働に対する認識をお尋ねします。核のゴミ処理技術もない破たんした原発再稼働路線はきっぱり中止し、自然エネルギーに転換し「原発ゼロの日本」へと本格的に踏み出すよう安倍政権に求める考えはありませんか。お答えください。 (環境局長) 原発を含むエネルギー政策については、国民経済や国民生活全般に重大な影響を及ぼすものであることから、国がその責任において決定すべきものと考えています。 また、原発の再稼働については、原発が立地している自治体を含む関係当事者が、原子力規制委員会の新規制基準に適合していることを前提として、再稼働について判断されるものであると認識しています。 本市としては、国には、再生可能エネルギー等の最大限の導入を進めるなど、国民の暮らしと安全を最優先にした責任あるエネルギー政策を進めていただきたいと考えており、引き続き、様々な機会を捉えて、国に対し意見や要望をしていきたいと考えています。 上にもどる ●介護保険総合事業について (藤井とし子議員) 広島市を含めて、全国の市町村が介護保険の新総合事業、「介護予防・日常生活支援総合事業」を開始します。いま介護保険の訪問介護と通所介護を利用している要支援の方には、来年からは、主に、現行相当サービス、ホームヘルパーなどの資格が必ずしも問われない緩和型サービス、地域の住民団体などに依拠する有償ボランティアによるサービスの3類型が実施されます。 緩和型サービスは、単価が低くなるので指定を受けない事業所が続出すると考えられますし、現状でもギリギリの経営なので、倒産するところも出るのではないかと懸念されています。また、「ボランティアはあくまで自主的なもので、自分たちの都合に合わせて行われているので、行政が枠をはめて補助する事業として実施するのは簡単には進まないのでは」「これでは、利用者の日常生活を支えられないのではないか」「かえって重度化するのではないか」と多くの懸念する声が上がっています。 そこで伺いますが、現行相当一本で実施した場合、市が考えている総合事業の場合より、どれだけ費用が増えるのでしょうか。 (健康福祉局長) 要支援者が利用する総合事業の訪問型と通所型サービスのうち、新たに導入する基準緩和が他や住民主体型サービスの利用料を現時点で見込むことは困難なため、来年度は、現行相当サービス一本で実施した場合と同額の事業費となります。 (藤井とし子議員) また、私たちは、現行相当一本でいくべきだと考えます。実際にそうした方針を決めたところも出てきていますが、現行相当一本で実施することについて、何か障害があるのでしょうか。明確な答弁を求めます。 (健康福祉局長) 総合事業の訪問型と通所型のサービスを現行相当サービスのみで実施する場合には、要支援者等の状況に応じて新たに提供する予定としている生活支援や生活機能向上のための多様なサービスが提供できなくなります。 また、総合事業の担い手として住民等の参入が見込めなくなることから、要支援・要介護者が今後一層増加していく中で、中重度の方の身体介護など、より専門的な支援が求められるケースへの介護人材の重点配分が困難になるものと考えられます。 上にもどる ●高齢者公共交通機関利用助成制度について (藤井とし子議員) 高齢者公共交通機関利用助成制度は年間8640円から6000円に減額されたとはいえ、長年にわたって、高齢者の様々な外出支援に役立ってきたものであり、高齢者にとって最も継続を望まれている事業です。政令市の名古屋市はじめ、現在、14の政令市が何らかの交通利用助成に取り組み、自己負担の多少はありますが、ほとんどが敬老パスとして位置づけ継続しています。名古屋市では制度実施の効果調査を行い、経済波及効果など、若い世代も制度を評価する意見も踏まえて継続を決めております。 ところが、広島市は、事務事業見直しで、3年後には完全廃止をして、ボランティア活動や健康づくり活動などに参加の実績に即して支援する新たなポイント制補助を導入し、助成の年額上限を1万円に設定するという趣旨もやり方も、まったく違う制度に変えようとしています。 見直し案の一番の問題は、ボランティアや健康づくり活動に参加したくても出来ない高齢者が実質、助成の対象から切り捨てられます。これまで、タクシーチケット等で何とか通院や買い物に利用していた人も対象外となります。地域からは「ボランティアの人と月1回の福祉タクシーを使っての外出が唯一の楽しみにしているのにもう使えないのか」など怒りの声も上がっています。この制度の廃止で実際に、生きがいが奪われる高齢者がいる事実をどう受け止められてるのかお答えください。 市はこの制度を廃止する理由として、「社会参加を促すという目的のために使われていない。買物や通院は社会参加ではない」と答弁しています。高齢者の暮らしの実態からみれば、通院や買い物そのものも、立派な社会参加であり、そのこと自体が高齢者の生きがいにもなっています。そもそもこの制度は、家に閉じこもりがちな、高齢者に交通機関を利用して外出するきっかけづくりとし、社会参加をうながし、生きがいづくりに資することが目的であったはずです。車を運転できない高齢者の移動手段は、公共交通しかありません。市の考え方は、高齢者の多くは定期的に通院や買い物で健康を維持しつつ地域で何とか暮らしているという実態を無視したものと言わざるを得ません。 そこで伺います。 平成28年度で現在14万人が利用し、6億3千万円の事業費となっていますが、新制度に移行させて、何人の高齢者が利用すると見込まれていますか。事務的経費も併せて予算をいくら見込まれるのか、お答えください。 (健康福祉局長) 新たなポイント制度では利用人数の見込みやそれに伴う助成金の予算額は現時点では未定ですが、助成の年額上限を現行の6千円から1万円に引き上げることから、助成総額が増えることは考えられます。 なお、高齢者への助成金に関しては、最初のポイント獲得期間を平成29年9月1日から平成30年8月31日までと設定し、その後にまとめて支払処理することになるため、平成30年度当初予算からの計上となります。 その他の経費に関しては、現在の予算編成において内容を検討中ですが、ポイントカードや押印用のスタンプの作成経費、各種問い合わせ等に対応するためのコールセンターの設置費用、情報管理に必要となるシステム設置費用などの経費を平成29年度当初予算に計上したいと考えています。 (藤井とし子議員) 現行の公共交通機関利用助成制度を、敬老パスとして位置づけ、高齢者が地域で自由な社会参加を応援する趣旨を生かした制度として継続すべきと考えますがどうされますか。答弁を求めます。 (市長) 本事業は、高齢者の社会参加への意欲を具体的な活動に結び付ける上でのきっかけを作り、高齢者の社会参加を促進するとともに、高齢者の生きがいづくりを推進することを目的として、平成5年度に事業開始したものであります。 これまでその目的に沿って一定の効果を上げてきているところでありますが、対象となる高齢者に公共交通期間の利用券等を一律に支給するという方法を採用しているために本制度の本来の目的に沿った利用がなされているかどうかを検証することができないままの運用が続いている状況にあります。 こうした中、本市の現状を見ますと、少子高齢化の進展や人口減少社会の到来といった社会構造の変容等に対応し、地域福祉の再構築に取り組むべき時期を迎えております。そのためには、それぞれに異なる地域の実情に応じて、「自助」「共助」「公助」を適切に組み合わせながら、地域ごとの包括的な支援体制を充実していくことで、持続的に展開される地域福祉を構築していく必要があると考えております。 こうした認識に立つならば、本事業の高齢者の社会参加を促進するという本来の目的を変更し、事業の継続を図るといった安易な方法に帰るのではなく、むしろその目的を生かしながら、より的確かつ効果的な事業の実施手法を見出すことこそ重要であると判断し、高齢者自らが積極的に地域の活動に参加していただける制度への意向を図ろうとするものであります。 新たに導入するポイント制補助は、高齢者の皆さんに、地域のボランティア活動や介護予防・健康増進に資する活動への参加を促すため、より直接的なインセンティブになるものであり、積極的に参加していただければ今より一層充実した支援を受けていただけるようになると考えております。 ご質問にありました通院や買い物などで費用助成を受けている方については、地域の活動等への参加があれば、助成の対象になっているため、生きがいが奪われるとのご指摘は当たらないのではないかと考えております。 また、今回の取組は、町内会や老人クラブ、女性会といった地域団体の活動の活性化や充実、ひいては地域コミュニティの再生にもつながっていくものと考えております。 なお、制度の意向は、段階を追って、着実かつ円滑に進めていく必要があると考えており、既存の交通費助成制度からの移行期間については、ポイント制導入後の実施状況を見ながら、適宜、必要な検討を行いつつ、柔軟に設定してまいりたいと考えております。 上にもどる ●ボランティア活動等ポイント制導入について (藤井とし子議員) 今回、高齢者公共交通機関利用助成制度を廃止して、ボランティア活動等のポイント制導入を提案されていますが、要するに、ボランテア活動すれば、1回につき400円お金を上げますよというものです。そもそも、ボランティアとは自発的な善意に基づく無償の活動であり、見返りを求めてするものではありません。この制度によってボランティア精神が歪められる心配があります。また、ボランティア活動も自分の健康のための活動も一緒にしてのポイント制は市民の中に混乱を持ち込むだけだと思います。 今後、スタンプ管理者を無数に拡大したいとしていますが、スタンプが適正公正な運用がされているかどうか誰がどうやってチェックするのかお答えください。 また、ボランティア活動や健康づくり活動参加への報奨的なポイント制度導入は様々な問題が予想されます。このポイント制導入については来年9月実施を提案されていますが、新たな制度の導入については、もっと時間をかけて検討すべきと思いますが、どうされるかお答えください。 (健康福祉局長) スタンプ押印を担っていただく団体には、スタンプ押印の趣旨を理解し、適切な使用等に努めることに同意して市に団体登録していただくとともに、団体名や活動内容は公表したいと考えています。また、市が配布するスタンプに通し番号を採番し、どの団体に配ったスタンプであるかを市の台帳上で管理・把握してまいります。 そのうえで、事業開始後には、団体の活動や高齢者の参加状況について抽出調査などを実施することも検討してまいります。 次に導入時期についてですが、高齢社会の急速な進展に伴い、本誌における地域福祉を再構築するためにも高齢者の社会参加を促進していく重要性は増していることから、早期の制度導入が必要であり、来年度から開始したいと考えております。 そのうえで、ポイント制度の定着に関しては、市議会からいただいたご意見等も踏まえて、移行期間中において、必要に応じて、一層市民に馴染むものとなるよう工夫等を加えてまいります。 上にもどる ●学校給食について ・学校給食費の助成について (藤井とし子議員) 学校給食は、子どもの健康や成長に、直接かかわる「食」を担う大切な教育の一環です。「親が病気のために食事の用意が出来なくて、まともな食事は給食だけ」「毎日コンビニ弁当」「「1日の食事が給食だけの生徒もいる」こうした学校現場からの報告にもあるように、子どもの貧困問題が日本全体の大きな課題となるなか、改めて学校給食の役割は大きくなっています。文科省の調査では、2014年度の学校給食の平均月額は、小学校4千266円、中学校で4千882円となっています。子ども一人、年額では5万から6万円の負担となり、勤労世帯の実質賃金が5年連続低下する中で、家計にとっては大きな負担となっています。こうした中、保護者の給食費を補助する自治体数は2015年の調査によると、回答のあった全国の自治体1312中、全額補助する自治体が5年前より4倍の45自治体に増え、半額以上の補助を実施する自治体は、199市区町村になっています。こうした傾向は、子どもの貧困が深刻化している中、自治体として補助を考えざるを得ない状況になってきていることを表しています。 本来憲法第26条で、義務教育は無償にすると規定し、学校給食法は、学校給食が教育の一環であるとしています。広島市はこれまで、食材費は保護者負担だからと助成の検討さえしてきませんでした。福島県議会で県教育長が「給食費無料化は学校設置者の判断による」もので、「学校給食法上問題ない」と議会でも答弁しています。 そこでお聞きします。 広島市としても、保護者負担の軽減に取り組むべきと考えますが、そのお考えはありま せんか。お答えください。 (教育長) 憲法26条の「義務教育は、これを無償とする」については、判例で授業料を意味するものとされており、また、学校給食法第11条では、学校給食の食材、いわゆる学校給食費については保護者の負担とされています。 本市では、保護者負担の軽減を図るため、食材の一括購入により安全でおいしい良質な食材の安価な調達に努め、給食費の負担が困難な児童生徒の保護者については、就学援助支援制度により食材費を無償とする措置を講じており、現状ではこれ以上の負担軽減策は考えておりません。 上にもどる ・中学校のデリバリー給食について (藤井とし子議員) 広島市では20数年前に、すべての中学校に安全で温かい給食を求める保護者の運動もあり、やっと実現したのが現在のデリバリー給食です。しかしその申し込み状況は年々減少し、27年度には、一番低い学校は14、0%、平均でも43,7%、43校中27の学校で給食申し込み者が半数以下という状況です。申し込みをしていない生徒は、家庭からの弁当か、中には、コンビニ弁当や菓子パンだけで済ます生徒もいると言います。これだけの申し込み率の低さ、しかも食べているものもバラバラでは、給食を使った食教育は難しいと思います。各学校が行う保護者試食会では、保護者の大半は「デリバリー給食はおいしい」「献立が工夫されている」「栄養バランスがとれており、子どもに食べさせたい」という意見が多いのに、子どもが希望しないことも多いようです。学校給食を生きた教材として食育を行い、また成長期の子ども達の健康の保持増進を図っていくため、給食の全員喫食にすることについて、検討していくべきと考えます。 現在、全員喫食の自校給食とセンター給食については、アレルギー対応を実施されていますが、デリバリー給食では未実施です。安全・安心な給食の提供の観点から、また喫食率の向上の観点から、アレルギー対応は必要不可欠だと思います。今後、デリバリー給食においてもアレルギー対応を実施すべきと考えますが、市のお考えをお聞かせください。 (教育長) 中学校でのデリバリー給食は、調理委託業者の調理施設整備や調理体制の確保等の面から対応尾が困難であるため、現時点では、アレルギー除去食は提供していませんが、年々アレルギー疾患を持つ生徒が増加している状況を踏まえると、すでに除去食を提供している自校給食やセンター給食と同様の対応を、今後、検討していく必要があると考えています。 上にもどる ●二葉山トンネルの安全性について (藤井とし子議員) 今年に入って、二つの大きなトンネル事故が続いています。3月に山陽自動車道の八本松トンネル内で2人が死亡する多重衝突事故が、7月には赤坂トンネル内で、男女4人が重軽傷を負うという事故があったことは皆さんも記憶に新しいと思います。同様の悲惨な事故は全国の高速道路で発生しています。 こうした中で、住民の根強い反対の声を無視し、「工事差し止め裁判」の係争中でありながらも、市は、2年後の二葉山トンネルの掘削工事着工をめざし、粛々とトンネル坑口周辺の道路整備を進めています。このトンネルは事故が多発する可能性の大きい対面通行のトンネルであることを改めて指摘したいと思います。 1999年3月に都市計画決定をした延長約4キロメートルの広島高速5号線は、2005年に採算性の問題から、整備計画を変更し、上下4車線を暫定2車線の対面通行となりました。 しかも、二葉山トンネルは、温品JCTから高速5号線に入り、中山西からトンネルとなり、二葉の里側に出て、二葉の里あけぼの通りに合流する事になるわけですが、中山側からトンネルに入るとトンネル中央辺りまで緩やかな上り坂で、二葉の里側トンネル出口手前で大きくカーブした下り坂になります。しかも出口から120メートル先に料金所という設計です。高速道路の対面通行による交通事故に関して、2015年10月、会計検査院も、対面通行の高速道路は事故の危険性が高い上に、減速による経済的損失が大きいことも指摘し、中央分離帯の整備等を提案しています。 設計段階から事故が多発することが容易に想像できるわけですが、全国でトンネル事故が繰り返されている現況の下で、トンネルの安全対策をどうするのか、焦眉の課題です。お考えをお聞きします。 (道路交通局長) 広島高速5号線トンネルの二葉の里出入り口におけるカーブや下り坂勾配の大きさについては、公安委員会との協議を経て計画したものであり、構造基準を満足しています。また、トンネル内の渋滞状況を事前に知らせる表示板を設置し、渋滞による事故を回避するための対策も行うこととしています。 また、対面通行については、利用者の安全を確保するために、反対車線への車両逸脱を防止するための中央分離帯を設置することについて。公安委員会と協議しています。 加えて、万が一事故が発生した場合に備え、非常用施設については、国の基準等で設置が義務付けられている通報・警報装置や誘導表示板などを配置することとしています。その上で、道路利用者の安全性をより高めるために、基準では義務付けられていませんが、トンネル中央付近に、トンネル外へ出られる避難口を設置することとしています。 (藤井とし子議員) 県、市と公社は、2015年1月、地元説明会で、突然避難口の計画を提起しました。トンネル中央部付近に立坑の避難口をつくり、そのために、トンネル直上の18軒を買収するというのです。「寝耳に水」の住民らは、トンネル建設に反対する住民を丸め込み、住民を分断するために計画されたものだと行政への不信感を一層強めています。 お聞きしますが、二葉山トンネルにおいて設置義務のない避難口の計画は、いつ、だれが決めたのですか。お答えください。 (道路交通局長) このご質問につきましては、昨年の6月議会において、中原議員のご質問に対して、ご答弁しましたが、再度お答えいたします。 高速5号線は、4車線で平成11年に都市計画決定されており、平成12年に公社が行った整備計画変更においては、2本のトンネルを地下で結ぶ連絡坑を設置し、非常時にはもう一方のトンネルに避難できる計画としていました。 しかし、平成17年度の整備計画変更において、対面通行の暫定2車線でトンネル1本の整備とし、この状態が当分の間続くことが見込まれることから、非常時における道路利用者の安全確保を図るため、連絡坑に替えて、現在計画している避難口を公社において、新たに設置することとしたものです。 (藤井とし子議員) 最後に、大規模擁壁の安全対策についてお聞きします。 トンネル直上にあたる牛田東の団地にある大規模擁壁は、トンネル工事によって崩壊する恐れがあるとして、対策が求められています。7月2日、この擁壁から茶色に濁った水が大量に吹き出しました。この地域を長年調査されている地質の専門家によれば、「今年の広島での6月の降水量は、1か月だけでも500ミリを越え、過去47年間で4回あった。しかし、このような異常な出水は、少なくとも過去20年間聞いたことがない」「一気に擁壁が崩壊するパイピング現象が起きやすい状態になっているのではないか」と危惧されています。万が一パイピング現象が起きれば擁壁を崩壊させます。そこでお聞きします。 地元住民から通報を受けた市は、どういった対応をされ、異常な出水の原因は何だったのかお答えください。 (道路交通局長) 本年7月に、地元住民から本市に、「牛田東一丁目と三丁目の境にある擁壁の水抜き管から茶色に濁った水がいつもより多く出ており、擁壁の背後の土砂が流出しているのではないか心配である。」との連絡がありました。 このため、本市において直ちに現地を確認したところ、土砂が流出した形跡は認められませんでした。また、流れ出ている水を採取し、水質検査を行ったところ、鉄分が検出されたことから、濁りの原因はバクテリアの働きにより、水に溶けている鉄が赤褐色の沈殿物となったものであり、土砂ではないことを確認しました。 こうしたことから、流動化した土砂が水とともに噴出するパイピングが生じたものではないと判断し、地元住民の方々に、その旨を説明いたしました。 また、出水の原因については、その後、水抜き管からの出水量が減少し、現在も安定していることから、本年6月下旬の大雨により、一時的に地下水量が増えたことなどにより、出水量が多くなったものと考えています。 (藤井とし子議員) また、今回の出来事で住民の皆さんの不安は大きくなっていますが、この牛田東地区の大規模盛り土団地の耐震対策にかかる第2次調査はいつされるのですか。 以上答弁を求めます。 (指導担当局長) 宅地耐震化推進事業に係る第2次調査については、これまでの調査結果をもとに、牛田東地区を含め、大規模盛土造成地の危険度や想定被害規模から調査の優先順位を付けた年次計画を策定するとともに、事業推進のための制度設計を行ったうえで、着手したいと考えています。 上にもどる 再質問 【核兵器廃絶】 (藤井とし子議員) 核兵器廃絶のことについてですけれども、今禁止条約が本当に国連で大きな動きをしております。そうした中で、来年再来年というのが非常に重要な時期になってくると思います。是非この被爆者の署名も、そして2020で市が進めてきた署名とともに更に一気に進むよう市も協力していただくよう要望しておきます。 【岩国の問題】 (市民局長) 【伊方原発】 【交通利用助成】 (健康福祉局長) 【高速5号線】 【最後に】 |
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